介護医療院の口腔衛生管理加算は、(Ⅰ)90単位/月、(Ⅱ)110単位/月です。歯科衛生士が入所者に対して口腔衛生の管理を行うことを評価します。

要件の核心は「歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、月2回以上、口腔衛生等の管理を行うこと」月1回では算定できません。加えて、介護職員への技術的助言・指導と、相談への対応まで含まれています。

この記事では、指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)介護医療院サービスのヨ、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第69号の条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 口腔衛生管理加算(Ⅰ)90単位・(Ⅱ)110単位という単位数
  • 歯科衛生士による月2回以上の管理が要件であること
  • 介護職員への技術的助言・指導も要件に含まれること
  • (Ⅰ)と(Ⅱ)の違いがLIFEへの提出であること
  • (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できないこと
  • GHの口腔衛生管理体制加算との違い
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訪問歯科に月1回来てもらっていますが、算定できますか?

リハウルフリハウルフ

月1回では要件を満たしません。条文は「月二回以上行うこと」と明記しています。しかも管理を行うのは歯科医師ではなく、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士です。訪問歯科診療が入っていても、歯科衛生士の関与の回数を確認してください。

介護医療院の口腔衛生管理加算とは?

介護医療院の口腔衛生管理加算は、歯科衛生士が入所者一人ひとりの口腔衛生を継続的に管理し、あわせて介護職員へ技術を伝えることを評価する加算です。

介護医療院の入所者は、経管栄養の人、意識レベルが低下している人、開口が難しい人が多くいます。口から食べていない人ほど唾液の自浄作用が落ち、口腔内は汚れます。そこに細菌が繁殖し、誤嚥性肺炎につながります。

だからこの加算は、専門職が直接管理することと、日々ケアを担う介護職員に技術を渡すことの両方を要件にしています。歯科衛生士が来た日だけきれいになる、では意味がないという設計です。

口腔衛生管理加算の単位数

区分単位数違い
口腔衛生管理加算(Ⅰ)90単位/月基本の要件
口腔衛生管理加算(Ⅱ)110単位/月(Ⅰ)の要件+LIFEへの提出と活用

注のただし書きにより、(Ⅰ)と(Ⅱ)を同時に算定することはできません。差は20単位です。

口腔衛生管理加算の算定要件

(Ⅰ)の5要件

  • 歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士の技術的助言及び指導に基づき、入所者の口腔衛生等の管理に係る計画が作成されていること
  • 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し、口腔衛生等の管理を月2回以上行うこと
  • 歯科衛生士が、その管理について介護職員に対し具体的な技術的助言及び指導を行うこと
  • 歯科衛生士が、入所者の口腔に関する介護職員からの相談等に必要に応じ対応すること
  • 定員超過利用・人員基準欠如等の減算に該当していないこと

(Ⅱ)の追加要件

入所者ごとの口腔衛生等の管理に係る情報を厚生労働省に提出し、口腔衛生の管理の実施に当たって、当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。

LIFEへの提出と活用が加わるだけで、口腔ケアの中身の要件は(Ⅰ)と同じです。

口腔衛生管理加算の注意点

「月2回以上」を満たせるかが分岐点

実務上、この加算を算定できるかどうかは歯科衛生士に月2回以上来てもらえる体制を作れるかにほぼ集約されます。

  • 協力歯科医療機関との契約に、歯科衛生士の訪問回数が含まれているか
  • 入所者全員ではなく、対象者を絞って月2回を確保する運用になっているか
  • 訪問した日の記録に、誰が・誰に・何を行ったかが残っているか

歯科医師の訪問診療は入っていても、歯科衛生士の関与が月1回にとどまっている施設は少なくありません。(運用に関する記述は筆者の実務経験にもとづく整理です)

介護職員への助言・相談対応も要件

見落とされやすいのが3つ目と4つ目の要件です。歯科衛生士が入所者をケアするだけでは足りず、介護職員への具体的な技術的助言・指導と、相談への対応が求められています。

「この人は右側に食渣が残りやすいので、こう当ててください」といった個別の助言を、記録に残せる形にしておいてください。

GHの口腔衛生管理体制加算とは別物

加算対象サービス単位数中身
口腔衛生管理加算介護医療院・特養・老健 等90/110単位歯科衛生士が入所者に月2回以上の管理
口腔衛生管理体制加算GH・地域密着型特定施設 等30単位歯科医師等が介護職員に月1回以上の助言・指導

名前が似ていますが、入所者への直接の管理か、職員への助言かという根本的な違いがあります。他サービスの資料を流用しないでください。

特別介護医療院サービス費では算定できない

注16により、特別介護医療院サービス費・ユニット型特別介護医療院サービス費を算定している場合は算定できません。

口腔衛生管理加算のQ&A

月1回の訪問でも算定できますか?

できません。歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、月2回以上の口腔衛生等の管理を行うことが要件です。

歯科医師が管理を行った場合は算定できますか?

条文は「歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が」管理を行うことを求めています。計画作成の段階では歯科医師の技術的助言・指導が位置づけられています。

(Ⅰ)と(Ⅱ)は両方算定できますか?

できません。いずれか一方のみです。

(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは何ですか?

LIFEへの提出と活用の有無だけです。口腔ケアの中身の要件は同じです。

介護職員への助言も必要ですか?

必要です。歯科衛生士による具体的な技術的助言・指導と、介護職員からの相談への対応が要件に含まれています。

GHの口腔衛生管理体制加算と同じですか?

違います。GHの体制加算は職員への助言を評価する30単位の加算で、入所者への直接の管理は求められていません。

医療保険の歯科の算定との調整はありますか?

医療保険で歯科衛生実地指導等が算定されている場合の取扱いは、実務上の論点になります。詳細は都道府県・保険者および協力歯科医療機関に確認してください。

特別介護医療院サービス費でも算定できますか?

できません。注16により算定できない加算に含まれています。

まとめ
  • 口腔衛生管理加算は(Ⅰ)90単位/月、(Ⅱ)110単位/月
  • (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できない
  • 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、月2回以上の口腔衛生等の管理を行うこと
  • 歯科医師等の技術的助言・指導に基づく計画の作成が必要
  • 介護職員への具体的な技術的助言・指導も要件
  • 介護職員からの相談への対応も要件
  • (Ⅱ)はLIFEへの提出と活用が加わる
  • GHの口腔衛生管理体制加算(30単位)とは別の加算
  • 特別介護医療院サービス費では算定できない
参考にした情報
  • 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 介護医療院サービスのヨ(口腔衛生管理加算)、注16(全国老人保健施設協会 法令等データベース)
  • 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第69号(口腔衛生管理加算の基準)、第68号(口腔衛生管理体制加算の基準・比較のため)(厚生労働省法令等データベース)

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および都道府県・保険者の解釈をご確認ください。医療保険の歯科診療との調整、月2回以上の数え方、記録の残し方については指定権者および協力歯科医療機関に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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