要介護認定の申請方法は?流れ・必要書類・かかる期間を解説

要介護認定は、市町村の窓口に申請書を出すところから始まります。用意するものは思っているより少なく、主治医意見書は自分で取りに行く必要がありません。本人が行けない場合は、地域包括支援センターなどが申請を代行できます。
この記事では、介護支援専門員として在宅の現場に関わってきた立場から、要介護認定の申請方法・流れ・必要書類・かかる期間を、介護保険法の規定にそって順番どおりに整理します。
- 申請の窓口と、代行できる人
- 必要書類(40〜64歳の場合の違いも)
- 申請から認定までの5ステップ
- 認定調査で何を聞かれるか
- 主治医意見書は市町村が依頼すること
- 認定までにかかる期間(法律上は30日以内)
- 結果が出る前でもサービスを使えること
- 結果に納得できないときの2つの方法
要介護認定の申請方法【窓口と必要書類】
申請の窓口
申請先はお住まいの市町村(介護保険担当課)です。地域包括支援センターで受け付けている市町村も多くあります。
本人以外でも申請できる
本人や家族が窓口に行けない場合、次の事業者等が申請を代行できます。介護保険法で認められた仕組みです。
- 地域包括支援センター
- 指定居宅介護支援事業所(ケアマネジャーの事業所)
- 介護保険施設(特養・老健・介護医療院)
- 成年後見人、民生委員など
入院中で本人が動けない、家族が遠方にいるといった場合でも申請は進められます。まずは地域包括支援センターに電話してください。相談は無料です。
必要書類
| 要介護・要支援認定申請書 | 市町村の窓口またはホームページで入手 |
|---|---|
| 介護保険被保険者証 | 65歳以上の人(第1号被保険者) |
| 医療保険の被保険者証 | 40〜64歳の人(第2号被保険者) |
| マイナンバーが確認できるもの | マイナンバーカード、通知カードなど |
| 本人確認書類 | 代行申請の場合は代理人の身分証明書も |
| 主治医の氏名・医療機関名・所在地 | 申請書に記入する。書類の提出は不要 |
申請から認定までの流れ
- 市町村へ申請する/申請書と被保険者証等を提出。この日が「申請日」になる
- 認定調査を受ける/認定調査員が自宅や入院先を訪問し、心身の状況を確認する
- 主治医意見書が作成される/市町村が主治医に依頼。申請者が動く必要はない
- 一次判定/認定調査の結果と主治医意見書の一部をもとに、コンピュータが判定する
- 二次判定(介護認定審査会)/保健・医療・福祉の専門家が、一次判定・特記事項・主治医意見書をもとに審査判定する
- 認定結果の通知/被保険者証に要介護度と有効期間が記載されて返送される
認定調査で聞かれること
市町村の職員またはその委託を受けた調査員が訪問し、全国共通の調査票にもとづいて聞き取りを行います。
| 概況調査 | 現在受けているサービス、家族の状況、住まいの環境など |
|---|---|
| 基本調査 | 身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応、過去14日間に受けた医療など(74項目) |
| 特記事項 | 基本調査の選択肢だけでは伝わらない具体的な状況を、調査員が文章で記録する |
認定までにかかる期間
介護保険法では、申請のあった日から30日以内に認定を行うと定められています。30日以内にできない場合は、市町村が処理に要する見込期間と理由を通知することとされています。
ただし実態としては、30日を超えるケースが少なくありません。厚生労働省の社会保障審議会に示された資料では、令和4年度下半期の全国平均で約40日という数字が報告されています。主治医意見書の作成待ち、認定審査会の開催間隔などが理由です。
結果が出る前でもサービスは使える
ここが最も重要です。認定の効力は、申請のあった日にさかのぼって生じます。
つまり、結果を待っている間もサービスを利用でき、その利用分は保険給付の対象になります。実務上は、ケアマネジャーが認定結果を見込んで「暫定ケアプラン」を作成し、サービスを開始します。
ちびウルフじゃあ待たずにすぐ使えばいいの? リスクはない?
リハウルフ1つだけあります。見込んだ介護度より軽い結果が出ると、区分支給限度基準額を超えた分が全額自己負担になります。要介護2を想定して組んだプランで、結果が要支援2だった、というケースです。だから暫定プランは、退院直後などで急ぐ場合に、少なめに組むのが基本。ケアマネジャーが必ずリスクを説明するはずなので、そこは確認してください。「待つ必要はないが、詰め込みすぎない」が正解です。
要介護度の区分と有効期間
| 非該当(自立) | 介護保険のサービスは利用できない。総合事業を利用できる場合がある |
|---|---|
| 要支援1・2 | 介護予防サービス、総合事業。担当は地域包括支援センター |
| 要介護1〜5 | 介護保険サービス。担当は居宅介護支援事業所のケアマネジャー |
認定には有効期間があります。新規申請は原則6か月、更新申請は原則12か月です。介護認定審査会の意見にもとづき、期間が短縮・延長されることもあります。
また、更新で直前と同じ要介護度になった人については、有効期間の上限が48か月まで延長できる取り扱いになっています(令和3年4月から)。状態が安定している人の手続き負担を減らすためです。
更新申請は、有効期間満了日の60日前から満了日までの間に行えます。市町村から案内が届くのが一般的ですが、切れると全額自己負担になるため、届かない場合は自分から問い合わせてください。
結果に納得できないときの2つの方法
①区分変更申請
心身の状態が変わったときは、有効期間の途中でも区分変更申請ができます。実務でよく使われるのはこちらです。骨折して急に動けなくなった、認知症の症状が進んだといった場合に、ケアマネジャーが提案します。
②審査請求(不服申立て)
認定結果そのものに不服がある場合は、都道府県に置かれる介護保険審査会に審査請求ができます。処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が期限です。
ただし、審査請求は結論が出るまでに時間がかかります。「状態に見合っていない」という理由なら、区分変更申請のほうが早く現実的なことが多いです。まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。
要介護認定はどこで申請しますか?
診断書は必要ですか?
主治医がいない場合はどうすればよいですか?
申請にお金はかかりますか?
認定結果が出るまでどれくらいかかりますか?
結果が出る前にサービスを使えますか?
40代・50代でも申請できますか?
認定の有効期間はどのくらいですか?
更新はいつから申請できますか?
結果に納得できない場合はどうすればよいですか?
- 申請窓口は市町村の介護保険担当課。地域包括支援センターで受け付けている市町村も多い。
- 地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、介護保険施設などが申請を代行できる。
- 必要書類は申請書、介護保険被保険者証(40〜64歳は医療保険証)、マイナンバー確認書類など。
- 診断書は不要。主治医の氏名と医療機関名を書けば、市町村が主治医意見書を依頼する。
- 流れは、申請→認定調査→主治医意見書→一次判定(コンピュータ)→二次判定(介護認定審査会)→結果通知。
- 認定調査は概況調査・基本調査(74項目)・特記事項で構成される。
- 調査当日は家族が同席し、できない日の様子や夜間の状況を補足する。
- 法律上は申請日から30日以内。超える場合は市町村から見込期間と理由が通知される。
- 認定の効力は申請日にさかのぼるため、結果を待つ間もサービスを利用できる。
- ただし想定より軽い認定だった場合、限度額を超えた分は全額自己負担になる。
- 有効期間は新規が原則6か月、更新が原則12か月。要件を満たせば上限48か月まで延長できる。
- 更新申請は有効期間満了日の60日前から可能。切れると全額自己負担になる。
- 状態が変わったら区分変更申請、認定結果自体に不服なら都道府県の介護保険審査会へ審査請求。
- 介護保険法(平成9年法律第123号)第27条(要介護認定)、第28条(要介護認定の更新)、第29条(要介護状態区分の変更の認定)、第183条(審査請求)
- 厚生労働省「要介護認定に関する情報」(認定調査員テキスト、認定審査会委員テキスト等)
- 社会保障審議会介護保険部会資料(要介護認定に要する期間の状況)
※本記事の手続きは、介護保険法および全国共通の認定の仕組みにもとづいて整理したものです。申請書の様式、受付窓口、代行申請の取扱い、更新案内の送付の有無など、運用の細部は市町村によって異なります。認定までに実際に要する期間も市町村によって差があります。必ずお住まいの市町村の介護保険担当窓口でご確認ください。認定に要した期間の全国平均は、社会保障審議会に示された令和4年度下半期の数値であり、現在の状況とは異なる場合があります。有効期間の上限は介護認定審査会の意見により個別に定められるため、一律に適用されるものではありません。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の制度改正により取扱いが変わる可能性があります。暫定ケアプランに関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。




