リハビリテーション栄養(リハ栄養)の本は、若林秀隆氏の入門書で基礎とリハ栄養ケアプロセスを押さえ、そのあと自分の働く場(急性期・回復期・生活期)の本に進むのがおすすめです。迷ったら、PT・OT・STは2026年11月発売の『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 第4版』、在宅や施設で働く人は『生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケア実践マニュアル』から読んでください。

この記事では、リハ栄養の本を「基礎とケアプロセスを学ぶ本」「働く場(急性期・生活期)で使う本」「症例と応用で深める本」の3つに分けて7冊紹介します。書名・版・発行年は、出版社の紹介ページと国立国会図書館サーチの書誌で確認しました。

この記事でわかること
  • リハ栄養の本を選ぶときの3つのポイント
  • PT・OT・STが最初に読むリハ栄養の入門書
  • 急性期・生活期(在宅・施設)で使える本
  • リハ・栄養・口腔の三位一体の取り組みを学べる本
  • 働く場ごとの読む順番
ちびウルフちびウルフ

栄養って管理栄養士さんの仕事だよね。リハ職が勉強する必要あるの?

リハウルフリハウルフ

あるよ。栄養が足りていない人に筋トレをがんばってもらうと、かえって筋肉がやせてしまうことがあるんだ。運動の量や内容を決めるのはリハ職だから、栄養状態を知らないと、良かれと思ったリハビリが逆効果になってしまうんだよ。

リハビリテーション栄養の本を選ぶ3つのポイント

リハ栄養は、栄養状態を評価したうえで、リハビリと栄養管理を組み合わせて、体の機能や生活の質を高める考え方です。本を選ぶときは、次の3つの視点で考えましょう。

①最新の診断基準とケアプロセスに対応しているか

低栄養やサルコペニアの診断基準は、ここ数年で国際的な基準が整い、更新されています。最新の研究データや診断基準をふまえて改訂された本を選ぶと、評価の方法で迷いません。リハ栄養の評価から介入、モニタリングまでの流れ(リハ栄養ケアプロセス)を学べるかも確認しましょう。

②働く場(急性期・回復期・生活期)に合っているか

ICUの急性期と、在宅・施設の生活期では、リハ栄養の課題がまったく違います。急性期は重症の患者さんの筋力低下を防ぐこと、生活期はフレイルやサルコペニアを予防して生活を続けることが中心になります。自分の働く場面を想定した本を選ぶと、すぐ実践できます。

③栄養と口腔の連携まで扱っているか

令和6年度の介護報酬改定では、リハビリテーション・口腔・栄養の一体的な取り組みが評価されるようになりました。リハ・栄養・口腔を「三位一体」で進める方法まで扱っている本を選ぶと、多職種連携に役立ちます。

リハ栄養の基礎とケアプロセスを学ぶ本1選

1. PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 第4版

リハ栄養の第一人者である若林秀隆氏による医歯薬出版の本です(2026年11月10日発売予定・132ページ)。これからリハ栄養を始めるPT・OT・STのための入門書が、6年ぶりに全面改訂されました。最新の研究データや診断基準をもとに内容が更新されています。

リハビリテーションと栄養、リハ栄養ケアプロセス、主な疾患のリハ栄養の3章で構成されています。第4版では、リハ栄養と口腔の連携体制についても加筆され、今求められるPT・OT・STの役割が示されています。前の版(第3版、2020年)を持っている人も、診断基準や口腔連携の更新を確認するために読み直す価値があります。

発売前の本です

第4版は、2026年11月3日時点では発売前(出版社の発売予定日は2026年11月10日)です。発売日は変わる可能性があるため、購入時に販売ページでご確認ください。

ちびウルフちびウルフ

筋トレと栄養って、どう関係してるの?

リハウルフリハウルフ

筋肉をつくる材料はたんぱく質で、体を動かすにはエネルギーが要るよね。食事が足りていないと、体は自分の筋肉を分解してエネルギーにしてしまうんだ。だから、まず体重の変化や食事の量を確かめてから、運動の強さを決めることが大切なんだよ。

働く場で使うリハ栄養の本3選

2. みんなの急性期リハビリテーション・栄養療法

中西信人氏・三谷雄己氏による中外医学社の本です(2025年6月発行・165ページ)。ICUやHCUなど多職種が協働する急性期病棟でのリハビリと栄養療法について、医師・看護師・PT・OT・ST・薬剤師・管理栄養士がどう協働するかを、臨床の流れに沿って解説しています。

集中治療後症候群(PICS)やICU関連筋力低下(ICU-AW)とは何か、ガイドラインの読み解き方、身体機能の評価、早期離床まで、イラストを交えてわかりやすく説明しています。急性期病棟のスタッフ「みんな」のための入門書です。

3. 生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケア実践マニュアル

若林秀隆氏らが編集した医学書院の本です(2024年7月発行・196ページ)。『生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケアガイドライン』を受けて、三位一体の取り組みを「どう進めればよいか」に答える実践マニュアルです。

リハビリ、栄養、口腔機能に加えて、食べる機能、認知機能、メンタルヘルス、処方薬、社会面などの評価・ゴール設定・介入・モニタリングを解説しています。要介護高齢者のケースに応じた実施計画書の例も載っているので、通所リハや訪問リハ、施設で計画書をつくる人に役立ちます。

4. フレイル・サルコペニア予防!在宅でできる生活リハビリテーション・栄養管理のポイント

内橋恵氏・吉村芳弘氏が編集した医学書院の本です(2025年4月発行・111ページ)。フレイルやサルコペニアを予防するために、在宅で行う生活リハビリと栄養管理のポイントを、わかりやすい文章と豊富なイラストで解説した実践書です。

状態の観察、清拭、洗髪、排泄介助、ストーマやウロストミーの交換、入浴、食支援など、さまざまな場面での生活リハビリの方法が紹介されています。訪問看護師や介護職が、日々のケアの中でリハ栄養を取り入れるのに向いています。

症例と応用でリハ栄養を深める本2選

5. 熊リハ発!エビデンスがわかる!つくれる!超実践リハ栄養ケースファイル

吉村芳弘氏が編著し、嶋津さゆり氏・白石愛氏・長野文彦氏が執筆した金芳堂の本です(2019年12月発行・317ページ)。書名のとおり、熊本リハビリテーション病院の実践をもとにしたリハ栄養の症例集です。入門書で学んだ評価やケアプロセスを、実際の症例でどう使うかを確かめたい人に向いています。

6. ポジティブ心理学とリハビリテーション栄養

若林秀隆氏が編著した医歯薬出版の本です(2023年7月発行・161ページ)。副題は「強みを活かす!ポジティブリハ栄養」。これまでのリハ栄養の本は体の面へのアプローチが中心でしたが、この本はこころと社会の面のリハ栄養に焦点を当てています。

ポジティブ心理学の「強みを見つけて伸ばす」考え方を紹介し、患者さんの行動の変化と成果につながる関わり方を示しています。食事や運動をなかなか続けられない人への関わり方に悩んでいるリハ職や管理栄養士に向いた、応用編の1冊です。

7. PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 第3版

1の前の版です(医歯薬出版・2020年11月発行・111ページ)。副題は「基礎からリハ栄養ケアプロセスまで」。第4版の発売前に急いで学びたい人や、図書館・職場にある本で学ぶ人は、この版でもリハ栄養の基礎とケアプロセスを学べます。これから買うなら、診断基準や口腔連携が更新された第4版を選びましょう。

ちびウルフちびウルフ

訪問リハでも、リハ栄養って実践できるの?

リハウルフリハウルフ

できるよ。体重を毎回測ってもらったり、食事の量や回数を家族やヘルパーさんに聞いたりするだけでも、栄養の状態はかなりわかる。体重が減っている人には、運動の量を調整して、ケアマネや主治医に相談するようにしているよ。

働く場ごとのリハ栄養の本を読む順番

7冊すべてを読む必要はありません。働く場ごとに、次の順番で読むと身につきやすくなります。

回復期・病棟のPT・OT・STの場合

  • 『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 第4版』で、基礎とリハ栄養ケアプロセスを学ぶ
  • 『超実践リハ栄養ケースファイル』で、症例ごとの評価と介入を確かめる
  • 担当患者さんの体重・食事量・筋力の変化を、管理栄養士と共有する

在宅・施設で働く多職種の場合

  • 『生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケア実践マニュアル』で、三位一体の進め方を学ぶ
  • 『在宅でできる生活リハビリテーション・栄養管理のポイント』で、日々のケアに取り入れる方法を確認する
  • 計画書の例を参考に、リハ・栄養・口腔の目標を多職種でそろえる

急性期で働く人の場合

  • 『みんなの急性期リハビリテーション・栄養療法』で、PICSと早期リハ・栄養療法の考え方を学ぶ
  • 病棟の早期離床や栄養管理の手順と照らし合わせる
  • 回復期への引き継ぎで、栄養状態と筋力の情報を伝える

よくある質問

リハビリテーション栄養の本は、最初に何を読めばいいですか?

PT・OT・STなら、若林秀隆氏の『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養』がおすすめです。2026年11月10日に第4版が発売予定で、最新の診断基準や口腔連携が加わっています。

第3版を持っていますが、第4版も買うべきですか?

リハ栄養の基礎は第3版でも学べますが、第4版は最新の研究データや診断基準をもとに更新され、リハ栄養と口腔の連携体制についても加筆されています。評価の方法を最新にしたい人は、第4版で確認するのがおすすめです。

在宅や施設で働く人に向いている本はありますか?

『生活期におけるリハビリテーション・栄養・口腔管理の協働に関するケア実践マニュアル』がおすすめです。要介護高齢者のケースに応じた実施計画書の例も載っていて、多職種で進める方法がわかります。

訪問看護師や介護職でも読みやすい本はありますか?

『フレイル・サルコペニア予防!在宅でできる生活リハビリテーション・栄養管理のポイント』は、清拭や排泄介助、入浴、食支援など、日々のケアの場面での生活リハビリと栄養管理をイラストで解説しています。

急性期のリハ栄養を学べる本はありますか?

『みんなの急性期リハビリテーション・栄養療法』が、ICUやHCUでのリハビリと栄養療法を、多職種の協働の視点から解説しています。PICSやICU-AWの基本から学べます。

リハ栄養は管理栄養士がいない職場でも実践できますか?

体重や食事量の変化を確認し、運動の量や内容を調整することは、リハ職や看護師、介護職でもできます。栄養状態に心配があるときは、主治医やケアマネジャーに相談し、必要に応じて管理栄養士の訪問栄養指導などの利用を検討しましょう。

サルコペニアとフレイルの違いも学べますか?

リハ栄養の入門書や生活期の本で扱っています。基本の違いは、サルコペニアは筋肉量と筋力・身体機能の低下、フレイルは体と心、社会面を含めた心身の弱りを指します。サイト内のサルコペニアとフレイルの記事もあわせて参考にしてください。

まとめ
  • リハ栄養の本は、最新の診断基準とケアプロセスに対応した版を選ぶ
  • PT・OT・STの入門は『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 第4版』
  • 在宅・施設はリハ・栄養・口腔の三位一体を学べるケア実践マニュアル
  • 急性期は『みんなの急性期リハビリテーション・栄養療法』
  • 症例は『超実践リハ栄養ケースファイル』、応用は『ポジティブ心理学とリハビリテーション栄養』
参考にした情報

※書籍の書名・版・出版社・発行年は、2026年11月3日時点の国立国会図書館サーチの書誌と各出版社の紹介ページで確認したものです。『超実践リハ栄養ケースファイル』と『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養 第3版』は国立国会図書館サーチの書誌で確認しました。第4版は発売前のため、発売日・内容は変更される可能性があります。在庫や価格は購入時に販売ページでご確認ください。栄養管理や運動の量は、主治医・管理栄養士の評価と指示にしたがってください。本の選び方や読み方、現場の事例に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味