「訪問リハビリテーションって、結局いくらかかるの?」「介護保険と医療保険で料金は違うの?」——在宅でリハビリを始めるとき、まず気になるのが料金・費用・点数です。利用者さんやご家族はもちろん、ケアマネジャーやリハビリ職にとっても、正確な金額を押さえておきたい場面は多いものです。

この記事では、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に対応した訪問リハビリの最新料金を、介護保険と医療保険に分けてわかりやすく解説します。基本報酬(1回308単位)から実際の自己負担額の目安、加算・減算、どちらの保険を使うべきかの考え方まで、現役の訪問理学療法士の視点でまとめました。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリの料金が「介護保険」と「医療保険」でどう決まるか
  • 介護保険の基本報酬(令和6年度:1回308単位)と自己負担の目安
  • 医療保険の料金(1回300点=3,000円)と自己負担額
  • 令和6年度改定で変わった加算・減算のポイント
  • 介護保険と医療保険、どちらが安く利用できるかの考え方

訪問リハビリの料金は「介護保険」と「医療保険」で決まる

訪問リハビリテーションの料金は、どちらの保険を使うかによって計算方法がまったく異なります。まずは全体像を押さえましょう。

区分正式名称料金の単位
介護保険訪問リハビリテーション費1回20分=308単位(令和6年度)
医療保険在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料1回20分=300点=3,000円

原則として、要介護・要支援の認定を受けている方は介護保険が優先されます。介護保険が使えない方(認定を受けていない方や、若い世代の難病・がん末期の方など)が医療保険の対象になる、というのが基本の考え方です。

ちびウルフちびウルフ

同じ「家でのリハビリ」なのに、保険で料金が違うんですか?

リハウルフリハウルフ

そうなんだ。介護保険は「単位」、医療保険は「点数」で計算するから、仕組みがまったく別物なんだよ。まずは介護保険から見ていこう。

訪問リハビリの料金(介護保険)|基本報酬は1回308単位

結論から言うと、令和6年度改定後の介護保険の訪問リハビリは、1回(20分)あたり308単位です。要支援の方が使う介護予防訪問リハビリは298単位に引き下げられました。

基本報酬(令和6年度)

区分改定前(令和3年度)改定後(令和6年度)
訪問リハビリテーション費(要介護1〜5)307単位308単位
介護予防訪問リハビリテーション費(要支援1・2)307単位298単位

いずれも1回(20分)あたりの単位数です。要介護はわずかに増点、要支援(予防)は引き下げとなりました。利用者の状態に応じたより適切な評価を行う、という改定の方針が反映されています。

注意訪問リハビリの令和6年度改定の施行日は、例年の4月ではなく2024年6月1日です。同時期の診療報酬改定との兼ね合いで2か月後ろ倒しになりました。4〜5月分は旧単位、6月分以降が新単位になります。

主な加算(令和6年度)

基本報酬に加えて、要件を満たすと算定できる主な加算です。

加算名単位主なポイント
リハビリテーションマネジメント加算(イ)180単位/月リハ会議の開催・計画管理など
リハビリテーションマネジメント加算(ロ)213単位/月(イ)の要件+LIFEへの提出・活用
医師が利用者・家族に説明した場合+270単位/月旧マネジメント加算Bの要件を組み替え
短期集中リハビリテーション実施加算200単位/日退院・退所・認定日から3月以内
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(新設)240単位/日退院・退所・訪問開始日から3月以内
退院時共同指導加算(新設)600単位/回退院前カンファレンスに参加し共同指導
口腔連携強化加算(新設)50単位/月口腔の状態を評価し歯科・ケアマネへ情報提供
移行支援加算17単位/日通所介護等への移行実績などが要件
サービス提供体制強化加算(Ⅰ/Ⅱ)6/3単位/回勤続年数7年/3年以上の職員配置
ちびウルフちびウルフ

リハマネジメント加算のAとかBは、なくなったんですか?

リハウルフリハウルフ

うん、令和6年度からA・Bの区分は廃止されたんだ。今は(イ)180単位・(ロ)213単位に整理されて、医師が本人や家族に説明した場合に+270単位が加わる仕組みに変わったよ。

主な減算(令和6年度)

減算名減算主なポイント
診療未実施減算−50単位/回事業所医師が診療せず外部医師の情報で計画作成。退院後1月は免除
同一建物減算(同一敷地・20人以上)所定単位×90/100同一敷地内建物・同一建物20人以上の利用者へ提供
同一建物減算(50人以上)所定単位×85/100同一建物の利用者が50人以上
高齢者虐待防止措置未実施減算(新設)所定単位×1%虐待防止の委員会・指針・研修・担当者が未整備
業務継続計画未策定減算(新設)所定単位×1%BCP(業務継続計画)が未策定

なお、要支援の介護予防訪問リハビリでは、利用開始から12か月を超えると一定の要件を満たさない場合に1回30単位の減算(12月超減算)が適用されます。漫然とした長期利用を避ける狙いです。

介護保険の訪問リハビリの自己負担はいくら?(1〜3割)

単位数を見ても金額がイメージしにくいので、実際の支払い額に換算してみましょう。介護報酬は「単位数×地域ごとの単価(おおむね10〜11.4円)」で金額が決まり、利用者が窓口で払うのは原則その1〜3割です。

条件(その他地域・1単位10円で計算)料金(10割)1割負担3割負担
訪問リハ1回(20分)約3,080円約308円約924円
訪問リハ1日2回(40分)約6,160円約616円約1,848円
+リハマネ加算(ロ)月約2,130円/月約213円/月約639円/月
ポイント介護保険の利用者は大半が1割負担です。たとえば週2回(1回40分=2単位)利用しても、自己負担はおおよそ月5,000円前後が目安になります。実際の単価は地域区分で変わり、加算・減算も乗るため、最終額は請求ソフトで確認するのが確実です。

訪問リハビリの料金(医療保険)|1回300点=3,000円

医療保険の訪問リハビリは、正式には「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」といいます。料金・点数は令和6年度改定後も次のとおりで、据え置かれています。

区分点数(1単位=20分)金額(10割)
同一建物居住者以外の場合300点3,000円
同一建物居住者の場合255点2,550円

1単位=20分で、原則「1」で算定します。医療保険では40分・60分単位で提供されることが多く、その場合は次のようなイメージです(同一建物居住者以外・3割負担の例)。

提供時間料金(10割)1割負担3割負担
20分3,000円300円900円
40分6,000円600円1,800円
60分9,000円900円2,700円

このほか、医療機関が独自に設定する交通費が別途かかる場合があります。金額は医療機関ごとに異なるため、利用前に確認しておきましょう。

ちびウルフちびウルフ

医療保険のほうが、ちょっと高くなりやすいんですね。

リハウルフリハウルフ

そうだね。医療保険を使う人は3割負担のケースが多いから、自己負担が大きくなりやすいんだ。ただ、難病医療費助成などを組み合わせると、グッと安くなることもあるよ。

介護保険と医療保険、どちらが安い?選び方の考え方

「結局どちらが安いの?」とよく聞かれますが、答えは人によって異なります。判断のポイントを整理します。

  1. 要介護・要支援の認定があるか確認する(あれば原則は介護保険)
  2. 負担割合(1割/2割/3割)を確認する(介護は大半が1割で割安になりやすい)
  3. 難病医療費助成(54)など、医療費の助成制度の対象かを確認する
  4. 対象なら、医療保険でも自己負担上限が抑えられるため料金を比較する
ポイント一般的には介護保険のほうが自己負担は安くなりやすいですが、若い世代や難病・がん末期など医療保険が前提になるケースもあります。さらに難病医療費助成などの制度を使えるかどうかで実際の負担は大きく変わるため、ケアマネジャーや主治医、訪問看護・リハの専門職に相談して決めるのが安心です。

料金・算定で間違えやすい注意点(専門職向け)

現場で請求・算定を担当する立場から、つまずきやすいポイントを整理します。

場面注意点
切り替え月の単位数5月分まで旧単位(307)、6月分から新単位(308/予防298)。マスタ更新を忘れない
区分支給限度基準額退院後に週12回など集中提供すると限度額超過のおそれ。超過分は全額自己負担
訪問看護からのリハとの混同訪問看護ステーションからのPT等の訪問は「訪問看護費」。算定の入口が別物
減算の体制整備虐待防止措置・BCPが未整備だと全利用者で1%ずつ減算。先に体制を整える
注意退院・退所後3か月以内は、週12回の集中提供や短期集中リハ実施加算(200単位/日)などの対象期間です。機能回復のチャンスである一方、区分支給限度基準額を超えやすい時期でもあります。ケアマネジャーと連携し、限度額の範囲を管理しましょう。

よくある質問(FAQ)

訪問リハビリの令和6年度の基本料金は何単位ですか?
介護保険では要介護が1回(20分)308単位、要支援(介護予防)が298単位です。医療保険では1回20分=300点(3,000円)です。
自己負担は実際いくらくらいになりますか?
介護保険で1割負担の場合、1回20分でおよそ300円前後が目安です。週2回・1回40分なら月5,000円前後になることが多いです。地域区分や加算で変動します。
なぜ訪問リハだけ6月施行なのですか?
令和6年度は同時期に診療報酬改定があり、医療と介護の整合を図るため、訪問リハなど一部サービスの介護報酬改定が2か月後ろ倒しの6月1日施行となりました。
介護保険と医療保険のどちらを使えますか?
要介護・要支援の認定があれば原則は介護保険が優先です。認定がない方や、若い世代の難病・がん末期などは医療保険が対象になります。
交通費は別途かかりますか?
医療保険の訪問リハビリでは、医療機関が独自に交通費を設定できます。金額は機関ごとに異なるため、利用前に確認しましょう。介護保険では中山間地域等の加算で扱われます。
まとめ
  • 訪問リハビリの料金は「介護保険」と「医療保険」で計算方法が異なる
  • 介護保険の基本報酬は令和6年度で要介護308単位/要支援298単位(1回20分)
  • 介護保険の自己負担は大半が1割で、1回20分あたり約300円が目安
  • 医療保険は1回20分=300点=3,000円。3割負担なら900円+交通費
  • 施行日は2024年6月1日。5月分まで旧単位、6月分から新単位
  • どちらが安いかは負担割合や助成制度で変わるため、専門職に相談を
ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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