認知症介護基礎研修とは?対象者と免除される資格

先に結論をお伝えします。認知症介護基礎研修は、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を持たない人に受講させることが、介護事業者に義務づけられている研修です。介護福祉士や初任者研修修了者などはすでに認知症の基礎を学んでいるため、対象外です。無資格で介護の仕事をしている人は、勤務先の案内に沿って受講することになります。
この記事では、認知症介護基礎研修の対象者と、受講が免除される資格を、指定居宅サービス等基準と解釈通知の原文を確認して整理しました。
- 認知症介護基礎研修とはどんな研修か
- 受講が義務づけられている人
- 受講が免除される資格
- 事業所と職員が確認しておきたいこと
- 初任者研修との違い
認知症介護基礎研修とは?
指定居宅サービス等基準では、たとえば通所介護について、事業者は従業者の資質の向上のために研修の機会を確保しなければならないとしたうえで、次のように定めています。
全ての通所介護従業者(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、法第八条第二項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。
解釈通知(老企第25号)は、この規定の趣旨を「介護に関わる全ての者の認知症対応力を向上させ、認知症についての理解の下、本人主体の介護を行い、認知症の人の尊厳の保障を実現していく観点」から実施するものと説明しています。
同じ趣旨の規定は、訪問入浴介護(第53条の2第3項)や短期入所生活介護など、ほかのサービスの基準にも置かれています。
認知症介護基礎研修の対象者
解釈通知では、義務づけの対象を「介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者」としています。
- 対象になる人:無資格で、利用者の介護に直接関わっている職員(パート・派遣も含めて事業所の従業者として働く人)
- 対象にならない人:認知症介護の基礎を資格のカリキュラムで学んでいる人(下の表)
- 介護に直接関わらない職員:「介護に直接携わる職員」が対象のため、事務職などは対象外と読める。迷う場合は指定権者に確認する
なお、訪問介護員はそもそも介護福祉士か初任者研修などの修了者でなければなれないため(介護保険法施行令第3条)、訪問介護では無資格の訪問介護員がいないことになります。
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リハウルフ受講させる義務は事業所側にあるので、まずは勤務先から案内があるはずです。受講の時期や方法は事業所ごとに決めているので、入職時に確認しておきましょう。いずれ初任者研修を取るつもりなら、そちらを先に修了すると基礎研修は対象外になりますよ。
認知症介護基礎研修が免除される資格
解釈通知では、各資格のカリキュラムなどで認知症介護の基礎的な知識・技術を習得している人を対象外とし、具体的に次の資格を挙げています。
| 分類 | 対象外となる資格 |
|---|---|
| 介護系の資格・研修 | 介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者、訪問介護員養成研修一級課程・二級課程修了者 |
| 看護・医療系 | 看護師、准看護師、医師、歯科医師、薬剤師 |
| リハビリ系 | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 |
| 福祉・相談系 | 介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士 |
| その他 | 管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師など |
通知の列挙は「等」で終わっているため、ここにない資格の扱いに迷ったら、指定権者(都道府県・市町村)に確認するのが確実です。
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事業所と職員が確認しておきたいこと
- 無資格職員の名簿:誰が対象か、受講済みかを一覧で管理する
- 受講の記録:修了証の写しなど、受講したことがわかる記録を残す
- 新しく採用した職員:受講の時期を入職時に決めておく
- 研修計画への位置づけ:ほかの法定研修とあわせて年間計画に入れる
運営指導では、勤務体制の確保や研修の実施状況が確認されます。事業所に求められる研修の全体像は介護事業所の必須研修一覧で整理しています。
初任者研修との違い
| 項目 | 認知症介護基礎研修 | 介護職員初任者研修 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 無資格の職員に受講させる義務が事業者にある研修 | 訪問介護員として働くための養成研修 |
| 内容 | 認知症の理解と基本的な対応 | 介護の基本全般(認知症の理解も含む) |
| 修了すると | 基準上の受講義務を満たす | 訪問介護で働ける。認知症介護基礎研修の対象外になる |
長く介護の仕事を続けるつもりなら、初任者研修を取っておくと、訪問介護も含めて働ける場所が広がります。介護の資格の全体像は介護・福祉の資格おすすめ10選で比べられます。
よくある質問
認知症介護基礎研修は誰が受けなければいけませんか?
介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を持たない人です。受講させるために必要な措置を講じる義務は、介護事業者にあります。
初任者研修を持っていれば受けなくていいですか?
受けなくてかまいません。解釈通知では、介護職員初任者研修修了者は対象外とされています。実務者研修修了者や介護福祉士も同様です。
理学療法士や看護師も対象ですか?
対象外です。看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などは、解釈通知で義務づけの対象とならない者として挙げられています。
パートや派遣の職員も対象ですか?
基準は「全ての従業者」を対象にしており、無資格で介護に直接携わる人であれば、勤務形態にかかわらず対象と考えるのが自然です。派遣職員の扱いは、指定権者にも確認してください。
訪問介護の事業所も対象ですか?
訪問介護員は、介護福祉士か初任者研修などの修了者でなければなれません。そのため、訪問介護では無資格の訪問介護員が対象になる場面は基本的にありません。
- 認知症介護基礎研修は、無資格で介護に直接携わる職員に受講させる義務が事業者にある研修
- 介護福祉士・初任者研修修了者・看護職・リハ職などは対象外
- 通所介護・訪問入浴介護・短期入所生活介護など、各サービスの基準に規定がある
- 事業所は対象者の名簿と受講記録を管理し、研修計画に位置づける
- 長く働くなら、初任者研修を取ると働ける場所も広がる
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第53条の2・第101条
- 指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(老企第25号・全老健 介護保険法令データベース)
- 介護保険法施行令(e-Gov法令検索)第3条
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。受講義務と対象外となる資格に関する記述は、指定居宅サービス等基準と解釈通知(老企第25号)にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。研修の実施主体・受講方法・費用は都道府県や指定都市によって異なります。対象者の範囲で判断に迷う場合は、指定権者にご確認ください。事業所での管理方法に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。




