生活機能向上連携加算とは?単位数・算定要件を徹底解説

「生活機能向上連携加算ってどんな加算?」「うちの事業所でも算定できるの?」——リハビリ専門職と連携して利用者の生活機能向上に取り組むこの加算は、要件がやや複雑で、対象サービスや単位数、(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いに戸惑う方が少なくありません。
この記事では、生活機能向上連携加算の仕組み・対象サービス・単位数・算定要件・記録の残し方を、令和6年度介護報酬改定の内容を踏まえて分かりやすく整理します。あわせて厚生労働省のQ&Aの要点や、連携先の見つけ方、個別機能訓練加算との関係まで、実務で迷わないようにまとめました。
- 生活機能向上連携加算とは何か・対象となる介護サービス
- 加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の単位数と算定要件の違い
- 連携先(リハ専門職)の見つけ方と記録の残し方
- 個別機能訓練加算との関係・厚労省Q&Aの要点
生活機能向上連携加算とは
生活機能向上連携加算とは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士または医師が事業所を訪問するなどして、連携先の事業所職員と共同で計画を作成することで算定できる加算です。リハビリの専門的な視点を、訪問介護や通所介護などのサービスに活かし、利用者の生活機能(ADL・IADL)の向上につなげることを目的としています。
連携元となるリハビリ職員・医師は、次のいずれかに所属している必要があります。
ちびウルフ訪問看護ステーションのリハ職じゃダメなの?
リハウルフそうなんだ。連携元は通所リハ・訪問リハ・一定の医療提供施設に限られていて、訪問看護ステーションの職員は対象外なんだよ。ここは間違えやすいから要注意だね。
生活機能向上連携加算を算定できる介護サービス
対象となる介護サービス事業所は、算定要件の異なる2つのグループに分かれます。
| グループ「ア」 | グループ「イ」 |
|---|---|
| 訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 小規模多機能型居宅介護 | 通所介護 短期入所生活介護 特定施設入居者生活介護 認知症対応型通所介護 認知症対応型共同生活介護 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 介護老人福祉施設 |
出典:厚生労働省
生活機能向上連携加算の種類と単位数
単位数はグループ「ア」「イ」とも、おおむね次のとおりです。
| 区分 | 単位数 |
|---|---|
| 生活機能向上連携加算(Ⅰ) | 100単位/月(3ヶ月に1回を限度) |
| 生活機能向上連携加算(Ⅱ) | 200単位/月(グループ「イ」で個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月) |
(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できません。どちらか一方を、要件に応じて算定する形になります。
加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件と違い
(Ⅰ)と(Ⅱ)の最大の違いは、リハビリ専門職が利用者宅を「訪問するかどうか」です。ざっくり整理すると次のようになります。
| 区分 | 連携の方法 | 算定頻度 |
|---|---|---|
| 加算(Ⅰ) | リハ職・医師がサービス提供の場やICT(動画・テレビ電話等)で利用者の状態を把握し、助言する(利用者宅を訪問しない) | 3ヶ月に1回を限度 |
| 加算(Ⅱ) | リハ職・医師が利用者宅を訪問し、サービス提供責任者等と共同で評価・計画を作成する(同行またはカンファレンス) | 毎月 |
グループ「ア」の算定要件(訪問介護など)
加算(Ⅰ)は、訪問・通所リハや一定の医療提供施設のリハ職・医師から助言(アセスメント・カンファレンス)を受けられる体制を整え、その助言をもとにサービス提供責任者が生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成(変更)します。リハ職・医師は、サービス提供の場またはICTを活用した動画等で利用者の状態を把握したうえで助言します。
加算(Ⅱ)は、リハ職・医師が利用者宅を訪問する際にサービス提供責任者が同行する、または訪問後にサービス担当者会議とは別にカンファレンスを実施し、共同で身体状況を評価し、生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成します。
グループ「イ」の算定要件(通所介護など)
加算(Ⅰ)は、リハ職・医師から助言を受けられる体制を構築し、その助言をもとに機能訓練指導員等が個別機能訓練計画を作成します。加算(Ⅱ)は、リハ職・医師が利用者宅を訪問して状態を把握し、共同で計画を作成します。いずれもICT(動画・テレビ電話装置等)の活用が認められています。
連携先(リハ専門職)の見つけ方
「算定したいけれど連携先が見つからない」という声は多いものです。令和3年度改定で、連携先となり得る訪問・通所リハ事業所が任意で情報を公表する取り組みが進められました。具体的には「介護サービス情報公表システム」上での公表です。連携先を探す際は、まずこのシステムを活用するとよいでしょう。
ちびウルフ別の法人のリハ事業所とも連携していいの?
リハウルフもちろん大丈夫だよ。同一法人でも別法人でも算定できる。厚労省のQ&Aでも、別法人から連携の求めがあれば積極的に応じるべき、とされているんだ。
生活機能向上連携加算の記録の残し方
算定要件を満たしたことを証明できる記録が必要です。計画書などに、次のような内容を残しておきましょう。
- 共同して計画を立てたリハビリ専門職の名前と所属先
- リハ職が機能訓練指導員等に行った、日常生活上の留意点・介護の工夫に関する助言
- 利用者ごとの目標・実施時間・実施方法などの内容
- 3ヶ月ごとに1回以上の評価結果や進捗状況
- 必要に応じて見直した訓練内容
- ADL(寝返り・起き上がり・移乗・歩行・着衣・入浴・排せつ等)やIADL(調理・掃除・買物・金銭管理・服薬状況等)の改善状況を踏まえた目標・内容の見直し
個別機能訓練加算との同時算定
グループ「イ」で個別機能訓練加算を算定している場合の扱いは次のとおりです。個別機能訓練加算を算定しているときは、生活機能向上連携加算(Ⅰ)は算定せず、(Ⅱ)は1月につき100単位を加算することとされています。重複して評価しないよう調整されている形です。
生活機能向上連携加算 算定までの流れ
はじめて算定する事業所が迷わないよう、全体の流れを整理します。
- 対象サービスと算定区分を確認する:自事業所がグループ「ア」「イ」のどちらか、(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらを目指すかを整理する。
- 連携先を探す:「介護サービス情報公表システム」などで、連携元となれる通所リハ・訪問リハ・一定の医療提供施設を探す。
- 委託契約を結ぶ:連携先と業務内容・委託料について合意し、契約を締結する。
- 助言・共同評価を受ける:(Ⅰ)はサービスの場やICTで助言を受け、(Ⅱ)はリハ職が利用者宅を訪問して共同評価を行う。
- 計画を作成し記録を残す:助言を踏まえて計画を作成(変更)し、要件を満たした記録を整備する。
【実務目線】算定で失敗しないための注意点
制度を正しく理解していても、運用でつまずくケースは少なくありません。実務でとくに注意したいポイントを整理します。
- 連携元を訪問看護ステーションにしてしまう(対象外なので算定不可)
- (Ⅰ)と(Ⅱ)を併算定してしまう(どちらか一方のみ)
- 3ヶ月ごとの評価・見直しの記録が抜けている
- ICT活用時の個人情報・セキュリティ対策が不十分
とくに記録は、実地指導や監査で必ず確認される重要ポイントです。「誰と・いつ・どんな助言を受け・どう計画に反映したか」が第三者にも分かるよう、計画書や経過記録に具体的に残しておきましょう。サービス担当者会議とは別にカンファレンスを行う場合は、時間を明確に区分して記録することも大切です。
ちびウルフ算定するメリットって、加算の収入だけ?
リハウルフそれだけじゃないんだ。リハ職の専門的な視点が入ることで、ケアの質そのものが上がる。利用者さんの生活機能の改善につながるのが一番のメリットだよ。
よくある質問(FAQ・厚生労働省Q&Aより)
(Ⅰ)で、リハ職はどのように利用者のADL・IADLを把握すればよいですか?
同一法人のリハ事業所と連携する場合も算定できますか?
(Ⅱ)の「サービスの一環として訪問する」とは具体的にどういう意味ですか?
連携先と委託契約を結び費用を支払う必要がありますか?
連携で訪問したリハ職の時間は、専従要件に影響しますか?
- 生活機能向上連携加算は、リハ専門職・医師と連携し共同で計画を作成することで算定する加算
- 連携元は通所リハ・訪問リハ・一定の医療提供施設に限られ、訪問看護ステーションの職員は対象外
- (Ⅰ)は100単位/月(3ヶ月に1回)・(Ⅱ)は200単位/月。違いはリハ職が利用者宅を訪問するか否か
- 令和6年度改定では訪問介護等の単位数・基本要件に大きな変更なし。最新の告示・通知で要確認
- 連携先は「介護サービス情報公表システム」で探せる。算定要件を満たす記録の整備が必須
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」関係資料・解釈通知・Q&A
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