介護医療院の夜間勤務等看護加算とは?

介護医療院の夜間勤務等看護加算は、(Ⅰ)23単位、(Ⅱ)14単位、(Ⅲ)14単位、(Ⅳ)7単位(いずれも1日につき)です。
4区分の違いは、①夜勤者を「看護職員だけ」で数えるか「看護職員又は介護職員」で数えるか、②何人につき1人を配置するか(15人ごとか20人ごとか)の組み合わせで決まります。
(Ⅱ)と(Ⅲ)が同じ14単位なのは、この2つが別の軸で緩和された区分だからです。人数の基準を緩めたのが(Ⅱ)、職種の範囲を広げたのが(Ⅲ)です。
この記事では、指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)介護医療院サービスの注10、厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)の条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- 夜間勤務等看護加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)の単位数
- 4区分を分ける2つの軸(職種の範囲と配置人数)
- (Ⅱ)と(Ⅲ)が同じ14単位である理由
- いずれの区分も「かつ、2以上」という下限があること
- (Ⅲ)だけ看護職員1人以上という追加要件があること
- 届出が必要であること
ちびウルフ(Ⅱ)と(Ⅲ)が同じ単位なら、どちらを取ってもいいんですか?
リハウルフ要件を満たすほうを選ぶことになります。(Ⅱ)は看護職員だけで20人に1人、(Ⅲ)は看護職員か介護職員で15人に1人+看護職員1人以上。看護職員を厚く置ける施設は(Ⅱ)、介護職員で人数を確保する施設は(Ⅲ)という住み分けです。
介護医療院の夜間勤務等看護加算とは?
介護医療院の夜間勤務等看護加算は、夜間に手厚い看護体制を確保している施設を評価する加算です。
介護医療院の入所者は、痰の吸引、経管栄養、点滴、酸素療法などが必要な人が中心です。夜間に状態が変わったとき、その場で判断できる看護職員がいるかどうかで、対応の質は大きく変わります。
この加算は、夜勤の人数と職種の構成を報酬に反映させる仕組みです。基本報酬の要件を満たすだけの夜勤体制ではなく、そこから上乗せした配置を評価しています。
夜間勤務等看護加算の単位数
| 区分 | 単位数 | 数える職種 | 配置の基準 |
|---|---|---|---|
| 夜間勤務等看護(Ⅰ) | 23単位/日 | 看護職員のみ | 利用者・入所者15人ごとに1以上 |
| 夜間勤務等看護(Ⅱ) | 14単位/日 | 看護職員のみ | 利用者・入所者20人ごとに1以上 |
| 夜間勤務等看護(Ⅲ) | 14単位/日 | 看護職員又は介護職員 | 利用者・入所者15人ごとに1以上+看護職員1以上 |
| 夜間勤務等看護(Ⅳ) | 7単位/日 | 看護職員又は介護職員 | 利用者・入所者20人ごとに1以上 |
いずれの区分にも「かつ、2以上であること」という下限があります。少人数の施設でも、夜勤者が2人未満では算定できません。
夜間勤務等看護加算の算定要件
(Ⅰ)23単位
介護医療院における夜勤を行う看護職員の数が、当該介護医療院における指定短期入所療養介護の利用者の数及び入所者の数の合計数が15又はその端数を増すごとに1以上であり、かつ、2以上であること。
(Ⅱ)14単位
(Ⅰ)の規定を準用し、「15」を「20」と読み替えます。看護職員だけで数える点は(Ⅰ)と同じで、人数の基準が緩くなります。
(Ⅲ)14単位
- (Ⅰ)の規定を準用し、「看護職員」を「看護職員又は介護職員」と読み替える(15人ごとに1以上、かつ2以上)
- 加えて、夜勤を行う看護職員の数が1以上であること
(Ⅳ)7単位
(Ⅰ)の規定を準用し、「看護職員」を「看護職員又は介護職員」に、「15」を「20」に読み替えます。4区分のなかで最も緩い要件です。
| 15人ごとに1人 | 20人ごとに1人 | |
|---|---|---|
| 看護職員のみで数える | (Ⅰ)23単位 | (Ⅱ)14単位 |
| 看護職員又は介護職員で数える | (Ⅲ)14単位 +看護職員1人以上 | (Ⅳ)7単位 |
職種を絞るほど、人数を厚くするほど、単位数が上がる構造です。(Ⅱ)と(Ⅲ)が同額なのは、緩和の方向が違うだけで水準が近いためと読めます。
夜間勤務等看護加算の注意点
「利用者の数及び入所者の数の合計数」で数える
基準は短期入所療養介護の利用者と入所者の合計で計算します。ショートステイを受け入れている介護医療院では、その利用者も分母に入ります。入所者だけで計算すると、必要な夜勤者数を過小に見積もることになります。
「かつ、2以上」の下限
たとえば入所者20人の施設で(Ⅱ)を算定する場合、「20人ごとに1以上」だけなら夜勤看護職員1人で足りる計算になります。しかし「かつ、2以上」があるため、2人以上が必要です。小規模な施設ほど、この下限が効きます。
(Ⅲ)だけ看護職員の下限がある
(Ⅲ)は介護職員を数に含められる一方で、看護職員が1人以上いることが別途求められます。介護職員だけで人数を満たしても算定できません。
基本報酬の夜勤基準との関係
介護医療院サービスの注1は、夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準を満たさない場合、所定単位数から25単位を控除すると定めています。
| 状態 | 報酬への影響 |
|---|---|
| 夜勤職員の基準を満たさない | 基本報酬から25単位を控除 |
| 基準を満たす | 控除なし(加算はまだ算定できない) |
| さらに上乗せの夜勤体制 | 夜間勤務等看護加算(7〜23単位) |
まず25単位の控除を受けない体制を確保し、そこから加算を目指すという順序になります。
夜間勤務等看護加算のQ&A
(Ⅱ)と(Ⅲ)はなぜ同じ14単位ですか?
緩和の方向が違うためです。(Ⅱ)は人数の基準を20人ごとに緩め、(Ⅲ)は数える職種を介護職員まで広げています。
介護職員だけで夜勤を組んでも算定できますか?
(Ⅲ)は看護職員1人以上が別途必要です。(Ⅳ)は看護職員又は介護職員で数えますが、施設の夜勤基準そのものは別に満たす必要があります。
分母に短期入所療養介護の利用者は入りますか?
入ります。基準は「指定短期入所療養介護の利用者の数及び入所者の数の合計数」です。
「かつ、2以上」とは何ですか?
人数の計算結果にかかわらず、夜勤者が2人以上必要という下限です。
複数の区分を同時に算定できますか?
施設基準に掲げる区分に従って1日につき算定します。該当する区分を届け出てください。
届出は必要ですか?
必要です。都道府県知事に対して届出を行います。
夜勤基準を満たさない場合はどうなりますか?
基本報酬から25単位が控除されます(注1のただし書き)。
ユニット型でも算定できますか?
夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準は、ユニット型についても定めがあります。原文と都道府県の解釈を確認してください。
- 夜間勤務等看護加算は(Ⅰ)23単位・(Ⅱ)14単位・(Ⅲ)14単位・(Ⅳ)7単位(1日につき)
- 4区分は「数える職種」と「配置人数」の2つの軸で分かれる
- (Ⅰ)は看護職員のみで15人ごとに1以上
- (Ⅱ)は看護職員のみで20人ごとに1以上
- (Ⅲ)は看護職員又は介護職員で15人ごとに1以上+看護職員1人以上
- (Ⅳ)は看護職員又は介護職員で20人ごとに1以上
- いずれも「かつ、2以上」という下限がある
- 分母は短期入所療養介護の利用者と入所者の合計
- 夜勤基準を満たさない場合は基本報酬から25単位が控除される
- 届出先は都道府県知事
- 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 介護医療院サービスの注1・注10(全国老人保健施設協会 法令等データベース)
- 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)ハ(3)(夜間勤務等看護(Ⅰ)〜(Ⅳ)の基準)(全国老人保健施設協会 法令等データベース)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および都道府県・保険者の解釈をご確認ください。人数の端数処理、ユニット型における取扱い、併設型小規模介護医療院の特例については指定権者に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。




