延長加算とは?通所介護・通所リハの単位数と算定要件【令和6年度】
「延長加算は何時間預かれば算定できる?」「通所介護と通所リハで単位数が違うのはなぜ?」「延長中の人員配置はどうすればいい?」——利用者や家族の「もう少し預かってほしい」というニーズに応える延長加算は、算定の起点となる時間や人員の考え方でつまずきやすい加算です。
この記事では、令和6年度(2024年度)介護報酬改定をふまえた延長加算の単位数・算定要件を、通所介護(デイサービス)と通所リハビリテーション(デイケア)を主軸に、両者の違い・人員配置・利用料との関係・厚生労働省のQ&Aまで、現場目線で徹底解説します。
- 延長加算の算定要件(算定が始まる時間・通算時間の考え方)
- 通所介護と通所リハで異なる単位数の一覧(最大250単位/300単位)
- 延長時間帯の人員配置の考え方(人員基準上の提供時間に該当しない)
- 延長加算と延長サービス利用料の使い分け、二重徴収の禁止
- 送迎・宿泊サービスとの関係など、よくある質問(FAQ)
延長加算とは?まず結論から
延長加算とは、通所系サービスの基本報酬の区分となる時間を超えて、引き続き日常生活上の世話(預かりサービス)を行ったことを評価する加算です。通所介護・通所リハビリテーション・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護などで算定できます。
ポイントは、延長加算は「通常のサービス」ではなく、その後に続く預かりサービスを評価するものだという点です。そのため、後述するように人員配置の考え方も通常のサービス提供時間とは異なります。
ちびウルフ通所介護と通所リハって、延長加算の単位数が同じじゃないんですか?
リハウルフ実は違うんだ。基本報酬の区分が、通所介護は最大「8時間以上9時間未満」、通所リハは「7時間以上8時間未満」だから、延長加算が始まる時間も上限もずれているんだよ。混同しやすいから表で整理しよう。
通所介護(デイサービス)の延長加算|単位数と要件
通所介護の延長加算は、所要時間8時間以上9時間未満の通所介護の前後に、引き続き日常生活上の世話を行い、通算9時間以上となった場合に算定します。単位数は次のとおりです。
| 通算時間 | 単位数 |
|---|---|
| 9時間以上10時間未満 | 50単位/日 |
| 10時間以上11時間未満 | 100単位/日 |
| 11時間以上12時間未満 | 150単位/日 |
| 12時間以上13時間未満 | 200単位/日 |
| 13時間以上14時間未満 | 250単位/日 |
通所リハビリテーション(デイケア)の延長加算|単位数と要件
通所リハビリテーションの延長加算は、所要時間7時間以上8時間未満の通所リハの前後に、引き続き日常生活上の世話を行い、通算8時間以上となった場合に算定します。通所介護より1時間早く始まり、上限の単位数も高くなります。
| 通算時間 | 単位数 |
|---|---|
| 8時間以上9時間未満 | 50単位/日 |
| 9時間以上10時間未満 | 100単位/日 |
| 10時間以上11時間未満 | 150単位/日 |
| 11時間以上12時間未満 | 200単位/日 |
| 12時間以上13時間未満 | 250単位/日 |
| 13時間以上14時間未満 | 300単位/日 |
算定要件のまとめ|「通算時間」で考える
延長加算は、本来のサービス提供時間と、その前後に提供した延長サービスの時間を通算した時間で判定します。サービス区分ごとの起点を整理します。
| サービス | 基本報酬の最大区分 | 延長加算の起点 | 単位数の上限 |
|---|---|---|---|
| 通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護 | 8時間以上9時間未満 | 通算9時間以上 | 250単位(13〜14時間未満) |
| 通所リハビリテーション | 7時間以上8時間未満 | 通算8時間以上 | 300単位(13〜14時間未満) |
延長時間帯の人員配置はどう考える?
延長加算でよく問われるのが、延長中の人員配置です。厚生労働省のQ&Aでは、延長サービスにおける日常生活上の世話は、通常のサービスに含まれるものではなく、いわゆる預かりサービスであるとされています。
- 延長加算の時間帯は人員基準上の提供時間帯に該当しない
- 事業所の実情に応じて適当数の従業員を置けばよく、決まった人員配置の指定はない
- 複数の単位の利用者を同一の職員が対応することもできる
- ただし利用者の安全体制の確保には留意する
たとえばサービス提供時間を8時間30分とした通所介護では、提供時間終了後(9時間に到達するまでの30分と、9時間以降)は人員基準上の提供時間ではないため、事業所の実情に応じて適当数の人員を配置すれば差し支えありません。とはいえ、安全管理の観点から無理のない体制を組むことが大切です。
ちびウルフ延長の時間は、配置人数が自由なんですね!
リハウルフそうだね。ただ「自由=手薄でいい」ではないよ。転倒や急変のリスクもあるから、利用者の安全を最優先に、必要な人数はきちんと確保しようね。
延長加算と「延長サービス利用料」の使い分け
延長に関しては、介護報酬の延長加算とは別に、利用者から実費として延長サービスにかかる利用料を徴収できる場面があります。厚生労働省のQ&Aをふまえ、通所介護の例で整理します。
- サービス提供時間が9時間未満で行われる延長サービス
- サービス提供時間が14時間以上で行われる延長サービス
- 14時間未満で行われる延長サービスについては、延長加算に「かえて」利用料を徴収することもできる
運営の視点|延長加算を適切に運用するために
延長加算は、利用者・家族の「もう少し預かってほしい」というニーズに応える一方、時間管理・記録・安全体制が問われます。管理者・相談員・現場職員が押さえておきたい運用ポイントをまとめます。
- 基本のサービス提供時間(通所介護なら8〜9時間、通所リハなら7〜8時間)を明確にする
- 延長サービスの開始・終了時刻を記録し、通算時間で区分を判定する
- 延長時間帯の人員配置を、安全を確保できる人数で決めておく
- 延長加算を算定する時間帯と、利用料を徴収する時間帯を整理し、二重徴収を避ける
- 送迎・居宅内介助・宿泊との関係を確認し、算定可否を判断する
具体例で確認|延長加算はいくら算定できる?
言葉だけではイメージしにくいので、通所介護の例で延長加算の考え方を確認しましょう。
例1:8時間30分のデイ+延長で通算10時間
所要時間8時間30分(8時間以上9時間未満の区分)の通所介護を提供し、その後さらに預かりを行い、通算で10時間ちょうどになったケースです。この場合、通算時間は「10時間以上11時間未満」の区分に該当するため、延長加算は100単位/日を算定します。9時間に到達するまでの30分と、9時間以降の延長部分は、人員基準上の提供時間には該当しません。
例2:通所リハで通算9時間
所要時間7時間30分(7時間以上8時間未満の区分)の通所リハを提供し、延長して通算9時間になったケースです。通所リハは通算8時間以上から延長加算が始まるため、「9時間以上10時間未満」の区分に該当し、100単位/日を算定します。同じ通算9時間でも、通所介護なら50単位、通所リハなら100単位と、サービスによって単位数が変わる点に注目してください。
延長加算でよくある質問(FAQ)
通所介護と通所リハで延長加算の単位数が違うのはなぜですか?
9時間の通所介護の前後に送迎を行い、居宅内介助を実施した場合も算定できますか?
ごく短時間の延長でも算定できますか?
延長時間帯の人員配置に決まりはありますか?
宿泊サービスを利用する日も延長加算を算定できますか?
延長加算と延長サービス利用料は同時に取れますか?
- 延長加算は、基本報酬の区分時間を超えて引き続き預かりサービスを行ったことを評価する加算。
- 通所介護は通算9時間以上から算定(50単位)、上限は13〜14時間未満の250単位。地域密着型・認知症対応型も同じ。
- 通所リハは通算8時間以上から算定(50単位)、上限は13〜14時間未満の300単位。通所介護と起点・上限が異なる。
- 延長時間帯は人員基準上の提供時間に該当せず配置は柔軟だが、安全体制の確保に留意する。
- 延長加算と延長サービス利用料は二重徴収できない。宿泊サービス利用日は算定不可。
