グループホームの栄養管理体制加算とは?

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の栄養管理体制加算は、1月につき30単位です。要件は、管理栄養士が、事業所の従業者に対して栄養ケアに係る技術的助言及び指導を月1回以上行っていること。
ここで重要なのが、条文にはっきり書かれた一言です。「管理栄養士(当該事業所の従業者以外の管理栄養士を含む。)」——つまり自事業所で管理栄養士を雇う必要はありません。法人内の他施設の管理栄養士でも、外部委託でも要件を満たします。9人ユニットのGHで管理栄養士を配置するのは非現実的なので、この括弧書きが加算の前提になっています。
もうひとつの特徴は、助言・指導の相手が入居者ではなく「従業者」である点です。個別の栄養ケア・マネジメントではなく、職員の力量を底上げする体制を評価する加算です。
この記事では、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)認知症対応型共同生活介護費のル、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第58号の6の条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- 栄養管理体制加算の単位数(30単位/月)
- 外部の管理栄養士でも要件を満たすこと
- 助言・指導の相手が入居者ではなく従業者であること
- 「月1回以上」という頻度要件
- 定員超過・人員基準欠如の減算に該当していないことが要件であること
- 短期利用(ロ)では算定できないこと
- 口腔・栄養スクリーニング加算との違い
- 介護予防(要支援2)でも算定できること
ちびウルフ管理栄養士を雇わないと取れない加算だと思っていました。
リハウルフ条文が明確に「事業所の従業者以外の管理栄養士を含む」と書いています。法人内の特養や病院の管理栄養士に、月1回来てもらう形で足ります。GHの食事は職員が入居者と一緒に作る場面が多いので、助言の効果は出やすいはずです。
単位数は30単位(1月につき)
告示126号の「ル 栄養管理体制加算 30単位」の注は、次のとおりです。
イについて、別に厚生労働大臣が定める基準に適合する指定認知症対応型共同生活介護事業所において、管理栄養士(当該事業所の従業者以外の管理栄養士を含む。)が、従業者に対する栄養ケアに係る技術的助言及び指導を月1回以上行っている場合に、1月につき所定単位数を加算する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 1月につき30単位 |
| 誰が | 管理栄養士(外部の管理栄養士を含む) |
| 誰に | 事業所の従業者 |
| 何を | 栄養ケアに係る技術的助言及び指導 |
| 頻度 | 月1回以上 |
| 対象 | 「イ」=本体入居者(短期利用は対象外) |
基準は「減算に該当していないこと」
告示95号第58号の6は、次の一文です。
通所介護費等算定方法第八号に規定する基準のいずれにも該当しないこと。
これは定員超過利用・人員基準欠如による減算に該当していないことを指します。研修要件も届出要件も条文にはありません。実施と記録が要件のほぼすべてです。
「従業者に対する」助言であること
特養の栄養マネジメント強化加算のように、入居者ごとの栄養ケア計画や多職種による評価を求める加算ではありません。GHのこの加算が評価しているのは、職員が日々の食事づくりや食支援を適切に行えるようにするための助言・指導です。
- 低栄養のサインの見つけ方
- 刻み・とろみの適切な使い分け
- 体重減少があったときの対応
- 水分摂取量の確保
- 入居者と一緒に調理する場面での衛生管理
といった内容が想定されます。助言の日時・内容・参加した職員を記録に残してください。(助言の具体例は筆者の実務経験にもとづく整理で、制度上の定めではありません)
口腔・栄養スクリーニング加算との違い
| 加算 | 単位 | 評価している内容 |
|---|---|---|
| 栄養管理体制加算 | 30単位/月 | 管理栄養士による従業者への助言・指導の体制 |
| 口腔・栄養スクリーニング加算 | 20単位/回 | 利用開始時と6月ごとの口腔・栄養状態のスクリーニング |
| 口腔衛生管理体制加算 | 30単位/月 | 歯科医師等による介護職員への口腔ケアの助言・指導の体制 |
3つはそれぞれ別の加算で、条文上、相互の併算定を禁じる規定はありません。栄養管理体制加算と口腔衛生管理体制加算は「体制」、口腔・栄養スクリーニング加算は「行為」を評価しています。
短期利用では算定できない/介護予防では算定できる
注は「イについて」と限定しているため、短期利用(ロ)では算定できません。介護予防認知症対応型共同生活介護費(平成18年厚生労働省告示第128号)には栄養管理体制加算(リ)が設けられており、要支援2の入居者についても算定できます。
よくある質問
管理栄養士を雇用する必要がありますか?
ありません。条文に「当該事業所の従業者以外の管理栄養士を含む」と明記されています。法人内の他施設や外部の管理栄養士でも要件を満たします。
栄養士でもよいですか?
条文は「管理栄養士」と定めています。栄養士では要件を満たしません。
助言は入居者本人に行うのですか?
従業者に対する技術的助言及び指導が要件です。入居者ごとの栄養ケア計画の作成は求められていません。
月1回できなかった月はどうなりますか?
要件は「月1回以上行っている場合」です。実施できなかった月は算定できないと読むのが自然ですが、取扱いは市町村に確認してください。
オンラインでの助言でもよいですか?
告示に方法の定めはありません。可否は市町村の解釈によるため、事前に確認してください。
口腔衛生管理体制加算と両方算定できますか?
条文上、併算定を禁じる規定はありません。それぞれの要件を満たせば算定できます。
短期利用の利用者にも算定できますか?
できません。注が「イについて」と限定しています。
要支援2の入居者にも算定できますか?
できます。介護予防認知症対応型共同生活介護費にも栄養管理体制加算が設けられています。
- 栄養管理体制加算は1月につき30単位
- 管理栄養士は外部の者でよく、自事業所での雇用は不要
- 助言・指導の相手は入居者ではなく従業者
- 頻度は月1回以上
- 基準は、定員超過利用・人員基準欠如の減算に該当していないこと
- 個別の栄養ケア計画の作成は要件ではない
- 助言の日時・内容・参加職員の記録が算定根拠になる
- 短期利用(ロ)では算定できない
- 介護予防(要支援2)でも算定できる
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 認知症対応型共同生活介護費のル(栄養管理体制加算)(厚生労働省法令等データベース)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第58号の6(栄養管理体制加算の基準)(厚生労働省法令等データベース)
- 厚生労働大臣が定める利用者等の数の基準及び看護職員等の員数の基準並びに通所介護費等の算定方法(平成12年厚生省告示第27号)第8号(厚生労働省法令等データベース)
- 指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第128号)別表 介護予防認知症対応型共同生活介護費のリ(厚生労働省法令等データベース)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(市町村)の解釈をご確認ください。グループホームは地域密着型サービスであり、指定・指導は市町村が行うため、取扱いが自治体によって異なる場合があります。助言の方法(オンラインの可否)、実施できなかった月の扱いについては所在市町村に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。助言内容の例は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。




