身体介護に引き続いて生活援助を行った場合は、生活援助の所要時間20分から計算して25分を増すごとに65単位(195単位を限度)を、身体介護の単位数に加算します。いわゆる「身体+生活」の算定です。

ここには2つの落とし穴があります。ひとつは「所要時間20分以上の生活援助」が前提であること。もうひとつは上限195単位=生活援助を70分以上行っても3区分(65×3)で頭打ちになることです。

さらに条文には、「イ(1)の所定単位数を算定する場合を除く」というただし書きがあります。身体介護20分未満(163単位)を算定する場合には、この加算は使えません。

この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)訪問介護費の注7の条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 身体介護に続く生活援助が25分ごと65単位であること
  • 上限が195単位(3区分)であること
  • 起算点が「20分」であること
  • 身体介護20分未満(イ(1))では算定できないこと
  • 時間ごとの加算単位の早見表
  • 生活援助単独(179単位・220単位)との使い分け
  • 2時間ルールとの関係
  • 処遇改善加算の計算基礎に含まれること
ちびウルフちびウルフ

生活援助を長くやれば、そのぶん増えていくんですよね?

リハウルフリハウルフ

195単位で止まります。生活援助を70分やっても90分やっても同じです。だから「身体+生活を延々と1回に詰め込む」計画は、報酬面でも合理的ではありません。ここはケアマネと共有しておいたほうがいい論点です。

条文を確認する

身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間20分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を行った場合(イ(1)の所定単位数を算定する場合を除く。)は、イの所定単位数にかかわらず、イの所定単位数に当該生活援助が中心である指定訪問介護の所要時間が20分から計算して25分を増すごとに65単位(195単位を限度とする。)を加算した単位数を算定する。

時間ごとの加算単位

生活援助の所要時間加算単位
20分未満算定できない
20分以上45分未満65単位
45分以上70分未満130単位
70分以上195単位(上限)

「20分から計算して25分を増すごと」という書き方なので、20分・45分・70分が区切りになります。70分を超えても195単位で頭打ちです。

身体介護20分未満のときは使えない

ただし書きの「イ(1)の所定単位数を算定する場合を除く」のイ(1)とは、身体介護20分未満(163単位)のことです。

短時間の身体介護に生活援助を足して単位を積む、という組み方はできません。身体介護20分未満は、頻回訪問など特定の場面のために設けられた区分であり、そこに生活援助を接続する想定になっていないためと読めます。

生活援助単独との比較

算定パターン単位数
生活援助単独(20分以上45分未満)179単位
生活援助単独(45分以上)220単位
身体介護に続く生活援助(20分以上45分未満)65単位(身体介護に加算)
身体介護に続く生活援助(45分以上70分未満)130単位(同上)

単独で算定するほうが単位数は大きく見えますが、訪問を分ければ2時間ルール(おおむね2時間未満の間隔は所要時間を合算する)に引っかかります。同じ訪問の中で続けて行うなら「身体+生活」、別の時間帯に分けるなら単独——という整理になります。どちらが利用者にとって適切かが先で、単位はその結果です。

2時間ルールとの関係

訪問介護には、前回の訪問からおおむね2時間未満の間隔で行われた場合、それぞれの所要時間を合算して算定するという取扱い(2時間ルール)があります。

身体介護のあと、いったん退出して2時間未満で戻り生活援助を行うと、合算の対象になり得ます。「身体+生活」は、そもそも引き続き行う場合の算定方法なので、退出せず連続して提供するのが前提です。

処遇改善加算の計算基礎に含まれる

処遇改善加算は「イからトまでにより算定した単位数」に率を乗じます。この65単位・195単位は「イ」の所定単位数に加算されたものとして扱われるため、結果として処遇改善加算の計算基礎にも反映されます。

特定事業所加算(Ⅰ)20%も所定単位数に対して算定されるため、「身体+生活」の単位が増えれば、その分だけ両加算も増える関係になります。

記録で押さえるべきこと

  • 身体介護の開始・終了時刻を記録する
  • 引き続き行った生活援助の開始・終了時刻を記録する
  • 生活援助の所要時間が20分以上であることを確認する
  • 実施した生活援助の内容(調理、洗濯、掃除等)を記録する

時間の記録がなければ、65単位・130単位・195単位のどれを算定すべきかを説明できません。訪問介護記録の時刻欄が、そのまま算定根拠になります。

よくある質問

生活援助を90分行ったら、単位はいくらですか?

195単位で頭打ちです。70分以上はすべて195単位となります。

生活援助が15分の場合は算定できますか?

できません。「所要時間20分以上の生活援助」が要件です。

身体介護20分未満でも使えますか?

使えません。条文に「イ(1)の所定単位数を算定する場合を除く」とあり、イ(1)が身体介護20分未満(163単位)です。

区切りの時間はどこですか?

20分から25分ごとなので、20分・45分・70分が区切りです。それぞれ65単位・130単位・195単位となります。

いったん外に出て戻った場合も「引き続き」ですか?

条文は「引き続き」行った場合の算定方法です。退出して時間を空けた場合は、2時間ルール(おおむね2時間未満は所要時間を合算)の対象になり得ます。取扱いは保険者に確認してください。

生活援助単独で算定したほうが得ではありませんか?

単位数だけを見ると単独のほうが大きくなりますが、訪問を分けると2時間ルールの対象になり得ます。まず利用者にとって適切な提供方法を決めてください。

処遇改善加算や特定事業所加算にも反映されますか?

この加算は「イ」の所定単位数に加算されるため、結果としてそれらの計算にも反映されます。計算順序は請求ソフトの仕様と保険者の指示を確認してください。

記録には何を残せばよいですか?

身体介護と生活援助それぞれの開始・終了時刻と、実施した内容です。時間の記録が算定根拠になります。

まとめ
  • 身体介護に引き続く生活援助は、20分から25分を増すごとに65単位
  • 上限は195単位(3区分)で、70分以上は頭打ち
  • 区切りは20分・45分・70分
  • 生活援助が20分未満では算定できない
  • 身体介護20分未満(イ(1)・163単位)を算定する場合は使えない
  • 生活援助単独は179単位・220単位。訪問を分けると2時間ルールの対象になり得る
  • 「引き続き」行うことが前提の算定方法
  • 処遇改善加算・特定事業所加算の計算にも反映される
  • 身体介護と生活援助それぞれの時刻の記録が算定根拠になる
参考にした情報
  • 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 訪問介護費のイ・ロ、注7、チ(介護職員等処遇改善加算)(全国老人保健施設協会 法令等データベース)
  • 同 別表 訪問介護費の注10(特定事業所加算)(全国老人保健施設協会 法令等データベース)

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および保険者の解釈をご確認ください。「引き続き」の判断、退出をはさんだ場合の2時間ルールの適用、複数の加算が重なる場合の計算順序については保険者に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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