地域密着型通所介護の口腔機能向上加算は、(Ⅰ)が150単位、(Ⅱ)が160単位で、いずれも1回につき、3か月以内の期間に限り1か月に2回を限度として算定します。あわせて、科学的介護推進体制加算は1月につき40単位です。

この記事では、この2つの加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 口腔機能向上加算(Ⅰ)150単位・(Ⅱ)160単位の違い
  • 3月以内・1月2回までという算定の制限
  • 改善しない場合は継続して算定できること
  • (Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できないこと
  • 科学的介護推進体制加算が1月40単位であること
  • 科学的介護推進体制加算はLIFEへの提出が前提であること
  • 計画の見直しまで含めて要件であること
  • 口腔連携強化加算との違い

地域密着型通所介護の口腔機能向上加算とは?

口腔機能向上加算は、口腔機能が低下している利用者、またはそのおそれのある利用者に対して、口腔清掃の指導や実施、摂食・嚥下機能に関する訓練の指導や実施を行った場合に算定できる加算です。

口腔機能の低下は、食べる量の減少から低栄養につながり、誤嚥性肺炎の原因にもなります。通所の場で口腔機能に手を入れることで、入院や重度化を防ぐという位置づけです。

口腔機能向上加算・科学的介護推進体制加算の単位数

加算単位数算定
口腔機能向上加算(Ⅰ)150単位1回につき
(3月以内・1月2回まで)
口腔機能向上加算(Ⅱ)160単位同上
科学的介護推進体制加算40単位1月につき

口腔機能向上加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)の差は10単位です。いずれかを算定している場合、もう一方は算定できません。1月に2回算定すれば、(Ⅰ)で300単位、(Ⅱ)で320単位になります。

口腔機能向上加算の算定要件

  • 厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、市町村長に届出を行っていること
  • 口腔機能が低下している利用者、またはそのおそれのある利用者に対して行うこと
  • 口腔清掃の指導もしくは実施、または摂食・嚥下機能に関する訓練の指導もしくは実施を行うこと
  • 利用者の心身の状態の維持または向上に資すると認められるものであること

(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは、厚生労働大臣が定める基準に掲げる区分によります。(Ⅱ)はLIFEへの情報提出とその活用が関わる区分として整理されていますが、具体的な要件は厚生労働大臣が定める基準と留意事項通知をご確認ください。

3か月を超えて算定する場合

告示は、口腔機能向上サービスの開始から3月ごとの評価の結果、口腔機能が向上せず、サービスを引き続き行うことが必要と認められる利用者については、引き続き算定することができると定めています。

「改善しないから続ける」が認められている 3か月で終わりではありません。評価した結果、まだ必要と認められれば継続できます。
ただし、そのためには3か月ごとの評価を実際に行い、記録として残していることが前提です。
評価もせずに漫然と算定を続けている状態は、運営指導で確実に指摘されます。「いつ、誰が、何を評価して、なぜ継続が必要と判断したか」を書き残してください。

科学的介護推進体制加算の算定要件

  • 利用者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の心身の状況等に係る基本的な情報を、厚生労働省に提出していること
  • 必要に応じて地域密着型通所介護計画を見直すなど、提出した情報とその他の必要な情報を活用していること
  • 市町村長に届出を行っていること
「提出するだけ」では要件を満たさない 科学的介護推進体制加算でよくある誤解が、LIFEに提出すれば算定できるというものです。
告示は、提出した情報を活用して計画を見直すことまで要件にしています。
・フィードバック票を確認した記録
・それを踏まえて計画をどう見直したかの記録
この2つがなければ、要件を満たしているとは言えません。月40単位の加算ですが、全利用者に算定するため金額はまとまった額になります。
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口腔機能向上加算って、歯科衛生士がいないと無理だよね?

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実施にあたる職種の要件は厚生労働大臣が定める基準で決まっているので、まずそこを確認してください。歯科衛生士、言語聴覚士、看護職員が関わる形が想定されています。
現場感覚で言うと、言語聴覚士がいる事業所なら取り組みやすいです。ST不在でも、歯科医院や歯科衛生士と連携する形を組んでいる事業所はあります。「うちには無理」と判断する前に、連携先を探してみる価値はあります。

口腔機能向上加算の注意点

  • (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できません
  • 1月に2回が限度です
  • 3か月ごとの評価を行い、記録を残してください
  • 科学的介護推進体制加算は、提出だけでなく活用まで要件です
  • 口腔・栄養スクリーニング加算との関係を確認してください
  • いずれも届出が必要です

口腔機能向上加算のQ&A

口腔機能向上加算のQ&A

単位数はいくらですか?

口腔機能向上加算は(Ⅰ)150単位・(Ⅱ)160単位で、1回につきです。科学的介護推進体制加算は1月につき40単位です。

何回まで算定できますか?

3月以内の期間に限り、1月に2回を限度とします。

3か月を超えたら算定できませんか?

3月ごとの評価で口腔機能が向上せず、継続が必要と認められる場合は引き続き算定できます。

(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できますか?

できません。いずれか一方です。

誰が実施しますか?

実施にあたる職種の要件は厚生労働大臣が定める基準に定められています。歯科衛生士、言語聴覚士、看護職員などが想定されています。

科学的介護推進体制加算はLIFEに出すだけでよいですか?

いいえ。提出した情報を活用して計画を見直すことまでが要件です。

科学的介護推進体制加算は誰に算定できますか?

要件を満たしていれば、サービスを提供した利用者に対して1月につき算定します。

口腔連携強化加算とは違いますか?

別の加算です。地域密着型通所介護費には口腔・栄養スクリーニング加算と口腔機能向上加算が定められています。

届出は必要ですか?

いずれも市町村長への届出が必要です。

まとめ
  • 口腔機能向上加算は(Ⅰ)150単位・(Ⅱ)160単位、1回につき
  • 3月以内の期間に限り1月2回まで
  • (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できない
  • 3月ごとの評価で改善がなく継続が必要なら引き続き算定できる
  • 評価を行わず漫然と算定を続けるのは不可
  • 誰がいつ何を評価して継続を判断したかを記録する
  • 対象は口腔機能が低下している利用者またはそのおそれのある利用者
  • 口腔清掃の指導・実施、摂食嚥下機能の訓練の指導・実施が内容
  • 科学的介護推進体制加算は1月につき40単位
  • ADL値・栄養状態・口腔機能・認知症の状況を厚生労働省に提出する
  • 提出した情報を活用して計画を見直すことまでが要件
  • フィードバックを確認した記録と計画見直しの記録が必要
  • 全利用者に算定するため金額はまとまった額になる
  • 実施にあたる職種は厚生労働大臣が定める基準で確認する
  • いずれも市町村長への届出が必要
参考にした情報

※本記事の単位数は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。口腔機能向上加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)を分ける具体的な要件、実施にあたる職種の範囲、3月ごとの評価の方法、LIFEへの提出期限については、厚生労働大臣が定める基準および留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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