介護の腰痛を防ぐには?家族ができる対策と腰ベルトの使い方

先に結論をお伝えします。介護の腰痛を防ぐ一番の方法は「抱え上げない」ことです。力のかけ方を変える、ベッドの高さを上げる、福祉用具を使う、の3つで腰への負担は大きく減らせます。腰ベルトは、そのうえで補助として使うものです。
この記事では、厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」を確認して、家庭で介護する家族が腰痛を防ぐための対策を整理しました。指針は職場向けのものですが、体にかかる負担の仕組みは家庭でも同じです。訪問リハビリで家族に介助の方法を伝えるときのポイントもあわせて書いています。
- 介護で腰痛が起きやすい動作
- 厚生労働省の指針が「人力で抱え上げない」としている理由
- 家族ができる腰痛予防の対策
- 腰ベルトの位置づけと使い方の注意点
- 腰が痛くなったときに受診したほうがいいサイン
介護の腰痛はなぜ起きる?負担がかかる3つの動作
厚生労働省のパンフレットでは、腰痛は休業4日以上の職業性疾病の6割を占める労働災害とされています。厚生労働省は平成25年6月に「職場における腰痛予防対策指針」を改訂し、適用範囲を福祉・医療分野の介護・看護作業全般に広げました。介護は、それだけ腰痛が起きやすい作業だということです。
家庭の介護で、腰に負担がかかりやすいのは次の3つの動作です。
①抱え上げ・持ち上げ
ベッドから車椅子への移乗、床からの立ち上がりの手伝いなど、人の体重を腕と腰で支える動作です。介護の中で最も腰に負担がかかります。
②前かがみ・中腰
おむつ交換、着替え、ベッドの上での体の向きを変える介助などで、低いベッドに向かって前かがみになる姿勢です。1回の負担は小さくても、1日に何度もくり返すことで腰に疲れがたまります。
③ひねり
体の向きを変えながら持ち上げる、横にあるものを取るといった動作です。前かがみにひねりが加わると、腰への負担はさらに大きくなります。
ちびウルフ介護してる家族も、腰を痛める人って多いの?
リハウルフ訪問先でもよく聞きます。「親を支えようとして、ぎっくり腰になった」という話は本当に多いです。介護する人が動けなくなると在宅介護そのものが続かなくなるので、自分の腰を守るのも介護の一部なんですよ。
厚生労働省の指針は「人力で抱え上げない」
指針では、福祉・医療分野の介護・看護作業について、次のように示しています。
「人を抱え上げる作業は、原則、人力では行わせない。福祉用具を活用する。」(厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」パンフレット)
職場向けの指針ですが、人の体を腕と腰で持ち上げるのは、家族でも介護職でも同じように危ないということです。家庭では「家族だから自分でやらなきゃ」と抱え上げてしまいがちですが、まずは抱え上げなくて済む方法を考えることが出発点です。
指針では作業の姿勢についても、次のように書かれています。
- 作業対象にできるだけ身体を近づけて作業する
- 不自然な姿勢を取らざるをえない場合は、前屈やひねりなど、その姿勢の程度をなるべく小さくし、頻度と時間を減らす
- 腰に過度の負担がかかる作業は、無理に1人ではさせない
- 適宜、休憩時間を設け、姿勢を変えるようにする
家族ができる介護の腰痛予防
ベッドの高さを上げてから介助する
おむつ交換や着替えのときは、介護ベッドを介助する人の腰の高さ近くまで上げてから行いましょう。ベッドを一番低くしたまま介助している家庭がとても多いのですが、それでは毎回深い前かがみになってしまいます。下げるのは、本人が乗り降りするときだけです。高さを変えられる介護ベッドは介護保険でレンタルできます。選び方は介護ベッドの選び方|レンタルの条件とモーター数をご覧ください。
本人の力を引き出す
全部を持ち上げようとせず、本人が自分でできる動きを使ってもらいます。立ち上がりのときは、本人に前かがみになってもらい、お尻が浮くタイミングに合わせて軽く支えるだけで、介助の力はずっと少なくて済みます。具体的な手順は移乗介助のやり方|ベッドと車椅子の手順で詳しく紹介しています。
福祉用具を使う
抱え上げや引きずりを減らすための道具には、次のようなものがあります。介護保険でレンタルできるものもあります。
| 福祉用具 | 減らせる負担 |
|---|---|
| 介護ベッド(特殊寝台) | 高さ調整で前かがみを減らす。背上げで起き上がりを助ける |
| スライディングボード | ベッドと車椅子の間を、持ち上げずに滑らせて移る |
| スライディングシート | ベッドの上での体の位置直しを、引きずらずに行う |
| 移動用リフト | 抱え上げそのものをなくす |
| 手すり | 本人が自分でつかまって立ち上がれるようにする |
介護保険の対象になるかどうかや、要介護度の条件は品目によって違います。詳しくは福祉用具レンタル13品目一覧と自己負担額を解説にまとめています。どの道具が合うかは、ケアマネジャーや訪問リハビリの担当者に相談してください。
1人で無理をしない
指針にある「腰に過度の負担がかかる作業は、無理に1人ではさせない」は、家庭でも大切です。入浴の介助など負担の大きいものは、デイサービスや訪問入浴、訪問介護に任せることも考えましょう。介護から少し距離を置く方法は介護から逃げたい…が楽になる方法5選でも紹介しています。
体をほぐし、休む
指針では、腰痛予防のための健康管理として、十分な睡眠・禁煙・入浴による保温・自宅でのストレッチ・負担にならない程度の運動・バランスのとれた食事・休日を利用した疲労回復や気分転換などが有効とされています。介助が続いたあとは、腰や太ももの裏をゆっくり伸ばす時間をつくりましょう。
ちびウルフベッドの高さを変えるだけで、そんなに違うの?
リハウルフ全然違います。低いベッドでおむつ交換をすると、腰を深く曲げたまま何分も作業することになります。高さを上げるだけで背中がまっすぐに近くなるので、訪問で一番最初にお伝えすることが多いですね。
腰ベルトはどう考えればいい?
腰ベルトについて、指針は次のように書いています。
「腰部保護ベルトは、個人ごとに効果を確認した上で、使用するかどうか判断する。」(厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」パンフレット)
つまり、腰ベルトは全員に効く道具ではなく、自分に合うかどうかを試して判断するものです。介助の方法や福祉用具を見直したうえで、それでも腰の不安が残る人が使う「補助」と考えましょう。
- 腰ベルトを着けていても、抱え上げはしない
- 締めすぎて、呼吸がしにくい・お腹が苦しいほどにしない
- 介助や家事の間だけ着け、休むときは外す
- 着けて痛みが強くなる場合は、使うのをやめて医療機関に相談する
介助のやり方と道具を見直したら、
最後に自分の腰も支えておく。
メディテクト腰ベルトは、整体師が監修した腰ベルトです。ズレにくい設計のため、介助や家事で動き回る最中にも着けやすいのが特徴です。サイズ交換やストラップ故障への保証もあるので、体に合うか試しながら使えます。
- 整体師監修の腰ベルト
- ズレにくく、介助や家事の最中にも着けやすい
- サイズ交換・ストラップ故障の保証つき
\ 介助のあとに腰がつらい方へ /
メディテクト腰ベルトを見てみる※腰ベルトは負担を和らげる補助具で、介助の方法を見直す代わりにはなりません。効果には個人差があります。強い痛みやしびれがある場合は医療機関を受診してください
腰が痛くなったときに受診したほうがいいサイン
- 足にしびれや力の入りにくさがある
- 尿や便が出にくい、もれる
- じっとしていても強く痛む、夜も眠れないほど痛い
- 発熱をともなう
- 何週間たってもよくならない
介護する人が腰を痛めたら、無理に介護を続けず、ケアマネジャーに相談してショートステイなどを使いましょう。高齢者自身の腰痛については高齢者の腰痛|受診の目安と安静にしない理由で解説しています。
よくある質問
介護で腰を痛めないコツは何ですか?
抱え上げないこと、ベッドを腰の高さ近くまで上げてから介助すること、本人の力を引き出すことの3つが基本です。厚生労働省の指針でも、人を抱え上げる作業は原則として人力で行わないとされています。
腰ベルトは介護の腰痛予防に効果がありますか?
人によって効果が異なります。厚生労働省の指針では、腰部保護ベルトは個人ごとに効果を確認したうえで使うかどうかを判断するとされています。介助の方法や道具を見直したうえでの補助として使いましょう。
家族でも福祉用具をレンタルできますか?
介護を受ける本人が要介護認定を受けていれば、介護保険で福祉用具をレンタルできます。種類によっては要介護度の条件があります。ケアマネジャーに相談してください。
介助のやり方を教えてもらえるところはありますか?
訪問リハビリや訪問看護の担当者に、自宅の環境に合わせた介助の方法を教えてもらえます。福祉用具の販売・レンタル事業者も、道具の使い方を説明してくれます。
腰が痛いときは安静にしたほうがいいですか?
しびれや排尿・排便の異常など、早めに受診すべきサインがないかをまず確認してください。介護を続けながら無理をするのは避け、負担の大きい介助はサービスに任せることも考えましょう。
- 介護で腰痛が起きやすいのは、抱え上げ・前かがみ・ひねりの3つの動作
- 厚生労働省の指針は、人を抱え上げる作業は原則として人力で行わないとしている
- ベッドの高さを上げる、本人の力を引き出す、福祉用具を使うのが基本
- 負担の大きい介助は、1人で抱え込まずサービスに任せる
- 腰ベルトは個人ごとに効果を確かめて使う補助具
- しびれや排尿・排便の異常があれば、早めに受診する
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。腰痛予防の考え方は、厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」(平成25年6月改訂)のパンフレットにもとづいて記載しています(2026年10月確認)。指針は職場向けのものであり、家庭での介護への当てはめは筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。腰痛がある場合は医療機関を受診してください。商品の効果には個人差があります。





