「訪問看護で利用者を増やすために、飛び込み営業はしたほうがいいですか?」——管理者の方からよく受ける質問です。この問いへの私の答えは、はっきり「No」です。

私は訪問看護と訪問リハビリをトータル10年以上経験してきた理学療法士ですが、飛び込み営業をしなくても毎年利用者さんを増やせています。むしろ「飛び込み営業をしているから利用者が来ない」とすら考えています。この記事では、飛び込み営業を止めるべき理由と、正しい利用者の増やし方を、現場目線で具体的に解説します。

この記事でわかること
  • 訪問看護の「飛び込み営業」とは何か
  • 飛び込み営業が迷惑で逆効果になる理由
  • 営業をかけても利用者が増えない事業所の共通点
  • 飛び込み営業に頼らず利用者を増やす方法

訪問看護の飛び込み営業とは?

ちびウルフちびウルフ

そもそも訪問看護の「飛び込み営業」って、どういうものなの?

リハウルフリハウルフ

簡単に言うと、アポなしで営業に行くことだよ。挨拶のつもりでも、相手にとっては突然の訪問になるんだ。

訪問看護における飛び込み営業とは、事前のアポイントを取らずに営業へ行くことを指します。代表的な営業先は次のようなところです。

主な営業先立場
居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)利用者を紹介する側
地域包括支援センター地域の相談窓口
医療機関(病院・クリニック)退院支援・連携先

訪問看護の飛び込み営業を止めるべき理由

結論として、私は訪問看護の飛び込み営業はやめたほうがいいと考えています。理由はシンプルです。

飛び込み営業がダメな理由営業に行く側は時間に余裕がある一方、営業先(ケアマネや医療機関)は基本的に忙しい。忙しいところに、余裕のある人が突然来ても、迷惑になりやすいのです。

空気を読まずに飛び込み営業を続けると、かえって嫌われてしまうことがあります。すると、次のような負のループに陥りがちです。

  1. アポなしで飛び込み営業に行く
  2. 忙しい相手に迷惑がられ、印象が下がる
  3. 紹介が来ず、利用者が増えない
  4. 焦ってまた飛び込み営業に行く(最初に戻る)
ちびウルフちびウルフ

じゃあ、アポさえ取れば営業に行ってもいいの?

リハウルフリハウルフ

アポありなら飛び込みよりマシだけど、それでも頻繁に行くのはおすすめしないよ。相手の時間を奪っている、という意識を忘れないことが大事なんだ。

ポイント感染症の流行状況によっては、訪問そのものが負担になる時期もあります。時代や相手の状況に合った連携の取り方を選びましょう。

利用者が増えない訪問看護ステーションの共通点

訪問看護には確かな需要があります。正しい努力をすれば、利用者は着実に増えます。逆に、利用者が増えないなら、営業の量ではなく「やり方」に問題があるケースがほとんどです。よくある共通点は次のとおりです。

つまずきポイントなぜ問題か
管理者のケアマネへの態度が悪い紹介元との信頼関係が築けない
ケアマネへの報連相がない「任せて大丈夫」と思ってもらえない
目の前の利用者さんに親切でない評判・口コミにつながらない
「稼ぐため」の訪問看護になっている利用者・家族・連携先に見抜かれる
注意利用者が増えないとき、最初にすべきは「営業量を増やす」ことではありません。まず自分たちのサービスや連携姿勢に問題がないかを見つめ直すことが先決です。

飛び込み営業に頼らず利用者を増やす方法

飛び込み営業の代わりに大切なのは、「紹介したくなるステーション」になることです。具体的には次のような積み重ねが効きます。

  1. 目の前の利用者さんに、丁寧で親切な看護を提供する
  2. ケアマネジャーへ、こまめに報告・連絡・相談(報連相)を行う
  3. 紹介元に対して誠実で、感じの良い対応を徹底する
  4. 自ステーションの強み(対応疾患・24時間体制など)を分かりやすく伝える
リハウルフリハウルフ

結局のところ、ケアマネさんは「安心して利用者さんを任せられる相手」に紹介したいんだ。日々の誠実な仕事と報連相こそが、最強の営業なんだよ。

一人ひとりの利用者さんに丁寧に向き合い、連携先と信頼を積み上げていけば、紹介は自然と増えていきます。集客の考え方については、YouTube「リハウルフ」でも解説していますので、あわせてご覧ください。

「営業」ではなく「連携」と考える

飛び込み営業がうまくいかない根本の原因は、「売り込み(営業)」の発想で連携先に接していることにあります。ケアマネジャーや医療機関が求めているのは、自社の宣伝を聞くことではなく、「目の前の利用者さんを安心して任せられる事業所かどうか」という情報です。

そこで意識したいのが、営業を「自社を売り込む行為」から「利用者さんのために情報を共有する連携」へと捉え直すことです。たとえば、担当している共通の利用者さんについて経過をきちんと報告する、相手が困っているケースに対して自ステーションでできることを具体的に伝える——こうした関わりは、相手にとって迷惑ではなく「ありがたい情報提供」になります。

ポイント連携先にとって価値があるのは「宣伝」ではなく「利用者さんに役立つ情報」です。相手の仕事を助ける視点に立つだけで、関係性は大きく変わります。

紹介が自然に生まれる仕組みをつくる

安定して利用者を増やしているステーションは、飛び込み営業の量で勝負していません。「紹介したくなる理由」が日々の業務の中に組み込まれているのが共通点です。

取り組み紹介につながる理由
報告書・経過の質を上げるケアマネが「丁寧で安心」と感じる
急な相談・依頼に誠実に対応する「困ったときに頼れる」と評価される
対応できる疾患・体制を明確に伝える紹介する側が判断しやすくなる
利用者・家族の満足度を高める口コミ・評判が連携先に伝わる

こうした積み重ねは派手さこそありませんが、飛び込み営業よりはるかに確実に利用者増へつながります。一度信頼を得たケアマネからは、継続的に紹介をいただけるようになるからです。

注意焦って営業量を増やすほど、本来力を注ぐべき「目の前の利用者さんへの看護の質」がおろそかになりがちです。優先順位を間違えないことが、遠回りに見えて一番の近道です。

飛び込み営業より効果的な3つのアプローチ

「営業しないと不安」という方のために、飛び込み営業に代わる、相手に迷惑をかけない効果的なアプローチを3つ紹介します。

1. 退院支援・地域連携の場でつながる

病院の退院前カンファレンスや地域のケア会議は、連携先と自然に顔を合わせられる絶好の機会です。担当ケースを通じて誠実な対応を見てもらえれば、それ自体が何よりの信頼づくりになります。アポなしで押しかけるより、こうした「必要な場」での関わりを大切にしましょう。

2. 分かりやすい資料を用意して渡す

連携先が知りたいのは「どんな疾患・状態に対応できるか」「24時間対応か」「どんなスタッフがいるか」です。これらを1枚で分かる資料にまとめておくと、相手は短時間で判断でき、必要なときに思い出してもらえます。長々と口頭で説明するより、はるかに親切です。

3. オンラインでの情報発信を活用する

近年は、連携先や利用者・家族がインターネットで事業所を調べることが増えています。ホームページやSNSで、対応内容や日々の取り組みを発信しておくと、相手が自分のタイミングで情報を得られます。相手の時間を奪わない、時代に合った「攻めない営業」といえます。

ポイント共通するのは「相手のタイミングで、必要な情報が届く」形にすること。押しかける営業から、選んでもらえる発信へと切り替えましょう。

ケアマネジャーが「また紹介したい」と感じる関わり方

紹介の起点になるのは、多くの場合ケアマネジャーです。では、ケアマネはどんな訪問看護ステーションに利用者さんを任せたいのでしょうか。現場で信頼されるステーションには、次のような共通点があります。

信頼される関わり避けたい関わり
利用者さんの変化を早めに共有する状態が悪化してから慌てて連絡する
相談に対してレスポンスが早い連絡がつきにくい・返事が遅い
できること・できないことを正直に伝える安請け合いして後で対応できない
利用者・家族にも誠実に接する事務的で冷たい印象を与える

こうした日々の小さな信頼の積み重ねが、「次もあのステーションにお願いしよう」という気持ちを生みます。飛び込み営業で一度だけ顔を見せるより、担当しているケースで誠実に動くことのほうが、はるかに強い印象を残すのです。

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つまり、特別なことより「当たり前を丁寧に」が一番の近道なんだね!

リハウルフリハウルフ

そのとおり。誠実な看護と、こまめな連携。これを続けるだけで、飛び込み営業に頼らなくても利用者さんは増えていくよ。

よくある質問(FAQ)

訪問看護の飛び込み営業は本当に逆効果ですか?
忙しい相手にアポなしで訪問すると、迷惑がられて印象が下がりやすく、紹介につながりにくくなります。量を重ねるほど逆効果になることもあります。
アポを取った営業ならしてもいいですか?
飛び込みよりは良いですが、頻繁な訪問はおすすめしません。相手の時間を奪っている意識を持ち、必要なときに簡潔に連携するのが基本です。
営業をしても利用者が増えないのはなぜですか?
多くは営業量ではなく、サービスの質や連携姿勢に原因があります。ケアマネへの態度・報連相・利用者対応を見直すことが先決です。
飛び込み営業をしないで利用者を増やせますか?
増やせます。丁寧な看護と、ケアマネへのこまめな報連相、誠実な対応を続けることで、紹介が自然に増えていきます。
まとめ
  • 訪問看護の飛び込み営業(アポなし営業)は迷惑になりやすく、逆効果。
  • 忙しい相手に余裕のある人が来ると、嫌われて紹介が減る「負のループ」に陥りがち。
  • 利用者が増えないときは、営業量ではなくサービスの質と連携姿勢を見直す。
  • 最強の営業は「丁寧な看護」と「ケアマネへのこまめな報連相」。
  • 誠実な積み重ねが、紹介=利用者増につながる。
ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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