療養通所介護の重度者ケア体制加算は、1月につき150単位です。もともと重度の方を対象としたサービスである療養通所介護の中で、さらに重度の要介護者を受け入れる体制を構築している事業所を評価する加算です。

この記事では、この加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 1月につき150単位であること
  • 療養通所介護費(ロ)だけが対象であること
  • 地域密着型通所介護の中重度者ケア体制加算との違い
  • 単位も算定頻度も違うこと
  • 看護職員の研修が要件に関わること
  • 基本報酬に対する割合としては小さいこと
  • 届出が必要なこと
  • 運営指導で確認される記録

療養通所介護の重度者ケア体制加算とは?

重度者ケア体制加算は、重度の要介護者を受け入れる体制を構築している指定療養通所介護事業所を評価する加算です。

療養通所介護はもともと、常時看護師による観察が必要な方を対象としたサービスです。その中でもさらに医療的なケアの必要性が高い方を受け入れるには、看護職員の知識と経験、そして体制が必要になります。この加算は、そこに踏み込んだ事業所を評価するものです。

重度者ケア体制加算の単位数

加算単位数算定対象
重度者ケア体制加算150単位1月につきロ(療養通所介護費)のみ

基本報酬が月12,785単位ですから、加算率にすると約1.2%にあたります。金額としては大きくありませんが、体制を評価する加算という性格です。

地域密着型通所介護の「中重度者ケア体制加算」との違い

療養通所介護地域密着型通所介護
加算の名称重度者ケア体制加算中重度者ケア体制加算
単位数150単位45単位
算定1月につき1日につき

名称も単位数も算定頻度も違います。「中重度者」と「重度者」で一文字違いのため、取り違えやすい加算です。同じ告示の中に並んで書かれているので、請求ソフトの設定を確認してください。

重度者ケア体制加算の算定要件

指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準 地域密着型通所介護費 注25
  • ロについて、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、電子情報処理組織を使用する方法により、市町村長に対し、老健局長が定める様式による届出を行った指定地域密着型通所介護事業所が、重度の要介護者を受け入れる体制を構築し、指定地域密着型通所介護を行った場合は、重度者ケア体制加算として、1月につき150単位を所定単位数に加算する。
  • ロ(療養通所介護費)についての加算です。地域密着型通所介護費(イ)では算定できません
  • 厚生労働大臣が定める基準に適合していること
  • 市町村長への届出を行っていること
  • 重度の要介護者を受け入れる体制を構築していること
体制の中身は告示95号で確認する 「重度の要介護者を受け入れる体制」の具体的な中身は、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)に定められています。
一般的には、看護職員に対する研修の実施や、一定の経験を有する看護師の配置といった要件が想定されますが、本記事では具体的な要件を断定していません。
届出の前に、必ず告示の原文と保険者の案内を確認してください。

重度者ケア体制加算の注意点

  • 療養通所介護費(ロ)にのみ加算されます
  • 短期利用療養通所介護費(ハ)についての定めではありません
  • 1月につきの算定です。利用回数によって変わりません
  • 基本報酬が100分の95や100分の70になる月は、加算の扱いを確認してください
  • 体制の要件を満たさなくなった場合は速やかに届け出てください
  • 研修を行った記録、配置している職員の資格・経験がわかる記録を残してください
ちびウルフちびウルフ

月150単位なら、手間のわりに少なくない?

リハウルフリハウルフ

金額だけ見ればそのとおりです。ただ、療養通所介護は「ここで断られたら行き場がない」方が来るサービスです。
人工呼吸器を使っている方、気管切開をしている方、がん末期で症状が変動する方。この加算の要件を満たす体制を作るということは、そういう方を受け入れられるようになるということです。
加算の額より、「受け入れられる幅が広がること」の価値のほうが、このサービスでは大きいと思います。

重度者ケア体制加算のQ&A

重度者ケア体制加算のQ&A

単位数はいくらですか?

1月につき150単位です。

1日につきではないのですか?

1月につきです。地域密着型通所介護の中重度者ケア体制加算(1日45単位)とは異なります。

地域密着型通所介護でも算定できますか?

できません。ロ(療養通所介護費)についての加算です。

中重度者ケア体制加算と何が違いますか?

名称・単位数・算定頻度のすべてが違います。療養通所介護は月150単位、地域密着型通所介護は1日45単位です。

体制の要件は何ですか?

厚生労働大臣が定める基準に定められています。届出の前に原文をご確認ください。

短期利用でも算定できますか?

告示はロについての加算と定めています。ハ(短期利用療養通所介護費)の取扱いは保険者にご確認ください。

基本報酬が70%になる月はどうなりますか?

取扱いは留意事項通知および保険者にご確認ください。

届出は必要ですか?

必要です。市町村長への届出を行った事業所であることが前提です。

どんな記録を残せばよいですか?

研修の実施記録、配置している職員の資格・経験がわかる記録を残してください。

まとめ
  • 重度者ケア体制加算は1月につき150単位
  • 療養通所介護費(ロ)にのみ加算される
  • 地域密着型通所介護費(イ)では算定できない
  • 基本報酬12,785単位に対して約1.2%にあたる
  • 地域密着型通所介護の中重度者ケア体制加算は1日45単位で別物
  • 名称が「中重度者」と「重度者」で紛らわしい
  • 請求ソフトの設定を確認する
  • 重度の要介護者を受け入れる体制の構築が要件
  • 体制の具体的な中身は厚生労働大臣が定める基準による
  • 看護職員の研修や経験のある看護師の配置が関わると考えられる
  • 市町村長への届出が必要
  • 1月につきのため利用回数では変わらない
  • 要件を満たさなくなったら速やかに届け出る
  • 研修記録と職員の資格・経験の記録を残す
  • 加算額より受け入れの幅が広がることの意味が大きい
参考にした情報

※本記事の単位数および対象となる区分は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文にもとづいて整理したものです。「重度の要介護者を受け入れる体制」の具体的な要件、短期利用療養通所介護費における取扱い、基本報酬が100分の95または100分の70となる月の加算の扱いについては、本記事では断定していません。厚生労働大臣が定める基準および留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
PR

リハビリ職の転職・求人なら
レバウェルリハビリ

リハノメ 無料で求人を見る ▶
PR

PT・OT・STのオンラインセミナー
リハノメ

リハノメ セミナーを詳しく見る ▶