「訪問リハビリを立ち上げたいけど、何から始めればいいの?」「開設基準や必要な書類は?」——病院・診療所・クリニック・介護老人保健施設・介護医療院で訪問リハビリの新規開設を検討する方に向けて、立ち上げの全体像をわかりやすく解説します。

結論からいうと、訪問リハビリの立ち上げはとてもシンプルです。なぜなら、訪問リハビリは「みなし指定」という仕組みで、対象となる医療機関・施設であれば、改めて新規指定を取らなくても提供できるからです。この記事では、開設基準・必要書類・手順・そろえるべきものまで、順を追って整理します。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリの立ち上げの開設基準(人員基準・設備基準)
  • 立ち上げに必要な書類と提出の手順
  • 立ち上げ時にそろえておきたい物品・知識・ソフト
  • みなし指定のしくみと注意点
  • 失敗しないための運営上のポイント
ちびウルフちびウルフ
うちのクリニックで訪問リハビリを始めたいんだけど、指定申請とか大変そうで不安なの…
リハウルフリハウルフ
大丈夫、訪問リハビリは「みなし指定」だから、対象の医療機関なら基準を満たして届出するだけ。思っているよりずっと簡単だよ。

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訪問リハビリの立ち上げの開設基準(人員基準・設備基準)

訪問リハビリの立ち上げには、大きく分けて人員基準設備基準の2つを満たす必要があります。

人員基準(医師とリハビリ職員)

人員基準は「医師」と「リハビリ職員(PT・OT・ST)」の2つです。

医師 専任の常勤医師が1以上とされています。病院・診療所と併設の事業所、介護老人保健施設、介護医療院では、その医療機関等の常勤医師との兼務で差し支えないため、すでに医師がいれば特別な準備は不要です。
リハビリ職員(PT・OT・ST) 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は「適当数」という人員基準です。そのため、他業務と兼務する職員が1名いる程度でも問題ありません

設備基準(対象となる医療機関・施設)

訪問リハビリを立ち上げるには、次のいずれかの医療機関・施設である必要があります。

立ち上げられる医療機関・施設
病院
診療所(クリニックなど)
介護老人保健施設
介護医療院

必要な備品については特に定められていません。訪問リハビリ事業所はみなし指定のため、母体となる病院などの備品を兼ねることができ、開設のために特別に用意するものはありません。みなし指定のしくみは関連記事で詳しく解説しています。

訪問リハビリの立ち上げに必要な書類と手順

前提として、訪問リハビリはみなし指定であるため、対象の医療機関等であれば「すでに立ち上がっている」扱いになります。そのため、新規指定のための申請書類は基本的に不要です。

ただし、実際には次のような書類の提出を求める自治体が多いため、立ち上げの実務としては「変更届」を出すイメージで準備します。

立ち上げで提出することが多い書類
訪問リハビリ事業所の運営規程
訪問リハビリ事業所の契約書
訪問リハビリ事業所の重要事項説明書
加算に関する変更届
  1. 担当する自治体のホームページで、必要書類とローカルルールを確認する
  2. 運営規程・契約書・重要事項説明書・加算の届出書類を作成する
  3. 多くの自治体で「前月15日まで」とされる期限に間に合うよう届け出る
  4. 受理されれば訪問リハビリの提供を開始できる
自治体ごとのローカルルールに注意 提出書類や締切は自治体によって異なります。上記以外の書類が必要な場合もあるため、必ず担当自治体のホームページで最新の要件を確認してください。

訪問リハビリの立ち上げに必要なもの(物品・知識・ソフト)

制度上の基準をクリアしても、安定して運営するためにそろえておきたいものがあります。大きく「制度の知識」「最低限の物品」「請求ソフト」の3つです。

① 制度の知識

訪問リハビリ・介護保険・公費などの制度理解は、適切な運営とトラブル防止の土台です。スタッフ教育を兼ねて、制度を体系的に学べる書籍を1人1冊そろえておくと安心です。

② 最低限の物品

立ち上げ時は、次の物品があれば訪問を開始できます。それ以外は運営しながら少しずつ整えれば十分です。

立ち上げ時の最低限の物品
移動手段(車・バイク・自転車など)
血圧計
体温計
パルスオキシメーター(SpO2モニター)
アルコール綿
できればタブレット端末(記録用)

③ 請求ソフト(介護ソフト)

介護報酬を請求するには介護保険の請求ソフトが必要です。一方、電子カルテ(介護ソフト)は立ち上げ当初は必須ではありません。最初は訪問件数も売上も少なく導入コストが見合わないため、紙カルテやWord入力でも運用できます。

請求ソフト選びのポイント まずは「請求機能」を満たすソフトから始め、訪問が軌道に乗ってから機能拡張を検討すると無駄がありません。料金体系・無料体験の有無・解約条件などを比較し、自事業所の規模に合うものを選びましょう(例として「カイポケ」などの介護ソフトがあります)。

訪問リハビリの立ち上げで失敗しないための注意点

ちびウルフちびウルフ
基準を満たして届出すれば、あとは何に気をつければいいの?
リハウルフリハウルフ
制度の理解と、自治体ルールの確認だね。加算の届出漏れや書類の不備で算定できない、というのが立ち上げ初期によくあるつまずきなんだ。

立ち上げそのものは簡単でも、運営を安定させるには次の点を押さえておきましょう。

  • 加算の届出を漏れなく行い、算定できるはずの報酬を取りこぼさない
  • 運営規程・重要事項説明書を整備し、利用者への説明・契約を適切に行う
  • 介護保険・公費・報酬制度の知識をスタッフ全員で共有する
  • 自治体の最新ルール・報酬改定の情報を定期的にチェックする

よくある質問(訪問リハビリの立ち上げFAQ)

訪問リハビリはどんな施設で立ち上げられますか?
病院、診療所(クリニックなど)、介護老人保健施設、介護医療院のいずれかで立ち上げられます。これらはみなし指定の対象です。
訪問リハビリの人員基準は厳しいですか?
医師は専任の常勤医師1以上(併設の場合は兼務可)、リハビリ職員は「適当数」です。兼務の職員が1名いる程度でも基準を満たせるため、ハードルは高くありません。
新規指定の申請書類は必要ですか?
訪問リハビリはみなし指定のため、新規指定申請は基本的に不要です。ただし運営規程・契約書・重要事項説明書・加算の届出などを求める自治体が多く、変更届として提出します。
立ち上げにあたって特別な備品は必要ですか?
備品の基準は特に定められておらず、母体の医療機関の設備を兼ねられます。実務上は移動手段・血圧計・体温計・パルスオキシメーターなどがあれば訪問を始められます。
請求ソフトは最初から必要ですか?
介護報酬を請求するため、請求ソフトは必要です。一方、電子カルテは件数が少ない初期は必須ではなく、軌道に乗ってからの導入でも問題ありません。
まとめ

訪問リハビリの立ち上げは、みなし指定のしくみのおかげでとてもシンプルです。要点を整理します。

  • 立ち上げられるのは病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院
  • 人員基準は医師1以上(兼務可)とリハビリ職員「適当数」
  • 新規指定申請は不要。運営規程・契約書・重要事項説明書・加算の届出を変更届として提出
  • 立ち上げ時は制度の知識・最低限の物品・請求ソフトをそろえる
  • 提出書類や締切は自治体ごとに異なるため、必ず公式情報を確認する

基準を満たし、自治体ルールを確認すれば、訪問リハビリはすぐに開始できます。所属先の医療機関への貢献につなげましょう。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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