通所介護の生活機能向上連携加算とは|単位数・算定要件を解説【2024年改定対応】
「通所介護で生活機能向上連携加算を取りたいけれど、(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いがよく分からない」「外部のリハビリ専門職とどう連携すればいいのか、単位数や算定要件を正確に知りたい」——そんな声を、デイサービスの管理者・機能訓練指導員の方からよくいただきます。
この記事では、通所介護(デイサービス)の生活機能向上連携加算(Ⅰ・Ⅱ)の単位数・算定要件・実務の流れを、厚生労働省の最新の告示・解釈通知にもとづいて整理します。個別機能訓練加算との関係や、よくある算定ミスまで、現場で迷わない形でまとめました。
- 通所介護の生活機能向上連携加算(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数と違い
- 外部のリハビリ専門職(PT・OT・ST・医師)との連携の仕方
- 算定要件・3か月ごとの評価・計画書のポイント
- 個別機能訓練加算との併算定ルール(重要)
- 算定でつまずきやすい注意点とよくある質問
生活機能向上連携加算とは?通所介護での位置づけ
生活機能向上連携加算は、外部のリハビリテーション専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)や医師と連携して、利用者一人ひとりの心身の状態を評価し、自立支援・重度化防止につながる個別機能訓練を計画的に行ったときに算定できる加算です。
通所介護の機能訓練指導員だけでは判断が難しい「身体機能の評価」「動作の分析」「目標設定」に、リハビリの専門家の視点を取り入れることが目的です。デイサービス単独ではリハビリ職を常勤で確保しにくい事業所も多いため、外部の専門職と手を組むことでケアの質を底上げできる仕組みになっています。
ちびウルフ外部のリハビリさんと連携するだけで加算が取れるの?うちのデイにはPTさんいないんだけど…
リハウルフそうなんだ。自分の事業所にリハビリ職がいなくても、訪問リハや通所リハ、リハビリを行う医療機関のPT・OT・STや医師と連携すれば算定できる。だからこそ、人員確保が難しいデイサービスに向いている加算なんだよ。
通所介護の生活機能向上連携加算の単位数(Ⅰ・Ⅱ)
結論から示します。通所介護における単位数は次のとおりです。
| 区分 | 単位数 | 算定頻度 |
|---|---|---|
| 生活機能向上連携加算(Ⅰ) | 100単位/月 | 原則3か月に1回を限度 |
| 生活機能向上連携加算(Ⅱ) | 200単位/月 (個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月) | 毎月 |
大きな違いは「外部リハビリ職の関わり方の深さ」です。(Ⅰ)は助言ベースで頻度が低く単位も低め、(Ⅱ)は実地での共同評価が必要で単位が高め、と理解するとイメージしやすいでしょう。
生活機能向上連携加算(Ⅰ)の算定要件
生活機能向上連携加算(Ⅰ)は、外部のリハビリ専門職等が必ずしも事業所を訪問しなくても算定できるのが特徴です。テレビ電話などのICTも活用できます。
主な要件は次のとおりです。
- 訪問リハ・通所リハ事業所、またはリハビリテーションを実施する医療提供施設の医師・PT・OT・STから、利用者の心身の状況に関する助言を受ける(ICTの活用可)。
- 機能訓練指導員等が、その助言にもとづいて利用者の生活機能のアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成する。
- 計画に沿って機能訓練を実施し、おおむね3か月ごとに進捗を評価。利用者・家族へ説明し、必要に応じて見直す。
生活機能向上連携加算(Ⅱ)の算定要件
生活機能向上連携加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)よりも踏み込んだ連携が必要です。外部のリハビリ専門職等が実際に通所介護事業所を訪問し、機能訓練指導員等と共同で評価・計画作成を行うことが求められます。
- 訪問リハ・通所リハ事業所、またはリハビリを行う医療提供施設の医師・PT・OT・STが通所介護事業所を訪問する。
- 機能訓練指導員等と共同して、利用者の身体状況等を評価し、個別機能訓練計画を作成する。
- 計画にもとづき、利用者の身体機能・生活機能の向上を目的とした機能訓練を実施する。
- 3か月ごとに1回以上、計画の進捗状況を評価し、利用者・家族へ説明、必要に応じて訓練内容を見直す。
(Ⅱ)は実地での共同作業がベースになるため、毎月の算定が可能です。ただし個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月に減額される点に注意してください。
ちびウルフ(Ⅱ)は毎月リハビリさんに来てもらわないとダメなの?
リハウルフ毎月の訪問までは求められていないけれど、計画作成時の共同評価と、3か月ごとの進捗評価は必須なんだ。連携先と訪問のタイミングを事前に取り決めておくと運用がスムーズだよ。
個別機能訓練加算との関係を整理する
通所介護では、生活機能向上連携加算と個別機能訓練加算を組み合わせて算定するケースが多くあります。ここはミスが起きやすいので、表で整理します。
| 状況 | 生活機能向上連携加算(Ⅰ) | 生活機能向上連携加算(Ⅱ) |
|---|---|---|
| 個別機能訓練加算を算定していない | 100単位/月 | 200単位/月 |
| 個別機能訓練加算を算定している | 100単位/月 | 100単位/月に減額 |
連携先と進め方|現場の実務フロー
「連携したいが、どこに頼めばいいのか分からない」という声もよく聞きます。連携先として想定されるのは次のような事業所・施設です。
- 訪問リハビリテーション事業所
- 通所リハビリテーション事業所(デイケア)
- リハビリテーションを実施している医療提供施設(病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院 等)
同一法人内にこれらの事業所があれば連携しやすいですが、なければ地域の医療機関やリハ事業所に相談します。訪問リハビリを運営する法人と組むパターンも一般的です。
生活機能向上連携加算を取るメリット
単位の獲得以外にも、この加算には事業所運営上のメリットがあります。
- ケアの質が上がる:リハビリ専門職の評価が入ることで、機能訓練の目標や方法が根拠あるものになる。
- 自立支援・重度化防止につながる:科学的な視点で計画を立て、利用者の生活機能の維持・向上を後押しできる。
- 専門職がいなくても算定できる:自事業所にPT・OT・STを常勤で置けない事業所でも、外部連携で取り組める。
- 他事業所との関係づくり:訪問リハ・通所リハ・医療機関とのネットワークが、紹介や情報共有にも生きる。
「加算のために連携する」のではなく、「利用者の生活を良くするために専門職の力を借りる」という発想で取り組むと、運営指導でも説明しやすく、現場の納得感も高まります。
機能訓練指導員・現場スタッフが押さえるべき視点
この加算の本質は「単位を取ること」ではなく、リハビリ専門職の評価を日々の機能訓練に落とし込み、利用者の生活機能を実際に向上させることにあります。運営指導(実地指導)でも、計画と実施記録の整合性が確認されます。
機能訓練指導員(看護師・PT・OT・ST・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師等)は、外部リハ職の助言を「目標」「実施時間」「具体的な訓練項目」として計画書に明確に記載し、3か月ごとの再評価で数値や状態の変化を残しておくことが大切です。記録が薄いと、加算返還のリスクにつながります。
よくある質問(FAQ)
生活機能向上連携加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は両方算定できますか?
外部のリハビリ職が事業所に来なくても算定できますか?
個別機能訓練加算を算定していると単位が下がるのはなぜですか?
評価はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
連携先は同一法人でないとダメですか?
- 通所介護の生活機能向上連携加算は(Ⅰ)100単位/月、(Ⅱ)200単位/月(個別機能訓練加算算定時は100単位/月)。
- (Ⅰ)は助言ベース(ICT可・原則3か月に1回)、(Ⅱ)は事業所を訪問しての共同評価が必要(毎月可)。
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定不可。個別機能訓練加算との組み合わせで単位が変わる。
- 連携先は訪問リハ・通所リハ・リハビリを行う医療提供施設。契約・同意・記録を整える。
- 3か月ごとの評価・計画見直しと、記録の整合性が運営指導のポイント。
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」および関係告示・解釈通知。最新の運用は所管自治体・厚生労働省の通知をご確認ください。

