小規模多機能の介護職の仕事内容|通い・訪問・泊まりの働き方

先に結論をお伝えします。小規模多機能型居宅介護(小多機)の介護職の仕事内容は、同じ利用者に対して「通い」「訪問」「泊まり」の3つのサービスを提供することです。デイサービスのような通いの介護をしながら、自宅への訪問や夜間の泊まりにも対応します。登録できる利用者は29人以下と少なく、顔なじみの関係で在宅生活を支えるのが特徴です。
この記事では、小規模多機能の介護職の仕事内容を、介護保険法・指定地域密着型サービス基準・厚生労働省の調査の原文を確認して整理しました。
- 小規模多機能の介護職の具体的な仕事内容
- 通い・訪問・泊まりの人員基準と定員
- 夜勤と宿直の考え方
- 小規模多機能の介護職の給料と必要な資格
- 向いている人と、求人を見るときの確認点
小規模多機能の介護職の仕事内容
介護保険法では、小規模多機能型居宅介護を、利用者の心身の状況や環境に応じて、本人の選択にもとづき、居宅で、またはサービスの拠点に通わせ、もしくは短期間宿泊させて、入浴・排せつ・食事等の介護などを行うことと定めています(第8条第19項)。介護職は、この3つをすべて担当します。
| サービス | 介護職の主な仕事 |
|---|---|
| 通い | 送迎、入浴・食事・排せつの介助、レクリエーション、家事を利用者と一緒に行う |
| 訪問 | 自宅での安否確認、服薬の声かけ、食事・排せつの介助、通いへの送り出しの準備 |
| 泊まり | 夕食・就寝の介助、夜間の見守りや排せつの介助、朝の起床・朝食の介助 |
基準では、事業所での食事などの家事は「可能な限り利用者と小規模多機能型居宅介護従業者が共同で行うよう努める」とされています(第78条第3項)。同じスタッフが通い・訪問・泊まりのすべてで関わるので、利用者の自宅での生活まで見えるのが小多機の強みです。
ちびウルフ訪問って、訪問介護のヘルパーさんと同じことをするの?
リハウルフやることは近いですが、小多機の訪問はもっと柔軟です。「朝の薬を飲んだか見に行く」「通いの前に着替えを手伝う」といった短い訪問を、1日に何回も組めます。通いで顔を合わせている職員が行くので、利用者さんも安心しやすいですよ。
小規模多機能の人員基準と定員
介護職員の人数
夜間及び深夜の時間帯以外は、常勤換算方法で、通いサービスの利用者の数が三又はその端数を増すごとに一以上及び訪問サービスの提供に当たる者を一以上とし、夜間及び深夜の時間帯を通じて、夜間及び深夜の勤務に当たる者を一以上及び宿直勤務に当たる者を当該宿直勤務に必要な数以上とする。
- 日中:通いの利用者3人に1人以上(常勤換算)+訪問を担当する人1人以上
- 夜間:夜勤1人以上+必要な数の宿直
- 泊まりの利用者がいない日:夜間に訪問できる連絡体制があれば、夜勤と宿直を置かなくてよい(同条第5項)
- そのほか:従業者のうち1人以上は常勤、1人以上は看護師か准看護師(同条第3項・第4項)。ケアプランを作る介護支援専門員も置く(同条第10項)
登録定員と利用定員
| 区分 | 定員(第66条) |
|---|---|
| 登録定員 | 29人以下(サテライト型は18人以下) |
| 通いの利用定員 | 登録定員の2分の1〜15人(登録定員26・27人は16人、28人は17人、29人は18人まで) |
| 泊まりの利用定員 | 通いの利用定員の3分の1〜9人 |
通いは最大でも18人程度、泊まりは9人までと、どのサービスも少人数です。制度の全体像と利用者側から見た注意点は小規模多機能型居宅介護のデメリット5つで解説しています。
小規模多機能の1日の流れ(介護職の一例)
| 時間 | 介護職の仕事 |
|---|---|
| 7:00 | 泊まりの利用者の起床・朝食の介助(夜勤者)、朝の訪問(服薬確認など) |
| 8:30 | 送迎(迎え) |
| 10:00 | 入浴介助、レクリエーション |
| 12:00 | 昼食づくりと昼食の介助 |
| 13:00 | 交代で訪問(安否確認、排せつの介助など) |
| 15:00 | おやつ、記録 |
| 16:00 | 送迎(送り)、夕方の訪問 |
| 17:00〜 | 泊まりの利用者の夕食・就寝の介助、夜間の見守り(夜勤者) |
その日の利用者の状態で、通いを休んで訪問に切り替えるなど、予定が変わることもあります。
小規模多機能の介護職の給料
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所で、月給・常勤の介護職員の平均給与額は次のとおりです。
| サービス | 平均給与額(月) | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 小規模多機能型居宅介護 | 305,220円 | 47.7歳 |
| 通所介護(地域密着型を含む) | 294,440円 | 45.6歳 |
| 訪問介護 | 349,740円 | 49.2歳 |
| 介護職員全体 | 338,200円 | 45.7歳 |
平均給与額は、基本給に手当と一時金(4〜9月支給額の6分の1)を足した額で、手取り額ではありません。夜勤があっても全体の平均より低めで、調査からその理由までは読み取れません。給料の全体像は介護士の平均年収はいくら?で比べられます。
通い・訪問・泊まりの分担は、
求人票だけではわかりにくい
小規模多機能は、訪問にどのくらい出るか、夜勤と宿直のどちらか、泊まりの利用者が何人いるかで、働き方が大きく変わります。転職支援サービスを使うと、求人票に書かれていない職場の様子を確認したうえで応募先を選べます。
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小規模多機能の介護職に必要な資格
指定地域密着型サービス基準の第63条では、従業者のうち1人以上を看護職員とすることは定めていますが、介護職員の資格要件は書かれていません。無資格・未経験でも働ける求人があります。
ただし、事業者には、無資格の従業者に認知症介護基礎研修を受講させるための措置が義務づけられています(第88条で準用する第30条第3項)。訪問も担当するので、初任者研修などで介護の基本を学んでおくと、一人で訪問するときの判断に自信が持てます。資格の全体像は介護・福祉の資格おすすめ10選で比べられます。
向いている人・大変なこと
- 向いている人:同じ利用者と長く関わりたい人、予定の変更に柔軟に対応できる人、通い・訪問・泊まりを一通り経験したい人
- 大変なこと:1日の中で通い・訪問・送迎を行き来するため、段取りが複雑になる。夜勤や宿直もある
- 気をつけたいこと:訪問では一人で判断する場面があるため、看護職員やケアマネへの報告ルートを最初に確認する
ちびウルフデイサービスと小多機、どっちが働きやすい?
リハウルフ日勤だけで働きたいならデイサービス、利用者さんの暮らし全体に関わりたいなら小多機が向いています。小多機は少人数なので、職員どうしの連携がうまくいっている事業所かどうかで働きやすさが大きく変わりますよ。
求人を見るときの確認点
- 夜勤と宿直:夜勤か宿直か、月の回数と手当、泊まりの利用者が何人いることが多いか
- 訪問の量:1日に何件くらい訪問に出るか、車や自転車で移動するか
- 送迎の運転:介護職が運転するか
- 併設の事業所:グループホームなどが併設されていて、職員が行き来するか
- 看護職員の体制:日中・夜間に看護職員へ相談できるか
よくある質問
小規模多機能の介護職は無資格でも働けますか?
指定地域密着型サービス基準では、介護職員の資格要件は定められていません。無資格の場合は、事業所の案内で認知症介護基礎研修を受講します。訪問も担当するため、資格の有無で任される仕事が変わる事業所もあります。
小規模多機能に夜勤はありますか?
あります。基準では、夜間・深夜を通じて夜勤1人以上と必要な数の宿直を置くこととされています。泊まりの利用者がいない日は、夜間に訪問できる連絡体制があれば置かなくてよいとされています。
1日に何人くらいの利用者を見ますか?
登録定員は29人以下で、通いの利用定員は原則15人まで(登録定員が26人以上なら16〜18人)です。日中は通いの利用者3人に1人以上と、訪問担当1人以上の配置が基準です。
小規模多機能の介護職の給料はいくらですか?
令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、処遇改善加算を取得している事業所の月給・常勤の介護職員で、小規模多機能型居宅介護の平均給与額は305,220円です。手当と一時金を含む額で、手取りではありません。
看護小規模多機能(看多機)とは何が違いますか?
看多機(看護小規模多機能型居宅介護)は、介護保険法で「訪問看護及び小規模多機能型居宅介護を一体的に提供」するサービスとされています。通い・泊まり・訪問での介護に加えて、療養上の世話や診療の補助も同じ事業所で受けられます(第8条第23項)。
- 小規模多機能の介護職は、同じ利用者に通い・訪問・泊まりの3つのサービスを提供する
- 日中は通いの利用者3人に1人以上+訪問担当1人以上、夜間は夜勤1人以上と宿直が基準
- 登録定員は29人以下、泊まりは9人までと少人数
- 月給・常勤の平均給与額は305,220円
- 利用者の暮らし全体に関わりたい人に向いている
- 介護保険法(e-Gov法令検索)第8条第19項・第23項
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号・e-Gov法令検索)第30条・第63条・第66条・第78条・第88条
- 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)第73表
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。小規模多機能型居宅介護の定義は介護保険法、人員・定員・運営の基準は指定地域密着型サービス基準、給与額は令和6年度介護従事者処遇状況等調査にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。給与額は調査対象の平均で、地域・法人・資格・夜勤回数によって異なります。1日の流れ・向いている人・求人の確認点に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、事業所によって異なります。





