短期入所生活介護(ショートステイ)の看取り連携体制加算は、1日につき64単位、死亡日および死亡日以前30日以下について7日を限度として算定します。令和6年度介護報酬改定で新設された加算です。

この加算の設計でいちばん重要なのは、亡くなってから死亡月にまとめて請求するという点です。そのため、ショートステイを終了した翌月に、利用者側へ自己負担を請求することになる場合があります。通知は、この可能性をあらかじめ説明し、文書で同意を得ておくことを求めています。ここを飛ばすと、請求時にトラブルになります。

もう1つ、入院先で亡くなった場合でも算定できますが、サービスを直接提供していない期間は算定できないという制限があります。入院した日の翌日から死亡日までが30日以上あると、加算そのものが算定できません。

この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)短期入所生活介護費の注13、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第37号の2、厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(同告示第94号)第20号の2、老企第40号 第二の3(15)を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 看取り連携体制加算の単位数(64単位/日)と7日という上限の数え方
  • 令和6年度改定で新設された加算であること
  • 事業所基準の2ルート(看護体制加算(Ⅱ)(Ⅳ)/(Ⅰ)(Ⅲ)+24時間連絡体制)
  • 利用者基準(回復の見込みがない旨の医師の診断と、説明・同意)
  • 入院後に亡くなった場合の算定可否と、算定できなくなる条件
  • 死亡月にまとめて請求するために、事前の文書同意が必要なこと
  • 「看取り期における対応方針」に含めるべき5つの事項
  • 家族に連絡がつかない場合でも算定できること
  • 特養の看取り介護加算・訪問入浴介護の看取り連携体制加算との違い
  • 要支援(介護予防短期入所生活介護)には存在しないこと

看取り連携体制加算は64単位。7日を限度に死亡月へまとめて算定する

告示19号の注13は、次のとおりです。

別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、(中略)届出を行った指定短期入所生活介護事業所において、別に厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者について看取り期におけるサービス提供を行った場合は、看取り連携体制加算として、死亡日及び死亡日以前30日以下について、7日を限度として、1日につき64単位を加算する。

項目内容
単位数1日につき64単位
算定できる期間死亡日および死亡日以前30日以下
上限その30日間のうち7日まで
請求のタイミング死亡月にまとめて算定
新設令和6年度介護報酬改定

「30日以内で7日」という二重の枠になっています。30日間ずっと算定できるわけではなく、その期間内で実際にショートステイを利用した日のうち、最大7日分です。7日を超えて利用していても、算定できるのは7日分にとどまります。

厚生労働省の改定資料は、この加算の趣旨を「レスパイト機能を果たしつつ、看護職員の体制確保や対応方針を定め、看取り期の利用者に対してサービス提供を行った場合に評価する」と説明しています。在宅で看取る家庭の休息を支える、という位置づけです。

事業所基準は2ルート。看護体制加算(Ⅰ)(Ⅲ)でも道がある

告示95号 第37号の2が定める事業所基準は、イとロの2つです。イには(1)(2)の選択肢があります。

ルート要件
イ(1)看護体制加算(Ⅱ)または(Ⅳ)イ・ロを算定していること
イ(2)看護体制加算(Ⅰ)または(Ⅲ)イ・ロを算定しており、かつ、当該事業所の看護職員により、または病院・診療所・指定訪問看護ステーション・本体施設の看護職員との連携により、24時間連絡できる体制を確保していること
ロ(共通)看取り期における対応方針を定め、利用開始の際に利用者またはその家族等に対して当該対応方針の内容を説明し、同意を得ていること
医療連携強化加算との違いはここ

同じショートステイの医療系加算でも、医療連携強化加算は看護体制加算(Ⅱ)または(Ⅳ)が必須で、(Ⅰ)(Ⅲ)では算定できません。

看取り連携体制加算は(Ⅰ)(Ⅲ)でも、24時間連絡体制を別途確保すれば算定できます。しかもその体制は、外部の病院・診療所・訪問看護ステーション・本体施設との連携でよいとされています。看護職員が25:1に届かない事業所にも道が開かれている設計です。

「24時間連絡できる体制」の意味は、老企第40号(15)②が定義しています。

「24時間連絡できる体制」とは、事業所内で勤務することを要するものではなく、夜間においても短期入所生活介護事業所から連絡でき、必要な場合には短期入所生活介護事業所からの緊急の呼び出しに応じて出勤する体制をいうものである。

いわゆるオンコール体制です。看護職員が事業所に泊まる必要はありません。

利用者側の要件は「回復の見込みがない旨の診断」と「同意」

告示94号 第20号の2は、対象となる利用者を次の両方に適合する者としています。

  • 医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること
  • 看取り期における対応方針に基づき、利用者の状態または家族の求め等に応じ、介護職員・看護職員等から介護記録等を活用して行われるサービスについての説明を受け、同意した上でサービスを受けている者(その家族等が説明を受け、同意した上でサービスを受けている者を含む)であること

1つ目は医師の診断が要ります。2つ目の「説明」は、介護記録等の記録を使って行うことが前提になっています。口頭で「看取りの方針でいきます」と伝えるだけでは足りず、記録を見せながら状態を共有するという運用が想定されています。

入院先で亡くなった場合の扱い。30日以上空くと算定できない

老企第40号(15)①の後段が、この加算のいちばん独特な部分です。

死亡前に医療機関へ入院した後、入院先で死亡した場合でも算定可能であるが、その際には、当該短期入所生活介護事業所においてサービスを直接提供していない入院した日の翌日から死亡日までの間は、算定することができない。(したがって、入院した日の翌日から死亡日までの期間が30日以上あった場合には、看取り連携体制加算を算定することはできない。)

整理すると次のようになります。

状況算定可否
ショートステイ利用中に亡くなった○(30日以内で7日まで)
ショートステイ→入院→入院先で死亡(入院翌日〜死亡日が30日未満)○ ただし入院翌日以降は算定不可。ショート利用日のみ、7日を限度に算定
ショートステイ→入院→入院先で死亡(入院翌日〜死亡日が30日以上× 加算そのものが算定できない

理屈はシンプルです。算定できるのは「死亡日以前30日以下」の期間だけであり、そのうち事業所がサービスを直接提供していない日は算定できない。入院期間が30日を超えてしまうと、30日の枠の中にショート利用日が1日も残らないため、算定不能になります。

ちびウルフちびウルフ

ショートで頑張って看取り体制を組んでも、入院が長引いたら1円も入らないってことですか?

リハウルフリハウルフ

そうなります。厳しいですが、条文の構造上そうです。

ただ、この加算は1日64単位、最大7日で448単位です。金額としては特養の看取り介護加算と比べればかなり小さい。収益で判断する加算ではなく、レスパイトを担う事業所が看取り期の受入れを断らずに済むための下支えと考えるのが実態に合っています。

担当したケースでも、家族がいちばん助かったのは「最後の数日、家で見きれないときに預かってもらえた」ことでした。加算の有無より、その受け皿があることのほうが大きいです。

死亡月にまとめて請求する。だから事前の文書同意が要る

老企第40号(15)⑦は、請求の実務についてこう定めています。

短期入所生活介護事業所等から医療機関へ入院した月と死亡した月が異なる場合でも算定可能であるが、看取り連携体制は死亡月にまとめて算定することから、利用者側にとっては、短期入所生活介護を終了した翌月についても自己負担を請求されることになるため、利用者が入院する際、入院した月の翌月に亡くなった場合に、前月分の看取り連携体制加算に係る一部負担の請求を行う場合があることを説明し、文書にて同意を得ておくことが必要である。

たとえば、3月にショートステイを利用して入院し、4月に亡くなった場合。3月分の看取り連携体制加算は4月のレセプトでまとめて請求されます。家族から見れば「3月で終わったはずのショートの請求が、4月に来た」という状態になります。

説明のタイミングは「入院する際」

通知は「利用者が入院する際」に説明し、文書で同意を得ておくことを求めています。亡くなった後で説明するのでは遅い、ということです。

あわせて⑧は、入院先の医療機関が事業所に本人の状態を伝えることについても、入院の際に本人・家族へ説明し文書で同意を得ておくことを求めています。入院時に交わす同意書は、実質2種類あると考えてください。

また⑧は、入院後も継続して利用者の家族や入院先の医療機関等との関わりを持つことが必要だ、としています。ショートから入院に切り替わった時点で関与が終わる、という運用は想定されていません。

「看取り期における対応方針」に含める5つの事項

事業所基準ロが求める対応方針について、老企第40号(15)③は、管理者を中心として介護職員・看護職員・介護支援専門員等による協議のうえで定めることとし、含めるべき事項を例示しています。

  • 当該事業所における看取り期における対応方針に関する考え方
  • 医師や医療機関との連携体制(夜間および緊急時の対応を含む
  • 利用者等との話し合いにおける同意、意思確認および情報提供の方法
  • 利用者等への情報提供に供する資料および同意書等の様式
  • その他職員の具体的対応等

4つ目に注目してください。方針の中に同意書の様式まで含めることが例示されています。方針だけ作って様式が別管理になっていると、整合が取れなくなりがちです。

さらに④は、ケアカンファレンスや実践の振り返りにより、対応方針とサービス提供体制を適宜見直すことを求めています。①が「PDCAサイクルにより構築かつ強化していく」と書いているとおり、作って終わりの方針ではありません。

記録すべき2つのこと

⑤は、看取り期のサービス提供において介護記録等に記録し、多職種連携のための情報共有を行うべき事項を2つ挙げています。

  • 利用者の身体状況の変化と、これに対する介護についての記録
    状態がどう変わり、それに対して何をしたか。
  • 意向の把握と、それに基づくアセスメント・対応の経過の記録
    看取り期におけるサービス提供の各プロセスで、利用者および家族等の意向を把握し、それに基づいて行ったアセスメントと対応の経過。

2つ目の「各プロセスにおいて」が要点です。一度確認した意向を固定するのではなく、局面ごとに確認し直した経過を残すことが求められています。

家族に連絡がつかない場合でも算定できる

⑨には、実務で助かる規定があります。

本人が十分に判断をできる状態になく、かつ、家族等に連絡しても来てもらえないような場合も、医師、看護職員、介護職員等が利用者の状態等に応じて随時、看取り期における利用者に対する介護の内容について相談し、共同して介護を行っており、家族等に対する情報提供を行っている場合には、看取り連携体制加算の算定は可能である。

ただし条件があります。介護記録に職員間の相談日時・内容を記載し、本人の状態や家族等への連絡状況についても記載しておくことが必要です。「連絡したが来られなかった」という事実自体を記録に残す必要がある、ということです。

なお⑨は、口頭で同意を得た場合についても、介護記録に説明日時・内容を記載し、同意を得た旨を記載しておくことが必要だとしています。

看取りの場所は個室または静養室が想定されている

⑩は、事業所で看取りを行う際には個室または静養室を利用するなど、プライバシーの確保および家族等への配慮について十分留意することを求めています。

多床室のショートステイでは、ここが現実的な制約になります。静養室が空いているか、個室に移せるかという運用面の見通しが立たないと、看取り期の受入れは難しくなります。加算の届出より先に、居室の運用を詰めておく必要があります。

また⑪は、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を参考にしつつ、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針が実施できるよう多職種が連携することを求めています。

特養の看取り介護加算・訪問入浴の看取り連携体制加算との違い

名前が似た加算が複数あるため、混同されやすいところを整理します。

サービス加算名単位数の考え方
短期入所生活介護看取り連携体制加算64単位/日、死亡日以前30日以下のうち7日限度
訪問入浴介護看取り連携体制加算64単位/、死亡日および死亡日以前30日以下(要件は別)
特別養護老人ホーム看取り介護加算死亡日からの日数区分で単位数が変わる(金額はこちらが大きい)

訪問入浴介護の看取り連携体制加算は同じ64単位ですが、「回」単位で、事業所基準は訪問看護ステーション等との連携と日時調整などになっており、中身が異なります。特養の看取り介護加算は、死亡日からの日数によって単位数が段階的に変わる構造で、金額の規模もまったく違います。

要支援(介護予防短期入所生活介護)には存在しない

介護予防サービスの報酬を定める平成18年厚生労働省告示第127号には、看取り連携体制加算の規定がありません。前提となる看護体制加算も要支援には設けられていません。

要支援1・2の方については、看取り期であってもこの加算は算定できません。

よくある質問
看取り連携体制加算はいくらですか?

1日につき64単位です。死亡日および死亡日以前30日以下について、7日を限度として算定します。最大で448単位になります。

30日間ずっと算定できるのですか?

できません。算定できるのは死亡日以前30日以下の期間のうち7日までです。その期間に7日を超えて利用していても、算定は7日分が上限です。

看護体制加算(Ⅰ)しか算定していませんが、算定できますか?

できる可能性があります。看護体制加算(Ⅰ)または(Ⅲ)を算定しており、かつ自事業所の看護職員、または病院・診療所・訪問看護ステーション・本体施設の看護職員との連携により24時間連絡できる体制を確保していれば要件を満たします。

24時間連絡体制とは、看護職員が泊まることですか?

違います。通知は「事業所内で勤務することを要するものではなく、夜間においても事業所から連絡でき、必要な場合には緊急の呼び出しに応じて出勤する体制」としています。オンコール体制で足ります。

入院先で亡くなった場合も算定できますか?

算定できます。ただし、事業所がサービスを直接提供していない入院日の翌日から死亡日までの間は算定できません。その期間が30日以上になると、加算そのものが算定できなくなります。

入院した月と亡くなった月が違う場合はどうなりますか?

算定可能ですが、死亡月にまとめて算定します。そのため利用者側には、ショートステイを終了した翌月に自己負担が請求されます。入院する際に、この可能性を説明して文書で同意を得ておく必要があります。

家族に連絡しても来てもらえない場合は算定できませんか?

算定できます。医師・看護職員・介護職員等が随時相談し共同して介護を行い、家族等に情報提供を行っていれば可能です。ただし職員間の相談日時・内容、本人の状態、家族への連絡状況を介護記録に残す必要があります。

看取り期における対応方針には何を書けばよいですか?

通知は、①対応方針に関する考え方、②医師や医療機関との連携体制(夜間・緊急時を含む)、③同意・意思確認・情報提供の方法、④情報提供に供する資料および同意書等の様式、⑤その他職員の具体的対応等を例示しています。

方針は一度作れば見直さなくてよいですか?

見直しが求められます。通知はケアカンファレンスや実践の振り返りにより、対応方針とサービス提供体制を適宜見直すこととしており、PDCAサイクルによる構築・強化を評価する加算だと位置づけています。

多床室でも看取りはできますか?

通知は「個室又は静養室を利用するなど、プライバシーの確保及び家族等への配慮について十分留意すること」を求めています。多床室のまま行うことは想定されていないと読むべきです。

訪問入浴介護の看取り連携体制加算と同じものですか?

別のものです。単位数は同じ64単位ですが、訪問入浴介護は「回」単位で、事業所基準も訪問看護ステーション等との連携・日時調整などが中心です。特養の看取り介護加算とも異なります。

要支援でも算定できますか?

できません。介護予防短期入所生活介護の報酬を定める告示127号に、看取り連携体制加算の規定はありません。

まとめ
  • 看取り連携体制加算は1日64単位。令和6年度改定で新設された
  • 死亡日および死亡日以前30日以下について、7日を限度に算定する
  • 最大で448単位。特養の看取り介護加算と比べると規模は小さい
  • 趣旨はレスパイト機能を果たしつつ看取り期の受入れを支えること
  • 事業所基準は看護体制加算(Ⅱ)(Ⅳ)ルートと、(Ⅰ)(Ⅲ)+24時間連絡体制ルートの2つ
  • 24時間連絡体制は外部の医療機関・訪問看護ステーション・本体施設との連携でもよい
  • オンコール体制でよく、看護職員が事業所に泊まる必要はない
  • 看取り期における対応方針を定め、利用開始の際に説明し同意を得ることが共通要件
  • 利用者側の要件は、回復の見込みがない旨の医師の診断と、記録を活用した説明への同意
  • 入院先で亡くなった場合も算定できるが、入院日の翌日以降は算定できない
  • 入院翌日から死亡日までが30日以上あると、加算そのものが算定できない
  • 死亡月にまとめて算定するため、翌月に自己負担を請求する場合がある
  • その可能性は「入院する際」に説明し、文書で同意を得ておく必要がある
  • 医療機関が事業所に本人の状態を伝えることについても、入院時に文書同意が必要
  • 入院後も家族・入院先医療機関との継続的な関わりが求められる
  • 対応方針には同意書等の様式まで含めることが例示されている
  • ケアカンファレンス等による見直しが前提のPDCA型の加算である
  • 記録は「身体状況の変化と介護の内容」「各プロセスでの意向把握とアセスメント経過」の2本
  • 家族が来られない場合も、職員間の相談記録等があれば算定できる
  • 看取りは個室または静養室で行うことが想定されている
  • 要支援(介護予防短期入所生活介護)には存在しない
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示、留意事項通知および改定資料にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および指定権者の解釈をご確認ください。対応方針の記載水準、同意書の様式、記録の残し方の判断は、都道府県・指定都市によって異なる場合があります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。居室運用や家族への説明の進め方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
PR

リハビリ職の転職・求人なら
レバウェルリハビリ

リハノメ 無料で求人を見る ▶
PR

PT・OT・STのオンラインセミナー
リハノメ

リハノメ セミナーを詳しく見る ▶