「訪問看護Ⅰ5って何?」「介護予防訪問看護Ⅰ5との違いは?」「令和6年度の単位数や新しい減算はどうなった?」——訪問看護ステーションでリハビリ専門職が訪問する際に欠かせないのが、この訪問看護Ⅰ5の知識です。

この記事では、理学療法士等による訪問看護である訪問看護Ⅰ5・介護予防訪問看護Ⅰ5について、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に対応した単位数・算定要件・新しい減算ルールを、厚生労働省の資料をもとに整理しました。現場で迷わず算定できるよう、Q&Aと注意点もまとめています。

この記事でわかること
  • 訪問看護Ⅰ5・介護予防訪問看護Ⅰ5とは何か
  • 令和6年度の単位数(294単位/284単位)
  • 算定要件(週6回限度・1日3回以上の減算など)
  • 令和6年度改定で新設された「8単位減算」のしくみ
  • 12月超で利用する場合の減算(介護予防)
  • 厚生労働省Q&Aと現場での注意点
ちびウルフちびウルフ
訪問看護Ⅰ5って、看護師さんじゃなくてリハビリの人が行くやつだよね?令和6年度で何が変わったの?
リハウルフリハウルフ
その通り、PT・OT・STによる訪問看護のことだよ。令和6年度は単位数が少し上がって、さらに新しい減算も入ったんだ。順番に見ていこう。

訪問看護Ⅰ5(15)とは?理学療法士等による訪問看護

訪問看護Ⅰ5とは、訪問看護ステーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(理学療法士等)が行う訪問看護のことを指します。これは、看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたサービスを、看護職員の代わりに理学療法士等が訪問して提供する、という位置づけです。

「看護の一環」である点がポイント 訪問看護Ⅰ5はあくまで看護業務の一部です。そのため、言語聴覚士が提供するものは、保健師助産師看護師法にかかわらず業とすることができる診療の補助行為に限られます。

訪問看護Ⅰ5の単位数【令和6年度】

令和6年度(2024年度)介護報酬改定後の、訪問看護Ⅰ5(理学療法士等)の単位数は1回(20分)あたり294単位です。改定前(令和3年度)の293単位から1単位引き上げられました。

訪問回数(時間)単位数(令和6年度)
1回(20分)294単位
2回(40分)588単位
3回(60分)1回あたり294単位×90/100で算定
1日3回以上は90/100に減算 訪問看護Ⅰ5を1日に2回を超えて(3回以上)行う場合は、1回につき所定単位数の90/100で算定します。これは連続して3回行った場合だけでなく、午前2回・午後1回のように分かれていても同様です。

訪問看護Ⅰ5の算定要件(厚生労働省)

厚生労働省が示す訪問看護Ⅰ5(理学療法士等の訪問)の主な算定要件を、要点に絞って整理します。

  • 1回あたり20分以上の訪問看護を実施し、1人の利用者につき週6回を限度に算定する
  • 1日2回を超えて(3回以上)行う場合は、1回につき所定単位数の90/100で算定する
  • 訪問看護記録書等を用い、看護職員と理学療法士等が利用者の状況・実施内容を共有する
  • 計画書・報告書は、看護職員(准看護師を除く)と理学療法士等が連携して作成する
  • 主治医に提出する計画書には理学療法士等が実施した内容も一体的に記載する
  • サービス利用開始時や状態変化時に、看護職員の訪問により利用者の状態を適切に評価する

とくに、看護職員による定期的な状態評価は近年重視されており、後述する令和6年度の新しい減算とも関係しています。

介護予防訪問看護Ⅰ5とは?単位数【令和6年度】

介護予防訪問看護Ⅰ5は、要支援の利用者に対して理学療法士等が行う訪問看護です。令和6年度の単位数は1回(20分)あたり284単位です。

訪問回数(時間)単位数(令和6年度)
1回(20分)284単位
2回(40分)568単位
3回(60分)1回あたり284単位×50/100で算定
介護予防は3回以上で50/100に減算 介護予防訪問看護Ⅰ5を1日に2回を超えて(3回以上)行う場合は、1回につき所定単位数の50/100で算定します。要介護(90/100)より減算幅が大きく、結果として2回(40分)より3回(60分)の合計単位が下回ることがある点に注意しましょう。週6回限度は介護予防も同じです。

【令和6年度改定】訪問看護Ⅰ5の新たな減算(8単位減算)

令和6年度改定では、理学療法士等による訪問看護に新たな8単位減算が設けられました(令和6年6月施行)。リハビリ専門職の訪問が中心になりすぎないよう、看護職員による関与を促す趣旨の見直しです。

8単位減算の対象(いずれかに該当する場合)
  • 理学療法士等の訪問回数が、看護職員の訪問回数を上回っている場合
  • 前年度(前年4月~当年3月)に、緊急時訪問看護加算(Ⅰ)(Ⅱ)・特別管理加算(Ⅰ)(Ⅱ)・看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)のいずれも算定していない場合

これらに該当すると、理学療法士等の訪問看護費から1回につき8単位を減算します。

ちびウルフちびウルフ
「訪問回数が上回る」って、リハビリの算定回数で数えるの?
リハウルフリハウルフ
そこが要注意なんだ。回数の数え方は「算定回数」じゃなくて「訪問回数」。理学療法士等が連続して2回訪問した場合は、まとめて1回と数えるよ。
訪問回数の数え方 減算判定の「訪問回数」は、20分×複数回の算定回数とは別物です。連続して2回の訪問は1回と数えます。たとえば1日に2回連続で訪問し、それを別の日にもう一度行った場合、算定回数は4回でも訪問回数は2回です。なお令和6年度は、令和5年度の実績に応じて令和6年6月1日~令和7年3月31日の間で減算する経過措置がとられました。

12月を超えて利用する場合の減算(介護予防)

介護予防訪問看護で理学療法士等の訪問を利用開始月から12月を超えて利用する場合は、長期利用に対する減算が適用されます。

状況12月超で利用する場合の減算(1回あたり)
上記の減算(8単位減算等)を算定していない場合5単位を減算
上記の減算(8単位減算等)を算定している場合15単位を減算

従来は一律5単位の減算でしたが、令和6年度改定で、減算対象となっている場合はさらに重い15単位減算に拡大されました。12月(起算は当該サービスの利用開始月)の数え方を含め、自社の算定状況を確認しておきましょう。

訪問看護Ⅰ5に関する厚生労働省Q&A

訪問看護Ⅰ5に関して、厚生労働省のQ&Aで示されている考え方を、要点を要約して紹介します。

Q. 理学療法士等の訪問が看護師の訪問回数を上回る計画でもよい? 病院や老健等が地域になく訪問リハビリを適切に提供できない場合など、その代替として理学療法士等の訪問が過半を占めることもあり得るため、上回る設定もあると考えられています。
Q. 理学療法士等の訪問看護のみの利用者で特別管理加算は算定できる? 特別管理加算は、別に定める状態にある利用者に計画的な管理を行った場合に算定するものです。リハビリ中心の訪問看護のみでは、そうした計画的管理が行われているとは想定されないため、一般的には算定できないとされています。
Q. 看護職員が概ね3か月一度も訪問していない利用者はどうする? 理学療法士等の訪問看護は看護職員の代わりに訪問させるものであるため、看護職員による評価がなされていない利用者については、速やかに看護職員が訪問し、状態を適切に評価する必要があるとされています。
Q. 1度の訪問で40分以上行った場合は何回分を算定できる? 20分以上を1回として、1度の訪問で複数回の実施が可能です。たとえば1度で40分以上行えば2回分の報酬を算定できます。

よくある質問(訪問看護Ⅰ5 FAQ)

訪問看護Ⅰ5の令和6年度の単位数はいくらですか?
理学療法士等による訪問看護Ⅰ5は1回(20分)あたり294単位、介護予防訪問看護Ⅰ5は284単位です(令和6年度)。
訪問看護Ⅰ5は1日に何回まで算定できますか?
週6回を限度に算定します。1日2回を超えて(3回以上)行う場合は、要介護で90/100、要支援(介護予防)で50/100に減算されます。
令和6年度に新設された8単位減算とは何ですか?
理学療法士等の訪問回数が看護職員を上回る場合や、前年度に緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれも算定していない場合に、理学療法士等の訪問1回につき8単位を減算するルールです(令和6年6月施行)。
8単位減算の「訪問回数」はどう数えますか?
算定回数ではなく訪問回数で数え、理学療法士等が連続して2回訪問した場合は1回と数えます。
12月を超えて利用すると減算はどうなりますか?
介護予防で利用開始月から12月を超える場合、減算を算定していなければ1回5単位、減算を算定している場合は1回15単位を減算します。
まとめ

訪問看護Ⅰ5は、理学療法士等が看護の一環として行う訪問看護です。令和6年度のポイントを整理します。

  • 単位数は訪問看護Ⅰ5=294単位、介護予防訪問看護Ⅰ5=284単位(1回20分)
  • 週6回限度。1日3回以上は要介護90/100・要支援50/100に減算
  • 令和6年度新設:リハ職の訪問回数が看護職員を上回る等で1回8単位減算(訪問回数は連続2回を1回と数える)
  • 介護予防の12月超:減算なし時は5単位、減算あり時は15単位を減算
  • 算定の細部や最新の取り扱いは、厚生労働省資料と自治体に確認を
ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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