療養通所介護の介護職員等処遇改善加算とは?

療養通所介護の介護職員等処遇改善加算は、(Ⅰ)イ1000分の117、(Ⅰ)ロ127、(Ⅱ)イ115、(Ⅱ)ロ125、(Ⅲ)105、(Ⅳ)89です。地域密着型通所介護と同じ率が適用されます。基本報酬が月12,785単位と大きいため、区分の違いが金額に直結します。
この記事では、この加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- 6区分それぞれの加算率
- 率で並べると(Ⅰ)ロが最も高いこと
- 基本報酬が大きいため金額差が出やすいこと
- 他の加算をすべて反映した後に計算すること
- 基本報酬が95%や70%になる月の影響
- キャリアパス要件と職場環境等要件
- 月額賃金改善に関する要件
- 看護職員の扱い
療養通所介護の介護職員等処遇改善加算とは?
介護職員等処遇改善加算は、介護職員の賃金改善に取り組む事業所の収入を増やす仕組みです。令和6年度の改定で、処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の3つが1本に統合されました。
療養通所介護は看護職員の比重が大きいサービスですが、この加算は介護職員等の処遇改善を目的としたものです。誰を賃金改善の対象とするかについては、事業所内でよく整理しておく必要があります。
介護職員等処遇改善加算の単位数
| 区分 | 加算率 | 月12,785単位の場合の目安 |
|---|---|---|
| (Ⅰ)ロ | 1000分の127 | 約1,623単位 |
| (Ⅱ)ロ | 1000分の125 | 約1,598単位 |
| (Ⅰ)イ | 1000分の117 | 約1,495単位 |
| (Ⅱ)イ | 1000分の115 | 約1,470単位 |
| (Ⅲ) | 1000分の105 | 約1,342単位 |
| (Ⅳ) | 1000分の89 | 約1,137単位 |
※目安は基本報酬のみを母数とした概算です。実際には他の加算・減算を反映した後の単位数に率を掛けるため、金額はこれより大きくなります。端数処理も行われます。
127(Ⅰロ)> 125(Ⅱロ)> 117(Ⅰイ)> 115(Ⅱイ)> 105(Ⅲ)> 89(Ⅳ)
(Ⅱ)ロのほうが(Ⅰ)イより率が高いという逆転があります。自事業所がどの要件を満たせるかを確認したうえで、率の高い組み合わせを選んでください。
(Ⅰ)ロと(Ⅳ)の差は38ポイント。基本報酬だけでも月約486単位、年間で約5,800単位の差になります。
介護職員等処遇改善加算の算定要件
計算の順番
- 基本報酬(月12,785単位)を出す
- 入浴介助を行っていない場合の95%、平均利用回数が月5回未満の場合の70%を反映する
- 重度者ケア体制加算、サービス提供体制強化加算を加える
- 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算を反映する
- 虐待防止・業務継続計画の減算を反映する
- その合計に処遇改善加算の率を掛ける
告示は「イからニまでにより算定した単位数」に率を掛けると定めています。基本報酬が70%になる月は、処遇改善加算の額も連動して下がります。
キャリアパス要件
- 要件Ⅰ 職位・職責・職務内容に応じた任用等の要件と賃金体系を整備し、就業規則等で明確にして周知していること
- 要件Ⅱ 資質向上の目標と、研修の機会の提供または資格取得の支援等について計画を策定し、実施していること
- 要件Ⅲ 経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準にもとづき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること
- 要件Ⅳ 介護福祉士等の配置に関する要件
- 要件Ⅴ 介護職員等の年額賃金の改善に関する要件
職場環境等要件
入職促進、資質の向上、両立支援・働きやすい環境整備、心身の健康管理、生産性向上のための業務改善、やりがい・働きがいの醸成といった区分ごとに取り組みを行い、ホームページへの掲載等により公表することが求められます。
月額賃金改善に関する要件
加算額の一定割合以上を月額賃金の改善に充てる必要があります。一時金だけの配分では要件を満たしません。
介護職員等処遇改善加算の注意点
- 処遇改善計画書を作成し、全職員に周知したうえで年度ごとに届け出ること
- 年度終了後に実績報告書を提出すること
- 加算額は全額を賃金改善に充てること
- 基本報酬が95%や70%になる月は加算額も下がります
- 区分を変更する場合は変更の届出が必要です
- 実績報告で賃金改善が不足していた場合、返還を求められることがあります
配分の対象となる職種の範囲は、加算の区分や要件によって考え方が異なります。看護職員に配分できるかどうかを含め、必ず最新の通知と保険者の案内を確認してください。
配分のルールを決めたら、就業規則や賃金規程に落とし込み、職員に説明した記録を残してください。実績報告の際に必要になります。
ちびウルフ利用者が少ない月は、加算も減っちゃうんだね。
リハウルフそこが療養通所介護の難しさです。平均利用回数が月5回を割ると基本報酬が70%になり、処遇改善加算もそれに連動します。
対象になる方は体調の変動が大きく、入院も珍しくありません。収入が読みにくいのに、看護師の人件費は固定で出ていくという構造です。
だからこそ、月の途中で利用回数を把握する仕組みが要ります。「請求のときに気づく」では手の打ちようがありません。
介護職員等処遇改善加算のQ&A
介護職員等処遇改善加算のQ&A
加算率はいくつですか?
(Ⅰ)イ117、(Ⅰ)ロ127、(Ⅱ)イ115、(Ⅱ)ロ125、(Ⅲ)105、(Ⅳ)89で、いずれも1000分のいくつという率です。
(Ⅰ)が一番高いのではないのですか?
率で見ると(Ⅰ)ロの127が最も高く、(Ⅱ)ロの125は(Ⅰ)イの117より高くなります。
何に率を掛けますか?
基本報酬と各種加算・減算をすべて反映した後の所定単位数です。
基本報酬が70%の月はどうなりますか?
母数が下がるため、処遇改善加算の額も連動して下がります。
看護職員に配分できますか?
配分の対象となる職種の考え方は区分や要件によって異なります。最新の通知と保険者にご確認ください。
加算額は何に使えますか?
全額を職員の賃金改善に充てる必要があります。
一時金でまとめて配ってもよいですか?
加算額の一定割合以上を月額賃金の改善に充てる要件があるため、一時金だけでは要件を満たしません。
届出は毎年必要ですか?
処遇改善計画書を年度ごとに届け出て、年度終了後に実績報告書を提出します。
賃金改善が不足したらどうなりますか?
実績報告で不足が判明した場合、返還を求められることがあります。
- 介護職員等処遇改善加算は6区分
- (Ⅰ)イ117、(Ⅰ)ロ127、(Ⅱ)イ115、(Ⅱ)ロ125、(Ⅲ)105、(Ⅳ)89(いずれも1000分の)
- 率で並べると(Ⅰ)ロが最も高い
- (Ⅱ)ロは(Ⅰ)イより率が高いという逆転がある
- 基本報酬が月12,785単位と大きいため金額差が出やすい
- 所定単位数に率を掛けて計算する
- 基本報酬と各種加算・減算をすべて反映した後が母数
- 基本報酬が95%や70%になる月は加算額も下がる
- キャリアパス要件は要件Ⅰ〜Ⅴ
- 職場環境等要件は取り組みの実施と公表が必要
- 加算額の一定割合以上を月額賃金の改善に充てる
- 看護職員への配分の可否は通知と保険者で確認する
- 配分ルールは就業規則や賃金規程に落とし込む
- 処遇改善計画書と実績報告書の提出が必要
- 賃金改善が不足すると返還を求められることがある
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(地域密着型通所介護費 ホ)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)
- 令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省)
※本記事の加算率は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文にもとづいて整理したものです。表中の金額の目安は基本報酬のみを母数とした概算であり、実際の請求額とは異なります。イとロを分ける具体的な要件、キャリアパス要件の各区分と加算区分の対応、月額賃金改善に充てる割合の具体的な数値、賃金改善の配分対象となる職種の範囲については、厚生労働大臣が定める基準および関係通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、届出の様式や期限が市町村によって異なります。2026年9月時点の内容として整理しています。




