訪問看護と訪問リハビリの違い5つ|料金・職種を最新版で解説

「訪問看護のリハビリと訪問リハビリは、いったい何が違うの?」「どちらも家にリハビリの人が来るのに、名前が違うのはなぜ?」——在宅サービスを調べはじめた利用者さんやご家族、そして現場に入りたてのPT・OT・ST・看護師から、とても多く寄せられる疑問です。名前は似ていても、この2つは制度上はまったく別のサービスとして位置づけられています。
この記事では、現役の訪問理学療法士の視点から、訪問看護(リハビリ専門職による訪問を含む)と訪問リハビリテーションの違いを5つのポイントに整理して解説します。料金は令和6年度(2024年)介護報酬改定後の最新の単位数にもとづいて説明するので、利用検討にも、現場での説明にもそのまま使える内容です。
- 訪問看護と訪問リハビリの「5つの違い」(制度・事業所・職種・内容・料金)
- 「理学療法士等による訪問看護」と「訪問リハビリ」が別物である理由
- 令和6年度(2024年)介護報酬改定後の最新の料金・単位数
- 利用者・家族がどちらを選べばよいかの考え方と相談先
訪問看護と訪問リハビリの違いを早わかり一覧
はじめに、この記事の結論を一覧表でまとめます。訪問看護と訪問リハビリの主な違いは、次の5つです。
| 比較項目 | 訪問看護 | 訪問リハビリ(訪問リハビリテーション) |
|---|---|---|
| ① 制度・名称 | 訪問看護費 など | 訪問リハビリテーション費 など |
| ② 事業所 | 訪問看護ステーション/病院・診療所 | 病院・診療所/介護老人保健施設/介護医療院 |
| ③ 訪問する人 | 看護師・保健師・助産師+PT・OT・ST | PT・OT・ST のみ |
| ④ 内容 | 健康管理・医療処置・リハビリなど幅広い | 機能回復・生活動作・家族支援のリハビリ中心 |
| ⑤ 料金(1回/介護保険) | 看護師20分未満314単位 ほか | 1回308単位(20分以上) |
ちびウルフ理学療法士さんが家に来てリハビリしてくれるのに、「訪問リハビリ」じゃないことがあるの?
リハウルフそうなんだ。PT・OT・STが訪問看護ステーションから来る場合は、制度上は「訪問看護」なんだよ。同じリハビリでも、どこから来るかで名前が変わるんだ。順番に見ていこう。
訪問看護とは?リハビリも含む在宅ケアの総合サービス
訪問看護とは、病気やけがで自宅療養している人のお宅に、看護師などの専門職が訪問し、療養上の世話や診療の補助を行うサービスです。厚生労働省は訪問看護を、居宅で継続して療養を受ける状態にある人に対し、看護師等が療養上の世話や必要な診療の補助を行うもの、と定義しています。
ポイントは、訪問看護のサービス内容にはリハビリテーションも含まれることです。実際、訪問看護ステーションからは、看護師だけでなく理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)も訪問します。これがいわゆる「理学療法士等による訪問看護(訪問看護Ⅰ5)」です。
訪問看護の主なサービス内容は次のとおりです(WAM NET等の公的情報をもとに整理)。
- 病状・障害の観察と健康管理
- 食事・清潔・排せつのケア、水分・栄養の管理
- リハビリテーション、日常生活動作の訓練
- 医療的ケア(褥瘡〔床ずれ〕の処置、点滴・医療機器の管理など)
- 服薬の管理・指導
- 療養生活や看護・介護方法に関する相談・助言
- ご家族の不安や悩みへの相談
- 終末期(看取り)のケア
- かかりつけ医との連絡・調整
このように、訪問看護は医療的ケアからリハビリ、看取りまでを幅広くカバーする在宅ケアの総合サービスといえます。リハビリ専門職による訪問看護の詳細は、訪問看護Ⅰ5(リハビリ専門職の訪問看護)の解説記事もあわせてご覧ください。
訪問リハビリ(訪問リハビリテーション)とは?
訪問リハビリテーションとは、自宅で生活する要介護者などに対し、PT・OT・STが居宅を訪問してリハビリを行うサービスです。厚生労働省は、居宅要介護者の心身機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行う理学療法・作業療法その他必要なリハビリテーション、と定義しています。
訪問リハビリの大きな特徴は、必ず事業所に医師が在籍していることです。医師の指示のもとでリハビリ計画が立てられ、定期的に医師が利用者の状態を診て計画を見直します。主なサービス内容は次の3つの領域に整理できます。
| 領域 | 主な内容 |
|---|---|
| 身体機能 | 関節拘縮の予防、筋力・体力の維持、褥瘡の予防、自主トレーニングの指導 |
| 日常生活 | 歩行練習(屋内・屋外)、基本動作訓練(寝返り・起き上がり・移乗)、日常生活動作訓練(食事・更衣・入浴・トイレ) |
| 家族支援 | 介助方法の検討・指導、福祉用具・自助具の提案、住宅改修に関する助言 |
ちびウルフ訪問リハビリは、お医者さんがいる事業所からリハビリの人が来るってことなんだね!
リハウルフその通り。病院・診療所・老健・介護医療院といった「医師がいる事業所」から提供されるのが訪問リハビリなんだ。基本となる訪問リハビリテーション1の内容はこちらの記事でも詳しく解説しているよ。
訪問看護と訪問リハビリの5つの違い
ここからは、2つのサービスの違いを5つの視点で具体的に比較します。
① 制度・サービス名称の違い
まず、制度上のサービス名称が異なります。それぞれの正式な区分は次のとおりです。
| 保険 | 訪問看護 | 訪問リハビリ |
|---|---|---|
| 介護保険 | 訪問看護Ⅰ3(看護師)、訪問看護Ⅰ5(リハ職)など | 訪問リハビリテーション1・2・3 |
| 医療保険 | 訪問看護基本療養費 など | 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料1・2 |
このように、理学療法士等による訪問は「訪問看護」であり、制度上は訪問リハビリとは呼びません。名称が違えば、算定する報酬も指示の流れも変わるため、現場では正確に区別する必要があります。
② 事業所の違い
サービスを提供する事業所の種類も異なります。
訪問看護ステーションには医師の常勤配置は求められませんが、訪問リハビリの事業所には必ず医師がいます。各事業所には人員基準・施設基準が定められているので、開設や運営を検討する方は訪問リハビリの施設基準・人員基準や訪問看護ステーションの人員基準・施設基準もあわせて確認しておきましょう。
③ 訪問する人(職種)の違い
訪問する職種にも違いがあります。
| 訪問看護で訪問する職種 | 訪問リハビリで訪問する職種 |
|---|---|
| 保健師/看護師/助産師 理学療法士/作業療法士/言語聴覚士 | 理学療法士/作業療法士/言語聴覚士 |
ここがとても重要です。リハビリ専門職(PT・OT・ST)は訪問看護も訪問リハビリも行えますが、看護師は訪問リハビリを行えません。逆に、点滴や褥瘡処置などの医療的ケアは看護師の領域であり、リハ職だけの訪問リハビリではカバーできません。
④ サービス内容の違い
内容面では、訪問看護が健康管理・医療処置・リハビリ・看取りまで幅広いのに対し、訪問リハビリは機能回復・生活動作・家族支援といったリハビリに特化しています。ただし、訪問看護にもリハビリが含まれるため、リハビリ部分だけを見ると重なる点が多いのも事実です。
ちびウルフリハビリの中身はけっこう似ているんだね。じゃあどう使い分ければいいの?
リハウルフ医療的ケアや看護師の関わりも必要なら訪問看護、医師の管理のもとでリハビリを重視するなら訪問リハビリ、という考え方が基本だよ。最終的には主治医とケアマネジャーが状態に合わせて判断するんだ。
⑤ 料金の違い(令和6年度・最新)
料金(介護保険)も異なります。以下は令和6年度(2024年)介護報酬改定後の基本報酬の単位数です。実際の自己負担額は「単位数×地域単価(おおむね10円台)×負担割合(1〜3割)」で計算され、各種加算によっても変動します。
| 区分 | 単位数(1回あたり) |
|---|---|
| 訪問看護ステーション(看護師)20分未満 | 314単位 |
| 同 30分未満 | 471単位 |
| 同 30分以上1時間未満 | 823単位 |
| 同 1時間以上1時間30分未満 | 1,128単位 |
| 訪問看護ステーション(PT・OT・ST)20分 | 294単位 |
| 訪問リハビリテーション(20分以上) | 308単位 |
料金のより詳しい内訳は、訪問リハビリテーションの料金・費用・点数の解説記事もあわせてご参照ください。
リハ職・看護師が押さえておきたい実践ポイント
ここからは、現場のPT・OT・ST・看護師、事業所運営者の視点で、混同しやすいポイントを整理します。
- PT等の訪問でも、ステーション所属なら算定は「訪問看護費」。指示書は訪問看護指示書になる。
- 訪問リハビリは医師の診察と指示(リハビリテーション計画)が前提。3か月ごとの計画見直しなどの運用も押さえる。
- 同一利用者で訪問看護と訪問リハビリを併用する場合は、サービス内容の重複や算定ルールに注意。
- 「みなし指定」など制度上の取り扱いも理解しておくとトラブルを防げる(みなし指定の解説)。
利用者・家族に説明するときは、「PTが来る=訪問リハビリ」という思い込みを解くところから始めると、制度の理解がスムーズになります。
どちらを利用する?相談から開始までの流れ
訪問看護・訪問リハビリのどちらを使うかは、利用者の状態と主治医・ケアマネジャーの判断で決まります。一般的な流れは次のとおりです。
- 体調や生活の困りごとを、担当のケアマネジャーまたは主治医に相談する
- 主治医が医療・リハビリの必要性を判断し、指示書を作成する
- ケアマネジャーがケアプランにサービスを位置づける
- 訪問看護ステーションまたは訪問リハビリ事業所と契約する
- サービス開始。定期的に状態を評価し、計画を見直す
よくある質問(FAQ)
理学療法士が来るのに「訪問看護」と言われました。間違いですか?
訪問看護と訪問リハビリは同時に使えますか?
料金が安いのはどちらですか?
医療保険でも利用できますか?
訪問リハビリの事業所に必ず医師がいるのはなぜですか?
- 訪問看護と訪問リハビリは、名前は似ていても制度上は別のサービス
- 違いは「①制度・名称 ②事業所 ③訪問職種 ④内容 ⑤料金」の5つ
- PT・OT・STが訪問看護ステーションから訪問する場合は「訪問看護」
- 訪問リハビリは事業所に必ず医師が在籍し、医師の指示で提供
- 料金は令和6年度の単位数を基準に、加算・地域単価・負担割合で変動
- どちらを使うか迷ったら、まずケアマネジャー・主治医に相談
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について徹底解説します!-640x360.png)

