療養通所介護の基本報酬は、1月につき12,785単位です。ほかの通所サービスと違い、利用回数にかかわらない月額の包括報酬である点が最大の特徴です。ただし月の平均利用回数が5回に満たない場合は70%になるなど、独自の調整があります。

この記事では、療養通所介護の基本報酬を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 基本報酬が1月12,785単位であること
  • 短期利用療養通所介護費が1日1,335単位であること
  • 利用回数にかかわらない月額包括報酬であること
  • 入浴介助を行わない場合は95%になること
  • 平均利用回数が月5回未満だと70%になること
  • 対象となる利用者が限定されていること
  • 他の療養通所介護事業所との併算定ができないこと
  • 地域密着型通所介護との違い

療養通所介護の基本報酬とは?

療養通所介護は、常時看護師による観察が必要な難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者、またはがん末期の方を対象とした通所サービスです。平成28年に地域密着型サービスへ移行しました。

医療的ケアが必要で、一般のデイサービスでは受け入れが難しい方を支えるサービスです。看護師の配置が手厚く、利用定員も少ないため、報酬も他の通所サービスとは別の設計になっています。

療養通所介護費の単位数

区分単位数算定
療養通所介護費12,785単位1月につき
短期利用療養通所介護費1,335単位1日につき

月額12,785単位は、1単位10円なら約127,850円です。要介護度による違いはありません。要介護3でも要介護5でも同じ単位数です。

割合による調整

状況算定する割合
入浴介助を行っていない場合所定単位数の100分の95
算定月の利用者1人当たり平均利用回数が月5回に満たない場合所定単位数の100分の70
指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準 地域密着型通所介護費 注6
  • ロについて、入浴介助を行っていない場合は、所定単位数の100分の95に相当する単位数を算定する。また、指定療養通所介護事業所が提供する指定療養通所介護の算定月における提供回数について、利用者1人当たり平均回数が、月5回に満たない場合は、所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定する。
月5回未満で30%減は影響が大きい 平均利用回数が月5回に満たないと70%になります。12,785単位が8,949単位(端数処理前)まで下がる計算です。
注意すべきは「利用者1人当たり平均回数」で判定する点です。個々の利用者ごとではなく、事業所全体の平均で見ます。
体調不良による欠席が重なった月、入院が続いた月には、平均が5回を割り込むことがあります。月の途中で回数を把握しておかないと、請求の段階で気づくことになります。

療養通所介護費の算定要件

  • 厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、市町村長に届出を行った指定療養通所介護事業所であること
  • 利用者が別に厚生労働大臣が定める者に限られること
  • 利用者の数、または看護職員・介護職員の員数が厚生労働大臣の定める基準に該当する場合は、別に定めるところにより算定すること

対象となる利用者は、難病等を有する重度要介護者またはがん末期の方で、常時看護師による観察が必要な方とされています。具体的な範囲は厚生労働大臣が定める基準に定められているため、受け入れ前に必ず確認してください。

短期利用療養通所介護費

短期利用療養通所介護費は1日につき1,335単位です。こちらも別に厚生労働大臣が定める基準への適合と届出が前提です。

療養通所介護費の注意点

  • 利用者が一の指定療養通所介護事業所で療養通所介護を受けている間は、他の療養通所介護事業所は算定できません
  • 月額包括のため、利用回数が増えても単位数は変わりません
  • 入浴介助を行わない月は95%になります
  • 平均利用回数が月5回未満の月は70%になります
  • 区分支給限度基準額に含まれます。月額が大きいため他サービスとの併用に注意が必要です
  • 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算(5%)の対象になります
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月12,785単位って、限度額をかなり使っちゃうよね?

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そこがケアプランを立てるうえで一番悩ましい点です。要介護5の区分支給限度基準額は36,217単位なので、療養通所介護だけで3分の1以上を使います。
ただ、療養通所介護の対象になる方は医療保険の訪問看護を使えることが多いです。訪問看護を医療保険側で組めれば、介護保険の限度額に余裕ができます。
担当したケースでも、医療保険と介護保険の切り分けを整理し直すことで、必要なサービスが組めるようになったことが何度もありました。

療養通所介護費のQ&A

療養通所介護費のQ&A

基本報酬はいくらですか?

1月につき12,785単位です。短期利用療養通所介護費は1日につき1,335単位です。

要介護度で単位数は変わりますか?

変わりません。要介護3でも要介護5でも同じです。

利用回数が増えたら単位数も増えますか?

増えません。1月あたりの包括報酬です。

入浴介助をしない月はどうなりますか?

所定単位数の100分の95を算定します。

平均利用回数が5回未満だとどうなりますか?

所定単位数の100分の70を算定します。事業所全体の利用者1人当たり平均回数で判定します。

対象になるのはどんな人ですか?

難病等を有する重度要介護者またはがん末期の方で、常時看護師による観察が必要な方です。具体的な範囲は厚生労働大臣が定める基準をご確認ください。

2か所の療養通所介護を使えますか?

一の事業所で受けている間は、他の事業所は算定できません。

限度額に含まれますか?

含まれます。月額が大きいため、他サービスとの併用で超過しやすくなります。

要支援でも使えますか?

使えません。要介護者が対象です。

まとめ
  • 療養通所介護費は1月につき12,785単位
  • 短期利用療養通所介護費は1日につき1,335単位
  • 要介護度による単位数の違いはない
  • 利用回数にかかわらない月額包括報酬
  • 入浴介助を行わない場合は100分の95
  • 平均利用回数が月5回未満の場合は100分の70
  • 平均回数は事業所全体の利用者1人当たりで判定する
  • 欠席や入院が重なると平均が5回を割ることがある
  • 対象は難病等の重度要介護者またはがん末期の方
  • 常時看護師による観察が必要な方が想定されている
  • 他の療養通所介護事業所との併算定はできない
  • 区分支給限度基準額に含まれる
  • 要介護5の限度額の3分の1以上を使う
  • 医療保険の訪問看護と組み合わせると限度額に余裕が出る
  • 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算の対象になる
参考にした情報

※本記事の単位数は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文にもとづいて整理したものです。対象となる利用者の具体的な範囲、平均利用回数の計算方法、入浴介助を行っていない場合の判定、端数処理の方法については、厚生労働大臣が定める基準および留意事項通知をご確認ください。区分支給限度基準額の数値は令和6年度改定時点のものです。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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