定期巡回・随時対応型訪問介護看護の口腔連携強化加算は50単位(月1回)です。単位数は小さいものの、算定するには歯科医療機関との文書による取り決めが必要で、さらに他の口腔関連の加算との重複を避ける条件が3つ定められています。ここを確認せずに算定すると返還になります。

この記事では、この加算の単位数と算定要件を、厚生労働大臣が定める基準の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 口腔連携強化加算は50単位・月1回であること
  • 歯科医療機関と文書で取り決める必要があること
  • 連携先の歯科医療機関に条件があること
  • 算定できない3つのケース
  • 評価を行うのは事業所の従業者であること
  • 届出が必要であること
  • 記録として残すべきもの
  • 他サービスとの重複に注意すべき点

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の口腔連携強化加算とは?

事業所の職員が利用者の口腔の健康状態を評価し、その結果を歯科医療機関や介護支援専門員に提供する取り組みを評価する加算です。口腔の問題は誤嚥性肺炎や低栄養につながるため、日常的に訪問する職員が気づいて専門職につなぐことが目的です。令和6年度の介護報酬改定で新設されました。

口腔連携強化加算の単位数

項目内容
単位数50単位
算定頻度月1回

口腔連携強化加算の算定要件

厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第46号の2 イ
  • 指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の従業者が利用者の口腔の健康状態に係る評価を行うに当たって、歯科診療報酬点数表の区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士に相談できる体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。

1. 連携先の歯科医療機関には条件がある

「歯科訪問診療料の算定の実績がある」ことが必要 どの歯科医院でもよいわけではありません。条文は歯科訪問診療料(区分番号C000)の算定の実績がある歯科医療機関と限定しています。
つまり、訪問歯科診療を実際に行っている歯科医療機関である必要があります。近所の歯科医院と口約束で連携しても、この要件は満たせません。依頼する前に、訪問歯科診療の実績を確認してください。

2. 文書による取り決めが必要

条文は「相談できる体制を確保し、その旨を文書等で取り決めている」としています。口頭の約束では要件を満たしません。

  • 連携先の歯科医療機関名と、取り決めた日付が記載されているか
  • 相談できる体制の内容(連絡方法、対応者など)が書かれているか
  • 双方が確認したことがわかる形になっているか
  • 連携先が変わったときに、取り決めを更新しているか

3. 評価を行うのは事業所の従業者

条文は「事業所の従業者が利用者の口腔の健康状態に係る評価を行う」としています。歯科医師や歯科衛生士に評価してもらう加算ではありません。日常的に訪問している職員が評価し、必要に応じて歯科医療機関に相談するという流れです。

算定できない3つのケース

同 第46号の2 ロ(要旨)
  • (1) 他の介護サービスの事業所において、当該利用者について、口腔・栄養スクリーニング加算を算定していること(栄養状態のスクリーニングを行い口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を算定している場合を除く)。
  • (2) 当該利用者について、口腔の健康状態の評価の結果、居宅療養管理指導が必要であると歯科医師が判断し、初回の居宅療養管理指導を行った日の属する月を除き、歯科医師又は歯科衛生士が行う居宅療養管理指導費を算定していること。
  • (3) 当該事業所以外の介護サービス事業所において、当該利用者について、口腔連携強化加算を算定していること。
ケース算定の可否
他事業所が口腔・栄養スクリーニング加算を算定している算定できない((Ⅱ)の場合を除く)
歯科の居宅療養管理指導費を算定している算定できない(初回月を除く)
他事業所が口腔連携強化加算を算定している算定できない

いずれも「他のサービスで何を算定しているか」を確認しないと判断できません。ケアマネジャーに確認するのが確実です。

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50単位のために、そこまで確認するのは大変じゃない?

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正直、単位数だけ見れば小さいです。ただ、この加算の本当の価値は口腔を見る習慣が職員につくことだと思っています。訪問先で口の中を見る機会は、実はあまりありません。誤嚥性肺炎で入院すると、その方の在宅生活は大きく変わります。予防の入口として使うという発想なら、手間に見合います。

口腔連携強化加算の注意点

  • 届出が必要:市町村長への届出を行ったうえで算定します
  • 月1回まで:複数回の算定はできません
  • 連携先の実績を確認する:歯科訪問診療料の算定実績がある歯科医療機関に限られます
  • 文書を保管する:取り決めの文書は運営指導で必ず確認されます
  • 評価の記録を残す:誰が、いつ、どのような評価を行ったかを記録します
  • 他サービスの算定状況を確認する:3つの除外条件に当たらないかを毎月確認してください

口腔連携強化加算のQ&A

よくある質問

口腔連携強化加算は何単位ですか?

50単位で、月1回の算定です。

どの歯科医院と連携してもよいですか?

いけません。歯科訪問診療料(区分番号C000)の算定実績がある歯科医療機関に限られます。

口頭の約束でもよいですか?

いけません。条文は「文書等で取り決めている」ことを求めています。

評価は歯科衛生士が行うのですか?

違います。事業所の従業者が評価を行い、必要に応じて歯科医師または歯科衛生士に相談する仕組みです。

他のサービスで口腔・栄養スクリーニング加算を算定している場合は?

算定できません。ただし、栄養状態のスクリーニングを行い口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を算定している場合は除かれます。

歯科の居宅療養管理指導を受けている場合は?

初回の居宅療養管理指導を行った月を除き、算定できません。

他の事業所も同じ加算を算定していたら?

算定できません。1人の利用者について、複数の事業所が重複して算定することはできません。

届出は必要ですか?

必要です。市町村長への届出を行ったうえで算定します。

他サービスの算定状況はどう確認しますか?

担当のケアマネジャーに確認するのが確実です。毎月の確認を業務の流れに組み込んでください。

まとめ
  • 口腔連携強化加算は50単位で、月1回の算定
  • 令和6年度介護報酬改定で新設された加算
  • 評価を行うのは事業所の従業者であり、歯科専門職ではない
  • 連携先は歯科訪問診療料の算定実績がある歯科医療機関に限られる
  • 近所の歯科医院と口約束で連携しても要件を満たさない
  • 相談できる体制を文書等で取り決める必要がある
  • 取り決めの文書は運営指導で必ず確認される
  • 他事業所が口腔・栄養スクリーニング加算を算定していると算定できない
  • ただし口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)の場合は除かれる
  • 歯科の居宅療養管理指導費を算定していると算定できない(初回月を除く)
  • 他の事業所が口腔連携強化加算を算定していると算定できない
  • 3つの除外条件は、他サービスの算定状況を確認しないと判断できない
  • ケアマネジャーへの確認を毎月の業務に組み込む
  • 市町村長への届出が必要
  • 単位数は小さいが、口腔を見る習慣づけという価値がある
参考にした情報

※本記事の単位数および算定要件に関する記述は、厚生労働大臣が定める基準および指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。単位数は令和6年度介護報酬改定時点のもので、地域区分による1単位あたりの単価は含みません。評価に用いる様式や、評価結果の提供先・提供方法については、留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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