介護医療院の療養食加算は、1日につき3回を限度に、1回6単位です。1日3食すべてが療養食なら18単位、月にすると540単位になります。

単位数は小さいものの、介護医療院は療養食の対象者が多い施設です。糖尿病食、腎臓病食、肝臓病食、胃潰瘍食など、医師の食事箋に基づく特別食が日常的に提供されています。算定漏れが続くと、金額としては無視できない規模になります。

この記事では、指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)介護医療院サービスのタの条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 療養食加算の単位数(1回6単位、1日3回まで)
  • 「1日につき」ではなく「1食ごと」に算定すること
  • 3つの算定要件(管理栄養士等による管理・適切な栄養量・定める基準への適合)
  • 対象となる療養食が別に定められていること
  • 届出が必要であること
  • 経口移行加算・経口維持加算との関係
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1日6単位ではなく、1回6単位なんですか?

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そこが間違えやすい点です。条文は「1日につき3回を限度として、所定単位数を加算する」。つまり1食6単位で、3食提供すれば18単位です。1日6単位だと思って請求していると、3分の1しか算定できていないことになります。

介護医療院の療養食加算とは?

介護医療院の療養食加算は、医師の食事箋に基づく療養食を、管理栄養士または栄養士の管理のもとで提供することを評価する加算です。

療養食は、単に「塩分を控えめにした食事」ではありません。疾患ごとにエネルギー、たんぱく質、脂質、塩分、水分の指示があり、それを満たしながら食べられる形にする必要があります。献立の作成にも調理にも、通常食とは違う手間がかかります。

介護医療院の入所者は、糖尿病や腎疾患、心疾患などを併せ持つ人が多く、療養食の提供頻度が高い施設類型です。この加算は、その日常的なコストを評価しています。

療養食加算の単位数

項目内容
単位数1回につき6単位
限度1日につき3回
1日の最大18単位
1月の目安(3食×30日)540単位
届出必要(都道府県知事)

朝食のみ療養食なら6単位、朝夕なら12単位というように、提供した食数で決まります。

療養食加算の算定要件

次に掲げるいずれの基準にも適合するものとして(略)都道府県知事に対し届出を行った介護医療院が、別に厚生労働大臣が定める療養食を提供したときは、1日につき3回を限度として、所定単位数を加算する。
イ 食事の提供が管理栄養士又は栄養士によって管理されていること。
ロ 入所者の年齢、心身の状況によって適切な栄養量及び内容の食事の提供が行われていること。
ハ 食事の提供が、別に厚生労働大臣が定める基準に適合する介護医療院において行われていること。

  • 提供する食事が別に厚生労働大臣が定める療養食であること
  • 食事の提供が管理栄養士または栄養士によって管理されていること
  • 入所者の年齢・心身の状況に応じた適切な栄養量と内容であること
  • 定める基準に適合する介護医療院で提供されること
  • 届出を行っていること

対象となる療養食

療養食の範囲は別の告示で定められています。一般に、疾患治療の直接手段として医師の発行する食事箋に基づいて提供される特別食が対象とされ、糖尿病食・腎臓病食・肝臓病食・胃潰瘍食・貧血食・膵臓病食・脂質異常症食・痛風食・嚥下困難者のための流動食などが含まれます。

具体的な範囲は告示で確認し、自施設の食種と突き合わせてください。経管栄養の栄養剤の扱いなど、判断に迷う場面は保険者に確認が必要です。

療養食加算の注意点

「1日3回まで」の数え方

算定できるのは実際に療養食を提供した食数です。1日3回を限度としているため、間食や補食を含めて4回以上提供しても、算定は3回までとなります。

外泊した日、他科受診で不在だった日、絶食となった日は、その分の食事を提供していないため算定できません。提供記録と請求を突き合わせる運用が必要です。

医師の食事箋が起点になる

療養食は医師の発行する食事箋に基づいて提供されるものです。介護医療院には医師が常勤しているため、食事箋の発行と変更の記録が施設内で完結します。逆に言えば、食事箋のない「なんとなくの減塩食」は療養食加算の対象になりません。

他の栄養関連加算との関係

加算療養食加算との関係
経口移行加算(28単位/日)条文上、療養食加算との併算定を禁じる規定はない
経口維持加算(400/100単位)同上
栄養マネジメント強化加算(11単位/日)同上

ただしそれぞれの加算に固有のただし書きがあるため、組み合わせは個別に確認してください。

特別介護医療院サービス費では算定できない

注16により、特別介護医療院サービス費・ユニット型特別介護医療院サービス費を算定している場合は算定できません。

療養食加算のQ&A

1日6単位ではないのですか?

1回6単位で、1日3回が限度です。3食提供すれば1日18単位となります。

朝食だけ療養食の場合はどうなりますか?

提供した食数分を算定します。朝食のみなら6単位です。

外泊した日も算定できますか?

療養食を提供していない日は算定できません。提供記録と突き合わせてください。

どんな食事が療養食に当たりますか?

別に厚生労働大臣が定める療養食が対象です。医師の食事箋に基づく特別食が基本となります。具体的な範囲は告示で確認してください。

栄養士でも要件を満たしますか?

「管理栄養士又は栄養士によって管理されていること」とされているため、栄養士でも要件を満たします。

届出は必要ですか?

必要です。都道府県知事に対して届出を行います。

経口維持加算と両方算定できますか?

条文上、療養食加算との併算定を禁じる規定はありません。ただし各加算のただし書きを個別に確認してください。

特別介護医療院サービス費でも算定できますか?

できません。注16により算定できない加算に含まれています。

まとめ
  • 療養食加算は1回6単位、1日3回が限度
  • 1日3食すべて療養食なら18単位、月540単位程度
  • 「1日6単位」ではないので請求時に注意する
  • 算定要件は、管理栄養士または栄養士による食事の管理、適切な栄養量と内容、定める基準への適合
  • 対象は別に厚生労働大臣が定める療養食(医師の食事箋に基づく特別食)
  • 提供していない食事は算定できない
  • 届出先は都道府県知事
  • 特別介護医療院サービス費では算定できない
参考にした情報
  • 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 介護医療院サービスのタ(療養食加算)、注16(全国老人保健施設協会 法令等データベース)
  • 厚生労働大臣が定める療養食(療養食加算の対象となる食事の範囲)(厚生労働省法令等データベース)

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および都道府県・保険者の解釈をご確認ください。療養食の具体的な範囲、経管栄養の栄養剤の扱い、他の栄養関連加算との組み合わせについては指定権者に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。本文中の月額の試算は単位数を単純に乗じた概算です。実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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