通所介護(デイサービス)の基本報酬は、1回につき345単位〜1,168単位です。事業所の規模(通常規模型・大規模型(Ⅰ)・大規模型(Ⅱ))、所要時間(3時間以上から9時間未満まで6区分)、要介護度という3つの軸で決まります。

実務で最も重要なのは、単位数を決めるのが「実際にかかった時間」ではなく「通所介護計画に位置付けられた標準的な時間」だという点です。注1に明記されています。送迎が遅れて滞在時間が短くなった日も、計画上の区分で算定します。ここを取り違えると、請求の考え方そのものがずれます。

この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 指定居宅サービス介護給付費単位数表「通所介護費」と、厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第5号の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 通常規模型・大規模型(Ⅰ)(Ⅱ)の要介護度別・時間別の単位数
  • 規模を分ける「前年度の1月当たりの平均利用延人員数」の基準
  • 750人以内・900人以内・900人超という3区分
  • 単位数が「計画上の標準的な時間」で決まること
  • 2時間以上3時間未満は70%算定になること
  • 基本報酬から差し引かれる減算の全体像
  • 規模が大きくなるほど単位数が下がる理由
  • 第1号通所事業と一体的に実施している場合の扱い
ちびウルフちびウルフ

大きい事業所のほうが単位数が低いんですね。逆じゃないんですか?

リハウルフリハウルフ

規模が大きいほど1人あたりのコストが下がるからです。送迎車も厨房も事務も、利用者が増えれば頭割りが効く。スケールメリットの分だけ単価を下げるという考え方で、通所リハビリテーションも同じ構造になっています。

通所介護の基本報酬とは?

通所介護の基本報酬は、利用者が事業所に通ってサービスを受けた1回ごとに算定する報酬です。告示19号の別表「通所介護費」に規定されています。

通所介護は、在宅で暮らす方が日中に通い、入浴・食事・機能訓練などを受けるサービスです。利用者本人の心身機能の維持と、家族の介護負担の軽減という2つの役割を持っています。

報酬の構造は、事業所の規模と滞在時間を反映しています。規模が大きければ効率がよく、滞在時間が長ければ人員も設備も多く使う。その差が報酬区分として組み込まれています。

令和6年度介護報酬改定では、基本報酬の区分構成そのものに大きな変更はありませんでした。改定の中心は生産性向上推進体制加算の新設や口腔連携強化加算の新設などです。

通所介護の基本報酬の単位数

通常規模型通所介護費

所要時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満370423479533588
4時間以上5時間未満388444502560617
5時間以上6時間未満570673777880984
6時間以上7時間未満5846897969011,008
7時間以上8時間未満6587779001,0231,148
8時間以上9時間未満6697919151,0411,168

大規模型通所介護費(Ⅰ)

所要時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満358409462513568
4時間以上5時間未満376430486541597
5時間以上6時間未満544643743840940
6時間以上7時間未満564667770871974
7時間以上8時間未満6297448619801,097
8時間以上9時間未満6477658851,0071,127

大規模型通所介護費(Ⅱ)

所要時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満345395446495549
4時間以上5時間未満362414468521575
5時間以上6時間未満525620715812907
6時間以上7時間未満543641740839939
7時間以上8時間未満6077168309461,059
8時間以上9時間未満6237378529701,086

規模による差

規模(要介護3・7〜8時間)単位数通常規模型との差
通常規模型900単位
大規模型(Ⅰ)861単位△39単位
大規模型(Ⅱ)830単位△70単位

規模が大きくなるほど1回あたりの単位数は下がります。ただし利用者数が多いため、事業所全体の収入は規模に応じて増える構造です。

規模を分ける基準

告示96号 第5号が、3つの規模の施設基準を定めています。

五 指定通所介護の施設基準
イ 通常規模型通所介護費を算定すべき指定通所介護の施設基準
(1) 前年度の一月当たりの平均利用延人員数(略)が七百五十人以内の指定通所介護事業所であること。
(2) (略)看護職員又は介護職員の員数を置いていること。
ロ 大規模型通所介護費(Ⅰ)を算定すべき指定通所介護の施設基準
(1) イ(1)に該当しない事業所であって、前年度の一月当たりの平均利用延人員数が九百人以内の指定通所介護事業所であること。
ハ 大規模型通所介護費(Ⅱ)を算定すべき指定通所介護の施設基準
(1) イ(1)及びロ(1)に該当しない指定通所介護事業所であること。

区分前年度の1月当たりの平均利用延人員数
通常規模型750人以内
大規模型(Ⅰ)750人超〜900人以内
大規模型(Ⅱ)900人超

第1号通所事業と一体的に実施している場合

条文には重要なかっこ書きがあります。指定通所介護事業者が第1号通所事業(総合事業の通所型サービス)の指定を併せて受け、一体的に事業を実施している場合は、その第1号通所事業の平均利用延人員数も含めて数えます。

総合事業の利用者を含めると750人を超える、というケースは実際にあります。介護給付の利用者だけで判断しないでください。

看護職員・介護職員の員数

3区分すべてに共通して、指定居宅サービス等基準第93条に定める看護職員または介護職員の員数を置いていることが要件です。人員基準を満たしていなければ、そもそも基本報酬の区分に該当しません。

単位数を決めるのは「計画上の標準的な時間」

1 イからハまでについて、(略)届出を行った指定通所介護事業所において、指定通所介護を行った場合に、当該施設基準に掲げる区分に従い、利用者の要介護状態区分に応じて、現に要した時間ではなく、通所介護計画に位置付けられた内容の指定通所介護を行うのに要する標準的な時間で、それぞれ所定単位数を算定する。

ここが通所介護の報酬で最も基本的かつ誤解されやすい点です。

場面算定する区分
計画は7〜8時間、実際は7時間30分7時間以上8時間未満
計画は7〜8時間、送迎の遅れで実際は6時間50分計画上の7時間以上8時間未満
計画そのものを6〜7時間に変更した6時間以上7時間未満

「現に要した時間ではなく」と条文が明示しています。ただし、実際のサービス提供時間が計画上の時間から大きく乖離した状態が続くなら、それは計画自体を見直すべき事態です。算定できるからそのままでよい、という話ではありません。

担当したケースでも、送迎ルートの都合で常に30分早く帰る方がいました。計画は7〜8時間のまま。形式上は算定できますが、実地指導では計画の妥当性を問われます。

2時間以上3時間未満は70%算定

4 別に厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者に対して、所要時間2時間以上3時間未満の指定通所介護を行う場合は、注1の施設基準に掲げる区分に従い、イ(2)、ロ(2)又はハ(2)の所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定する。

基本報酬の最短区分は3時間以上4時間未満です。2時間以上3時間未満の利用は、4時間以上5時間未満の区分(イ(2)等)の70%で算定します。

対象は「別に厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者」に限られます。時間が短いという理由だけで誰にでも適用できるものではありません。

基本報酬から差し引かれる減算

減算根拠影響
高齢者虐待防止措置未実施減算注2△1%
業務継続計画未策定減算注3△1%
2時間以上3時間未満注470%で算定
共生型通所介護注790〜95%で算定(事業者種別による)
定員超過利用・人員基準欠如注1ただし書き別に定めるところにより算定
同一建物減算・送迎減算別の注94単位/47単位

通所介護の基本報酬の注意点

規模区分は前年度実績で決まる

「前年度の1月当たりの平均利用延人員数」なので、今年度の稼働がどれだけ増減しても、当年度の区分は前年度の実績で固定されます。年度をまたぐタイミングで区分が変わることがあるため、事前の確認が必要です。

時間区分は6つ

3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満まで6区分です。9時間以上は延長加算(注6)の領域になります。基本報酬の最長区分は8〜9時間です。

1回につき算定する

通所介護は1日単位ではなく「1回につき」です。同じ日に2回利用するという運用は通常想定されていませんが、条文の建て付けとして押さえておいてください。

地域密着型通所介護は別の報酬

利用定員18人以下の事業所は地域密着型通所介護となり、別の単位数表(指定地域密着型サービス介護給付費単位数表)が適用されます。この記事の単位数は、定員19人以上の通所介護が対象です。

算定前に確認したいこと
  • 前年度の1月当たりの平均利用延人員数を確認したか
  • 第1号通所事業を一体的に実施している場合、その人数を含めたか
  • 看護職員・介護職員の員数を満たしているか
  • 通所介護計画に位置付けた標準的な時間で算定しているか
  • 実際の提供時間が計画から大きく乖離していないか
  • 2時間以上3時間未満の利用者が大臣の定める基準に適合しているか
  • 定員18人以下なら地域密着型通所介護ではないか

よくある質問

通所介護の基本報酬はいくらですか?

1回につき345単位〜1,168単位です。事業所の規模、所要時間、要介護度の3つで決まります。

規模はどう決まりますか?

前年度の1月当たりの平均利用延人員数です。750人以内が通常規模型、750人超900人以内が大規模型(Ⅰ)、900人超が大規模型(Ⅱ)です。

総合事業の利用者も人数に含めますか?

第1号通所事業の指定を併せて受け、一体的に実施している場合は含めます。

なぜ大規模型のほうが単位数が低いのですか?

規模が大きいほど1人あたりのコストが下がるためです。通所リハビリテーションも同じ構造になっています。

実際の滞在時間で算定しますか?

しません。注1は「現に要した時間ではなく、通所介護計画に位置付けられた内容の指定通所介護を行うのに要する標準的な時間で」算定すると定めています。

送迎が遅れて短くなった日は?

計画上の時間区分で算定します。ただし乖離が常態化しているなら計画自体の見直しが必要です。

時間区分はいくつありますか?

6区分です。3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満までです。

2時間以上3時間未満はどう算定しますか?

4時間以上5時間未満の区分の70%で算定します。対象は大臣が定める基準に適合する利用者に限られます。

9時間を超える場合は?

基本報酬の最長区分は8時間以上9時間未満です。9時間以上は延長加算の領域になります。

規模区分はいつ変わりますか?

前年度の実績で決まるため、年度をまたぐタイミングで変わることがあります。

定員18人以下でも同じ単位数ですか?

違います。定員18人以下は地域密着型通所介護となり、別の単位数表が適用されます。

定員を超えて受け入れるとどうなりますか?

注1のただし書きにより、別に厚生労働大臣が定めるところにより算定します。定員超過利用・人員基準欠如による減算にあたります。

まとめ
  • 通所介護の基本報酬は1回につき345単位〜1,168単位
  • 事業所の規模・所要時間・要介護度の3つの軸で決まる
  • 規模は通常規模型・大規模型(Ⅰ)・大規模型(Ⅱ)の3区分
  • 前年度の1月当たりの平均利用延人員数が750人以内で通常規模型
  • 750人超900人以内で大規模型(Ⅰ)、900人超で大規模型(Ⅱ)
  • 第1号通所事業を一体的に実施している場合はその人数も含める
  • 規模が大きいほど1回あたりの単位数は下がる
  • 時間区分は3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満までの6区分
  • 単位数は「現に要した時間ではなく、計画に位置付けられた標準的な時間」で決まる
  • 送迎の遅れで短くなった日も計画上の区分で算定する
  • ただし乖離が常態化しているなら計画自体の見直しが必要
  • 2時間以上3時間未満は4時間以上5時間未満の区分の70%で算定
  • 虐待防止・BCPの2つの減算は各1%
  • 共生型通所介護は事業者種別により90〜95%で算定
  • 定員18人以下は地域密着型通所介護となり別の単位数表が適用される
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(都道府県・指定都市・中核市)の解釈をご確認ください。とくに「平均利用延人員数」の具体的な算出方法、計画上の時間と実際の提供時間が乖離した場合の取扱い、注4の対象となる利用者の基準については告示本文だけでは確定できず、留意事項通知および指定権者の取扱いによります。指定権者にご確認ください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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