地域密着型通所介護の中重度者ケア体制加算は、1日につき45単位です。中重度の要介護者を受け入れる体制を構築している事業所を評価する加算で、対象となる利用者だけでなく、事業所を利用する全員に算定できる点が特徴です。

この記事では、この加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 1日につき45単位であること
  • 利用者全員に算定できること
  • 要介護3以上の割合の要件があること
  • 看護職員を常勤専従で配置する必要があること
  • 指定基準を上回る職員配置が求められること
  • 共生型で算定している場合は算定できないこと
  • 認知症加算との関係
  • 割合を毎月確認する必要があること

地域密着型通所介護の中重度者ケア体制加算とは?

中重度者ケア体制加算は、中重度の要介護者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、重度化しても通い続けられる体制を整えた事業所を評価する加算です。

要介護度が上がると、通所の受け入れを断られることがあります。医療的な配慮が必要になり、介助の負担も増えるためです。そこで受け入れを続ける事業所に報酬を上乗せし、在宅生活の継続を支えるという趣旨で設けられています。

中重度者ケア体制加算の単位数

加算単位数算定対象
中重度者ケア体制加算45単位1日につき利用者全員

要介護3以上の方だけでなく、その事業所を利用する全員に算定できます。定員18人の事業所で全員が利用した日なら、1日で810単位になります。1日につきの加算としては大きい部類です。

中重度者ケア体制加算の算定要件

  • 指定基準に定める員数に加えて、介護職員または看護職員を常勤換算方法で2以上確保していること
  • 前年度または算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護3・要介護4・要介護5の割合が30%以上であること
  • サービスを提供する時間帯を通じて、専ら当該サービスの提供に当たる看護職員を1名以上配置していること
3つのハードル この加算は、人員の上乗せ・要介護度の割合・看護職員の常時配置の3つをすべて満たす必要があります。
とくに看護職員をサービス提供時間帯を通じて配置するのが難関です。看護職員が訪問看護と兼務している、午前中だけしかいない、といった体制では要件を満たしません。
「専ら当該サービスの提供に当たる」とされているため、他の業務との兼務も認められません。

要介護3以上の割合は30%以上とされています。この数値は厚生労働大臣が定める基準に定められたもので、確度は高いものとして整理していますが、算定にあたっては必ず原文と保険者の確認を行ってください。

中重度者ケア体制加算の注意点

  • 共生型地域密着型通所介護として算定している場合は算定できません
  • 要介護3以上の割合は変動します。毎月の確認が必要です
  • 看護職員の配置が途切れた日がないか、勤務実績で確認してください
  • 常勤換算2以上は「指定基準の員数に加えて」です。基準を満たしているだけでは足りません
  • 届出が必要です
  • 1日につきの加算のため、要件を満たさない月の影響が大きくなります
割合が30%を下回った月に注意 利用者が1人退所しただけで割合が変わるのが、定員18人以下の地域密着型です。
要介護3以上が5人で、うち1人が入院すれば、それだけで割合が大きく動きます。
毎月の請求前に割合を計算し、記録として残してください。運営指導では、算定していた各月の割合の根拠資料が確認されます。
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看護師を1人ずっと置くって、小さいデイには厳しくない?

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正直、厳しい要件です。ただ、看護職員がいることで受け入れられる利用者の幅が変わります。吸引や経管栄養が必要な方、血圧の変動が大きい方を、断らずに済むようになる。
結果として要介護3以上の割合も上がり、加算の要件も満たしやすくなる——という循環になります。加算を取るために看護師を雇うのではなく、受け入れを広げた結果として加算が付いてくるという順番で考えるほうが、無理がありません。

中重度者ケア体制加算のQ&A

中重度者ケア体制加算のQ&A

単位数はいくらですか?

1日につき45単位です。

要介護3以上の人だけに算定するのですか?

いいえ。要件を満たしていれば、その事業所の利用者全員に算定できます。

要介護3以上の割合はどのくらい必要ですか?

30%以上とされています。前年度または算定日が属する月の前3月間で判定します。

看護職員は兼務でもよいですか?

専ら当該サービスの提供に当たる看護職員を、サービス提供時間帯を通じて1名以上配置することが要件です。

常勤換算2以上とは何に対する上乗せですか?

指定基準に定める員数に加えて、という意味です。基準を満たしているだけでは足りません。

共生型でも算定できますか?

できません。共生型地域密着型通所介護として算定している場合は算定しない定めです。

認知症加算と併算定できますか?

告示上、この2つの間に相互の併算定を禁じる定めは置かれていません。それぞれの要件を満たすかを確認してください。

割合が30%を下回ったらどうなりますか?

要件を満たさないため算定できません。毎月の確認が必要です。

届出は必要ですか?

必要です。市町村長への届出を行った事業所であることが前提です。

まとめ
  • 中重度者ケア体制加算は1日につき45単位
  • 要件を満たせば利用者全員に算定できる
  • 定員18人で全員利用なら1日810単位
  • 指定基準の員数に加えて介護職員または看護職員を常勤換算2以上確保する
  • 要介護3以上の割合が30%以上必要
  • 割合は前年度または前3月間で判定する
  • サービス提供時間帯を通じて専従の看護職員を1名以上配置する
  • 看護職員の兼務は認められない
  • 共生型で算定している場合は算定できない
  • 割合は毎月変動するため請求前の確認が必要
  • 利用者1人の入院で割合が大きく動くことがある
  • 運営指導では各月の割合の根拠資料が確認される
  • 看護職員の配置が途切れた日がないか勤務実績で確認する
  • 受け入れの幅を広げた結果として加算が付く順番で考える
  • 算定には市町村長への届出が必要
参考にした情報

※本記事の単位数は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。要介護3以上の割合30%および常勤換算2以上という人員の要件は、厚生労働大臣が定める基準に定められたものとして整理していますが、判定期間の考え方や常勤換算の計算方法の詳細は留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。

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リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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