喀痰吸引等研修とは?1号・2号・3号の違いと時間数

先に結論をお伝えします。喀痰吸引等研修は、介護職員がたん吸引や経管栄養を行うために受ける研修で、第1号・第2号・第3号の3つの課程があります。第1号・第2号は講義50時間の基本研修と実地研修、第3号は特定の利用者を対象にした基本研修9時間と実地研修です。修了後に都道府県知事の認定を受けると、「認定特定行為業務従事者」として医師の指示の下で行えます。
この記事では、喀痰吸引等研修の課程・時間数・修了後の流れを、社会福祉士及び介護福祉士法と同法施行規則の原文を確認して整理しました。
- 喀痰吸引等研修で行えるようになる行為
- 第1号・第2号・第3号研修の違い
- 基本研修の時間数と実地研修の回数
- 修了後に必要な手続き
- 研修を受ける前に確認したいこと
喀痰吸引等研修とは?
たん吸引や経管栄養は医行為ですが、社会福祉士及び介護福祉士法では、介護福祉士以外の介護職員も、喀痰吸引等研修を修了して都道府県知事の認定を受けた「認定特定行為業務従事者」であれば、医師の指示の下で行えるとされています(法附則第10条・第11条)。
同法施行規則で定められている対象の行為(特定行為)は次の5つです。
- 口腔内の喀痰吸引
- 鼻腔内の喀痰吸引
- 気管カニューレ内部の喀痰吸引
- 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養
- 経鼻経管栄養
研修を受けた人がいても、事業所として都道府県知事の登録を受けていなければ、業務として行うことはできません。医療的ケアが必要な人の施設の受け入れについては、事業所の体制も含めて施設ごとに差があります。
喀痰吸引等研修の3つの課程
| 課程 | 基本研修 | 実地研修 | 行えるようになる行為 |
|---|---|---|---|
| 第1号研修 | 講義50時間+演習 | 5つの行為すべて | 5つの行為すべて |
| 第2号研修 | 講義50時間+演習 | 5つの行為の一部 | 実地研修を修了した行為 |
| 第3号研修 | 講義と演習で9時間 | 修得が認められるまで実施 | 実地研修を修了した行為 |
第1号研修・第2号研修
基本研修の講義は、人間と社会(1.5時間)、保健医療制度とチーム医療(2時間)、安全な療養生活(4時間)、清潔保持と感染予防(2.5時間)、健康状態の把握(3時間)、喀痰吸引概論(11時間)、喀痰吸引実施手順解説(8時間)、経管栄養概論(10時間)、経管栄養実施手順解説(8時間)の合計50時間です。演習は各行為5回以上と救急蘇生法1回以上です。
実地研修の回数は、口腔内の喀痰吸引が10回以上、そのほかの4つの行為が20回以上です。第1号は5つの行為すべての実地研修を行い、第2号は一部の行為の実地研修を行います。
第3号研修
重度障害児・者等の地域生活や支援に関する講義、緊急時の対応と危険防止に関する講義、演習の合計9時間の基本研修と、医師等の評価で知識と技能を修得したと認められるまでの実地研修で構成されています。在宅などで特定の利用者に対して行うための課程です。
ちびウルフ第1号と第2号、どっちを受ければいいの?
リハウルフ勤務先で必要なケアによります。気管カニューレや経鼻経管栄養の人がいない職場なら、第2号で足りることもあります。研修費用を勤務先が負担してくれる場合も多いので、まずは上司に、どの課程を想定しているか聞いてみましょう。
修了後に必要な手続き
- 登録研修機関で喀痰吸引等研修を修了し、修了を証する書類を受け取る
- 都道府県知事に、認定特定行為業務従事者認定証の交付を申請する
- 認定証の交付を受ける
- 登録を受けた事業所で、医師の指示の下、修了した行為を行う
施行規則では、認定証の申請書に喀痰吸引等研修を修了したことを証する書類と住民票の写しを添えて、都道府県知事に提出するとされています(附則第5条)。
研修の支援がある職場を選ぶと、
医療的ケアの経験を積みやすい
喀痰吸引等研修の受講費用や勤務の調整を支援してくれる事業所もあります。医療的ケアに対応している職場かどうかや研修の支援体制は、求人票だけではわかりにくいため、転職支援サービスで確認するのも一つの方法です。
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研修を受ける前に確認したいこと
- どの課程が必要か:勤務先の利用者に必要な行為から、第1号・第2号・第3号を選ぶ
- 実地研修をどこで行うか:実地研修は利用者に対して行うため、勤務先で実施できるか確認する
- 費用の負担:研修費用を事業所が負担するか、自己負担かを確認する
- 介護福祉士の場合:介護福祉士も、業として行うには所定の実地研修の修了が必要な場合がある。勤務先と都道府県に確認する
研修機関や受講費用は都道府県ごとに異なります。都道府県の介護保険担当課のホームページで、登録研修機関の一覧を確認できます。介護職の資格全体は介護・福祉の資格おすすめ10選で比べられます。
よくある質問
喀痰吸引等研修は何時間ですか?
第1号・第2号研修の基本研修は講義50時間と演習、第3号研修の基本研修は9時間です。これに実地研修が加わります。
第1号研修と第2号研修の違いは何ですか?
基本研修は同じです。違いは実地研修で、第1号は5つの行為すべて、第2号は一部の行為の実地研修を行います。行えるのは実地研修を修了した行為です。
研修を修了すればすぐにたん吸引ができますか?
修了後、都道府県知事に申請して認定特定行為業務従事者認定証の交付を受ける必要があります。また、勤務先の事業所が都道府県知事の登録を受けていることも必要です。
第3号研修はどんな人向けですか?
重度障害児・者等の支援に関する講義を含む課程で、在宅などで特定の利用者に対して行うための研修です。
研修費用はいくらですか?
研修機関によって異なります。事業所が費用を負担する場合もあるため、受講前に勤務先と研修機関に確認してください。
- 喀痰吸引等研修は、介護職員がたん吸引・経管栄養を行うための研修
- 第1号・第2号は講義50時間+演習+実地研修。違いは実地研修の範囲
- 第3号は特定の利用者向けで、基本研修9時間+実地研修
- 修了後は都道府県知事の認定を受け、登録を受けた事業所で行う
- どの課程が必要か、実地研修の場所と費用負担を受講前に確認する
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。研修の課程・時間数・回数・認定の手続きは、社会福祉士及び介護福祉士法と同法施行規則の条文にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。研修機関・費用・実地研修の実施方法は都道府県ごとに異なるため、受講前に都道府県と研修機関にご確認ください。課程の選び方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。

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