定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本報酬は、月額の包括報酬です。訪問した回数ではなく、要介護度と事業所の類型によって1月あたりの単位数が決まります。さらに、訪問看護サービスを行うかどうかで区分が分かれる点が、他の訪問系サービスと大きく違います。

この記事では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本報酬について、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 基本報酬が月額の包括報酬であること
  • (Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)という3つの類型の違い
  • 訪問看護サービスの有無で単位数が変わること
  • 要介護度別の単位数
  • (Ⅲ)だけが回数単位で算定される仕組み
  • 准看護師が訪問した場合の取扱い
  • 包括報酬ゆえに注意すべき点
  • あわせて確認したい加算・減算

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本報酬とは?

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中・夜間を通じて、定期的な訪問と随時の対応を組み合わせて提供するサービスです。訪問介護と訪問看護を一体的に、あるいは連携して提供します。

報酬の仕組みは1月あたりの包括報酬です。何回訪問しても単位数は変わりません。そのため、利用者の状態に応じて訪問回数を柔軟に増減できる一方、事業所側は訪問計画の設計が収支に直結します。

基本報酬は大きく3つの類型に分かれます。

類型性格算定単位
(Ⅰ)一体型事業所が訪問介護と訪問看護の両方を提供する1月につき
(Ⅱ)連携型訪問看護は連携する訪問看護事業所が提供する1月につき
(Ⅲ)夜間のみなど、限定的な提供形態基本夜間訪問サービス費は1月、定期巡回・随時訪問は1回につき

定期巡回・随時対応型訪問介護看護費の単位数

(Ⅰ)一体型の単位数(1月につき)

要介護度訪問看護サービスを行わない場合訪問看護サービスを行う場合
要介護15,446単位7,946単位
要介護29,720単位12,413単位
要介護316,140単位18,948単位
要介護420,417単位23,358単位
要介護524,692単位28,298単位

同じ事業所でも、その月に訪問看護サービスを提供したかどうかで単位数が変わります。要介護5では約3,600単位の差になります。

(Ⅱ)連携型の単位数(1月につき)

要介護度単位数
要介護15,446単位
要介護29,720単位
要介護316,140単位
要介護420,417単位
要介護524,692単位

連携型は、(Ⅰ)の「訪問看護サービスを行わない場合」と同じ単位数です。訪問看護は連携先の訪問看護事業所が医療保険または介護保険で別に算定します。

(Ⅲ)の単位数

区分単位数算定
基本夜間訪問サービス費989単位1月につき
定期巡回サービス費372単位1回につき
随時訪問サービス費(Ⅰ)567単位1回につき
随時訪問サービス費(Ⅱ)764単位1回につき
(Ⅲ)だけは回数で積み上がる (Ⅰ)(Ⅱ)が完全な月額包括であるのに対し、(Ⅲ)は基本部分が月額、訪問部分が回数単位という構造です。
そのため(Ⅲ)を算定する場合は、定期巡回・随時訪問の1回ごとの記録が、そのまま請求根拠になります。訪問日時と内容の記録が欠けると、その回は算定できません。

基本報酬の算定要件

告示の注1は、(Ⅰ)について次のように定めています。

指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)定期巡回・随時対応型訪問介護看護費 注1(要旨)
  • 指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護を行う事業所の従業者が、利用者に対し、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護(連携型を除く)を行った場合に、利用者の要介護状態区分に応じて、1月につきそれぞれ所定単位数を算定する。
  • 市町村の指定を受けた事業所であること(地域密着型サービスのため、原則として住所地の市町村の被保険者が対象)
  • 要介護1以上であること(要支援者は対象外)
  • 指定地域密着型サービス基準に定める人員・設備・運営の基準を満たしていること
  • オペレーターの配置、随時対応が可能な体制が確保されていること
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護計画が作成されていること

准看護師が訪問した場合

告示の注2は、准看護師による訪問看護サービスの場合、所定単位数の100分の98を算定すると定めています。

つまり2%の減額です。月額包括報酬であるため、要介護5(訪問看護あり)では500単位を超える差になります。誰が訪問したかの記録が、請求額に直結するということです。

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月額だから、たくさん訪問しても収入は同じなの?

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そのとおりです。だからこそ「必要なときに必要なだけ入る」が成立するのがこのサービスの強みです。5分の安否確認を1日4回、という組み方ができます。一方で、事業所としては訪問設計がそのまま収支になります。ケアプラン上、月額の範囲で何をどこまで行うかを、最初に利用者・家族と共有しておかないと後で揉めます。

基本報酬を算定するうえでの注意点

  • 区分支給限度基準額に含まれる:月額が大きいため、他のサービスと併用すると限度額を超えやすくなります
  • 月途中の利用開始・終了:日割りの規定によります。開始日・終了日の記録を正確に残してください
  • 入院期間中は算定できない:サービスを提供していない期間は対象外です
  • 他の訪問系サービスとの併用制限:訪問介護、訪問入浴介護など併用できないサービスがあります
  • 訪問看護の有無で区分が変わる:その月に訪問看護サービスを行ったかどうかを記録で示せるようにしてください
  • 減算の確認:高齢者虐待防止措置未実施減算、業務継続計画未策定減算はいずれも所定単位数の1%です
限度額を超えていないか必ず確認する 要介護5で訪問看護ありの場合、基本報酬だけで28,298単位になります。区分支給限度基準額に対して大きな割合を占めるため、福祉用具貸与や通所系サービスを併用すると超過しやすくなります。
超過分は全額自己負担です。ケアプラン作成時に、限度額内に収まるかを必ず確認してください。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護費のQ&A

よくある質問

訪問回数によって単位数は変わりますか?

(Ⅰ)(Ⅱ)は1月あたりの包括報酬のため変わりません。(Ⅲ)は定期巡回サービス費と随時訪問サービス費が1回につきの算定です。

訪問看護を行う月と行わない月で変わりますか?

(Ⅰ)では変わります。訪問看護サービスを行う場合の単位数が別に設定されています。要介護5では約3,600単位の差です。

連携型と一体型の違いは何ですか?

一体型は事業所自身が訪問看護も提供し、連携型は連携する訪問看護事業所が提供します。連携型の単位数は、一体型の「訪問看護を行わない場合」と同じです。

准看護師が訪問した場合はどうなりますか?

注2により、所定単位数の100分の98を算定します。2%の減額です。

要支援でも使えますか?

使えません。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は要介護1以上が対象です。

他の市町村の住民も利用できますか?

地域密着型サービスのため、原則として事業所がある市町村の被保険者が対象です。例外的な取扱いは保険者にご確認ください。

入院した月はどうなりますか?

サービスを提供していない期間は算定できません。日割りや月途中の取扱いは規定によります。

訪問介護と併用できますか?

併用できないサービスがあります。ケアプラン作成前に、併算定の可否を確認してください。

区分支給限度基準額との関係は?

基本報酬は限度額に含まれます。月額が大きいため、他サービスとの併用で超過しやすくなります。超過分は全額自己負担です。

まとめ
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本報酬は1月あたりの包括報酬
  • 訪問回数によって単位数は変わらない(Ⅲを除く)
  • 類型は(Ⅰ)一体型、(Ⅱ)連携型、(Ⅲ)の3つ
  • (Ⅰ)は訪問看護サービスの有無で単位数が分かれる
  • (Ⅰ)訪問看護なしは要介護1で5,446単位、要介護5で24,692単位
  • (Ⅰ)訪問看護ありは要介護1で7,946単位、要介護5で28,298単位
  • (Ⅱ)連携型は(Ⅰ)の訪問看護なしと同じ単位数
  • (Ⅲ)は基本夜間訪問サービス費989単位(1月)に、回数単位の訪問費が積み上がる
  • 定期巡回サービス費372単位、随時訪問サービス費(Ⅰ)567単位、(Ⅱ)764単位
  • (Ⅲ)では1回ごとの記録がそのまま請求根拠になる
  • 准看護師による訪問看護サービスは所定単位数の100分の98
  • 要介護1以上が対象で、要支援者は利用できない
  • 地域密着型サービスのため、原則として事業所のある市町村の被保険者が対象
  • 月額が大きく、区分支給限度基準額を超えやすい
  • 虐待防止措置未実施減算・業務継続計画未策定減算はいずれも所定単位数の1%
参考にした情報

※本記事の単位数および算定に関する記述は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。単位数は令和6年度介護報酬改定時点のもので、地域区分による1単位あたりの単価は含みません。日割り計算の方法、月途中の利用開始・終了の具体的な取扱い、併算定できないサービスの範囲については、留意事項通知および保険者の解釈をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。

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リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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