居宅介護支援の入院時情報連携加算とは?250単位・200単位の違いを解説

居宅介護支援の入院時情報連携加算は、(Ⅰ)250単位・(Ⅱ)200単位(いずれも1月につき)です。利用者が入院したとき、医療機関へ情報を提供すると算定できます。
区分を分けるのは「いつ提供したか」だけです。入院した日のうちなら(Ⅰ)250単位、翌日または翌々日なら(Ⅱ)200単位。3日目以降は算定できません。
ここで多くのケアマネが損をしています。営業時間終了後や休業日に入院した場合、翌日の提供でも(Ⅰ)250単位を算定できるという例外があるからです。夜間や休日の入院連絡を受けて、翌営業日に情報提供した——これは(Ⅱ)ではなく(Ⅰ)に当たります。
そしてもう1つ。提供手段は面談に限りません。通知は「面談、FAX等」と例示しており、医療機関へ出向く必要はありません。
典拠は指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)の「ホ 入院時情報連携加算」、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第85号、老企第36号の16です。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- (Ⅰ)250単位・(Ⅱ)200単位を分けるのは提供のタイミングだけであること
- 営業時間外・休業日に入院した場合、翌日でも(Ⅰ)になること
- 入院日より前に情報提供した場合も(Ⅰ)に含まれること
- (Ⅱ)にも営業日に関する例外があること
- 提供する「必要な情報」の4分類
- 提供手段はFAX等でもよく、出向く必要はないこと
- 記録すべき5項目
- 利用者1人につき月1回が限度であること
単位数は(Ⅰ)250単位・(Ⅱ)200単位
告示20号の「ホ 入院時情報連携加算」は、次のとおりです。
| 区分 | 単位数 | 提供のタイミング |
|---|---|---|
| 入院時情報連携加算(Ⅰ) | 250単位 | 入院した日のうち |
| 入院時情報連携加算(Ⅱ) | 200単位 | 入院した日の翌日または翌々日 |
注には次の2点が定められています。
- 利用者1人につき1月に1回を限度として算定
- (Ⅰ)と(Ⅱ)はいずれか一方のみ
差は50単位です。小さく見えますが、入院は月末月初に集中しやすく、担当利用者が多い事業所では件数がまとまります。年間30件の入院があれば、すべて(Ⅰ)で算定できるかどうかで1,500単位の差になります。
営業時間外・休業日の例外を知らないと損をする
大臣基準第85号イは、(Ⅰ)の対象日を次のように定めています。
利用者が病院又は診療所に入院した日(入院の日以前に当該利用者に係る情報を提供した場合には当該情報を提供した日を含み、指定居宅介護支援事業所における運営規程に定める営業時間終了後に、又は運営規程に定める当該指定居宅介護支援事業所の営業日以外の日に入院した場合には当該入院した日の翌日を含む。)のうちに、当該病院又は診療所の職員に対して当該利用者に係る必要な情報を提供していること。
括弧書きに2つの例外が入っています。
| 状況 | (Ⅰ)250単位の対象となる日 |
|---|---|
| 通常(営業時間内に入院) | 入院した日 |
| 入院日より前に情報提供した | その情報を提供した日 |
| 営業時間終了後に入院した | 入院した日+その翌日 |
| 営業日以外の日に入院した | 入院した日+その翌日 |
金曜の夜に入院の連絡が入り、月曜に情報提供した——というケースを考えます。
金曜が営業日で営業時間終了後の入院なら、(Ⅰ)の対象は「金曜と土曜」。月曜提供では(Ⅰ)になりません。土曜が営業日以外なら、土曜入院として扱われる場面では日曜まで。実際の判定は入院日が何曜日で、事業所の営業日・営業時間がどうかによります。
いずれにせよ「営業時間外・休業日の入院なら翌日でも250単位」という例外を知らずに、機械的に(Ⅱ)200単位で請求している事業所は少なくないはずです。
前提として、自事業所の運営規程に定める営業日・営業時間を正確に把握しておくこと。この加算の判定はそこから始まります。
入院より前の情報提供も(Ⅰ)になる
「入院の日以前に当該利用者に係る情報を提供した場合には当該情報を提供した日を含み」——予定入院のケースです。
入院が決まった段階で医療機関へ情報を送っておけば、入院日を待たずに要件を満たします。老企第36号(2)も「入院の日以前に情報提供した場合(中略)も、算定可能である」と明記しています。
予定入院がわかっている利用者については、入院日前の情報提供を標準手順にするほうが確実です。当日を狙うより取りこぼしがありません。
(Ⅱ)にも営業日の例外がある
大臣基準第85号ロは、(Ⅱ)を次のように定めています。
利用者が病院又は診療所に入院した日の翌日又は翌々日(イに規定する入院した日を除き、運営規程に定める当該指定居宅介護支援事業所の営業時間終了後に入院した場合であって、当該入院した日から起算して3日目が運営規程に定める当該指定居宅介護支援事業所の営業日以外の日に当たるときは、当該営業日以外の日の翌日を含む。)に、当該病院又は診療所の職員に対して当該利用者に係る必要な情報を提供していること。
整理すると、こうなります。
| 状況 | (Ⅱ)200単位の対象となる日 |
|---|---|
| 通常 | 入院した日の翌日・翌々日 |
| 営業時間終了後に入院し、 3日目が営業日以外に当たる | 翌日・翌々日+その営業日以外の日の翌日 |
「イに規定する入院した日を除き」とあるのは、(Ⅰ)の対象になる日は(Ⅱ)から外すという意味です。営業時間外入院で翌日に提供したなら、それは(Ⅰ)250単位であって(Ⅱ)ではありません。
ちびウルフ条文が入り組んでいて、結局いつまでに出せばいいのか混乱します。
リハウルフ実務では、こう覚えるのが安全です。
①入院を知ったら、その日のうちに出す。これで原則250単位。
②営業時間外・休業日に入院した場合は、翌営業日に出しても250単位になりうる。
③どんなに遅くても、入院日から数えて3日目までには出す。
例外規定は「間に合わなかったときの救済」であって、狙って使うものではありません。①を徹底すれば、条文の細部を毎回追う必要はなくなります。
むしろ実務上の要点は、入院の一報をどれだけ早くつかむかです。利用者や家族に「入院したらまず連絡を」と伝えているか、サービス事業所から連絡が入る関係を作れているか。加算の可否はそこで決まります。
提供する「必要な情報」の4分類
老企第36号16(1)が具体的に列挙しています。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 入院日 | — |
| 心身の状況 | 例えば疾患・病歴、認知症の有無や徘徊等の行動の有無など |
| 生活環境 | 例えば家族構成、生活歴、介護者の介護方法や家族介護者の状況など |
| サービスの利用状況 | — |
生活環境の例示に、「介護者の介護方法や家族介護者の状況」が入っています。利用者本人の情報だけでなく、誰がどのように介護してきたか、その介護者は今どういう状態かまで伝えることが想定されています。
退院支援を考えれば当然です。介護者が高齢だったり就労していたりすれば、退院先の判断が変わります。医療機関がもっとも知りたい情報でありながら、カルテには載っていない部分——そこを埋めるのがケアマネの役割だ、という設計です。
「認知症の有無や徘徊等の行動の有無」も同様です。病棟での対応方針に直結します。
提供手段はFAXでもよい。出向く必要はない
老企第36号16(1)は、記録すべき事項のなかで提供手段に触れています。
情報提供を行った日時、場所(医療機関へ出向いた場合)、内容、提供手段(面談、FAX等)等について居宅サービス計画等に記録すること。なお、情報提供の方法としては、居宅サービス計画等の活用が考えられる。
読み取れることが3つあります。
- 「場所」は(医療機関へ出向いた場合)と条件付き——出向かない選択肢が前提になっている
- 提供手段の例示にFAXが入っている——面談は必須ではない
- 提供する書類は居宅サービス計画等の活用でよい——専用様式を作る必要はない
「入院当日に病院へ駆けつけないと算定できない」というのは誤解です。FAXで居宅サービス計画等を送り、記録を残せば要件を満たします。
もっとも、実際に出向いて病棟看護師と話すほうが、伝わる情報量ははるかに多い。加算の要件と、退院支援の質は別の話として考えるべきところです。
記録すべき5項目
通知が挙げている記録事項をまとめます。
| 記録事項 | |
|---|---|
| 1 | 情報提供を行った日時 |
| 2 | 場所(医療機関へ出向いた場合) |
| 3 | 内容 |
| 4 | 提供手段(面談、FAX等) |
| 5 | その他必要な事項 |
記録先は居宅サービス計画等です。「日時」とあるので、日付だけでなく時刻まで記録するのが安全です。とくに営業時間終了後の入院で(Ⅰ)を算定する場合、入院時刻と提供時刻の関係が判定の根拠になります。
月1回が限度。同月に再入院しても2回は取れない
告示は「利用者1人につき1月に1回を限度として」としています。通知も「当該加算については、利用者一人につき、1月に1回を限度として算定することとする」と重ねて述べています。
同じ月に入退院を繰り返した場合でも、算定は1回です。
退院・退所加算との関係
入院時情報連携加算と退院・退所加算は、入口と出口で対になる加算です。
| 入院時情報連携加算 | 退院・退所加算 | |
|---|---|---|
| 場面 | 入院時 | 退院・退所時 |
| 情報の向き | ケアマネ→医療機関 | 医療機関等→ケアマネ |
| 単位数 | 250/200単位 | 450〜900単位 |
| 限度 | 1月に1回 | 入院・入所期間中に1回 |
| 算定する月 | 情報提供した月 | サービスの利用開始月 |
両者に併算定を禁じる規定はありません。同じ入院について、入口で入院時情報連携加算、出口で退院・退所加算を算定できます。
入院時にきちんと情報を届けておくと、医療機関側もケアマネの存在を認識します。退院カンファレンスに声がかかるかどうかは、入院時の関わりで決まる面があります。
退院・退所加算は、カンファレンス参加で(Ⅲ)900単位まで届きます。入院時の250単位は、その入口としての意味もあるということです。
介護予防支援には設定がない
この加算は指定居宅介護支援の加算です。介護予防支援(要支援の方のケアマネジメント)には、入院時情報連携加算は設定されていません。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは何ですか?
情報を提供したタイミングだけです。入院した日のうちなら(Ⅰ)250単位、翌日または翌々日なら(Ⅱ)200単位。要件の内容そのものは同じです。
夜間に入院した場合、翌日の提供でも(Ⅰ)になりますか?
運営規程に定める営業時間終了後に入院した場合であれば、入院した日の翌日も(Ⅰ)の対象に含まれます。営業日以外の日に入院した場合も同様です。
入院する前に情報提供した場合はどうなりますか?
(Ⅰ)250単位を算定できます。大臣基準は「入院の日以前に当該利用者に係る情報を提供した場合には当該情報を提供した日を含み」としています。予定入院では、入院日前の提供を標準手順にするほうが確実です。
(Ⅱ)にも例外はありますか?
あります。営業時間終了後に入院した場合で、入院日から起算して3日目が営業日以外の日に当たるときは、その営業日以外の日の翌日も(Ⅱ)の対象に含まれます。
医療機関へ出向かないと算定できませんか?
できます。通知は記録事項の「場所」を「(医療機関へ出向いた場合)」と条件付きで記載し、提供手段の例に「面談、FAX等」を挙げています。出向くことは要件ではありません。
専用の様式が必要ですか?
不要です。通知は「情報提供の方法としては、居宅サービス計画等の活用が考えられる」としています。既存の書類を活用できます。
どんな情報を提供すればよいですか?
入院日、心身の状況(疾患・病歴、認知症の有無や徘徊等の行動の有無など)、生活環境(家族構成、生活歴、介護者の介護方法や家族介護者の状況など)、サービスの利用状況の4分類です。
記録には何を残しますか?
情報提供を行った日時、場所(出向いた場合)、内容、提供手段(面談、FAX等)等を居宅サービス計画等に記録します。営業時間外入院で(Ⅰ)を算定する場合は、時刻の記録が判定の根拠になります。
同じ月に2回入院した場合は2回算定できますか?
できません。利用者1人につき1月に1回が限度です。
退院・退所加算と両方算定できますか?
できます。併算定を禁じる規定はありません。同じ入院について、入院時に入院時情報連携加算、退院時に退院・退所加算を算定できます。
- 入院時情報連携加算は(Ⅰ)250単位・(Ⅱ)200単位/月
- 区分を分けるのは情報提供のタイミングだけ
- 入院した日のうちなら(Ⅰ)、翌日または翌々日なら(Ⅱ)
- 営業時間終了後・営業日以外の日に入院した場合は、翌日でも(Ⅰ)
- 入院日より前に情報提供した場合も(Ⅰ)に含まれる
- 予定入院では入院日前の提供を標準手順にするのが確実
- (Ⅱ)にも例外があり、3日目が営業日以外なら翌日まで対象
- 判定の前提として、自事業所の運営規程の営業日・営業時間を把握する
- 提供する情報は入院日・心身の状況・生活環境・サービスの利用状況の4分類
- 生活環境には「介護者の介護方法や家族介護者の状況」が含まれる
- 提供手段は面談に限らず、FAX等でもよい
- 医療機関へ出向くことは要件ではない
- 専用様式は不要で、居宅サービス計画等の活用でよい
- 記録は日時・場所・内容・提供手段等を居宅サービス計画等に
- 時刻まで記録しておくと、営業時間外入院の判定根拠になる
- 利用者1人につき1月に1回が限度
- 同じ月に再入院しても2回は算定できない
- 退院・退所加算とは併算定できる
- 介護予防支援には設定がない
- 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)別表 指定居宅介護支援介護給付費単位数表 ホ(入院時情報連携加算)、ヘ(退院・退所加算)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第85号(居宅介護支援費に係る入院時情報連携加算の基準)
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月1日老企第36号)第三の16 入院時情報連携加算について、同17 退院・退所加算について
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および留意事項通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および保険者の解釈をご確認ください。営業時間終了後・営業日以外の日に入院した場合の取扱いは、各事業所が運営規程に定める営業日・営業時間によって結論が変わります。本文中の曜日を用いた説明は考え方を示すための例示であり、個別のケースの判定は自事業所の運営規程に照らしてご確認ください。判断に迷う場合は保険者にご確認ください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。入院の一報を早くつかむための運用に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。




