通所介護と訪問介護は同日に利用できる?同一時間帯と不在時の扱いを解説

通所介護(デイサービス)と訪問介護は、同じ日に利用できます。制度上、同日利用を禁じる規定はありません。
禁じられているのは同一時間帯です。老企第36号 第二の1(2)は「同一時間帯に通所サービスと訪問サービスを利用した場合は、訪問サービスの所定単位数は算定できない」と定めています。デイに行っている時間に訪問介護は算定できない、という当たり前の話です。
そしてこの通知には、同日利用よりはるかに重要な一文が付いています。「利用者不在時の訪問サービスの取扱いについては、当該時間帯に通所サービスを利用するかどうかにかかわらず、同様である。」つまり利用者が留守の間に訪問して掃除をする、という形はそもそも算定できません。デイに行っているかどうかは関係ない、というのが通知の立場です。
この記事では、老企第36号と令和6年度改定資料を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- 通所介護と訪問介護は同日に利用できること
- 算定できないのは「同一時間帯」であること
- 利用者不在の居宅を訪問しても算定できない理由
- それが「デイの日かどうかに関係ない」ルールであること
- デイの送り出し・迎え入れが算定できること
- 送り出しで生活援助を算定するときの注意
- デイで入浴した日に、訪問介護で入浴介助を入れる場合の考え方
- 入浴介助加算(Ⅰ)40単位・(Ⅱ)55単位との関係
- 2時間ルールとの関係(訪問介護どうしの間隔)
- ケアプランに位置付けるときの書き方
同日利用はできる。できないのは同一時間帯
根拠条文は老企第36号 第二の1(2)です。
また、同一時間帯に通所サービスと訪問サービスを利用した場合は、訪問サービスの所定単位数は算定できない。例えば、利用者が通所サービスを受けている時間帯に本人不在の居宅を訪問して掃除等を行うことについては、訪問介護の生活援助として行う場合は、本人の安否確認・健康チェック等も合わせて行うべきものであることから、訪問介護(生活援助が中心の場合)の所定単位数は算定できない(利用者不在時の訪問サービスの取扱いについては、当該時間帯に通所サービスを利用するかどうかにかかわらず、同様である。)。
| パターン | 算定 |
|---|---|
| 朝に訪問介護 → 日中デイ → 夕方に訪問介護 | すべて算定できる |
| デイの時間帯に訪問介護(利用者は在宅していない) | 訪問介護は算定できない |
| 利用者が在宅していない時間の訪問介護(デイ以外の外出でも) | 算定できない |
| デイの送り出し・迎え入れの身体介護 | 算定できる |
この通知は「同日に利用してはいけない」とは書いていません。書いてあるのは「訪問サービスの所定単位数は算定できない」です。
したがって、朝と夕方に訪問介護を入れ、日中はデイという組み方は、まったく普通のケアプランです。実際、独居の重度者ではこの形が基本になります。
いちばん重要なのは「利用者不在では算定できない」
通知の括弧書きが、この条文の本体です。
- 訪問介護の生活援助は、本人の安否確認・健康チェック等も合わせて行うべきもの
- したがって、本人が不在の居宅を訪問して掃除等を行っても算定できない
- この扱いは、その時間帯に通所サービスを利用するかどうかにかかわらず同じ
「デイに行っている間に掃除しておいてもらう」は、制度上できません。そしてこれは、デイの日に限った話ではありません。買い物に出かけている間でも、通院で不在でも、同じです。
根拠は、老計第10号が生活援助のサービス準備として「健康チェック(利用者の安否確認、顔色等のチェック)」を位置付けていることにあります。本人がいなければ、この準備行為が成立しません。
ちびウルフでも、いない間に掃除してもらったほうが効率よくないですか?
リハウルフ効率はいいです。ただ、それは家事代行の発想であって、介護保険の生活援助の設計とは違います。
生活援助は「本人の生活を支える行為」として組まれていて、その入口に安否確認と健康チェックが置かれている。誰もいない家を掃除することは、本人の状態を見る機会をゼロにするということです。だから算定させない。
どうしても不在時にやってほしいなら、保険外の家事代行を契約する。それが素直な整理です。ここを曖昧にしたまま請求している事業所は、実地指導で必ず止まります。
デイの送り出し・迎え入れは算定できる
同日利用の典型例が、デイの送り出しと迎え入れです。利用者が在宅している時間帯なので、上の制限にかかりません。
| 場面 | 典型的な内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 送り出し | 起床介助、更衣介助、排泄介助、整容、車までの移動介助 | 身体介護中心型 |
| 迎え入れ | 車からの移動介助、更衣介助、排泄介助、就寝介助 | 身体介護中心型 |
老計第10号は、起床介助・更衣介助・排泄介助・移乗移動介助をいずれも身体介護として明示しています。デイの送迎に合わせて行う場合も、内容が身体介護であれば身体介護中心型です。
「送り出しのついでに洗濯物を干す」といった形で生活援助を続ける場合、利用者が家を出た後の時間は算定できません。本人不在の時間だからです。
また、老企第36号 第二の2(3)は「20分未満の身体介護に引き続き生活援助を行う場合は、引き続き行われる生活援助の単位数の加算を行うことはできない」(緊急時訪問介護加算を算定する場合を除く)としています。短時間の送り出しに生活援助を足す形は、この制限にかかります。
デイで入浴した日に、訪問介護の入浴介助は入れられるか
制度上、同日に両方を算定することを直接禁じる規定はありません。ただし現実には、次の点が問われます。
- 通所介護が入浴介助加算(Ⅰ40単位/日、Ⅱ55単位/日)を算定しているか
- 同じ日に自宅でも入浴介助を行う必要性を、アセスメントで説明できるか
- ケアプランに、その必要性が具体的に記載されているか
同日に2回入浴する必要性を説明できるケースは、実務上そう多くありません。「デイで入浴できなかった日に限り訪問介護で対応する」といった条件付きの位置付けにするのが一般的です。
なお令和6年度改定では、入浴介助加算(Ⅱ)の要件について、居宅の浴室環境の評価・助言を行える者の範囲が広がりました。医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員、または利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員等が対象です。
2時間ルールとの関係
デイの前後に訪問介護を入れる場合、もう一つ確認すべきルールがあります。訪問介護どうしの間隔です。
(老企第36号 第二の2(4)④)前回提供した指定訪問介護からおおむね2時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場合には、それぞれの所要時間を合算するものとする(緊急時訪問介護加算を算定する場合又は医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者に訪問介護を提供する場合を除く。)。
デイの利用時間が長ければ、朝と夕方の訪問介護の間隔は当然2時間以上あきます。問題になるのは、短時間デイの場合です。
| 組み方 | 訪問介護どうしの間隔 | 合算の要否 |
|---|---|---|
| 9時に送り出し → 10〜16時デイ → 16時30分に迎え入れ | 約7時間30分 | 合算しない |
| 9時に送り出し → 9時30分〜11時30分デイ(2時間) → 12時に迎え入れ | 約3時間 | 合算しない |
| 9時30分に送り出し → 10〜11時デイ → 11時10分に迎え入れ | 約1時間40分 | 合算する |
デイを挟んでいても、訪問介護どうしの間隔が2時間未満なら合算されます。「間にデイが入っているから別々に算定できる」という理屈は通知にありません。
ケアプランへの位置付け方
- 訪問介護とデイの時間帯を分単位で並べ、重複がないか確認する
- 訪問介護の時間帯に利用者が在宅していることを確認する(送り出しなら出発前、迎え入れなら帰宅後)
- 訪問介護どうしの間隔が2時間以上あいているか確認する
- 生活援助を含める場合、本人が在宅している時間内に収まっているか確認する
- 同日に入浴介助を重ねる場合は、その必要性を第2表・第3表に具体的に記載する
- 区分支給限度基準額に収まるか、月単位で計算する
2つ目が実務上の要です。「送り出しの後片付け」を送迎車が出た後に行っている運用は、その部分が算定できません。サービス提供記録の終了時刻と、デイの送迎記録の出発時刻を突き合わせられると、すぐに分かります。
ちびウルフ送迎車が来るまで待ってる時間って、算定していいんですか?
リハウルフ単なる待機は算定の対象になりません。訪問介護の所要時間は「訪問介護計画において位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間」(老企第36号 第二の2(4)①)です。何もしていない待ち時間は、そこに入りません。
ただ、見守りが必要な方なら話は別です。老計第10号の「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」に該当すれば身体介護になる。「待っている」のか「見守っている」のかで、まったく違う。後者ならケアプランにその旨を位置付けておいてください。
よくある質問
デイサービスと訪問介護は同じ日に使えますか?
使えます。同日利用を禁じる規定はありません。算定できないのは同一時間帯に利用した場合です。
デイに行っている間に掃除してもらえますか?
できません。老企第36号は、本人不在の居宅を訪問して掃除等を行っても訪問介護(生活援助)の所定単位数は算定できないとしています。
デイ以外で外出している間ならよいですか?
同じです。通知は「利用者不在時の訪問サービスの取扱いについては、当該時間帯に通所サービスを利用するかどうかにかかわらず、同様である」と明記しています。
なぜ利用者不在では算定できないのですか?
生活援助は「本人の安否確認・健康チェック等も合わせて行うべきもの」とされているためです。老計第10号も、生活援助のサービス準備として健康チェックを位置付けています。
デイの送り出しは訪問介護で算定できますか?
できます。起床介助・更衣介助・排泄介助・移動介助などは身体介護中心型に該当します。利用者が在宅している時間帯なので同一時間帯の制限にもかかりません。
送り出しの後に洗濯物を干してもよいですか?
利用者が在宅している時間内であれば生活援助として算定できますが、家を出た後の時間は算定できません。また20分未満の身体介護に引き続く生活援助は加算できません。
送迎車を待っている時間は算定できますか?
単なる待機は算定の対象になりません。ただし見守りが必要な方で、老計第10号の「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」に該当する場合は身体介護になります。ケアプランへの位置付けが要件です。
デイで入浴した日に訪問介護で入浴介助を入れられますか?
直接禁じる規定はありませんが、同日に2回入浴する必要性をアセスメントで説明し、ケアプランに記載できることが前提です。実務では「デイで入浴できなかった日に限り」という条件付きの位置付けが一般的です。
入浴介助加算はいくらですか?
令和6年度で(Ⅰ)40単位/日、(Ⅱ)55単位/日です。改定で単位数の変更はありませんが、(Ⅰ)に職員への研修の実施が要件として加わりました。
デイを挟めば2時間ルールは関係ありませんか?
関係あります。訪問介護どうしの間隔がおおむね2時間未満なら、間にデイがあっても所要時間を合算します。短時間デイの前後では実際に起こりえます。
デイの時間帯に訪問看護は入れられますか?
同一時間帯に通所サービスと訪問サービスを利用した場合、訪問サービスは算定できません。訪問看護も同じ扱いです。
ケアプランで何を確認すればよいですか?
時間帯の重複の有無、訪問時に利用者が在宅していること、訪問介護どうしの間隔が2時間以上あいていること、生活援助が在宅時間内に収まっていること、区分支給限度基準額に収まることです。
- 通所介護と訪問介護は同じ日に利用できる
- 同日利用を禁じる規定はない
- 算定できないのは同一時間帯に利用した場合
- 根拠は老企第36号 第二の1(2)
- 本人不在の居宅を訪問して掃除等を行っても算定できない
- その理由は、生活援助が安否確認・健康チェックを伴うものだから
- この扱いは、通所サービスを利用するかどうかにかかわらず同じ
- 買い物や通院で不在の場合も同様に算定できない
- 不在時の家事を希望する場合は、保険外の家事代行が素直な整理
- デイの送り出し・迎え入れは算定できる
- 起床・更衣・排泄・移動の介助は身体介護中心型
- 送り出しの生活援助は、本人が在宅している時間内に限られる
- 20分未満の身体介護に引き続く生活援助は加算できない
- デイで入浴した日の訪問入浴介助は、必要性の説明と記載が前提
- 入浴介助加算は(Ⅰ)40単位/日、(Ⅱ)55単位/日
- 令和6年度改定で(Ⅰ)に職員への研修の実施が要件として加わった
- (Ⅱ)の浴室環境の評価・助言を行える者の範囲が広がった
- 訪問介護どうしの間隔が2時間未満なら、間にデイがあっても合算する
- 短時間デイの前後では合算が実際に起こりえる
- 単なる待機時間は算定の対象にならない
- 見守り的援助に該当するなら身体介護になるが、計画への位置付けが要件
- サービス提供記録の時刻とデイの送迎記録は突き合わせられる
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月1日老企第36号)第二の1(2)サービス種類相互の算定関係について、第二の2(3)(4)①④(全国老人保健施設協会 法令・Q&A検索システム)
- 「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について(平成30年3月30日老振発0330第2号)(PDF)(老計第10号 別紙1・2、1―6 自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)入浴介助加算の見直し、訪問介護 基本報酬
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)(e-Gov法令検索)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および保険者の解釈をご確認ください。同一時間帯の判定、送り出し・迎え入れにおけるサービスの区分、同日に入浴介助を重ねる場合の必要性の判断は、保険者によって解釈・運用が異なる場合があります。単位数は1単位10円の地域を前提とした表記で、実際の金額は地域区分により異なります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。ケアプランの組み方や記録の突き合わせに関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。
(厚生労働省の資料より)-640x360.png)



