ケアマネジャーのモニタリングは、原則として毎月1回、利用者の居宅を訪問して面接することが必要です。ただし令和6年度改定で、テレビ電話装置等を活用した面接が条件付きで認められました。

ここで押さえるべきは、「オンラインでよくなった」のではないということです。指定居宅介護支援等基準(省令38号)第13条第14号ロのただし書きは、「少なくとも二月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接するとき」を条件としています。つまり2か月に1回の訪問は必須で、訪問しない月だけオンラインにできる、という設計です。

しかも要件が重い。文書による同意、サービス担当者会議等での主治医・担当者その他の関係者の合意、そして合意すべき事項が3つ。「毎月訪問が大変だからオンラインに」で通る話ではありません。

この記事では、省令38号、老企第22号、令和6年度改定資料を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • モニタリングの原則(毎月1回の居宅訪問・面接)
  • 令和6年度改定で認められたテレビ電話等の活用(条文の原文)
  • 2か月に1回の訪問は必須であること
  • オンラインにするための3つの要件
  • サービス担当者会議等で合意すべき3項目
  • 「特段の事情」の正確な意味(ケアマネ側の事情は含まれない)
  • 記録も月1回必要であること
  • 記録の保存期間(2年間)
  • 介護予防支援では6か月に1回であること
  • 運営基準減算との関係

原則は毎月1回の居宅訪問・面接

省令38号 第13条第14号です。

介護支援専門員は、第十三号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。
イ 少なくとも一月に一回、利用者に面接すること。
ロ イの規定による面接は、利用者の居宅を訪問することによって行うこと。(後略)
ハ 少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること。

義務頻度
利用者に面接する少なくとも1月に1回
面接は利用者の居宅を訪問して行う(同上)
モニタリングの結果を記録する少なくとも1月に1回
「面接」と「記録」は別の義務

イとハは別々に書かれています。面接しても記録がなければ基準を満たしません。逆に、事業所からの報告を集めて記録を作っても、面接していなければ足りません。

老企第22号も「少なくとも1月に1回は利用者の居宅で面接を行い、かつ、少なくとも1月に1回はモニタリングの結果を記録することが必要である」と、「かつ」で結んでいます。

令和6年度改定で認められたテレビ電話等の活用

第13条第14号ロのただし書きです。

ただし、次のいずれにも該当する場合であって、少なくとも二月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接するときは、利用者の居宅を訪問しない月においては、テレビ電話装置等を活用して、利用者に面接することができるものとする。
(1) テレビ電話装置等を活用して面接を行うことについて、文書により利用者の同意を得ていること。
(2) サービス担当者会議等において、次に掲げる事項について主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得ていること。
 (i) 利用者の心身の状況が安定していること。
 (ii) 利用者がテレビ電話装置等を活用して意思疎通を行うことができること。
 (iii) 介護支援専門員が、テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは把握できない情報について、担当者から提供を受けること。

  • 2か月に1回の居宅訪問・面接は必須(これが大前提)
  • 訪問しない月だけテレビ電話等にできる
  • 利用者の同意は文書で得る(口頭では足りない)
  • サービス担当者会議等で主治医・担当者その他の関係者の合意を得る
  • 合意すべき事項は3つ(状態の安定・意思疎通の可否・情報提供の体制)
対応
1月居宅を訪問して面接
2月テレビ電話装置等で面接(要件を満たす場合)
3月居宅を訪問して面接
4月テレビ電話装置等で面接

毎月の面接そのものは省略できません。省略できるのは「居宅を訪問すること」だけで、しかも隔月までです。

ちびウルフちびウルフ

コロナのときの特例と同じ感じですか?

リハウルフリハウルフ

まったく別物です。感染拡大時の特例は、緊急避難的な臨時の取扱いでした。今回は省令そのものを改正した恒久的なルールです。

その代わり、要件は格段に厳しい。文書による同意、サービス担当者会議等での主治医を含む関係者の合意、2か月に1回の訪問。これを全部そろえるのは、正直かなり手間です。

担当したケースでも、書類を整えて会議で合意を取る労力を考えると、毎月訪問したほうが早いという結論になることが多い。遠方の利用者や、豪雪地帯のように移動そのものが困難な地域でこそ意味を持つ規定だと思っています。

「特段の事情」の意味を取り違えない

第14号の柱書きには「特段の事情のない限り」という留保があります。この解釈が老企第22号に示されています。

「特段の事情」とは、利用者の事情により、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接することができない場合を主として指すものであり、介護支援専門員に起因する事情は含まれない。
さらに、当該特段の事情がある場合については、その具体的な内容を記録しておくことが必要である。

事情「特段の事情」に当たるか
利用者が入院した当たりうる(利用者の事情)
利用者が長期の外泊・帰省で不在当たりうる(同上)
利用者・家族が訪問を強く拒否している当たりうる(同上)
ケアマネジャーが多忙で訪問できなかった当たらない
担当件数が多く手が回らない当たらない
事業所の人員が不足していた当たらない

「介護支援専門員に起因する事情は含まれない」と明記されています。ここは実地指導で必ず確認される部分です。そして該当する場合も、具体的な内容を記録しておくことが求められます。

記録の保存は2年間

老企第22号は、「基準第29条第2項の規定に基づき、モニタリングの結果の記録は、2年間保存しなければならない」としています。

ただし自治体の条例で5年としている場合があります。保存期間は指定権者に確認してください。

介護予防支援では6か月に1回

令和6年度改定資料は、テレビ電話等を活用する場合の訪問頻度について、「少なくとも2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)は利用者の居宅を訪問すること」としています。

居宅介護支援介護予防支援
テレビ電話等を活用する場合の訪問頻度少なくとも2月に1回少なくとも6月に1回

要支援の方は状態が比較的安定していることを踏まえた設定です。介護予防支援のモニタリングの頻度そのものは、居宅介護支援とは別に定められています。詳細は介護予防支援の基準をご確認ください。

運営基準減算との関係

モニタリングの未実施は、報酬にも直結します。告示第20号 居宅介護支援費 注6です。

別に厚生労働大臣が定める基準に該当する場合には、運営基準減算として、所定単位数の100分の50に相当する単位数を算定する。また、運営基準減算が2月以上継続している場合は、所定単位数は算定しない。

  • 該当すると所定単位数の50%
  • 2月以上継続すると算定しない(ゼロ)

2か月連続で該当すれば報酬がゼロになります。モニタリングは「やったほうがよい業務」ではなく、報酬の前提です。

実務での組み立て方

  • 毎月の訪問予定を月初に組み、月末に偏らせない
  • 訪問した日に、その場でモニタリングの結果を記録する項目を決めておく
  • 利用者の入院・外泊等で訪問できない場合は、その具体的な内容を記録に残す
  • テレビ電話等の活用を検討する場合は、まず文書による同意の様式を整える
  • サービス担当者会議で、状態の安定・意思疎通の可否・情報提供の体制の3点を議題に上げ、合意を記録する
  • 訪問しない月に備え、担当者から情報提供を受ける仕組み(様式・頻度)を決めておく
  • 2か月に1回の訪問を、年間の予定表に先に落とし込む

5つ目が要です。サービス担当者会議での合意は「議題に上げて記録する」ことが前提です。会議録に3項目が残っていなければ、要件を満たしたことを証明できません。

ちびウルフちびウルフ

電話だけで済ませてはダメなんですか? 毎月連絡はしてるのに。

リハウルフリハウルフ

音声のみの電話では要件を満たしません。条文が認めているのは「テレビ電話装置等」、つまりリアルタイムで画像を介したコミュニケーションが可能な機器です。

そして老企第22号は、「担当者との連携によりモニタリングが行われている場合においても、特段の事情のない限り、少なくとも1月に1回は利用者の居宅で面接を行い」と念を押しています。事業所から情報が入っているから訪問しなくてよい、とは読めません。

訪問は「情報を得る手段」であると同時に「生活の場を自分の目で見る手段」です。制度がここを譲らないのは、それだけの理由があります。

よくある質問

モニタリングは毎月訪問しないといけませんか?

原則として必要です。省令38号 第13条第14号は、特段の事情のない限り、少なくとも1月に1回、利用者の居宅を訪問して面接することを求めています。

オンラインでのモニタリングは認められましたか?

令和6年度改定で条件付きで認められました。ただし少なくとも2月に1回は居宅を訪問して面接することが前提で、訪問しない月に限りテレビ電話装置等を活用できます。

オンラインにするための要件は何ですか?

文書による利用者の同意と、サービス担当者会議等における主治医・担当者その他の関係者の合意(心身の状況が安定していること、テレビ電話装置等で意思疎通ができること、把握できない情報を担当者から提供を受けること)です。

音声のみの電話でもよいですか?

認められません。条文は「テレビ電話装置等」としており、リアルタイムで画像を介したコミュニケーションが可能な機器が想定されています。

毎月の面接自体を省略できますか?

できません。省略できるのは「居宅を訪問すること」だけで、面接は毎月必要です。

「特段の事情」とは何ですか?

老企第22号は「利用者の事情により、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接することができない場合を主として指すものであり、介護支援専門員に起因する事情は含まれない」としています。

忙しくて訪問できなかった場合は?

「特段の事情」に当たりません。介護支援専門員に起因する事情は含まれないと明記されています。

特段の事情がある場合は何をしますか?

その具体的な内容を記録しておくことが必要です。記録がなければ、事情があったことを説明できません。

記録も毎月必要ですか?

必要です。第14号ハが「少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること」と定めています。面接と記録は別の義務です。

記録は何年保存しますか?

老企第22号は2年間としています。ただし自治体の条例で5年とされている場合があるため、指定権者に確認してください。

介護予防支援でも2か月に1回ですか?

令和6年度改定資料は、介護予防支援の場合は6月に1回としています。

モニタリングをしないとどうなりますか?

運営基準減算により所定単位数の50%となり、2月以上継続すると所定単位数を算定しません。

まとめ
  • モニタリングは原則として毎月1回、居宅を訪問して面接する
  • 根拠は省令38号 第13条第14号
  • 面接(イ)と記録(ハ)は別々の義務で、両方必要
  • 令和6年度改定でテレビ電話装置等の活用が条件付きで認められた
  • コロナ特例のような臨時措置ではなく、省令改正による恒久的なルール
  • 少なくとも2月に1回の居宅訪問・面接は必須
  • 省略できるのは「訪問」だけで、面接は毎月必要
  • 要件は文書による同意と、サービス担当者会議等での関係者の合意
  • 合意すべきは、心身の状況が安定していること
  • 同じく、テレビ電話装置等で意思疎通を行うことができること
  • 同じく、把握できない情報を担当者から提供を受けること
  • 合意を得る相手に主治の医師が含まれる
  • 音声のみの電話では要件を満たさない
  • 「特段の事情」は利用者の事情を主として指す
  • 介護支援専門員に起因する事情は含まれない
  • 特段の事情がある場合も、具体的な内容の記録が必要
  • 担当者から情報が入っていても、訪問の代わりにはならない
  • 記録の保存は2年間(自治体により5年の場合あり)
  • 介護予防支援では6月に1回の訪問とされている
  • モニタリング未実施は運営基準減算で50%
  • 2月以上継続すると所定単位数を算定しない
  • サービス担当者会議の合意は、会議録に3項目を残して初めて証明できる
参考にした情報

※本記事の内容は、厚生労働省の省令、告示および通知にもとづいて整理したものです。実際の運用にあたっては原文および保険者・指定権者の解釈をご確認ください。「特段の事情」に該当するかどうかの判断、テレビ電話装置等の要件、記録の保存期間(自治体の条例により5年とされる場合があります)は、保険者・指定権者によって解釈・運用が異なる場合があります。運営基準減算の適用要件はモニタリング以外にも複数あり、本記事ではモニタリングに関する部分のみを扱っています。介護予防支援のモニタリングの頻度については、介護予防支援に係る基準の原文をご確認ください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改正により取扱いが変わる可能性があります。訪問予定の組み立てや記録の残し方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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