入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)の違いと算定要件|通所リハビリ徹底解説
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通所リハビリテーションで入浴介助を行うとき、必ず押さえておきたいのが「入浴介助加算」です。令和3年度の介護報酬改定で(Ⅰ)と(Ⅱ)の2区分に整理されて以降、「どちらを算定すべきか」「シャワー浴や機械浴でも算定できるのか」と迷う現場の声が今も絶えません。
この記事では、入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数・算定要件・違いを整理したうえで、清拭・シャワー浴・機械浴・自宅に浴室がない場合といった判断に迷うポイントを、厚生労働省の解釈通知やQ&Aを踏まえて分かりやすく解説します。
- 入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数と基本的な違い
- (Ⅰ)(Ⅱ)それぞれの算定要件
- 清拭・シャワー浴・機械浴は算定できるのかという解釈
- 自宅に浴室がない利用者でも(Ⅱ)を算定できる条件
入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)とは?単位数と全体像
入浴介助加算は、通所リハビリテーションで入浴介助を提供した場合に算定する加算です。令和6年度介護報酬改定後も、通所リハビリの単位数は次のとおりで変更はありません。
| 区分 | 単位数 | ねらい |
|---|---|---|
| 入浴介助加算(Ⅰ) | 40単位/日 | 事業所での適切な入浴介助を評価 |
| 入浴介助加算(Ⅱ) | 60単位/日 | 自宅での自立した入浴の実現を評価 |
ちびウルフ(Ⅰ)と(Ⅱ)って、単に単位が高いか低いかの違いなの?
リハウルフ大きく違うのは“目的”なんだ。(Ⅱ)は「自宅でも入浴できるようにする」ことを評価する加算だよ。
入浴介助加算(Ⅰ)の算定要件
入浴介助加算(Ⅰ)は、入浴介助を適切に行える人員と設備を整えて入浴介助を行うことが基本要件です。ここでいう「介助」には、利用者自身の力で入浴できるよう声かけや見守りを行う自立支援のための見守り的援助も含まれます。
そのため、結果として身体に直接触れる介助を行わなかった場合でも、算定の対象になります。また、利用者にとって最適な方法が部分浴(シャワー浴)や清拭である場合は、それらも入浴に含めて差し支えないとされています。
入浴介助加算(Ⅱ)の算定要件
入浴介助加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)の要件に加えて、利用者が自宅で自分自身または家族等の介助によって入浴できるようになることを目的とした、より踏み込んだ取り組みを評価します。主な要件は次のとおりです。
- 居宅の評価:医師・PT・OT・ST・介護福祉士・ケアマネジャー等(浴室環境を評価できる福祉用具専門相談員を含む)が利用者の自宅を訪問し、浴室での動作と浴室環境を評価する。
- 連携・助言:自宅での入浴が難しい環境の場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入や住宅改修などの環境整備を助言する。
- 個別入浴計画の作成:事業所のPT・OT・STが医師と連携し、利用者の身体状況や自宅浴室の環境を踏まえた個別の入浴計画を作成する(通所リハ計画に同等の内容を記載すれば代替可)。
- 自宅に近い環境での介助:個浴など、利用者の自宅に近い環境で入浴介助を行う。
「自宅に近い環境」は、手すりの位置や浴槽の深さ・高さに合わせて可動式手すり・浴槽内台・すのこ等を設置し、自宅浴室の状況を個別に再現していれば差し支えないとされています。大浴槽に福祉用具を設置して再現する形でも構いません。
入浴介助加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いを比較
| 比較項目 | (Ⅰ)40単位/日 | (Ⅱ)60単位/日 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 事業所での適切な入浴介助 | 自宅での入浴の自立 |
| 居宅訪問・浴室評価 | 不要 | 必要 |
| 個別入浴計画 | 不要 | 必要 |
| 入浴環境 | 事業所の浴室 | 自宅に近い環境を再現 |
判断に迷うポイント(清拭・シャワー浴・機械浴・自宅に浴室がない)
現場で解釈が分かれやすい論点を、Q&A形式で整理します。
清拭でも算定できる?
入浴介助加算で「入浴」と認められるのは全身浴または全身シャワー浴が基本です。そのため、清拭のみでは入浴介助加算は算定できません。ただし(Ⅰ)では、利用者にとって最適な方法が部分浴・清拭である場合に入浴に含めて扱える、と解釈通知で示されている点に注意が必要です。判断に迷う場合は保険者へ確認しましょう。
(Ⅱ)はシャワー浴でも可能?
利用者にとって最適な入浴方法がシャワー浴である場合は、(Ⅱ)の対象と考え得るとされています。自立支援の観点から、その方にとって適切な方法であるかが判断の軸になります。
(Ⅱ)は機械浴でも可能?
機械浴は自宅の浴室環境に近いとは言いがたいため、一般的には(Ⅱ)の算定は難しいと考えるのが適切です。(Ⅱ)はあくまで「自宅に近い環境での入浴」を前提とする加算だからです。
自宅に浴室がない利用者は?
自宅に浴室がない利用者でも、次の①〜⑤をすべて満たすことで、当面の目標として通所リハビリでの入浴の自立を図ることを目的に(Ⅱ)を算定して差し支えないとされています。
- 事業所の浴室で、医師・PT・OT・介護福祉士・ケアマネ等が利用者の動作を評価する。
- 自立して入浴できるよう、必要な設備(入浴に関する福祉用具等)を備える。
- 機能訓練指導員等が共同し、評価者と連携して個別の入浴計画を作成する(通所リハ計画への記載で代替可)。
- 個別入浴計画に基づき、事業所で入浴介助を行う。
- 設備導入や心身機能の回復により、事業所以外の場面での入浴が想定できるようになっているかを個別に確認する。
【PT・OT・ST・相談員向け】現場運用の注意点
入浴介助加算(Ⅱ)は単位が高い分、書類・連携・計画の整備が欠かせません。実地指導で指摘されやすいポイントを押さえておきましょう。
(Ⅱ)の居宅訪問・浴室評価は、状態や浴室環境に変化が認められた場合に再評価・計画の見直しを行います。毎回の定期実施までは求められていませんが、変化を見逃さない記録運用が重要です。評価を行える者には、地域包括支援センターの担当職員や福祉住環境コーディネーター2級以上の者なども想定されています。
(Ⅱ)は単位が高い分、居宅訪問の記録・個別入浴計画・自宅に近い環境を再現した根拠など、書類の整合性が実地指導で重点的に確認されます。「評価・計画・実施・見直し」の流れを記録で示せる状態を日頃から整えておくことが、安定した算定につながります。算定区分の判断に迷うケースや、解釈が分かれる事例は、自己判断で進めず保険者へ確認するのが安全です。
通所介護(デイサービス)の入浴介助加算との違いに注意
入浴介助加算は通所介護(デイサービス)にもありますが、単位数も要件の細部もサービスごとに異なります。資料を調べるときに混同しやすいので、通所リハビリの数値を取り違えないよう注意しましょう。
ちびウルフデイサービスの数字をそのまま使っちゃダメなの?
リハウルフ単位数が違うんだ。必ず「通所リハビリの数値」を確認してね。
通所リハビリの入浴介助加算は(Ⅰ)40単位/日・(Ⅱ)60単位/日です。一方、通所介護や認知症対応型通所介護では(Ⅱ)の単位数が異なります。ネット上の解説記事には「通所介護」を前提にした数値が混在しているため、必ず自サービス種別の最新の告示・通知で確認する習慣をつけましょう。
よくある質問(FAQ)
入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)は同じ日に両方算定できますか?
身体に直接触れる介助をしなくても(Ⅰ)は算定できますか?
(Ⅱ)の個別入浴計画は別様式が必要ですか?
令和6年度改定で単位数は変わりましたか?
(Ⅱ)の居宅訪問・浴室評価は誰が行えますか?
入浴を実施しなかった日でも算定できますか?
- 通所リハビリの入浴介助加算は(Ⅰ)40単位/日・(Ⅱ)60単位/日で、同日併算定はできない。
- (Ⅰ)は事業所での適切な入浴介助、(Ⅱ)は自宅での入浴自立を目的とする加算。
- (Ⅱ)は居宅訪問・浴室評価・個別入浴計画・自宅に近い環境での介助が要件。
- 清拭のみは原則不可、機械浴は(Ⅱ)に不向き。自宅に浴室がなくても①〜⑤を満たせば(Ⅱ)算定が可能。
出典)厚生労働省「令和3年度介護報酬改定に関する解釈通知・Q&A」、令和6年度介護報酬改定関連通知。数値・要件は最新の告示・通知および保険者の取扱いをご確認ください。


