夫婦で入れる老人ホームはある?種類別の条件と選び方

先に結論をお伝えします。夫婦で入れる老人ホームはあります。ただし、施設の種類によって「2人部屋に入れるか」「夫婦それぞれが入居条件を満たす必要があるか」が違います。特に、夫婦で介護の必要度が違う場合は、同じ部屋で暮らせる施設が限られるため、早めに候補を集めておくことが大切です。
この記事では、夫婦で入れる老人ホームの種類と条件、2人部屋の基準、夫婦で入居するときの注意点を、介護保険・老人福祉・高齢者住まい法に関係する基準の条文を確認して整理しました。
- 夫婦で入れる老人ホームの種類と条件
- 2人部屋(夫婦部屋)に関する基準
- 夫婦で介護度が違うときの選び方
- 夫婦で入居するときの費用と注意点
- 同じ部屋が難しいときのほかの方法
夫婦で入れる老人ホームの種類と条件
主な施設ごとに、夫婦で入居するときの条件をまとめると次のとおりです。
| 施設 | 夫婦での入居 | 注意点 |
|---|---|---|
| サービス付き高齢者向け住宅 | 入居者と同居する配偶者は入居資格がある | 2人用の住戸があるかは住宅ごとに違う |
| ケアハウス(軽費老人ホーム) | 配偶者は60歳未満でも一緒に入所できる。2人部屋を設けることができる | 2人部屋の数は少なめ |
| 有料老人ホーム | 夫婦部屋(2人部屋)を用意している施設がある | 入居条件・費用は施設ごとに違う |
| 特別養護老人ホーム | 例外的に2人部屋にできる。夫婦それぞれが入所の要件を満たす必要がある | 原則は個室。夫婦とも要介護3以上が原則 |
夫婦で入居しやすいのは、サ高住・ケアハウス・有料老人ホームなど、住まいとしての性格が強い施設です。特養は介護の必要度が高い人のための施設なので、夫婦それぞれが条件を満たさなければ一緒には入れません。
2人部屋(夫婦部屋)の基準
施設の居室は、多くの基準で「原則1人部屋」とされています。そのうえで、必要な場合は2人部屋にできる例外が設けられています。
特別養護老人ホーム
特養の基準(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準)では、居室の定員は1人とし、「入所者への指定介護福祉施設サービスの提供上必要と認められる場合は、二人とすることができる」としています(第3条)。ユニット型の場合も同じで、2人部屋にするときの居室の床面積は21.3㎡以上とされています(第40条)。
ケアハウス(軽費老人ホーム)
ケアハウスの基準では、入所者は原則60歳以上ですが、「その者の配偶者、三親等内の親族その他特別な事情により当該者と共に入所させることが必要と認められる者」は、この限りではないとしています(第13条)。居室も原則1人部屋で、必要と認められる場合は2人部屋(31.9㎡以上)にできます(第10条)。
サービス付き高齢者向け住宅
高齢者の居住の安定確保に関する法律第7条では、サ高住の登録基準として、入居者の資格を「自ら居住するため賃貸住宅又は有料老人ホームを必要とする高齢者又は当該高齢者と同居するその配偶者」とすることを求めています。配偶者には、婚姻の届出をしていない事実婚の相手も含まれます。サ高住の仕組みはサービス付き高齢者向け住宅とは?で解説しています。
ちびウルフ夫は要介護3で、私はまだ自立なんだけど、一緒に入れるところはある?
リハウルフ介護度が違うご夫婦は多いです。特養だと、自立の方は入所できません。介護付き有料老人ホームやサ高住なら、自立の方と介護が必要な方が一緒に暮らせるところがあります。それぞれに必要な介護をどう受けるかを、見学のときに具体的に聞いてみてください。
夫婦で介護度が違うときの選び方
夫婦で入居を考えるとき、いちばん多い悩みが「どちらか一方だけ介護が必要」というケースです。次の考え方で選ぶと整理しやすくなります。
| 夫婦の状態 | 検討しやすい施設 |
|---|---|
| どちらも自立〜軽い介護 | サ高住、ケアハウス、住宅型有料老人ホーム |
| 一方が自立、もう一方が介護が必要 | 介護付き有料老人ホーム(自立の人も入れるところ)、サ高住+外部の介護サービス |
| どちらも介護が必要 | 介護付き有料老人ホーム、特養(どちらも要介護3以上の場合) |
大事なのは、「今の状態」だけでなく「数年後の状態」も考えておくことです。いまは2人とも元気でも、どちらかの介護が重くなったときに住み続けられるか、別の部屋や別の施設に移る必要があるかを、入居前に確認しておきましょう。
夫婦部屋のある施設を、
まとめて探して比べる
みんなの介護は、全国の老人ホーム・介護施設を地域・費用・介護度で検索できるサイトです。気になる施設の資料請求や見学予約をまとめて申し込めるほか、入居相談員に電話で施設選びを相談することもできます。夫婦部屋の有無や空き状況は施設ごとに違うので、候補を集めて比べるのが近道です。
- 全国の老人ホームを地域・費用・介護度で探せる
- 資料請求・見学予約は無料
- 入居相談員に電話で施設選びを相談できる
\ 夫婦部屋の有無は資料で確認 /
無料で老人ホームを探す※掲載施設や空室状況は変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください
夫婦で入居するときの費用と注意点
- 費用は「2人分」かかる:家賃は2人部屋の料金になり、食費や介護サービスの費用は1人ずつかかる
- 介護保険の自己負担も1人ずつ:夫婦それぞれの介護度と負担割合で計算される
- 一方が亡くなったあとの扱い:2人部屋のまま住めるか、1人部屋に移るか、費用はどう変わるかを確認する
- 入居一時金の扱い:2人目の分が必要か、どちらかが退去したときに返還されるかを確認する
- 生活リズムの違い:起床・就寝の時間、トイレの回数などが違うと、同じ部屋がかえって負担になることもある
夫婦の年金や預貯金で、2人分の費用を何年払えるかも計算しておいてください。費用が払えなくなった場合の対応は老人ホームの費用が払えなくなったら?、施設の種類ごとの費用は安い老人ホームはどこ?で解説しています。
同じ部屋が難しいときのほかの方法
夫婦部屋に空きがない、介護度の違いで同じ部屋が難しい、という場合でも、夫婦の近くで暮らす方法があります。
- 同じ施設の隣どうしの個室に入る
- 同じ法人が運営する、近くの別の施設に入る(例:一方はサ高住、もう一方は併設の介護付き施設)
- 一方が施設に入り、もう一方は自宅から面会に通う
- 自宅で暮らし続け、ショートステイや訪問介護で負担を減らす
夫婦の一方が介護を担っている場合は、「共倒れ」にならないことを最優先に考えてください。同じ部屋で暮らすことにこだわりすぎず、近くで暮らしながら負担を分ける方法も選択肢です。老人ホームの探し方そのものについては、施設の種類の違いを介護施設と老人ホームの違いで確認しておくと比べやすくなります。
よくある質問
特養に夫婦で入れますか?
特養の居室は原則1人部屋ですが、必要と認められる場合は2人部屋にできる例外があります。ただし、特養は原則として要介護3以上が対象のため、夫婦それぞれが入所の要件を満たす必要があります。
夫婦の一方だけ介護が必要な場合、どこがいいですか?
自立の人も入居できる介護付き有料老人ホームや、サ高住に入居して必要な人だけ外部の介護サービスを使う方法が考えられます。数年後にもう一方の介護が必要になったときの扱いも確認しておきましょう。
サ高住に事実婚の夫婦で入れますか?
高齢者の居住の安定確保に関する法律では、サ高住の入居資格を「高齢者又は当該高齢者と同居するその配偶者」とし、配偶者には婚姻の届出をしていない事実上夫婦と同様の関係にある人を含むとしています。
夫婦で入居すると費用は2倍になりますか?
家賃は2人部屋の料金になり、1人部屋2つより安い場合もありますが、食費や介護サービスの費用は1人ずつかかります。施設ごとに料金の設定が違うので、2人分の総額で比べてください。
一方が亡くなったら、2人部屋から出ないといけませんか?
施設によって扱いが違います。そのまま住める施設もあれば、1人部屋への移動を求められる施設もあります。費用の変わり方とあわせて、契約前に確認しておきましょう。
- 夫婦で入れる老人ホームはあるが、施設の種類で条件が違う
- サ高住・ケアハウス・有料老人ホームは夫婦で入居しやすい
- 特養は2人部屋の例外があるが、夫婦それぞれが要介護3以上などの要件を満たす必要がある
- 介護度が違う夫婦は、介護付き有料老人ホームやサ高住+外部サービスを検討する
- 費用は2人分。一方が亡くなったあとの部屋と費用の扱いを確認する
- 同じ部屋にこだわらず、近くで暮らす方法も選択肢にする
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令検索)第3条・第40条
- 軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準(e-Gov法令検索)第10条・第13条
- 高齢者の居住の安定確保に関する法律(e-Gov法令検索)第7条
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。居室の定員・入居資格に関する記述は、各基準・法律の条文にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。夫婦部屋の有無、入居条件、費用、一方が退去・死亡したあとの扱いは施設ごとに異なります。施設の選び方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。




