定期巡回の認知症専門ケア加算とは?単位数の違いに注意

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の認知症専門ケア加算は、算定している基本報酬の類型で単位数の桁が変わります。イ・ロ(月額包括)を算定している場合は(Ⅰ)90単位・(Ⅱ)120単位を1月につき。ハ(Ⅲ)を算定している場合は(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位を1日につきです。
この記事では、この加算の単位数と算定要件を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- 基本報酬の類型で単位数と算定単位が変わること
- ハを算定している場合は1日につきの算定であること
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できないこと
- 対象となる利用者が限定されていること
- 届出が必要であること
- 記録として残すべきもの
- 研修の修了者に関する要件の考え方
- 算定できなくなりやすい場面
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の認知症専門ケア加算とは?
認知症のある利用者に対して、専門的な研修を修了した職員を配置し、チームで専門的なケアを行う体制を評価する加算です。多くのサービスに同名の加算がありますが、定期巡回では単位数の設定が基本報酬の類型ごとに分かれている点が特徴です。
認知症専門ケア加算の単位数
| 区分 | イ又はロを算定している場合 | ハを算定している場合 |
|---|---|---|
| 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 90単位(1月につき) | 3単位(1日につき) |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 120単位(1月につき) | 4単位(1日につき) |
つまりハでは、訪問を行った日数によって加算額が変わります。訪問の記録がそのまま算定根拠になるため、日々の記録の精度が請求額に直結します。
認知症専門ケア加算の算定要件
- 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、電子情報処理組織を使用する方法により、市町村長に対し、老健局長が定める様式による届出を行った指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所において、別に厚生労働大臣が定める者に対して専門的な認知症ケアを行った場合は、当該基準に掲げる区分に従い、イ又はロについては1月につき、ハについては定期巡回サービス又は随時訪問サービスの提供を行った際に1日につき、次に掲げる所定単位数を加算する。ただし、次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては、次に掲げるその他の加算は算定しない。
押さえるべき3点
- 届出が必要:市町村長への届出を行ったうえで算定します
- 対象者が限定されている:「別に厚生労働大臣が定める者」に対して専門的な認知症ケアを行った場合です。認知症であれば誰でも対象になるわけではありません
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できない:注のただし書きが明記しています
対象となる利用者
対象は「厚生労働大臣が定める者」とされており、一般に日常生活自立度の一定以上の状態にある方が想定されています。該当するかどうかは、認定調査票や主治医意見書などで確認します。
対象者を判定した根拠を記録に残してください。「認知症がある」だけでは要件を満たしたことを示せません。
体制に関する要件
算定基準は、認知症介護に関する専門的な研修を修了した者の配置や、チームでのケアの実施、職員への技術的指導などを求めるのが一般的です。具体的な要件は厚生労働大臣が定める基準に定められているため、届出前に原文を確認してください。
- 研修修了者の修了証を保管しているか
- その職員が実際に勤務しているか(勤務形態一覧表と一致するか)
- 対象者に対するケアの実施記録があるか
- 職員への指導や会議の記録があるか
ちびウルフ研修を修了した職員が辞めたら、すぐ算定できなくなるの?
リハウルフ体制要件を満たさなくなった時点で算定できません。ここは運営指導でよく出ます。修了者が1人しかいない事業所は、その人の退職や長期休職で一気に崩れます。複数名が研修を受けられるよう計画的に進めておくことが、加算を維持する現実的な方法です。退職の申し出があった時点で、算定の可否を確認してください。
認知症専門ケア加算の注意点
- 類型で算定単位が変わる:イ・ロは1月につき、ハは1日につきです
- ハでは訪問記録が算定根拠:定期巡回または随時訪問を行った日が対象です
- (Ⅰ)と(Ⅱ)の併算定不可:いずれか一方です
- 対象者の判定根拠を残す:認定調査票等で確認した記録が必要です
- 研修修了者の在籍を維持する:退職等で要件を満たさなくなれば算定できません
- 届出が必要:体制が変わったときは速やかに届け出てください
認知症専門ケア加算のQ&A
よくある質問
単位数が2種類あるのはなぜですか?
基本報酬の類型で分かれているためです。イ・ロを算定している場合は1月につき90単位・120単位、ハを算定している場合は1日につき3単位・4単位です。
ハではどの日が算定対象ですか?
定期巡回サービスまたは随時訪問サービスの提供を行った日です。訪問の記録が算定根拠になります。
(Ⅰ)と(Ⅱ)は両方算定できますか?
できません。注のただし書きが、いずれかを算定している場合は他方を算定しないと定めています。
認知症があれば誰でも対象ですか?
違います。「厚生労働大臣が定める者」に対して専門的な認知症ケアを行った場合が対象です。判定の根拠を記録に残してください。
届出は必要ですか?
必要です。市町村長に対し、定められた様式による届出を行ったうえで算定します。
研修修了者が退職したらどうなりますか?
体制要件を満たさなくなった時点で算定できません。速やかに届け出てください。
修了証は保管が必要ですか?
必要です。運営指導では、修了証と勤務実績の両方を確認されます。
要件の詳細はどこにありますか?
厚生労働大臣が定める基準に定められています。届出前に原文をご確認ください。
他のサービスと同じ要件ですか?
考え方は共通していますが、単位数と算定単位はサービスごとに異なります。定期巡回では類型によって1月単位と1日単位に分かれます。
- 認知症専門ケア加算は、基本報酬の類型で単位数と算定単位が変わる
- イ・ロを算定している場合は(Ⅰ)90単位、(Ⅱ)120単位(1月につき)
- ハを算定している場合は(Ⅰ)3単位、(Ⅱ)4単位(1日につき)
- ハでは、定期巡回または随時訪問を行った日が算定対象
- ハでは訪問の記録がそのまま算定根拠になる
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できない
- 市町村長への届出が必要
- 対象は「厚生労働大臣が定める者」であり、認知症であれば全員ではない
- 対象者を判定した根拠を記録に残す
- 認知症介護に関する研修修了者の配置が求められる
- 修了証の保管と、実際の勤務実績の一致が確認される
- 修了者が1人だけの事業所は、退職で一気に要件が崩れる
- 複数名が研修を受けられるよう計画的に進める
- 体制要件を満たさなくなった時点で算定できない
- 具体的な要件は厚生労働大臣が定める基準の原文で確認する
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(定期巡回・随時対応型訪問介護看護費 チ)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)e-Gov法令検索
※本記事の単位数に関する記述は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。単位数は令和6年度介護報酬改定時点のもので、地域区分による1単位あたりの単価は含みません。体制要件(研修修了者の人数や配置の考え方)および対象となる利用者の範囲については、本記事では具体的な数値要件を記載していません。これらは厚生労働大臣が定める基準および厚生労働大臣が定める者に定められているため、届出および算定にあたっては必ず原文をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





