口腔連携強化加算とは?単位数・算定要件をわかりやすく解説【令和6年度】

令和6年度(2024年度)介護報酬改定で新設された「口腔連携強化加算」。訪問介護・訪問看護・訪問リハビリ・ショートステイ・定期巡回など、在宅サービスを担う事業所にとって、歯科専門職との連携を評価する新しい加算です。「どんな加算?」「いくら算定できる?」「何を準備すればいい?」と気になっている方も多いはずです。
この記事では、厚生労働省の資料をもとに、口腔連携強化加算の対象サービス・単位数・算定要件・評価項目・準備のポイントまで、現場目線でわかりやすく解説します。新設の背景にある「口腔と全身の健康のつながり」や、歯科専門職への情報提供で伝える内容、算定時につまずきやすい点まで具体的に取り上げるので、これから算定を検討する事業所の担当者はもちろん、日々のケアに口腔の視点を取り入れたい専門職の方にも役立つはずです。
- 口腔連携強化加算とは(新設の背景・目的)
- 対象となる6つの介護サービス
- 単位数(50単位/回・月1回)と算定要件
- 介護職員等が評価する口腔の項目と準備のポイント
ちびウルフ口腔連携強化加算って、リハビリ職や看護師にも関係あるの?
リハウルフ大いに関係あるよ。訪問リハや訪問看護も対象サービスなんだ。職員が口腔の状態をチェックして、歯科やケアマネに情報をつなぐ加算なんだよ。
口腔連携強化加算とは?
口腔連携強化加算は、事業所の職員が利用者の口腔の状態を確認し、歯科専門職による適切な口腔管理につなげることを評価する、令和6年度新設の加算です。
具体的には、事業所と歯科専門職が連携したうえで、介護職員等が口腔衛生状態や口腔機能を評価し、利用者の同意のもとで歯科医療機関および介護支援専門員(ケアマネジャー)へ情報提供することを評価します。在宅では口腔の問題が見過ごされやすいため、誤嚥性肺炎や低栄養の予防につなげる狙いがあります。
なぜ新設された?口腔ケアと全身の深い関係
この加算が新設された背景には、在宅高齢者の口腔の問題が見過ごされやすいという課題があります。口腔の状態は、見た目以上に全身の健康と深く関わっています。
ちびウルフ口の中の状態って、そんなに大事なの?
リハウルフとても大事だよ。口腔の衰えは、誤嚥性肺炎や低栄養に直結することもあるんだ。
噛む・飲み込む機能が低下すると、食事量が減って低栄養につながったり、食べ物や唾液が誤って気管に入ることで誤嚥性肺炎のリスクが高まったりします。こうした「口腔機能の衰え(オーラルフレイル)」は、全身の虚弱(フレイル)の入り口にもなります。
対象となる6つの介護サービス
口腔連携強化加算の対象は、次の6つのサービスです。在宅・短期入所の幅広いサービスが含まれます。
| 対象サービス |
|---|
| 訪問介護 |
| 訪問看護 |
| 訪問リハビリテーション |
| 短期入所生活介護(ショートステイ) |
| 短期入所療養介護 |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 |
単位数と算定要件
ちびウルフいくら算定できるの?毎回つけられるの?
リハウルフ50単位/回で、月1回までだよ。毎回ではない点に注意してね。
単位数
口腔連携強化加算の単位数は、50単位/回です。算定できるのは1月に1回までに限られます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 50単位/回 |
| 算定回数 | 1月につき1回まで |
算定要件
算定要件は、大きく分けて「評価と情報提供」と「歯科との連携体制」の2つです。
- 事業所の従業者が、利用者の口腔の健康状態の評価を実施し、利用者の同意を得て、歯科医療機関および介護支援専門員に評価結果を情報提供する(1月に1回まで算定)
- 口腔の健康状態の評価にあたり、歯科訪問診療料(歯科点数表区分番号C000)の算定実績がある歯科医療機関の歯科医師、または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めておく
介護職員等が評価する口腔の項目
評価は、専用の様式を用いて口腔の状態を複数項目でチェックします。介護職員等が確認する主な項目は次のとおりです。
| 評価項目(例) |
|---|
| 開口(口が開けられるか) |
| 歯の汚れ/舌の汚れ |
| 歯肉の腫脹・出血 |
| 左右の奥歯でしっかりかみしめられるか |
| むせ/ぶくぶくうがいの可否 |
| 食物の溜め込み・残留 など |
歯科専門職への情報提供で伝える内容
評価して終わりではなく、気づいた口腔の状態を歯科とケアマネに正しく伝えることが加算の核心です。情報提供では、次のような内容を共有します。
| 伝える内容 | 具体例 |
|---|---|
| 口腔の評価結果 | 歯や舌の汚れ、歯肉の腫れ・出血、噛む力、むせ等 |
| 食事・嚥下の様子 | 食べこぼし、溜め込み、食事量の変化、むせの頻度 |
| 生活上の気づき | 義歯が合っていない、口臭、痛みの訴え など |
| 本人・家族の希望 | 歯科受診の意向、通院・訪問の可否 など |
こうした情報が歯科医療機関に届くことで、適切な口腔管理や歯科訪問診療につながります。あわせてケアマネジャーへ共有することで、ケアプラン全体のなかに口腔ケアの視点が反映されやすくなります。日々ケアにあたる職員だからこそ気づける変化を、確実に専門職へ橋渡ししましょう。
算定に向けて準備しておくこと
スムーズに算定を始めるために、次の流れで準備を進めると整理しやすくなります。
- 連携先となる歯科医療機関(歯科訪問診療の実績がある機関)を確保する
- 相談対応体制について、歯科医療機関と文書で取り決める
- 評価様式を準備し、職員が評価方法を共有・習熟する
- 利用者へ説明し、情報提供についての同意を得る
- 評価を実施し、歯科医療機関とケアマネジャーへ情報提供する
算定時の注意点とよくあるつまずき
要件自体はシンプルですが、運用でつまずきやすいポイントもあります。算定前に確認しておきましょう。
- 情報提供は「歯科」と「ケアマネ」の両方が必要。片方だけでは要件を満たしません。
- 連携先の歯科は歯科訪問診療料の算定実績がある機関であることが条件です。
- 相談対応体制は文書での取り決めが必須。口頭の合意では不十分です。
- 利用者の同意を得てから情報提供を行います。同意の取得・記録を忘れずに。
また、同じく令和6年度改定では、口腔・栄養に関する評価や連携を促す加算が他にも整理されました。サービス種別ごとに算定できる加算が異なるため、自事業所がどの加算を算定できるのかを、最新の告示・通知・Q&Aで確認しておくと安心です。解釈が分かれる点や運用の細部は、保険者(市町村)や国保連にも確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
口腔連携強化加算は毎月算定できますか?
歯科衛生士がいなくても算定できますか?
情報提供先はどこですか?
訪問リハビリでも算定できますか?
評価には特別な研修や資格が必要ですか?
利用者が歯科受診を希望しない場合はどうなりますか?
- 口腔連携強化加算は令和6年度新設。職員の口腔チェックを歯科・ケアマネへつなぐ加算
- 対象は訪問介護・訪問看護・訪問リハ・短期入所(生活/療養)・定期巡回の6サービス
- 単位数は50単位/回、算定は1月に1回まで
- 要件は「評価+同意のうえ歯科・ケアマネへ情報提供」と「歯科との連携体制を文書で確保」
- 歯科医療機関の確保・文書取り決め・評価様式の準備・利用者同意が算定のカギ
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」関係告示・通知、口腔連携強化加算に係るリーフレット等


