グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の加算には、他のサービスにない構造上のクセがあります。看取り介護加算も協力医療機関連携加算も、医療連携体制加算を算定していないと算定できません。告示の条文に「医療連携体制加算を算定していない場合は、算定しない」とはっきり書かれているためです。つまり医療連携体制加算(57/47/37単位)は、単独の加算というよりGHの上位加算全体を開くハブだと考えたほうが実務に合います。

この記事では、指定地域密着型サービス介護給付費単位数表(平成18年厚生労働省告示第126号)の「認知症対応型共同生活介護費」の条文を軸に、加算・減算を条文順で漏れなく一覧化しました。あわせて、身体拘束廃止未実施減算が本体10%・短期利用1%と別建てになっていること、3ユニットで夜勤2人にすると1日50単位引かれること、そして介護予防(要支援2)では医療連携体制加算・看取り介護加算・協力医療機関連携加算がそもそも存在しないことまで扱います。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • グループホームの加算・減算の全体像(告示の条文順の一覧表)
  • 認知症対応型共同生活介護費(Ⅰ)(Ⅱ)を分けているのは共同生活住居の数であること
  • 身体拘束廃止未実施減算が本体10%・短期利用1%の2本立てであること
  • 医療連携体制加算(Ⅰ)イ・ロ・ハの違いが「看護師か看護職員か・自前か連携か」であること
  • 看取り介護加算・協力医療機関連携加算が医療連携体制加算を前提にしていること
  • 医療連携体制加算(Ⅱ)5単位の対象となる11の医療的状態
  • 認知症専門ケア加算と認知症チームケア推進加算は併算定できないこと
  • 夜間支援体制加算が見守り機器の導入で「0.9人の加配」でも算定できること
  • 3ユニットで夜勤2人体制にすると1日50単位が引かれること
  • 入院時に1月6日を限度に246単位を算定できるが初日と最終日は算定できないこと
  • 介護予防(要支援2)では医療連携体制加算・看取り介護加算・協力医療機関連携加算が算定できないこと
ちびウルフちびウルフ

グループホームの加算って、数はそんなに多くないですよね?

リハウルフリハウルフ

数は特養より少ないです。ただし「医療連携体制加算を算定していない事業所は、看取りにも協力医療機関連携にも進めない」という一本道の構造になっています。看護職員をどう確保するかで、算定できる加算の範囲が丸ごと変わるサービスです。

グループホームの加算・減算一覧(令和8年6月1日施行の告示ベース)

まず全体像です。単位数表の条文(イ〜ツ)の順に並べています。単位数は指定地域密着型サービス介護給付費単位数表の「認知症対応型共同生活介護費」の現行条文(令和8年厚生労働省告示第87号による一部改正を反映したもの)です。

区分加算・減算単位数
減算夜勤職員基準を満たさない場合所定単位数の97%
減算身体拘束廃止未実施減算本体:所定単位数の10%減/短期利用:1%減
減算高齢者虐待防止措置未実施減算所定単位数の1%減
減算業務継続計画未策定減算所定単位数の3%減
減算3ユニットで夜勤2人以上とする場合1日につき50単位を控除
加算夜間支援体制加算(Ⅰ)/(Ⅱ)50単位/25単位(1日)
加算認知症行動・心理症状緊急対応加算(短期利用のみ)200単位(1日・7日限度)
加算若年性認知症利用者受入加算120単位(1日)
特例入院時の費用1日246単位(1月6日限度)
加算看取り介護加算72/144/680/1,280単位(1日)
加算初期加算30単位(1日・30日以内)
加算協力医療機関連携加算100単位/40単位(1月)
加算医療連携体制加算(Ⅰ)イ・ロ・ハ/(Ⅱ)57/47/37単位・5単位(1日)
加算退居時情報提供加算250単位(1人1回)
加算退居時相談援助加算400単位(1人1回)
加算認知症専門ケア加算(Ⅰ)/(Ⅱ)3単位/4単位(1日)
加算認知症チームケア推進加算(Ⅰ)/(Ⅱ)150単位/120単位(1月)
加算生活機能向上連携加算(Ⅰ)/(Ⅱ)100単位/200単位(1月)
加算栄養管理体制加算30単位(1月)
加算口腔衛生管理体制加算30単位(1月)
加算口腔・栄養スクリーニング加算20単位(1回)
加算科学的介護推進体制加算40単位(1月)
加算高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ)/(Ⅱ)10単位/5単位(1月)
特例新興感染症等施設療養費240単位(1日・月1回・連続5日限度)
加算生産性向上推進体制加算(Ⅰ)/(Ⅱ)100単位/10単位(1月)
加算サービス提供体制強化加算(Ⅰ)/(Ⅱ)/(Ⅲ)22/18/6単位(1日)
加算介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)イ〜(Ⅳ)所定単位数の21.0%〜14.9%

基本報酬は共同生活住居の数で(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれる

認知症対応型共同生活介護費(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは、要介護度でも人員でもありません。施設基準告示(平成27年厚生労働省告示第96号)第31号が、共同生活住居の数が「一」なら(Ⅰ)、「二以上」なら(Ⅱ)と定めています。1ユニットの単独型が(Ⅰ)、2ユニット以上が(Ⅱ)です。

要介護度(Ⅰ)1ユニット(Ⅱ)2ユニット以上
要介護1765単位753単位
要介護2801単位788単位
要介護3824単位812単位
要介護4841単位828単位
要介護5859単位845単位

短期利用認知症対応型共同生活介護費は、これより高く設定されています((Ⅰ)793〜887単位、(Ⅱ)781〜874単位)。介護予防(要支援2)は1日あたり(Ⅰ)761単位・(Ⅱ)749単位です。

3ユニットで夜勤2人にすると50単位引かれる

見落としやすいのが注5です。共同生活住居の数が3である事業所が、夜勤を行う職員の員数を2人以上とする場合(基準第90条第1項ただし書の場合に限る)、所定単位数から1日につき50単位を差し引きます。3ユニットで夜勤3人を2人に緩和する取扱いを使うと、その分だけ報酬が下がるという構造です。加算の話ではなく基本報酬の控除なので、請求前に必ず確認してください。

基本報酬と夜勤・定員に関する減算の詳細はグループホームの基本報酬と減算|(Ⅰ)(Ⅱ)の違い・97%・50単位・70%を解説で解説しています。

3つの「未実施減算」は率も対象も違う

令和6年度改定で全サービスに広がった未実施減算は、GHでは次の3本です。身体拘束廃止未実施減算だけ、本体(イ)と短期利用(ロ)で率が違います。

減算根拠となる基準
身体拘束廃止未実施減算本体10%/短期利用1%地域密着型サービス基準第97条第6項・第7項
高齢者虐待防止措置未実施減算1%同基準第108条で準用する第3条の38の2
業務継続計画未策定減算3%同基準第108条で準用する第3条の30の2第1項

身体拘束廃止未実施減算の10%は、特養・老健と並ぶ最も重い水準です。GHは1日あたり800単位前後なので、1人あたり月2,400単位前後(およそ2万4千円)が消えます。記録(緊急やむを得ない場合の3要件と態様・時間の記録)と、3か月に1回以上の委員会開催・研修が要件の中心です。

それぞれの詳細は、グループホームの身体拘束廃止未実施減算とは?グループホームの高齢者虐待防止措置未実施減算とは?グループホームの業務継続計画未策定減算とは?へ。

医療連携体制加算——GHの加算構造のハブ

ここがGHで最重要の加算です。令和6年度改定で、体制要件(Ⅰ)と、医療的ケアが必要な人の受入要件(Ⅱ)に整理し直されました。

(Ⅰ)イ・ロ・ハの違いは「誰を・どう確保するか」

区分単位看護体制要件
(Ⅰ)イ57単位/日事業所の職員として看護師を常勤換算1名以上配置
(Ⅰ)ロ47単位/日事業所の職員として看護職員を常勤換算1名以上配置(准看護師のみの場合は、病院・診療所・訪問看護ステーションの看護師による24時間連絡体制が必要)
(Ⅰ)ハ37単位/日事業所の職員として、または病院・診療所・訪問看護ステーションとの連携により看護師を1名以上確保

3区分に共通するのは、①看護師との連携により24時間連絡できる体制、②重度化した場合の対応に係る指針を定め、入居の際に本人・家族に説明して同意を得ていること、の2つです。「指針の説明と同意」は入居時にやるものなので、あとから遡って整えられません。すでに入居している人の分をどう扱うかで指導が入りやすい箇所です。

(Ⅱ)5単位は「前3月に該当者が1人以上」

医療連携体制加算(Ⅱ)は5単位/日。要件は、(Ⅰ)のいずれかを算定していることに加えて、算定日が属する月の前3月間に、次のいずれかの状態の利用者が1人以上いることです。

  • 喀痰吸引を実施している状態
  • 呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態
  • 中心静脈注射を実施している状態
  • 人工腎臓を実施している状態
  • 重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態
  • 人工膀胱又は人工肛門の処置を実施している状態
  • 経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態
  • 褥瘡に対する治療を実施している状態
  • 気管切開が行われている状態
  • 留置カテーテルを使用している状態
  • インスリン注射を実施している状態

実務でつまずくのは「前3月間」という母集団の取り方です。該当者が退居・死亡しても、その後3か月は要件を満たす一方、受け入れた月にさかのぼって算定できるわけではありません。(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時算定できますが、(Ⅰ)のイ・ロ・ハどうしは同時に算定できません。

区分ごとの要件はグループホームの医療連携体制加算とは?で詳しく解説しています。

看取り介護加算は医療連携体制加算が前提

看取り介護加算は死亡月に、死亡日からの日数区分で加算します。

日数区分単位数(1日)
死亡日以前31日以上45日以下72単位
死亡日以前4日以上30日以下144単位
死亡日の前日・前々日680単位
死亡日1,280単位

注10のただし書に、「退居した日の翌日から死亡日までの間又は医療連携体制加算を算定していない場合は、算定しない」とあります。つまり医療連携体制加算を算定していないGHは、看取り介護加算を1単位も算定できません。看取りに取り組む前に、まず看護体制の届出という順番になります。

体制要件(施設基準告示第33号)は、①看取りに関する指針を定めて入居時に説明・同意、②医師・看護職員・介護職員・介護支援専門員等による協議のうえ実績を踏まえた指針の見直し、③看取りに関する職員研修の3つ。利用者側の要件(告示第94号第40号)は、医師が回復の見込みがないと診断していること、多職種で作成した計画について説明を受け同意していること、指針に基づく随時の説明と同意のもとで介護を受けていることです。

日数区分と利用者側の要件はグループホームの看取り介護加算とは?へ。

協力医療機関連携加算(令和6年度新設)も医療連携体制加算が前提

協力医療機関との間で、利用者の同意を得て病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催している場合に、1月につき算定します。

  • 協力医療機関が地域密着型サービス基準第105条第2項各号の要件を満たす場合……100単位/月
  • それ以外の場合……40単位/月

ここにも「医療連携体制加算を算定していない場合は、算定しない」というただし書があります。GHの加算は、医療連携体制加算を起点に看取り・協力医療機関連携へ広がる一本道です。なお特養・老健・介護医療院の協力医療機関連携加算は令和7年度から50単位に下がりましたが、GHと特定施設の100単位/40単位は下がっていません。他サービスの資料を流用すると単位を間違えます。

100単位と40単位の分かれ目はグループホームの協力医療機関連携加算とは?で解説しています。

認知症専門ケア加算と認知症チームケア推進加算は併算定できない

GHの「認知症ケアそのもの」を評価する加算は2本あり、どちらか一方しか算定できません。

加算単位要件の中心
認知症専門ケア加算(Ⅰ)3単位/日対象者が利用者の1/2以上、認知症介護実践リーダー研修等の修了者を対象者数に応じて配置、定期的な会議
認知症専門ケア加算(Ⅱ)4単位/日(Ⅰ)に加え、指導者研修修了者を1名以上配置、職種ごとの研修計画の作成と実施
認知症チームケア推進加算(Ⅰ)150単位/月周囲の注意を必要とする認知症の人が1/2以上、指導に係る研修修了者等を1名以上配置しチーム編成、BPSDの計画的評価と測定
認知症チームケア推進加算(Ⅱ)120単位/月(Ⅰ)の(1)(3)(4)に適合、専門的研修修了者を1名以上配置しチーム編成

単位の重みを比べると差は明確です。専門ケア加算(Ⅱ)は4単位/日=月120単位前後。チームケア推進加算(Ⅰ)は150単位/月。同じくらいの水準に見えますが、専門ケア加算は入居者ごと、チームケア推進加算は事業所として月1回の算定です。入居者9人のユニットなら、専門ケア加算(Ⅱ)で月1,000単位を超える一方、チームケア推進加算(Ⅰ)は150単位。人数が多いほど専門ケア加算のほうが有利になります。研修修了者の確保状況と入居者数の両方で判断してください。

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チームケア推進加算のほうが新しいので、そっちが得なんじゃないんですか?

リハウルフリハウルフ

新しさと有利さは別です。「1月につき」の加算と「1日につき」の加算を、単位数の見た目だけで比べないことです。GHは定員が少ないので、月単位の加算は思ったより小さくなります。私が関わった事業所でも、算定して初めて金額の差に気づいたところがありました。

それぞれの要件はグループホームの認知症専門ケア加算とは?グループホームの認知症チームケア推進加算とは?にまとめています。あわせてグループホームの若年性認知症利用者受入加算とは?もご覧ください。

夜間支援体制加算は「0.9人の加配」でも算定できる

夜間支援体制加算は、1ユニットなら(Ⅰ)50単位/日、2ユニット以上なら(Ⅱ)25単位/日です。人員配置要件の原則は、夜勤を行う介護従業者が夜勤基準(1ユニット1人)に1人を加えた数以上であること。令和6年度改定で、次の2つをどちらも満たす場合には加配が「0.9人」でも算定できるようになりました。

  • 夜勤時間帯を通じて、利用者の動向を検知できる見守り機器を利用者数の1/10以上設置していること
  • 利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会において、必要な検討等が行われていること

もう一つのルートとして、夜間・深夜の時間帯に置くべき介護従業者に加えて宿直勤務者を1名以上配置する方法もあります。ただし宿直職員は事業所内での宿直が必要で、併設事業所と同時並行的に宿直勤務を行う場合は算定対象外です(それぞれに宿直職員が必要)。ここは指導でよく確認される点です。

0.9人要件と宿直のルールはグループホームの夜間支援体制加算とは?で解説しています。

入退居まわりの加算——初期・退居時・入院時

  • 入居日から30日以内は初期加算30単位/日。30日を超える入院後に再入居した場合も同じく算定できる
  • 入院が必要になったら、1月に6日を限度に1日246単位(所定単位数に代えて算定)。ただし入院の初日と最終日は算定できない
  • 医療機関へ退居するときは、心身の状況・生活歴等の情報を提供して紹介した場合に退居時情報提供加算250単位(1人1回)
  • 利用期間が1月を超える人が居宅へ戻るときは、退居時相談援助加算400単位(1人1回)。退居日から2週間以内に市町村・地域包括支援センター等へ文書で情報提供することが要件

入院時費用(246単位)には体制要件があり、入院後3月以内に退院が明らかに見込まれるときは、本人・家族の希望を勘案して便宜を供与し、やむを得ない事情がある場合を除いて円滑に再入居できる体制を確保していることが求められます(告示第95号第58号の5)。「6日分は自動的にもらえる」わけではありません。

退居時情報提供加算は令和6年度の新設です。対象は「医療機関へ退居する場合」に限られます。自宅へ戻る場合や他施設へ移る場合は対象外で、その場面は退居時相談援助加算(居宅サービス等を利用する場合)の守備範囲です。

個別の解説は、グループホームの初期加算とは?グループホームの退居時情報提供加算とは?グループホームの退居時相談援助加算とは?グループホームの入院時の費用とは?へ。

短期利用GHと認知症行動・心理症状緊急対応加算

短期利用(ロ)は、空床を使って30日以内の期間を定めて受け入れる仕組みです。施設基準告示第31号ハで、3年以上の運営経験、共同生活住居ごとに短期利用の利用者は1名まで、あらかじめ30日以内の利用期間を定めることなどが定められています。

この短期利用にだけ算定できるのが、認知症行動・心理症状緊急対応加算です。医師が、BPSDが認められるため在宅生活が困難で、緊急に利用することが適当と判断した人について、入居開始日から7日を限度に1日200単位。ただし、この加算を算定している間は若年性認知症利用者受入加算(120単位)を算定できません。

ケアマネが緊急に必要と認めた場合の定員超過

短期利用は原則として定員の範囲内・空床利用ですが、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が緊急に必要と認めた場合で、当該利用者と他の利用者の処遇に支障がないときは、共同生活住居ごとに定員を超えて短期利用を行うことができます。居宅サービス計画に位置付けられていない場合の例外規定です。使う場面は限られますが、緊急受入れの相談が来たときに知っているかどうかで対応が変わります。

要件の詳細はグループホームの認知症行動・心理症状緊急対応加算とは?で解説しています。

口腔・栄養・科学的介護の体制加算

加算単位要件の中心
栄養管理体制加算30単位/月管理栄養士(外部を含む)が従業者に栄養ケアの技術的助言・指導を月1回以上
口腔衛生管理体制加算30単位/月歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士が介護職員に口腔ケアの技術的助言・指導を月1回以上
口腔・栄養スクリーニング加算20単位/回利用開始時と利用中6月ごとに口腔・栄養のスクリーニングを実施
科学的介護推進体制加算40単位/月ADL・栄養・口腔・認知症の状況等をLIFEへ提出し、計画の見直し等に活用

栄養管理体制加算の管理栄養士は「当該事業所の従業者以外の管理栄養士を含む」と条文に明記されています。GHで管理栄養士を雇うのは現実的でないため、法人内の他施設や外部委託でも要件を満たせるという趣旨です。口腔・栄養スクリーニング加算は、他事業所ですでに算定されている場合は算定できません。

それぞれの詳細は、グループホームの栄養管理体制加算とは?グループホームの口腔衛生管理体制加算とは?グループホームの口腔・栄養スクリーニング加算とは?グループホームの科学的介護推進体制加算とは?グループホームの生活機能向上連携加算とは?へ。

感染対策・生産性向上・サービス提供体制強化・処遇改善

令和6年度改定で新設・整理された体制系の加算です。

加算単位要件の中心
高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ)10単位/月第二種協定指定医療機関との体制確保、協力医療機関等との発生時対応の取決め、院内感染対策研修・訓練に年1回以上参加
高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ)5単位/月感染対策向上加算の届出医療機関から3年に1回以上、実地指導を受ける
新興感染症等施設療養費240単位/日月1回・連続5日を限度。相談対応・診療・入院調整等を行う医療機関を確保していること
生産性向上推進体制加算(Ⅰ)100単位/月(Ⅱ)の要件+業務改善の取組による成果(一定期間ごとのデータ提出)
生産性向上推進体制加算(Ⅱ)10単位/月委員会の開催、見守り機器等の導入、職員の負担軽減・生産性向上の取組
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)22単位/日介護福祉士70%以上、又は勤続10年以上の介護福祉士25%以上
サービス提供体制強化加算(Ⅱ)18単位/日介護福祉士60%以上
サービス提供体制強化加算(Ⅲ)6単位/日介護福祉士50%以上、常勤職員75%以上、勤続7年以上30%以上のいずれか

サービス提供体制強化加算は1日あたりの加算なので、体制系のなかでは金額のインパクトが最も大きい部類です。(Ⅰ)22単位×30日で月660単位。生産性向上推進体制加算(Ⅰ)の100単位/月と比べると6倍以上になります。

介護職員等処遇改善加算は、イ〜ソまでで算定した単位数に率を乗じます。GHの率は(Ⅰ)イ21.0%、(Ⅰ)ロ22.8%、(Ⅱ)イ20.2%、(Ⅱ)ロ22.0%、(Ⅲ)17.9%、(Ⅳ)14.9%。訪問介護に次ぐ高い水準で、特養(介護福祉施設サービス)より高く設定されています。詳しくは介護職員等処遇改善加算とは?2026年最新の算定要件と取得方法で整理しています。

個別の解説は、グループホームの高齢者施設等感染対策向上加算とは?グループホームの新興感染症等施設療養費とは?グループホームの生産性向上推進体制加算とは?グループホームのサービス提供体制強化加算とは?グループホームの介護職員等処遇改善加算とは?にまとめています。

介護予防(要支援2)では算定できない加算がある

要支援2の人がGHに入居する場合は、介護予防認知症対応型共同生活介護費(告示第128号)を算定します。この単位数表には、医療連携体制加算・看取り介護加算・協力医療機関連携加算が存在しません。

要支援2の入居者は看取りの対象にならない

予防給付の単位数表にある加算は、夜間支援体制加算・初期加算・退居時情報提供加算・退居時相談援助加算・認知症専門ケア加算・認知症チームケア推進加算・生活機能向上連携加算・栄養管理体制加算・口腔衛生管理体制加算・口腔・栄養スクリーニング加算・科学的介護推進体制加算・高齢者施設等感染対策向上加算・新興感染症等施設療養費・生産性向上推進体制加算・サービス提供体制強化加算・介護職員等処遇改善加算です。看取り期に入った要支援2の入居者について看取り介護加算を算定することはできません。区分変更申請のタイミングが、そのまま算定の可否に直結します。

よくある質問

医療連携体制加算を算定していなくても、看取り介護加算は算定できますか?

算定できません。単位数表の注10に「退居した日の翌日から死亡日までの間又は医療連携体制加算を算定していない場合は、算定しない」と明記されています。協力医療機関連携加算にも同じただし書があります。

医療連携体制加算(Ⅰ)のイ・ロ・ハは同時に算定できますか?

できません。条文上、(Ⅰ)イ・ロ・ハのいずれかを算定している場合はその他の加算を算定しないと定められています。同時算定できるのは、(Ⅰ)のいずれかと(Ⅱ)の組み合わせだけです。

認知症専門ケア加算と認知症チームケア推進加算はどちらが有利ですか?

入居者数によります。専門ケア加算は1日につき(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位で入居者ごと、チームケア推進加算は1月につき(Ⅰ)150単位・(Ⅱ)120単位で事業所単位です。入居者が多いほど専門ケア加算が有利になります。両方の算定はできません。

3ユニットの事業所で夜勤を2人にすると減算になるのですか?

共同生活住居の数が3で、基準第90条第1項ただし書により夜勤職員を2人以上とする場合は、所定単位数から1日につき50単位を差し引きます。減算という名称ではありませんが、実質的に基本報酬が下がる取扱いです。

入院中の246単位は入院期間中ずっと算定できますか?

できません。1月に6日が限度で、しかも入院の初日と最終日は算定できません。あわせて、入院後3月以内の退院が見込まれる場合に円滑な再入居ができる体制を確保していることが要件です。

退居時情報提供加算は自宅に戻る場合も算定できますか?

算定できません。医療機関へ退居する場合に、当該医療機関へ心身の状況・生活歴等の情報を提供して紹介したときに、1人1回に限り250単位を算定します。居宅サービス等を利用して自宅に戻る場合は、退居時相談援助加算(400単位)の対象です。

身体拘束廃止未実施減算の10%は短期利用にも適用されますか?

短期利用(ロ)は1%です。本体(イ)の10%とは別に定められています。高齢者虐待防止措置未実施減算は1%、業務継続計画未策定減算は3%で、こちらは本体・短期利用の区別がありません。

栄養管理体制加算は管理栄養士を雇わないと算定できませんか?

雇用は必須ではありません。条文に「当該事業所の従業者以外の管理栄養士を含む」とあり、外部の管理栄養士による月1回以上の技術的助言・指導で要件を満たせます。

要支援2の入居者に算定できない加算は何ですか?

介護予防認知症対応型共同生活介護費には、医療連携体制加算・看取り介護加算・協力医療機関連携加算がありません。それ以外の夜間支援体制加算や認知症専門ケア加算などは、介護予防でも算定できます。

加算の届出はどこに出しますか?

グループホームは地域密着型サービスなので、届出先は市町村長です(都道府県ではありません)。指定・指導も市町村が行うため、解釈や様式が自治体ごとに異なることがあります。必ず所在市町村に確認してください。

まとめ
  • 認知症対応型共同生活介護費(Ⅰ)(Ⅱ)を分けるのは共同生活住居の数(1か、2以上か)
  • 基本報酬は(Ⅰ)765〜859単位、(Ⅱ)753〜845単位(1日につき)
  • 3ユニットで夜勤2人とする場合は1日50単位を差し引く
  • 身体拘束廃止未実施減算は本体10%・短期利用1%、虐待防止1%、BCP未策定3%
  • 医療連携体制加算(Ⅰ)はイ57単位・ロ47単位・ハ37単位で、同時算定は不可
  • 医療連携体制加算(Ⅱ)5単位は、前3月に11の医療的状態のいずれかに該当する人が1人以上いること
  • 看取り介護加算と協力医療機関連携加算は、医療連携体制加算を算定していないと算定できない
  • 看取り介護加算は死亡日1,280単位、前日・前々日680単位など4区分
  • 認知症専門ケア加算(1日)と認知症チームケア推進加算(1月)は併算定不可で、入居者数が多いほど専門ケア加算が有利
  • 夜間支援体制加算は見守り機器1/10以上+委員会の検討で「0.9人の加配」でも算定可
  • 入院時は1月6日を限度に246単位、初日と最終日は算定できない
  • 退居時情報提供加算250単位は医療機関へ退居する場合限定
  • サービス提供体制強化加算は1日22/18/6単位で、体制系では金額の影響が大きい
  • 処遇改善加算は(Ⅰ)イ21.0%〜(Ⅳ)14.9%
  • 介護予防(要支援2)には医療連携体制加算・看取り介護加算・協力医療機関連携加算がない
  • 届出先は市町村長。解釈や様式は自治体ごとに異なる
参考にした情報
  • 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 指定地域密着型サービス介護給付費単位数表「認知症対応型共同生活介護費」(令和8年厚生労働省告示第87号による一部改正を反映/厚生労働省法令等データベース)
  • 指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第128号)別表「介護予防認知症対応型共同生活介護費」(厚生労働省法令等データベース)
  • 厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第31号(指定認知症対応型共同生活介護の施設基準)、第32号(夜間支援体制加算)、第33号(看取り介護加算)、第34号(医療連携体制加算)(厚生労働省法令等データベース)
  • 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第3号の5(認知症専門ケア加算)、第18号(若年性認知症利用者受入加算)、第58号の4〜第58号の8、第59号(サービス提供体制強化加算)、第60号(介護職員等処遇改善加算)(厚生労働省法令等データベース)
  • 厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)第40号(看取り介護加算の対象者)、第41号・第41号の2(認知症専門ケア加算・認知症チームケア推進加算の対象者)(厚生労働省法令等データベース)
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)1.(3)⑭ 医療連携体制加算の見直し、1.(3)協力医療機関連携加算・退居時情報提供加算の新設、1.(7)⑤ 認知症チームケア推進加算の新設、3.(2)⑥ 夜間支援体制加算の見直し

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および改定資料にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および指定権者(市町村)の解釈をご確認ください。グループホームは地域密着型サービスであり、指定・指導は市町村が行うため、加算の解釈や届出の運用が自治体によって異なる場合があります。医療連携体制加算(Ⅱ)の対象状態の判断、割合要件の算定方法、他加算との併算定の可否についても市町村に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。本文中の金額の試算は単位数を単純に比較した概算であり、地域区分や端数処理により実際の請求額とは異なります。算定漏れへの対応など実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

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リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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