ショートステイの連続利用には、性質のまったく違う3つの制限がかかります。ここを混ぜて理解している人が非常に多い。

  • ①連続30日超 → 算定できない(給付そのものが止まる)
  • ②連続30日超 → 1日30単位の減算(自費を挟んで続けている場合)
  • ③連続60日超 → 特養と同じ単位数まで引き下げ(令和6年度に新設)

そして、これらとは別に「要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えない」という、ケアプラン作成上の目安があります。これは減算でも算定不可でもなく、ケアマネジャーへの留意事項です。しかも通知は「機械的な適用を求めるものではない」と明言しています。

この記事では、告示第19号、老企第40号、老企第22号、令和6年度改定資料を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 連続30日を超えると算定できなくなること(告示の原文)
  • 「連続」がどう数えられるのか
  • 自費を挟んで続けた場合の30単位減算
  • 令和6年度に新設された、連続60日超の長期利用の適正化
  • 61日以降は特養と同じ単位数になること
  • 併設型には追加の減額がない理由
  • 「要介護認定の有効期間のおおむね半数」の正確な意味
  • その目安が機械的な適用を求めていないこと
  • 短期入所療養介護(ショートステイの医療系)も30日ルールがあること
  • 長期化した場合に検討すべきこと

①連続30日を超えると算定できない

最も強い制限です。告示第19号 短期入所生活介護費 注21です。

利用者が連続して30日を超えて指定短期入所生活介護を受けている場合においては、30日を超える日以降に受けた指定短期入所生活介護については、短期入所生活介護費は、算定しない。

減算ではありません。「算定しない」=ゼロです。31日目以降は介護保険から一切給付されず、全額自己負担になります。

利用日算定
1日目〜30日目算定できる
31日目以降算定しない(全額自己負担)

同じ規定は短期入所療養介護(介護老人保健施設、療養病床を有する病院、診療所、介護医療院)にも置かれています。ショートステイの種類にかかわらず、連続30日が上限です。

実務では「30日ルール」と呼ばれる

この規定があるため、長期のショート利用では30日ごとに一度自宅に戻るという運用が生まれました。「30日目に一度帰宅し、翌日から改めて利用する」形です。

ただし、この運用には次の②の減算が用意されています。自費を挟んで実質的に連続させても、単位数は下がるという設計です。

②自費を挟んで続けると30単位の減算

告示第19号 短期入所生活介護費 注22です。

別に厚生労働大臣が定める利用者に対して指定短期入所生活介護を行った場合は、1日につき30単位を所定単位数から減算する。ただし、注23を算定している場合は、算定しない。

その「厚生労働大臣が定める利用者」の中身を説明しているのが、老企第40号 第二の2(26)です。

短期入所生活介護の基本サービス費については、施設入所に比べ入退所が頻繁であり、利用者の状態が安定していないことなどから、特別養護老人ホームへ入所した当初に施設での生活に慣れるための様々な支援を評価する初期加算相当分を評価している。こうしたことから、居宅に戻ることなく、自費利用を挟み同一事業所を連続30日を超えて利用している者に対して短期入所生活介護を提供する場合には、連続30日を超えた日から減算を行う。なお、同一事業所を長期間利用していることについては、居宅サービス計画において確認することとなる。

  • 減算の理由は、基本報酬に初期加算相当分が含まれているから
  • 長期利用者には「施設での生活に慣れるための支援」が不要になるので、その分を落とす
  • 条件は「居宅に戻ることなく」「自費利用を挟み」「同一事業所を」連続30日超
  • 確認は居宅サービス計画で行う

「居宅に戻ることなく」がポイントです。自宅に一度帰っているなら、この減算にはかかりません。自費で1日だけ泊まって連続を切ったつもりでも、居宅に戻っていなければ減算されます。

③令和6年度新設。連続60日超で特養と同じ単位数に

令和6年度改定で加わった、3層目の制限です。告示第19号 注23の根拠となる改定内容は次のとおりです。

短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護における長期利用について、長期利用の適正化を図り、サービスの目的に応じた利用を促す観点から、施設入所と同等の利用形態となる場合、施設入所の報酬単位との均衡を図ることとする。
(対象)短期入所生活介護 連続して60日を超えて同一の短期入所生活介護事業所に入所している利用者
(対象)介護予防短期入所生活介護 連続して30日を超えて同一の介護予防短期入所生活介護事業所に入所している利用者

要介護3の場合の単位数の推移は、次のとおりです。

期間単独型併設型単独型ユニット型併設型ユニット型
1〜30日目(基本報酬)787単位745単位891単位847単位
31〜60日目(長期利用者減算適用後)757単位715単位861単位817単位
61日以降(長期利用の適正化)732単位715単位815単位815単位
(参考)介護老人福祉施設732単位815単位

61日以降は、特別養護老人ホームの介護福祉施設サービス費と同額になります。「実質的に施設入所と変わらないなら、報酬も同じにする」という理屈です。

併設型だけ61日以降も変わらない理由

上の表を見ると、併設型(715単位)は31〜60日目と61日以降で単位数が同じです。改定資料は理由を明記しています。

「併設型は、すでに長期利用者に対する減算によって介護福祉施設サービス費以下の単位数となっていることから、さらなる単位数の減は行わない。」

715単位はすでに732単位を下回っているため、これ以上下げない、ということです。老企第40号 第二の2(27)も同じ趣旨のただし書きを置いています。

介護予防は30日超で適用

介護予防短期入所生活介護は、要介護よりも早い連続30日超で適用されます。

区分改定後の単位数
要支援1(ユニット型)介護福祉施設サービス費の要介護1の単位数の100分の75
要支援2(ユニット型)介護福祉施設サービス費の要介護1の単位数の100分の93
ちびウルフちびウルフ

3つもあると、結局どう数えればいいのか分からないです。

リハウルフリハウルフ

「居宅に戻ったかどうか」で一度切って考えると整理できます。

本当に自宅に帰っているなら、①の30日はリセットされ、②③にもかかりません。帰っていないのに日付だけ切っている場合に、②と③が効いてきます。

担当したケースでも、家族が「30日目に一泊だけ自費で泊めてもらって、翌日また保険で」と言われて混乱していました。それは居宅に戻っていないので、減算の対象です。説明の入口は、日数ではなく「家に帰るのか」です。

「要介護認定の有効期間のおおむね半数」の正確な意味

これは報酬のルールではなく、ケアプラン作成上の留意事項です。指定居宅介護支援等基準に定められ、老企第22号が解釈を示しています。

短期入所サービスの利用日数に係る「要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えない」という目安については、居宅サービス計画の作成過程における個々の利用者の心身の状況やその置かれている環境等の適切な評価に基づき、在宅生活の維持のための必要性に応じて弾力的に運用することが可能であり、要介護認定の有効期間の半数の日数以内であるかについて機械的な適用を求めるものではない。
従って、利用者の心身の状況及び本人、家族等の意向に照らし、この目安を超えて短期入所サービスの利用が特に必要と認められる場合においては、これを上回る日数の短期入所サービスを居宅サービス計画に位置付けることも可能である。

30日ルールおおむね半数
性格報酬算定の要件ケアプラン作成上の目安
根拠告示第19号 注21指定居宅介護支援等基準/老企第22号
超えたら算定しない(給付なし)直ちに違反にはならない
弾力運用不可可(通知が明言)

「半数を超えたらダメ」は誤りです。通知は「機械的な適用を求めるものではない」「これを上回る日数を位置付けることも可能」と2度にわたって書いています。

ただし、上回る場合はその必要性を居宅サービス計画で説明できることが前提です。目安を超えて位置付けるなら、アセスメントの記載が問われます。

長期化したときに検討すべきこと

  • 居宅サービス計画で、同一事業所の連続利用日数を確認する(減算の判定は計画で行われる)
  • 本当に居宅に戻っているのか、日付だけ切っているのかを整理する
  • 31日以降の自費負担額を家族に具体的な金額で説明する
  • 61日を超える見込みなら、単位数が特養と同額まで下がることを事業所と共有する
  • 特別養護老人ホーム等への入所申込の状況を確認する
  • 小規模多機能型居宅介護など、宿泊を含む他のサービスへの移行を検討する
  • 在宅生活の維持が困難な要因(家族の介護力、住環境、医療的な理由)を再アセスメントする

3つ目を後回しにしないでください。31日目以降は介護保険からの給付がゼロになります。1日あたり1万円前後の負担が発生しうるため、事前に金額で伝えないと必ずトラブルになります。

制度の設計思想を押さえておく

3層の制限は、いずれも「ショートステイは在宅生活を維持するためのサービスである」という前提から出ています。

老企第22号も、短期入所サービスについて「利用者の自立した日常生活の維持のために利用されるもの」であり、ケアマネジャーは「これらの居宅サービスが在宅生活の維持につながるように十分に留意しなければならない」としています。

長期化が常態化しているなら、それは在宅生活の維持ではなく施設入所の代替になっている、というのが制度の見方です。移行の検討は、報酬の問題である以前に支援の問題です。

よくある質問

ショートステイは何日まで連続で使えますか?

介護保険が適用されるのは連続30日までです。告示第19号 注21は「30日を超える日以降に受けた指定短期入所生活介護については、短期入所生活介護費は、算定しない」と定めています。

31日目以降はどうなりますか?

減算ではなく「算定しない」ため、介護保険からの給付はゼロです。全額自己負担になります。

一度自宅に帰れば日数はリセットされますか?

居宅に戻れば「連続して」に当たらなくなります。ただし居宅に戻ることなく自費利用を挟んで同一事業所を連続30日超で利用している場合は、1日30単位の減算の対象になります。

30単位の減算はなぜあるのですか?

短期入所生活介護の基本サービス費には、施設での生活に慣れるための支援を評価する初期加算相当分が含まれているためです。長期利用者にはその分が不要になるとして減算されます。

連続60日を超えるとどうなりますか?

令和6年度改定で新設された「長期利用の適正化」により、介護福祉施設サービス費(特養)と同じ単位数になります。要介護3の単独型なら732単位、単独型ユニット型なら815単位です。

併設型は61日以降も単位数が変わらないのはなぜですか?

すでに長期利用者に対する減算によって介護福祉施設サービス費以下の単位数(715単位)になっているため、それ以上の減は行わないとされています。

介護予防のショートステイも同じですか?

長期利用の適正化は、介護予防短期入所生活介護では連続30日超で適用されます。要支援1はユニット型介護福祉施設サービス費の要介護1の100分の75、要支援2は100分の93です。

短期入所療養介護にも30日ルールはありますか?

あります。介護老人保健施設、療養病床を有する病院、診療所、介護医療院のいずれについても、連続30日を超える日以降は算定しないと定められています。

「要介護認定の有効期間のおおむね半数」を超えたらどうなりますか?

直ちに問題になるわけではありません。老企第22号は「機械的な適用を求めるものではない」「これを上回る日数を位置付けることも可能である」としています。ただし必要性を計画で説明できることが前提です。

連続利用日数はどこで確認されますか?

老企第40号は「同一事業所を長期間利用していることについては、居宅サービス計画において確認することとなる」としています。

長期化した場合、何を検討すべきですか?

特別養護老人ホーム等への入所申込の状況、小規模多機能型居宅介護など宿泊を含む他サービスへの移行、在宅生活の維持が困難な要因の再アセスメントです。

家族への説明で気をつけることは?

31日目以降は給付がゼロになるため、自費負担額を具体的な金額で事前に伝えてください。日数の話だけでは、費用の実感が伝わりません。

まとめ
  • ショートステイの連続利用には性質の違う3つの制限がある
  • ①連続30日を超えると、31日目以降は算定しない(給付ゼロ)
  • 減算ではなく全額自己負担になる
  • 短期入所療養介護にも同じ30日ルールがある
  • ②居宅に戻ることなく自費を挟み同一事業所を連続30日超なら1日30単位の減算
  • 減算の理由は基本報酬に初期加算相当分が含まれているため
  • 「居宅に戻ることなく」が要件なので、本当に帰宅していればかからない
  • ③令和6年度新設の長期利用の適正化は連続60日超で適用
  • 61日以降は介護福祉施設サービス費(特養)と同じ単位数になる
  • 要介護3で、単独型732単位、単独型ユニット型815単位
  • 併設型は715単位ですでに特養以下のため、さらなる減は行わない
  • 介護予防では連続30日超で長期利用の適正化が適用される
  • 要支援1は要介護1の100分の75、要支援2は100分の93
  • 連続利用日数の確認は居宅サービス計画で行われる
  • 「要介護認定の有効期間のおおむね半数」は報酬のルールではない
  • ケアプラン作成上の目安であり、機械的な適用は求められていない
  • 必要と認められれば、目安を上回る日数を位置付けることも可能
  • ただし必要性を居宅サービス計画で説明できることが前提
  • 整理の入口は日数ではなく「居宅に戻ったかどうか」
  • 31日目以降の自費負担額は、事前に具体的な金額で説明する
  • 長期化は在宅生活の維持ではなく施設入所の代替になっている合図
  • 移行の検討は報酬の問題である以前に支援の問題
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および保険者の解釈をご確認ください。本文中の単位数は要介護3を例とした表記であり、要介護度・事業所の類型・地域区分・加算の有無により実際の単位数は異なります。連続利用日数の数え方、居宅に戻ったと評価できるかどうかの判断は、保険者によって解釈・運用が異なる場合があります。31日目以降の自費利用の料金は事業所が設定するため、金額は事業所にご確認ください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。家族への説明の進め方や移行の検討に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

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リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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