「訪問看護の利用者がなかなか増えない」「集患のために何から手をつければいいのかわからない」——訪問看護ステーションの経営者・管理者であれば、一度はこの悩みに直面するはずです。利用者数が増えなければ訪問件数は伸びず、売上も安定しません。売上が伸びなければ新しいスタッフを採用できず、事業の拡大も難しくなります。

この記事では、訪問看護と訪問リハビリを10年以上経験し、新規利用者の獲得を得意としてきた立場から、「訪問看護の利用者を増やすために本当にすべきこと」を5つに整理して解説します。派手な営業テクニックではなく、明日から現場で実践できる本質的な考え方が中心です。

この記事でわかること
  • 訪問看護の利用者が増えない事業所に共通する原因
  • 新規利用者を増やすために本当にすべき5つのこと
  • ケアマネジャーから繰り返し依頼される事業所になる方法
  • やってはいけないNG行動と、数字で振り返るコツ
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利用者さんを増やすには、やっぱり営業をたくさん回らないとダメなの?

リハウルフリハウルフ

それが、逆なんだ。一番の近道は「目の前の利用者さんへの関わり方」を磨くこと。理由をこれから順番に教えるよ。

訪問看護の利用者を増やすためにすべきこと5選

結論から言うと、訪問看護の利用者を増やすためにすべきことは次の5つです。順番にも意味があります。

訪問看護の利用者を増やす5つの方法
  • 目の前の利用者さんにしっかりと関わる
  • 訪問看護の存在を地域に周知する
  • 職員一人ひとりが地域でブランディングする
  • ケアマネジャーに訪問看護ステーションを知ってもらう
  • 誰に対しても上から目線にならない

どれも特別なことではありません。しかし「当たり前を、当たり前以上に徹底する」ことが、結果的にもっとも強い集患力になります。ひとつずつ掘り下げていきましょう。

① 目の前の利用者さんにしっかりと関わる

「新規利用者を増やすには何をすればいいですか?」と聞かれたら、私の答えは決まっています。まずは、今担当している目の前の利用者さんに、丁寧に・誠実に関わることです。この記事で伝えたいことの9割は、実はこの一点に集約されます。

これがきちんとできている訪問看護ステーションは、新規利用者の獲得で深刻に悩むことがありません。逆に、ここがおろそかな事業所がいくら飛び込み営業をしても、依頼は安定して増えません。

ポイント一番の営業先は「今、目の前にいる利用者さん」です。質の高いケアそのものが、もっとも効果的な営業活動になります。

考えてみてください。ケアマネジャーは、自分が大切に担当している利用者さんに、親切で丁寧に関わってくれた事業所にこそ「またお願いしたい」と思うものです。その評判は担当ケアマネジャーの周囲にも広がり、利用者さんやご家族からの口コミも生まれます。「あそこの訪問看護師さん、本当に良かったよ」——良い評判は、こうして連鎖していきます。

注意良い噂より、悪い噂のほうがずっと速く広まります。一件一件の関わりが、そのまま事業所の評判をつくっていると考えましょう。

② 訪問看護の存在を地域の皆さんに周知する

意外に思われるかもしれませんが、訪問看護を一度も利用したことがないケアマネジャーは少なくありません。さらに、「訪問看護」というサービスの存在自体を知らない地域住民も非常に多いのが実情です。

だからこそ、「訪問看護とは何か」を地域に向けて発信する活動に価値があります。地域住民、地域で働く医療・介護従事者の双方に向けて、訪問看護でできること・できないことをわかりやすく伝えていきましょう。

この周知活動は、個人でも、自分のステーション単位でも、さらには地域の複数の訪問看護ステーションが連携しても実施できます。同業同士が手を取り合い、地域全体で訪問看護の認知度を底上げしていく発想が、結果として自事業所への依頼にもつながります。

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具体的には、どんな周知活動があるの?

リハウルフリハウルフ

地域の介護予防教室や住民向けの健康講座で話したり、ケアマネ向けの勉強会で事例を共有したり。SNSやブログでの発信も立派な周知活動だよ。

③ 職員一人ひとりが地域でブランディングする

あなたのステーションで働く職員は、その地域でどのくらい知られているでしょうか。現代の医療・介護は、事業所名だけでなく「個人のブランド」が選ばれる理由になります。

「〇〇さんがいるから、あの訪問看護ステーションにお願いしよう」——こう思ってもらえる職員が一人でも増えれば、事業所全体の集患力は大きく変わります。一人ひとりが地域で名前を覚えてもらうために何ができるか、事業所単位で考えてみましょう。

取り組み得られる効果
地域の勉強会・研修で登壇する専門職としての信頼と知名度が上がる
多職種連携の会議に積極的に参加するケアマネ・医師との顔の見える関係づくり
SNS・ブログで専門情報を発信する地域を越えた認知と問い合わせの増加
地域行事・ボランティアに参加する住民との接点が増え、口コミが生まれる

会社としての発信だけに頼らず、職員個人が地域活動に参加することも後押ししていきましょう。

④ ケアマネジャーに訪問看護ステーションを知ってもらう

訪問看護の依頼の大半は、ケアマネジャーから入ってきます。つまり、ケアマネジャーとのパイプが太いほど、依頼は安定します。

すでにつながりのあるケアマネジャーに対しては、①で述べたとおり、担当の利用者さんへ真摯に関わることが最大の信頼構築です。一方、まだ面識のないケアマネジャーには、繰り返し、無理のない形で知ってもらう努力が必要になります。

注意間違っても「飛び込み営業」はしないでください。多くのケアマネジャーにとって、突然の飛び込み営業は迷惑に感じられ、かえって印象を悪くします。

知ってもらう方法は工夫しましょう。事業所のパンフレットや事例紹介を丁寧に届ける、地域の連携会議で顔を合わせる、定期的に対応報告を共有するなど、相手の時間を奪わない形でじわじわと信頼を積み上げるのがコツです。飛び込み営業の問題点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

  1. まずは担当中の利用者さんへの関わりで「実績」をつくる
  2. 連携会議や勉強会で自然に顔と名前を覚えてもらう
  3. 対応経過を丁寧に報告し「任せて安心」と感じてもらう
  4. 次の依頼につながり、口コミがさらに広がる

⑤ 誰に対しても上から目線にならない

新規依頼が来ない事業所の管理者には、ある共通点があります。それは「威圧的」「上から物を言う」「偉そう」という印象を持たれていることです。これは実際にケアマネジャーから聞いた声でもあります。

専門職としての知識や経験があっても、相手への敬意を欠いた態度は、信頼関係を一瞬で壊します。利用者さん、ご家族、ケアマネジャー、連携先の医療機関——誰に対しても、謙虚で丁寧な姿勢を保つことが、結局は一番の集患につながります。

ポイントたとえば退院時カンファレンスで大きな病院へ車で行ったとき。駐車場が空いていても、あえて一番遠い場所に停める。そんな謙虚な振る舞いの積み重ねが、専門職としての信頼をつくります。

専門職・管理者が押さえたい「集患を仕組みにする」視点

ここまでの5つは「姿勢・関わり方」の話でした。最後に、管理者・経営者として集患を感覚ではなく仕組みで管理する視点を補足します。新規依頼を増やすには、振り返りの習慣が欠かせません。

振り返る指標見るポイント
新規依頼の件数月ごとの推移。どの時期に増減したか
依頼元(ケアマネ・医療機関)どこからの依頼が多いか/途絶えていないか
依頼に至った経緯口コミ・連携会議・既存利用者の紹介など
利用者・家族の満足度サービス担当者会議や日々の声から把握

これらを月単位で記録しておくと、「どの関わりが依頼につながっているのか」が見えてきます。感覚的な営業ではなく、効果のある関わりに時間を集中させることができます。

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結局、一番大事なことって何だったの?

リハウルフリハウルフ

「目の前の利用者さんを大切にすること」。これに尽きるよ。質の高いケアが評判を呼び、評判が次の依頼を連れてくる。この好循環を作れた事業所は、集患で悩まなくなるんだ。

ポイント集患は「点」ではなく「線」で考えましょう。今日の丁寧な一件が、半年後・一年後の安定した依頼につながります。短期的な営業成果よりも、日々の関わりの質を積み上げることが、結果的に最短ルートになります。

よくある質問(FAQ)

訪問看護の利用者を増やすのに営業活動は必要ですか?
いわゆる飛び込み営業は不要であり、むしろ逆効果になりがちです。最優先すべきは、今担当している利用者さんへの丁寧な関わりです。質の高いケアと誠実な対応が、口コミと再依頼という形で最も効果的な「営業」になります。
ケアマネジャーとつながりを作るにはどうすればいいですか?
地域の連携会議や勉強会に参加し、顔の見える関係をつくることが基本です。担当の利用者さんへの対応経過を丁寧に報告し、「この事業所なら安心」と感じてもらうことで、次の依頼につながります。飛び込み営業は避けましょう。
開設したばかりで実績がありません。何から始めるべきですか?
まずは少数でも受けた利用者さんに全力で関わることです。最初の一件一件の評判が、その後の依頼の土台になります。並行して、地域の連携会議への参加やステーションの周知活動を始めると効果的です。
悪い口コミが広がってしまった場合はどうすればいいですか?
原因を率直に振り返り、対応を改善することが先決です。良い噂より悪い噂のほうが速く広まるため、目の前の対応一つひとつを誠実に積み重ね、時間をかけて信頼を回復していくしかありません。小手先の対策では逆効果になることもあります。
まとめ
  • 訪問看護の利用者を増やす最大のコツは「目の前の利用者さんへの丁寧な関わり」
  • 質の高いケアが口コミと再依頼を生み、最も効果的な営業になる
  • 地域への周知・職員個人のブランディングで認知度を高める
  • ケアマネジャーとは飛び込み営業ではなく、繰り返しの信頼構築でつながる
  • 誰に対しても謙虚に。上から目線は集患の最大の敵
  • 新規依頼は数字で振り返り、効果のある関わりに時間を集中させる
ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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