地域密着型通所介護の個別機能訓練加算とは?

地域密着型通所介護の個別機能訓練加算は、(Ⅰ)イ56単位・(Ⅰ)ロ76単位が1日につき、(Ⅱ)20単位が1月につきです。(Ⅰ)イと(Ⅰ)ロは同時に算定できません。(Ⅱ)はLIFEへの情報提出が前提で、(Ⅰ)に上乗せする位置づけです。
この記事では、この加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- (Ⅰ)イ56単位・(Ⅰ)ロ76単位・(Ⅱ)20単位の違い
- (Ⅰ)は1日につき、(Ⅱ)は1月につきであること
- (Ⅰ)イと(Ⅰ)ロは併算定できないこと
- イとロで機能訓練指導員の配置が違うこと
- (Ⅱ)はLIFEへの提出が前提であること
- 個別機能訓練計画に必要な要素
- 3か月ごとの進捗評価が必要なこと
- 生活機能向上連携加算との関係
地域密着型通所介護の個別機能訓練加算とは?
個別機能訓練加算は、機能訓練指導員を配置し、利用者ごとに個別機能訓練計画を作って訓練を行ったことを評価する加算です。集団体操をしているだけでは算定できません。利用者一人ひとりの生活上の目標に沿った訓練であることが求められます。
令和3年度の改定で区分が整理され、(Ⅰ)イ・(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)の3つになりました。イとロは機能訓練指導員の配置の手厚さで分かれ、(Ⅱ)は科学的介護情報システム(LIFE)への情報提出とフィードバックの活用を評価する区分です。
個別機能訓練加算の単位数
| 区分 | 単位数 | 算定 | 併算定 |
|---|---|---|---|
| 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ | 56単位 | 1日につき | イとロは同時算定不可 |
| 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ | 76単位 | 1日につき | |
| 個別機能訓練加算(Ⅱ) | 20単位 | 1月につき | (Ⅰ)に上乗せ |
(Ⅰ)イと(Ⅰ)ロの差は20単位です。週2回・月8回の利用なら、イが448単位、ロが608単位で、月160単位の差になります。(Ⅱ)は月20単位なので、加算の主役は(Ⅰ)のほうです。
個別機能訓練加算の算定要件
(Ⅰ)イと(Ⅰ)ロの違い
| 区分 | 機能訓練指導員の配置 |
|---|---|
| (Ⅰ)イ | 専従の機能訓練指導員を1名以上配置 |
| (Ⅰ)ロ | (Ⅰ)イに加えて、さらに専従の機能訓練指導員を1名以上配置(サービス提供時間帯を通じて配置) |
機能訓練指導員になれるのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、および一定の要件を満たすはり師・きゅう師です。配置時間の考え方は区分によって異なるため、厚生労働大臣が定める基準と留意事項通知を確認してください。
共通して必要なこと
- 利用者ごとに個別機能訓練計画を作成すること
- 計画の作成にあたり、利用者の居宅を訪問し、生活状況を確認すること
- 計画にもとづき、機能訓練指導員等が訓練を実施すること
- 3か月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問し、進捗状況を説明し、計画を見直すこと
- 訓練の内容と実施状況を記録すること
(Ⅱ)の要件
- (Ⅰ)イまたは(Ⅰ)ロを算定していること
- 利用者ごとの個別機能訓練計画の内容等の情報を厚生労働省に提出していること(LIFE)
- 提出した情報とフィードバックを活用して、計画の見直し等を行っていること
・計画作成時の訪問
・3か月ごとの訪問と説明
どちらも要件です。送迎時に玄関先まで行っただけでは訪問とは言えません。屋内に入り、生活動線や段差、手すりの有無を確認して記録してください。
「訪問した日付・訪問者・確認した内容・説明した相手」を残すことが、算定を守る最低ラインです。
個別機能訓練加算の注意点
- (Ⅰ)イと(Ⅰ)ロは同時に算定できません
- (Ⅱ)は(Ⅰ)を算定していることが前提です
- 生活機能向上連携加算(Ⅱ)を算定している場合、個別機能訓練加算を算定していると生活機能向上連携加算(Ⅰ)は算定できず、(Ⅱ)は1月100単位になります
- 集団体操だけでは算定できません。計画に沿った個別の訓練が必要です
- 計画は利用者または家族に説明し、同意を得て交付します
- LIFEへの提出は期限があります。遅れると(Ⅱ)は算定できません
告示は、個別機能訓練加算を算定している場合の生活機能向上連携加算について、(Ⅰ)は算定せず、(Ⅱ)は1月につき100単位を加算すると定めています。両方をフルに取ることはできません。
ちびウルフロのほうが20単位高いなら、PTをもう1人雇えば得なの?
リハウルフ単純計算では足が出ます。定員18人で全員が対象なら1日360単位ですが、それで常勤1人分の人件費は賄えません。
ただ、機能訓練指導員が2人いると、訓練の質と記録の精度が変わります。1人だと入浴や送迎に引っ張られて訓練の時間が削られがちです。加算単体の損得ではなく、「訓練をする事業所」として選ばれるかどうかで判断するほうが現実的です。
個別機能訓練加算のQ&A
個別機能訓練加算のQ&A
単位数はいくらですか?
(Ⅰ)イ56単位・(Ⅰ)ロ76単位が1日につき、(Ⅱ)20単位が1月につきです。
(Ⅰ)イと(Ⅰ)ロは併算定できますか?
できません。いずれか一方です。
(Ⅱ)だけ算定できますか?
できません。(Ⅰ)を算定していることが前提です。
機能訓練指導員になれるのは誰ですか?
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、および一定の要件を満たすはり師・きゅう師です。
居宅訪問は必ず必要ですか?
計画作成時と、3か月ごとの進捗説明のいずれも居宅を訪問して行うことが求められます。
集団体操では算定できませんか?
個別機能訓練計画にもとづく個別の訓練が必要です。集団体操のみでは算定できません。
生活機能向上連携加算と両方取れますか?
個別機能訓練加算を算定している場合、生活機能向上連携加算(Ⅰ)は算定できず、(Ⅱ)は1月100単位になります。
LIFEの提出が遅れたらどうなりますか?
(Ⅱ)は情報提出が要件のため算定できません。提出期限は通知で定められています。
計画は誰に説明しますか?
利用者または家族に説明し、同意を得て交付します。記録を残してください。
- 個別機能訓練加算は(Ⅰ)イ56単位・(Ⅰ)ロ76単位・(Ⅱ)20単位
- (Ⅰ)は1日につき、(Ⅱ)は1月につき
- (Ⅰ)イと(Ⅰ)ロは同時に算定できない
- イとロの違いは機能訓練指導員の配置の手厚さ
- (Ⅱ)は(Ⅰ)の算定が前提
- (Ⅱ)はLIFEへの情報提出とフィードバックの活用が要件
- 利用者ごとの個別機能訓練計画が必要
- 計画作成時に居宅を訪問して生活状況を確認する
- 3か月ごとに居宅を訪問し、進捗を説明して計画を見直す
- 居宅訪問の未実施が最も多い不備
- 玄関先だけでなく屋内の生活動線まで確認する
- 集団体操だけでは算定できない
- 個別機能訓練加算を算定すると生活機能向上連携加算(Ⅰ)は算定できない
- そのとき生活機能向上連携加算(Ⅱ)は1月100単位になる
- 計画は利用者・家族に説明し同意を得て交付する
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(地域密着型通所介護費 注15・注16)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)
- 令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省)
※本記事の単位数および併算定の可否は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。機能訓練指導員の配置時間の具体的な考え方、居宅訪問の実施方法、LIFEへの情報提出の期限については、厚生労働大臣が定める基準および留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





