介護医療院の協力医療機関連携加算とは?

介護医療院の協力医療機関連携加算は、協力医療機関が要件を満たしている場合は50単位/月、それ以外は5単位/月です。令和6年度改定で新設されました。
ここで注意したいのが単位数です。グループホームや特定施設では100単位/40単位ですが、介護医療院・特養・老健は令和7年度から50単位/5単位に下がりました。令和6年度中は経過措置で100単位でしたが、現在は50単位です。古い資料を流用すると単位を間違えます。
この記事では、指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)介護医療院サービスのル、介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)第34条の条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- 協力医療機関連携加算の単位数(50単位/5単位)
- 令和7年度から100単位が50単位に下がったこと
- 50単位と5単位を分ける基準(省令第34条第1項各号)
- 算定行為が「定期的な会議の開催」であること
- 介護医療院には医師が常勤しているのになぜ協力医療機関が必要なのか
- GH・特定施設との単位数の違い
ちびウルフ介護医療院には医師がいますよね。それでも協力医療機関が必要なんですか?
リハウルフ必要です。介護医療院で対応できるのは日常的な医療で、手術や専門的な検査、集中治療は担えません。急変時に受け入れてくれる病院が実際にあるかどうかは、施設の医師がいることとは別の問題です。だから加算の要件も「会議を開いているか」という実効性を問う形になっています。
介護医療院の協力医療機関連携加算とは?
介護医療院の協力医療機関連携加算は、協力医療機関と定期的に会議を開き、入所者の病歴等の情報を共有していることを評価する加算です。
協力医療機関を定めること自体は、以前から運営基準上の義務でした。しかし名前だけを書類に記載し、実際には連絡を取り合っていない状態が広く見られたのが実情です。令和6年度改定では、この形骸化を解消する方向で見直しが行われました。
この加算が評価しているのは体制の有無ではなく、会議を開いて情報を共有しているという行為です。届出だけして会議を実施していない状態は、返還の対象になり得ます。
協力医療機関連携加算の単位数
介護医療院において、協力医療機関との間で、入所者の同意を得て、当該入所者の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催している場合は、次に掲げる区分に応じ、1月につき次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。
(1) 当該協力医療機関が、介護医療院基準第34条第1項各号に掲げる要件を満たしている場合 50単位
(2) (1)以外の場合 5単位
| サービス | 要件を満たす場合 | それ以外 |
|---|---|---|
| 介護医療院 | 50単位/月 | 5単位/月 |
| 特養・老健・地域密着型特養 | 50単位/月 | 5単位/月 |
| グループホーム・特定施設 | 100単位/月 | 40単位/月 |
告示の附則には、介護福祉施設サービス・介護保健施設サービス・介護医療院サービス・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護について、令和7年3月31日までは「50単位」を「100単位」と読み替えるという経過措置が置かれていました。
この経過措置は終了しています。現在は50単位です。令和6年度に作られた資料をそのまま使うと、単位数を取り違えます。
協力医療機関連携加算の算定要件
算定の実体は「定期的な会議の開催」
- 協力医療機関との間で行う会議であること
- 入所者の同意を得ていること
- 当該入所者の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催していること
「定期的」の頻度は告示に数値で書かれていません。運用サイクルを決めて、都道府県・保険者に確認しておくのが安全です。会議の日時・参加者・共有内容・同意の取得状況を記録に残してください。
50単位になる「第34条第1項各号」とは
介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)第34条第1項は、協力医療機関に求められる要件を定めています。この要件をすべて満たす協力医療機関と連携している場合が50単位、それ以外が5単位です。
10倍の差になるため、自施設の協力医療機関が該当するかを必ず確認してください。該当しない場合でも、5単位の算定は可能です。
協力医療機関連携加算の注意点
特別介護医療院サービス費との関係
注16が列挙する「算定しない加算」はチからヌまで、ワからヨまで、レ、ソ及びウからオまでです。協力医療機関連携加算(ル)はこの範囲に含まれていません。ただし請求上の取扱いは保険者に確認することをおすすめします。
運営基準上の義務とは別
介護医療院基準第34条は、加算の有無にかかわらず協力医療機関を定めること、定期的に対応を確認して都道府県知事へ届け出ることなどを義務づけています。加算を算定しない施設でも、この義務は履行しなければなりません。
高齢者施設等感染対策向上加算との関係
感染対策向上加算(Ⅰ)の要件にも、協力医療機関等との間で感染症発生時等の対応を取り決めることが含まれています。協力医療機関との関係づくりは、複数の加算に波及します。あわせて整理すると効率的です。
協力医療機関連携加算のQ&A
単位数は100単位ではないのですか?
令和6年度は経過措置で100単位でしたが、令和7年4月以降は50単位です。介護医療院・特養・老健等が対象の経過措置でした。
協力医療機関を定めていれば算定できますか?
できません。入所者の同意を得て病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催していることが要件です。
50単位と5単位はどこで分かれますか?
協力医療機関が介護医療院基準第34条第1項各号の要件を満たしているかどうかです。
「定期的に」とはどのくらいの頻度ですか?
告示に数値の定めはありません。運用を決めたうえで都道府県・保険者に確認してください。
会議はオンラインでもよいですか?
開催方法は限定されていません。可否は指定権者の解釈にもよるため、確認をおすすめします。
グループホームと単位数が違うのはなぜですか?
サービスごとに設定が異なります。GH・特定施設は100単位/40単位、介護医療院・特養・老健は50単位/5単位です。
加算を算定しない場合、協力医療機関は不要ですか?
必要です。介護医療院基準第34条により、協力医療機関を定めることは運営基準上の義務です。
入所者の同意は書面で必要ですか?
様式の定めはありません。同意書または説明と同意の記録を残す運用が一般的です。
- 介護医療院の協力医療機関連携加算は50単位/月(要件を満たす場合)と5単位/月
- 令和6年度は経過措置で100単位だったが、令和7年4月以降は50単位
- GH・特定施設の100単位/40単位とは異なる
- 算定要件は、入所者の同意を得て病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催していること
- 50単位の条件は、協力医療機関が介護医療院基準第34条第1項各号の要件を満たすこと
- 「定期的」の頻度は告示に明記がなく、指定権者への確認が必要
- 協力医療機関を定めること自体は加算と関係なく運営基準上の義務
- 高齢者施設等感染対策向上加算の要件とも関係する
- 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 介護医療院サービスのル(協力医療機関連携加算)、注16、附則(協力医療機関連携加算に係る経過措置)(全国老人保健施設協会 法令等データベース)
- 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)第34条(協力医療機関等)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第100号の5(高齢者施設等感染対策向上加算の基準)(厚生労働省法令等データベース)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示・省令にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および都道府県・保険者の解釈をご確認ください。「定期的に開催」の頻度、会議の開催方法、特別介護医療院サービス費を算定している場合の取扱いについては指定権者に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。




