地域密着型通所介護の認知症加算とは?

地域密着型通所介護には、認知症の利用者を受け入れる体制を評価する加算が2つあります。認知症加算60単位と、若年性認知症利用者受入加算60単位で、いずれも1日につきです。単位数は同じですが、この2つは同時に算定できません。
この記事では、この2つの加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- 2つの加算がいずれも60単位・1日につきであること
- 2つは同時に算定できないこと
- 認知症加算の対象となる利用者の判断
- 若年性認知症の定義(初老期における認知症)
- 若年性認知症では担当者を決める必要があること
- 共生型で算定している場合は認知症加算が算定できないこと
- どちらを選ぶと有利になるか
- 運営指導で確認される記録
地域密着型通所介護の認知症加算とは?
認知症加算は、認知症の利用者を一定割合以上受け入れ、必要な人員を配置している事業所を評価する加算です。認知症の方の受け入れには、見守りや声かけに人手がかかります。その負担を報酬で評価する仕組みです。
一方の若年性認知症利用者受入加算は、65歳未満で認知症を発症した方を受け入れた場合の加算です。若年性認知症の方は、身体機能が保たれていることが多く、高齢者向けのプログラムが合わないことがあります。個別の対応が必要になるため、別に評価されています。
認知症加算・若年性認知症利用者受入加算の単位数
| 加算 | 単位数 | 算定 | 併算定 |
|---|---|---|---|
| 認知症加算 | 60単位 | 1日につき | 同時算定不可 |
| 若年性認知症利用者受入加算 | 60単位 | 1日につき |
告示は、若年性認知症利用者受入加算について「認知症加算を算定している場合は、算定しない」と定めています。単位数が同じため、どちらを算定しても1日あたりの収入は変わりません。
認知症加算の算定要件
- 厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、市町村長に届出を行っていること
- 厚生労働大臣が定める利用者に対してサービスを行うこと
- 共生型地域密着型通所介護として算定している場合は算定できません
対象となる利用者は、認知症高齢者の日常生活自立度にもとづいて判断します。事業所側にも、認知症の利用者の割合や、指定基準を上回る介護職員・看護職員の配置といった要件があります。具体的な割合と人員の考え方は厚生労働大臣が定める基準に定められています。
若年性認知症利用者受入加算の算定要件
- 市町村長に届出を行っていること
- 若年性認知症利用者に対してサービスを行うこと
- 利用者ごとに担当者を定め、その者を中心に個別の支援を行うこと
- 若年性認知症利用者とは、介護保険法施行令第2条第6号に規定する初老期における認知症によって要介護者となった者をいう。
介護保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満)の特定疾病のひとつである「初老期における認知症」が根拠です。65歳に到達した後も、引き続き対象になるかどうかは留意事項通知の定めによります。保険者にご確認ください。
・誰が担当者かを記録に残す
・本人の職歴や趣味を踏まえたプログラムを組む
・支援の内容と経過を記録する
若年性認知症の方は「デイに来ても何もすることがない」と感じやすいため、担当者を決める意味は実務上も大きいです。
2つの加算の注意点
- 同時算定はできません。どちらか一方です
- 単位数が同じため、金額面での有利不利はありません
- 認知症加算は共生型で算定している場合は算定できません
- 若年性認知症利用者受入加算には、共生型を理由とする算定不可の定めはありません
- いずれも1日につきのため、利用日数が多いほど影響が大きくなります
- 届出が必要です
共生型で算定している事業所が若年性認知症の方を受け入れる場合は、若年性認知症利用者受入加算のほうを検討することになります。
ちびウルフどっちも60単位なら、要件が緩いほうを取ればいいの?
リハウルフ考え方としては逆です。認知症加算は事業所全体の体制に対する加算で、対象になる利用者全員に算定できます。若年性認知症利用者受入加算はその方1人に対する加算です。
認知症加算の体制が組めるなら、そちらのほうが事業所全体の収入は大きくなります。若年性認知症の方が1人だけいるという場合に、その方についてどちらを算定するかを考える、という順番です。
認知症加算・若年性認知症利用者受入加算のQ&A
認知症加算・若年性認知症利用者受入加算のQ&A
単位数はいくらですか?
どちらも60単位で、1日につきの算定です。
2つ同時に算定できますか?
できません。認知症加算を算定している場合、若年性認知症利用者受入加算は算定しない定めです。
若年性認知症とは何歳までですか?
介護保険法施行令第2条第6号の「初老期における認知症」によって要介護者となった方が対象です。65歳到達後の取扱いは留意事項通知と保険者にご確認ください。
若年性認知症の担当者は資格が必要ですか?
担当者を定めることが要件です。資格要件の有無は留意事項通知をご確認ください。
認知症加算の対象者はどう判断しますか?
認知症高齢者の日常生活自立度にもとづいて判断します。具体的な区分は厚生労働大臣が定める基準に定められています。
共生型でも認知症加算を取れますか?
取れません。共生型地域密着型通所介護として算定している場合は算定しない定めです。
利用者が1人だけ対象でも算定できますか?
若年性認知症利用者受入加算はその利用者について算定します。認知症加算は事業所の体制要件があるため、対象者の割合の確認が必要です。
届出は必要ですか?
どちらも市町村長への届出が必要です。
中重度者ケア体制加算と併算定できますか?
告示上、これらの加算の間に相互の併算定を禁じる定めは置かれていません。それぞれの要件を満たすかを確認してください。
- 認知症加算は60単位・1日につき
- 若年性認知症利用者受入加算も60単位・1日につき
- 2つは同時に算定できない
- 単位数が同じため金額面の有利不利はない
- 認知症加算は事業所の体制に対する加算で、対象者全員に算定できる
- 若年性認知症利用者受入加算はその利用者1人に対する加算
- 認知症加算の対象は認知症高齢者の日常生活自立度で判断する
- 認知症加算には利用者の割合と職員配置の要件がある
- 若年性認知症は介護保険法施行令の「初老期における認知症」が根拠
- 若年性認知症は利用者ごとに担当者を定めることが要件
- 担当者を中心に個別の支援を行い、記録を残す
- 共生型で算定している場合、認知症加算は算定できない
- 共生型の事業所は若年性認知症利用者受入加算を検討する
- いずれも1日につきのため利用日数の影響が大きい
- どちらも市町村長への届出が必要
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(地域密着型通所介護費 注18・注19)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)
- 介護保険法施行令(平成10年政令第412号)e-Gov法令検索
※本記事の単位数および併算定の可否は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。認知症加算の対象となる利用者の割合、必要な職員配置の具体的な数値、若年性認知症利用者が65歳に到達した後の取扱い、担当者の資格要件については、厚生労働大臣が定める基準および留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





