【まとめ】訪問看護の加算・減算一覧|令和6年度改定対応【2026年最新】

訪問看護は、居宅サービスのなかでも加算・減算の数が突出して多いサービスです。基本報酬だけで時間区分が4段階+リハ職の訪問、そこに緊急時・特別管理・ターミナル・専門管理……と積み上がり、さらに要支援になると単位も加算の顔ぶれも変わります。「うちの事業所、取り漏らしていないだろうか」と不安になるのは当然だと思います。
この記事では、指定居宅サービス介護給付費単位数表(平成12年厚生省告示第19号)の「訪問看護費」の条文そのものを軸に、加算・減算を漏れなく一覧化しました。あわせて、要支援の介護予防訪問看護では単位数も加算の種類も違うこと、退院時共同指導加算と初回加算は併算定できないこと、そして令和8年6月1日から訪問看護でも介護職員等処遇改善加算(1.8%)が算定できるようになったことまで扱います。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員で、訪問看護ステーションからの訪問リハにも長く関わってきました。
- 訪問看護の加算・減算の全体像(告示の条文順の一覧表)
- ステーション・病院診療所・定期巡回連携型で異なる基本報酬
- 加算13種類・減算7種類それぞれの単位数と算定の勘どころ
- 退院時共同指導加算600単位と初回加算は併算定できないこと
- 初回加算(Ⅰ)350単位は「退院日に看護師が訪問」した場合に限ること
- リハ職の8単位減算を回避する2つのルート
- 要支援ではターミナルケア加算・看護・介護職員連携強化加算が存在しないこと
- 要支援のリハ職訪問は1日2回超で50%(要介護は90%)と厳しいこと
- 令和8年6月から新設された処遇改善加算(1.8%)の計算の母数
- 各加算の詳細解説記事へのリンク(個別記事の索引として使えます)
ちびウルフ訪問看護の加算、多すぎて全体像がつかめません…。
リハウルフコツは、「毎回の訪問に付く加算」と「1か月に1回付く加算」を分けて覚えることです。夜間early・複数名・地域加算は毎回、緊急時・特別管理・看護体制強化は月1回。この2グループに仕分けるだけで、請求のときの見落としが激減します。
訪問看護の加算・減算一覧【早見表】
まず全体像です。指定居宅サービス介護給付費単位数表「訪問看護費」の条文順に並べました。要介護(訪問看護)と要支援(介護予防訪問看護)で扱いが異なるため、その差も列にしています。
| 項目 | 単位数 | 頻度 | 要支援 |
|---|---|---|---|
| 夜間・早朝加算 | 所定単位数×25/100 | 1回 | ○ |
| 深夜加算 | 所定単位数×50/100 | 1回 | ○ |
| 複数名訪問加算(Ⅰ)30分未満/30分以上 | 254単位/402単位 | 1回 | ○ |
| 複数名訪問加算(Ⅱ)30分未満/30分以上 | 201単位/317単位 | 1回 | ○ |
| 長時間訪問看護加算 | 300単位 | 1回 | ○ |
| 特別地域訪問看護加算 | 所定単位数×15/100 | 1回 | ○ |
| 中山間地域等における小規模事業所加算 | 所定単位数×10/100 | 1回 | ○ |
| 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算 | 所定単位数×5/100 | 1回 | ○ |
| 緊急時訪問看護加算(Ⅰ)ステーション/医療機関 | 600単位/325単位 | 1月 | ○ |
| 緊急時訪問看護加算(Ⅱ)ステーション/医療機関 | 574単位/315単位 | 1月 | ○ |
| 特別管理加算(Ⅰ)/(Ⅱ) | 500単位/250単位 | 1月 | ○ |
| 専門管理加算(イ・ロ) | 250単位 | 1月 | ○ |
| ターミナルケア加算 | 2,500単位 | 死亡月 | × |
| 遠隔死亡診断補助加算 | 150単位 | 死亡月 | × |
| 初回加算(Ⅰ)/(Ⅱ) | 350単位/300単位 | 1月 | ○ |
| 退院時共同指導加算 | 600単位 | 退院につき1回 | ○ |
| 看護・介護職員連携強化加算 | 250単位 | 1月 | × |
| 看護体制強化加算(Ⅰ)/(Ⅱ) | 550単位/200単位 | 1月 | 100単位のみ |
| 口腔連携強化加算 | 50単位 | 月1回 | ○ |
| サービス提供体制強化加算(Ⅰ)/(Ⅱ) | 6単位/3単位 | 1回 | ○ |
| 介護職員等処遇改善加算(令和8年6月〜) | 所定単位数×18/1000 | — | ○ |
| 准看護師による訪問 | 所定単位数×90/100 | 1回 | ○ |
| リハ職が1日3回以上訪問 | 所定単位数×90/100 | 1回 | 50/100 |
| リハ職の訪問回数に係る減算 | −8単位 | 1回 | ○ |
| 同一建物減算(同一敷地内等・20人以上) | 所定単位数×90/100 | 1回 | ○ |
| 同一建物減算(同一敷地内等に50人以上) | 所定単位数×85/100 | 1回 | ○ |
| 高齢者虐待防止措置未実施減算 | 所定単位数×1/100 | — | ○ |
| 業務継続計画未策定減算 | 所定単位数×1/100 | — | ○ |
| リハ職の12月超減算 | −15単位/−5単位 | 1回 | 要支援のみ |
出典:指定居宅サービス介護給付費単位数表 訪問看護費、指定介護予防サービス介護給付費単位数表 介護予防訪問看護費
訪問看護の基本報酬|3つの類型と時間区分
訪問看護費は、事業所の類型によって3つに分かれます。同じ30分未満の訪問でも、ステーションと病院・診療所では単位が違います。
| 時間区分 | ステーション | 病院・診療所 |
|---|---|---|
| 20分未満 | 314単位 | 266単位 |
| 30分未満 | 471単位 | 399単位 |
| 30分以上1時間未満 | 823単位 | 574単位 |
| 1時間以上1時間30分未満 | 1,128単位 | 844単位 |
| PT・OT・STによる訪問(1回20分) | 294単位 | — |
これに加えて、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と連携して訪問看護を行う類型があり、1月につき2,961単位の月額包括報酬です。要介護5の利用者に対しては、さらに月800単位が加算されます。
要支援の介護予防訪問看護は、これより1割ほど低い単位設定です(ステーション30分未満451単位、30分以上1時間未満794単位、リハ職284単位)。詳細な単位表は訪問看護のサービスコード表【令和8年6月版】単位数・加算一覧にまとめています。
訪問看護の加算一覧|13種類の中身と算定の勘どころ
緊急時訪問看護加算(600単位・574単位)
24時間連絡できる体制を整え、計画外の緊急訪問に応じる体制がある場合の月額加算です。令和6年度改定で(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれました。
| 区分 | ステーション | 病院・診療所 | 追加要件 |
|---|---|---|---|
| 緊急時訪問看護加算(Ⅰ) | 600単位 | 325単位 | 緊急時訪問における看護業務の負担軽減に資する体制整備 |
| 緊急時訪問看護加算(Ⅱ) | 574単位 | 315単位 | 従来の要件 |
従来の574単位が(Ⅱ)としてそのまま残り、オンコール担当者の負担軽減の取組を追加した事業所に(Ⅰ)600単位という構造です。差は26単位ですが、この加算は20分未満の訪問看護費や看護・介護職員連携強化加算を算定するための前提条件にもなっているため、届出そのものの重みが大きい加算です。詳細は訪問看護の緊急時訪問看護加算とは?24時間対応体制加算との違いを解説へ。
特別管理加算(500単位・250単位)
特別な管理を必要とする利用者に対する月額加算です。(Ⅰ)500単位と(Ⅱ)250単位があり、対象となる状態は告示で限定列挙されています。両方に該当しても(Ⅰ)のみで、合算はできません。
実務上のポイントは、要支援でも同額の500単位・250単位を算定できることです。介護予防のサービスは単位が下がるのが通例なので、ここは算定漏れが起きやすいところです。訪問看護の特別管理加算とは?対象者・単位数をわかりやすく解説で対象者の一覧を扱っています。
ターミナルケア加算(2,500単位)
訪問看護の加算のなかで最大額です。在宅で死亡した利用者に対して、死亡日および死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを行った場合に、死亡月につき算定します。
ターミナルケア加算は介護予防訪問看護には存在しません。要支援の方を在宅で看取ったケースでは算定できない点に注意してください。詳細は訪問看護のターミナルケア加算とは?単位数・算定要件を解説【令和6年度】で解説しています。
初回加算(Ⅰ)350単位・(Ⅱ)300単位
令和6年度改定で、従来一律300単位だった初回加算が2区分になりました。分岐は「退院・退所した日に訪問したかどうか」です。
| 区分 | 単位数 | 要件 |
|---|---|---|
| 初回加算(Ⅰ) | 350単位/月 | 退院・退所した当日に、看護師が初回訪問 |
| 初回加算(Ⅱ) | 300単位/月 | それ以外(退院日の翌日以降、または退院を伴わない新規) |
(Ⅰ)の要件は通知で明確に絞られています。
(平成12年3月1日老企第36号 第二の4(25)②より引用)
条文は「看護師」です。准看護師やリハビリ職が退院当日に訪問しても(Ⅰ)は算定できません。また、そもそも初回加算は「過去2か月間(暦月)に当該事業所から訪問看護の提供を受けていない場合」に限られます。医療保険の訪問看護もカウントに含まれる点を忘れないでください。詳細は訪問看護の初回加算とは?(Ⅰ)350単位・(Ⅱ)300単位の違いを解説、退院当日の訪問可否そのものは退院日に訪問看護は入れる?医療保険・介護保険と令和6年度改定を解説で扱っています。
退院時共同指導加算(600単位)— 初回加算とは併算定できない
ここが訪問看護でいちばん間違えやすい箇所だと思います。告示に、はっきり書かれています。
(指定居宅サービス介護給付費単位数表 訪問看護費 ホより引用)
退院してきた新規利用者は、初回加算と退院時共同指導加算の両方の要件を同時に満たすことがほとんどです。しかし算定できるのは一方だけ。金額を比べると、
- 退院時共同指導加算:600単位(特別な管理を必要とする利用者なら複数日実施で2回=1,200単位)
- 初回加算(Ⅰ):350単位(退院当日に看護師が訪問した場合)
- 初回加算(Ⅱ):300単位
退院前カンファレンスに参加できたなら、退院時共同指導加算を取るほうが有利です。逆に言えば、カンファレンスへの参加は250単位以上の価値がある、ということでもあります。なお、この加算は初回の訪問看護を実施した日に算定し、前月に退院時共同指導を行っていた場合でも算定できます(通知に明記)。2回算定できる条件や准看護師では算定できないことなど、詳細は訪問看護の退院時共同指導加算とは?600単位・2回算定できる条件を解説で扱っています。
看護体制強化加算(550単位・200単位)
医療ニーズの高い利用者への提供体制を評価する月額加算です。要介護と要支援で金額が大きく違います。
| 区分 | 要介護 | 要支援 |
|---|---|---|
| 看護体制強化加算(Ⅰ) | 550単位 | 100単位(区分なし) |
| 看護体制強化加算(Ⅱ) | 200単位 |
要件となる利用者の割合は、通知で計算方法が示されています。緊急時訪問看護加算を算定した実利用者数/実利用者の総数、および特別管理加算を算定した実利用者数/実利用者の総数を、算定日が属する月の前6か月間で算出します。
4つの要件の詳細と、病院・診療所では看護職員60%の要件が課されないことなどは訪問看護の看護体制強化加算とは?(Ⅰ)550単位・(Ⅱ)200単位の要件を解説で扱っています。
専門管理加算(250単位)
令和6年度改定で新設された月額加算です。イとロの2つのルートがあります。
- イ 250単位:緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア/人工膀胱ケアの専門研修を受けた看護師による計画的な管理。対象は悪性腫瘍の鎮痛療法・化学療法中の方、真皮を越える褥瘡の方、人工肛門・人工膀胱で管理が困難な方に限られます。
- ロ 250単位:特定行為研修を修了した看護師による計画的な管理。医科診療報酬の手順書加算を算定する利用者に対して行った場合に限られます。
要支援でも同額で算定できます。詳細は訪問看護の専門管理加算とは?算定要件をイ・ロで徹底解説【令和6年度】へ。
看護・介護職員連携強化加算(250単位)
喀痰吸引等を行う訪問介護事業所と連携し、計画書・報告書の作成支援や同行訪問、会議への出席を行った場合の月額加算です。緊急時訪問看護加算を届け出ていることが前提となります。介護予防訪問看護にはありません。
通知は、目的をはっきり限定しています。「訪問介護員等のたんの吸引等の技術不足を補うために同行訪問を実施することを目的としたものではない」——研修目的の同行訪問では、この加算はもちろん訪問看護費そのものも算定できません。
複数名訪問加算・長時間訪問看護加算
複数名訪問加算は、看護師等が2人で訪問した場合が(Ⅰ)、看護師等と看護補助者で訪問した場合が(Ⅱ)です。それぞれ30分未満・30分以上で単位が分かれます(254/402単位、201/317単位)。複数名訪問看護加算とは?区分・金額・回数を図解【2024年度改定対応】で詳しく扱っています。
長時間訪問看護加算300単位は、特別な管理を必要とする利用者に対して、1時間以上1時間30分未満の訪問に引き続き訪問を行い、通算1時間30分以上となった場合の加算です。時間区分の最上位(1,128単位)に上乗せする形になります。
夜間・早朝加算(25%)と深夜加算(50%)
夜間(午後6時〜午後10時)と早朝(午前6時〜午前8時)は所定単位数の25%、深夜(午後10時〜午前6時)は50%です。判定はサービス開始時刻で行います。
実務でとくに注意したいのが緊急訪問との関係で、その月の1回目の計画外緊急訪問では、夜間・早朝・深夜加算を算定できません(1月以内の2回目以降なら算定できます)。月額の緊急時訪問看護加算に1回分が織り込まれているという整理です。詳細は訪問看護の夜間・早朝加算、深夜加算とは?25%・50%の算定ルールを解説をご覧ください。なお、訪問リハビリテーションにはこの加算が存在しません。
地域に関する3つの加算・サービス提供体制強化加算・口腔連携強化加算
特別地域訪問看護加算15%、中山間地域等における小規模事業所加算10%、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算5%。前2つは事業所の所在地、最後の1つは利用者の居住地に着目する点は訪問リハビリと同じです。定期巡回連携型(月額包括)については、これらも1月につき計算します。
サービス提供体制強化加算は(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位。ただし定期巡回連携型を算定している場合は(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位と、1月あたりの設定になります。口腔連携強化加算は月1回50単位で、要支援も同額です(口腔連携強化加算の解説はこちら)。
訪問看護の減算一覧|リハ職に関する減算が3つある
准看護師の訪問(90%)
准看護師が訪問看護を行った場合、所定単位数の90%で算定します。定期巡回連携型(月額)の場合は98%です。「減算」という名前は付いていませんが、実質的な減算なので請求時に見落とさないでください。
リハ職に関する3つの減算
訪問看護からのリハビリ提供には、性質の異なる減算が3つ重なります。整理します。
| 減算 | 要介護 | 要支援 | 着目点 |
|---|---|---|---|
| 1日3回以上の訪問 | 90/100 | 50/100 | その日の訪問回数 |
| 訪問回数に係る8単位減算 | −8単位 | −8単位 | 前年度のリハ職と看護職員の訪問回数の比較 |
| 12月超減算 | なし | −15単位/−5単位 | リハ職による訪問の利用開始からの月数 |
1つ目の差が大きいところです。1日3回以上リハ職が訪問した場合、要介護は90%ですが要支援は50%。半減します。通知は、連続して3回行った場合だけでなく「午前中に2回、午後に1回」でも同様と明記しています。
2つ目の8単位減算は、要件が2段構えになっています。
(老企第36号 第二の4(4)⑧より引用)
つまり減算を回避するには2つの条件を両方クリアする必要があるということです。
- 条件1:前年度(4月〜3月)の看護職員の訪問回数が、リハ職の訪問回数以上であること
- 条件2:前6か月間に、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれかを算定していること
リハ職中心のステーションでは、条件1のクリアが構造的に難しいケースがあります。その場合は年度単位で訪問回数の比率を管理する必要があります。詳細は訪問看護のリハビリ減算をわかりやすく解説【令和6年度介護報酬改定】と訪問看護における理学療法士の役割8つ|看護師との連携と減算も解説をご覧ください。
3つ目の12月超減算は要支援のみです。リハ職による介護予防訪問看護の利用開始月から12か月を超えた場合、8単位減算を算定しているときは15単位、算定していないときは5単位を減算します。予防訪問看護12月超減算とは?令和6年度の単位数を解説【-15単位】で詳しく扱っています。
同一建物減算・虐待防止・BCPの各減算
同一建物減算は訪問リハビリと同じ構造で、同一敷地内建物等または同一建物に20人以上で90%、同一敷地内建物等に50人以上で85%です。高齢者虐待防止措置未実施減算と業務継続計画未策定減算は各1%。訪問看護のBCP減算は令和7年3月31日まで適用しないという経過措置がありましたが、すでに終了しています。
特別指示が出たときの扱い(14日間 or 1日97単位減算)
主治医が特別訪問看護指示を出した場合、その14日間は医療保険の給付対象になります。ここで事業所の類型によって処理が変わります。
| 類型 | 特別指示が出た場合 |
|---|---|
| ステーション・病院診療所(イ・ロ) | その14日間は訪問看護費を算定しない |
| 定期巡回連携型(ハ・月額包括) | 指示の日数に応じて1日97単位を減算 |
月額包括報酬の類型だけ、算定を止めるのではなく日割りで引く構造です。訪問看護Ⅰ5(定期巡回連携型)については訪問看護Ⅰ5とは?令和6年度の単位数・算定要件・減算を解説で扱っています。
令和8年6月から訪問看護でも処遇改善加算が算定できる
令和8年3月13日厚生労働省告示第87号(令和8年6月1日施行)により、訪問看護費および介護予防訪問看護費に「介護職員等処遇改善加算」が加わりました。加算率は1.8%です。
(指定居宅サービス介護給付費単位数表 訪問看護費 ヌより引用)
注目すべきは母数です。「イからリまで」には、基本報酬(イ・ロ・ハ)だけでなく初回加算・退院時共同指導加算・看護・介護職員連携強化加算・看護体制強化加算・口腔連携強化加算・サービス提供体制強化加算まで含まれます。緊急時訪問看護加算や特別管理加算、ターミナルケア加算は「イの注」に位置づけられているため、これもイに含まれます。実質的に訪問看護で算定したほぼすべての単位に1.8%が乗るということです。
要支援の介護予防訪問看護で「存在しない加算」
介護予防訪問看護費の告示を見ると、3つの加算の条文がありません。要件を満たせないのではなく、制度として設けられていないということです。
- ターミナルケア加算(2,500単位):要支援の方を在宅で看取っても算定できません
- 遠隔死亡診断補助加算(150単位):同上
- 看護・介護職員連携強化加算(250単位):喀痰吸引等の連携を行っても算定できません
加えて、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と連携する類型(ハ)そのものが介護予防にはありません。逆に、要支援だけにある減算がリハ職の12月超減算です。
ちびウルフ要支援の看取りって、実際にあるんですか?
リハウルフあります。要支援のまま急変して、区分変更が間に合わないケースです。末期がんの方は状態変化が速いので、区分変更申請を早く動かすかどうかで2,500単位の差が出ます。制度上そうなっている以上、ケアマネジャーと早めに共有しておくしかありません。
退院時共同指導加算と初回加算は両方算定できますか?
算定できません。告示の訪問看護費ホに「ただし、ニの初回加算を算定する場合は、退院時共同指導加算は算定しない」と明記されています。退院してきた新規利用者は両方の要件を満たすことが多いのですが、いずれか一方です。金額は退院時共同指導加算600単位が上回るため、退院前カンファレンスに参加できたならそちらを選ぶのが通常です。
初回加算(Ⅰ)350単位は、准看護師が退院日に訪問しても算定できますか?
算定できません。通知は「退院又は退所した日に看護師が訪問する場合に初回加算(Ⅰ)を算定する」としています。准看護師やリハビリ職が訪問した場合は初回加算(Ⅱ)300単位となります。
退院時共同指導加算が2回算定できるのはどんな場合ですか?
特別な管理を必要とする利用者(厚生労働大臣が定める状態にある方)について、複数日に退院時共同指導を行った場合です。また、その利用者に対して複数の訪問看護ステーション等が退院時共同指導を行う場合は、1回ずつ算定することもできます。その際は、主治医の所属先に他の事業所の実施の有無を確認する必要があります。
リハ職の8単位減算は、どうすれば回避できますか?
2つの条件を両方満たす必要があります。①前年度(4月〜3月)の看護職員の訪問回数がリハ職の訪問回数以上であること、②算定日が属する月の前6か月間に、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれかを算定していること。①だけをクリアしても、②を満たさなければ減算されます。
ターミナルケア加算は要支援の人にも算定できますか?
算定できません。介護予防訪問看護費の告示にターミナルケア加算の条文が存在しないためです。遠隔死亡診断補助加算、看護・介護職員連携強化加算も同様に要支援にはありません。一方、特別管理加算・専門管理加算・緊急時訪問看護加算は要支援でも同額で算定できます。
ターミナルケア加算の「死亡日前14日以内に2日以上」は必ず2日必要ですか?
末期の悪性腫瘍その他厚生労働大臣が定める状態にある利用者については、1日以上で算定できます。また、ターミナルケアを行った後24時間以内に在宅以外(搬送先の病院など)で死亡した場合も算定の対象に含まれます。
20分未満の訪問看護(314単位)はどんな場合に算定できますか?
24時間対応体制を整えて緊急時訪問看護加算を届け出ている事業所であること、かつケアプランまたは訪問看護計画書に20分以上の保健師・看護師による訪問が週1回以上含まれていることが条件です。20分未満のみを並べたプランは適切ではないと通知に明記されています。
看護体制強化加算の割合は、延べ人数で計算しますか?
実人数です。通知は「前6月間において、当該事業所が提供する訪問看護を2回以上利用した者又は当該事業所で当該加算を2回以上算定した者であっても、1として数える」としています。分子は緊急時訪問看護加算(または特別管理加算)を算定した実利用者数、分母は実利用者の総数で、算定日が属する月の前6か月間で算出します。
前回の訪問から2時間以内にもう一度訪問した場合はどうなりますか?
20分未満の訪問看護費を算定する場合と、利用者の状態変化等による緊急訪問の場合を除き、それぞれの所要時間を合算して1回として算定します。単に長時間の訪問を複数回に区分することは適切ではないとされています。ただし、看護職員が訪問した後にリハビリ職が訪問するなど職種が異なる場合は、職種ごとに算定できます。
処遇改善加算の1.8%は、どこまでを母数に掛けるのですか?
告示の条文は「イからリまでにより算定した単位数の1000分の18」です。イ・ロ・ハが基本報酬、ニが初回加算、ホが退院時共同指導加算、ヘが看護・介護職員連携強化加算、トが看護体制強化加算、チが口腔連携強化加算、リがサービス提供体制強化加算です。緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算などは「イの注」に定められているためイに含まれます。
- 訪問看護の加算は13種類、減算は7種類(要支援固有のものを含む)
- 基本報酬はステーション・病院診療所・定期巡回連携型の3類型で異なる
- 20分未満314単位は緊急時訪問看護加算の届出と週1回以上の20分以上訪問が前提
- 緊急時訪問看護加算は(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位(ステーションの場合)
- 特別管理加算(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位は要支援でも同額
- ターミナルケア加算2,500単位は死亡日前14日以内に2日以上(末期がん等は1日以上)
- 初回加算(Ⅰ)350単位は「退院当日に看護師が訪問」した場合に限る
- 退院時共同指導加算600単位と初回加算は併算定できない
- 退院時共同指導加算は特別な管理を必要とする利用者なら複数日実施で2回まで
- 看護体制強化加算は要介護550/200単位、要支援は100単位のみ
- 看護体制強化加算の割合は延べ数ではなく実人数で前6か月間を計算する
- 准看護師の訪問は90%(定期巡回連携型は98%)
- リハ職の8単位減算は訪問回数の比較と加算の算定実績の両方をクリアして回避する
- リハ職が1日3回以上訪問した場合、要介護は90%だが要支援は50%
- 要支援にはターミナルケア加算・遠隔死亡診断補助加算・看護・介護職員連携強化加算が存在しない
- 特別指示が出た14日間は算定しない(定期巡回連携型のみ1日97単位減算)
- 令和8年6月1日から、訪問看護でも介護職員等処遇改善加算(1.8%)を算定できる
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 指定居宅サービス介護給付費単位数表「訪問看護費」
- 指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第127号)別表 指定介護予防サービス介護給付費単位数表「介護予防訪問看護費」
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月1日老企第36号)第二の4
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
- 令和6年3月15日厚生労働省告示第86号 附則(業務継続計画未策定減算に係る経過措置)
- 令和8年3月13日厚生労働省告示第87号 附則(令和8年6月1日施行)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および留意事項通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者の解釈をご確認ください。特別管理加算の対象となる状態の範囲や同一建物の人数の数え方などの解釈は、都道府県・市町村によって異なります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。処遇改善加算の施行日に関する記述は告示の附則と複数の公開情報にもとづく整理であり、届出にあたっては指定権者の通知を確認してください。実務上の運用に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。




