地域密着型通所介護の基本報酬について解説

地域密着型通所介護の基本報酬は、所要時間の区分と要介護状態区分の組み合わせで決まります。所要時間は実際にかかった時間ではなく、地域密着型通所介護計画に位置付けられた標準的な時間で算定する点が、実務で最も間違いやすいところです。
この記事では、地域密着型通所介護の基本報酬を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- 所要時間6区分×要介護度5段階の単位数
- 実際の時間ではなく計画上の標準的な時間で算定すること
- 2時間以上3時間未満の場合は70%になること
- 定員18人以下が地域密着型になること
- 通所介護(デイサービス)との単位数の違い
- 共生型地域密着型通所介護の3つの割合
- 利用者数や職員数が基準に該当する場合の取扱い
- 他サービスとの併算定ができない場合
地域密着型通所介護の基本報酬とは?
地域密着型通所介護は、利用定員が18人以下の通所介護です。平成28年4月に、小規模な通所介護事業所が地域密着型サービスへ移行したことで生まれました。市町村が指定・指導監督を行うため、原則として事業所のある市町村の被保険者が利用します。
提供する内容は通所介護とほぼ同じですが、報酬の単位数は別に定められています。基本報酬は、所要時間の区分と要介護状態区分の掛け合わせで決まる形です。ここに各種の加算を積み上げ、該当すれば減算を反映して、1回ごとの単位数が確定します。
地域密着型通所介護費の単位数
| 所要時間 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3時間以上4時間未満 | 416 | 478 | 540 | 600 | 663 |
| 4時間以上5時間未満 | 436 | 501 | 566 | 629 | 695 |
| 5時間以上6時間未満 | 657 | 776 | 896 | 1,013 | 1,134 |
| 6時間以上7時間未満 | 678 | 801 | 925 | 1,049 | 1,172 |
| 7時間以上8時間未満 | 753 | 890 | 1,032 | 1,172 | 1,312 |
| 8時間以上9時間未満 | 783 | 925 | 1,072 | 1,220 | 1,365 |
いずれも1回につきの単位数です。4時間以上5時間未満と5時間以上6時間未満の間で、単位数が大きく跳ね上がる点が特徴です。要介護1で比べると436単位と657単位で、221単位の差があります。
2時間以上3時間未満の場合
厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者に対して、所要時間2時間以上3時間未満の地域密着型通所介護を行う場合は、4時間以上5時間未満の所定単位数の100分の70を算定します。
- 別に厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者に対して、所要時間2時間以上3時間未満の指定地域密着型通所介護を行う場合は、イ(2)の所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定する。
地域密着型通所介護費の算定要件
所要時間は計画上の時間で見る
告示は、利用者の要介護状態区分に応じて、現に要した時間ではなく、地域密着型通所介護計画に位置付けられた内容のサービスを行うのに要する標準的な時間で算定すると定めています。
ただし、計画そのものが実態と合っていない場合は別です。毎回のように早く帰っているのに計画を見直していなければ、運営指導で計画の見直しを求められます。
「実績が計画と違う日が続いたら計画を見直す」が正しい対応です。時間区分だけを下げて請求する運用ではありません。
届出が前提
厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、市町村長に届出を行った事業所であることが前提です。
利用者数・職員数が基準に該当する場合
利用者の数、または看護職員・介護職員の員数が厚生労働大臣の定める基準に該当する場合は、別に定めるところにより算定します。定員超過利用と人員基準欠如の減算がこれにあたります。
共生型地域密着型通所介護の取扱い
障害福祉サービスの事業所が共生型として地域密着型通所介護を行う場合、事業者の種別に応じて所定単位数に割合を掛けます。
| 事業者の種別 | 算定する割合 |
|---|---|
| 指定生活介護事業者 | 所定単位数の100分の93 |
| 指定自立訓練(機能訓練)事業者 指定自立訓練(生活訓練)事業者 | 所定単位数の100分の95 |
| 指定児童発達支援事業所 | 所定単位数の100分の90 |
| 指定放課後等デイサービス事業者 | 所定単位数の100分の90 |
児童発達支援と放課後等デイサービスについては、主として重症心身障害児を通わせる事業所を除くとされています。
地域密着型通所介護費の注意点
- 短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護を受けている間は算定できません
- 小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、複合型サービスを受けている間も算定できません
- 同一建物に居住する者などには、1日につき94単位の減算があります
- 送迎を行わない場合は、片道につき47単位の減算です
- 共生型で算定している場合、中重度者ケア体制加算と認知症加算は算定できません
ちびウルフ普通のデイサービスと単位数はどう違うの?
リハウルフ定員18人以下という規模が前提なので、通所介護の通常規模型より1回あたりの単位数は高めに設定されています。小さい事業所は1人あたりのコストが高くなるためです。
ただ、定員が少ない分、利用者が1人欠けたときの影響も大きいのが実際のところです。加算をどう組むかで収支が変わるので、取れる加算は一度すべて洗い出すことをおすすめします。
地域密着型通所介護費のQ&A
地域密着型通所介護費のQ&A
通所介護との違いは何ですか?
利用定員が18人以下である点と、市町村が指定・指導監督を行う地域密着型サービスである点です。単位数も別に定められています。
所要時間はどう数えますか?
実際にかかった時間ではなく、地域密着型通所介護計画に位置付けられた標準的な時間で算定します。
早退した日はどうなりますか?
計画上の時間区分で算定します。ただし実態と計画がずれ続けている場合は、計画の見直しが必要です。
2時間以上3時間未満はどう算定しますか?
厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者に対して行う場合、4時間以上5時間未満の所定単位数の100分の70です。
他の市町村の住民も利用できますか?
地域密着型サービスのため、原則として事業所のある市町村の被保険者が対象です。
要支援でも使えますか?
地域密着型通所介護に予防給付はありません。要支援の方は介護予防・日常生活支援総合事業の対象です。
ショートステイ利用中も算定できますか?
できません。短期入所生活介護・短期入所療養介護を受けている間は算定しない定めです。
共生型の割合は何で決まりますか?
事業者の種別です。生活介護は93%、自立訓練は95%、児童発達支援と放課後等デイサービスは90%です。
定員を超えたらどうなりますか?
利用者の数が厚生労働大臣の定める基準に該当する場合、別に定めるところにより算定します。定員超過利用減算の対象です。
- 地域密着型通所介護は利用定員18人以下の通所介護
- 市町村が指定・指導監督を行う地域密着型サービス
- 基本報酬は所要時間6区分×要介護度5段階
- 3時間以上4時間未満の要介護1が416単位で最も低い
- 8時間以上9時間未満の要介護5が1,365単位で最も高い
- 4時間台と5時間台の間で単位数が大きく上がる
- 所要時間は実際の時間ではなく計画上の標準的な時間で算定する
- 実績と計画がずれ続けるなら計画を見直す
- 2時間以上3時間未満は4時間以上5時間未満の70%
- 共生型は事業者種別に応じて93%・95%・90%
- 定員超過や人員欠如は別に定めるところにより算定する
- ショートステイや施設サービス利用中は算定できない
- 同一建物の利用者は1日94単位の減算
- 送迎を行わない場合は片道47単位の減算
- 予防給付はなく、要支援は総合事業の対象
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(地域密着型通所介護費)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
- 介護保険法(平成9年法律第123号)e-Gov法令検索
※本記事の単位数および算定要件は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。単位数は令和6年度介護報酬改定時点のもので、地域区分による1単位あたりの単価は含みません。2時間以上3時間未満の対象となる利用者の要件、定員超過利用減算・人員基準欠如減算の具体的な計算方法については、厚生労働大臣が定める基準および留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





