療養通所介護のサービス提供体制強化加算とは?

療養通所介護のサービス提供体制強化加算は、(Ⅲ)イが48単位、(Ⅲ)ロが24単位で、いずれも1月につきです。短期利用療養通所介護費の場合は(Ⅲ)イ12単位・(Ⅲ)ロ6単位で、1日につきになります。(Ⅰ)と(Ⅱ)の区分がない点が、他のサービスと大きく違います。
この記事では、この加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- 療養通所介護には(Ⅲ)イ・(Ⅲ)ロしかないこと
- (Ⅲ)イ48単位・(Ⅲ)ロ24単位で1月につきであること
- 短期利用では12単位・6単位で1日につきになること
- 地域密着型通所介護の22/18/6単位との違い
- イとロを分ける考え方
- 処遇改善加算との関係
- 割合の計算と判定期間
- 要件を満たさなくなったときの対応
療養通所介護のサービス提供体制強化加算とは?
サービス提供体制強化加算は、資格を持った職員や勤続年数の長い職員を多く配置している事業所を評価する加算です。人材の定着と資格取得を後押しする目的で設けられています。
療養通所介護は看護師の役割が非常に大きいサービスです。医療的ケアが必要な方を安全に受け入れるには、経験のある職員が定着していることが欠かせません。この加算は、その体制を評価するものです。
サービス提供体制強化加算の単位数
| 算定する区分 | 加算の区分 | 単位数 | 算定 |
|---|---|---|---|
| ロ(療養通所介護費) | サービス提供体制強化加算(Ⅲ)イ | 48単位 | 1月につき |
| サービス提供体制強化加算(Ⅲ)ロ | 24単位 | 1月につき | |
| ハ(短期利用療養通所介護費) | サービス提供体制強化加算(Ⅲ)イ | 12単位 | 1日につき |
| サービス提供体制強化加算(Ⅲ)ロ | 6単位 | 1日につき |
ところが療養通所介護は(Ⅲ)のイとロの2つだけです。同じ告示の中で、地域密着型通所介護費(イ)は22単位・18単位・6単位の3区分になっています。
療養通所介護は看護師中心の配置で、介護福祉士の割合という物差しがなじまないためと考えられます。区分を取り違えないよう注意してください。
ロ(月額)とハ(日額)で単位数がまったく違う点も押さえておいてください。48単位は1月分、12単位は1日分です。
サービス提供体制強化加算の算定要件
- 厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、市町村長に届出を行っていること
- イとロは、職員の勤続年数や資格に関する水準で分かれます
- いずれかを算定している場合、もう一方は算定できません
(Ⅲ)イと(Ⅲ)ロを分ける具体的な水準は、厚生労働大臣が定める基準に定められています。本記事では割合や年数の数値を断定していません。届出の前に必ず原文を確認してください。
- 割合は常勤換算方法で計算します
- 前年度の実績または算定日が属する月の前3月間で判定します
- 要件を満たさなくなった場合は速やかに届け出る必要があります
処遇改善加算との関係
介護職員等処遇改善加算の上位区分には、サービス提供体制強化加算の届出が要件として関わってきます。
基本報酬12,785単位に対して、処遇改善加算の率が10ポイント(1000分の10)違えば月128単位の差です。加算全体を含めた所定単位数で計算すると、さらに差が広がります。
①サービス提供体制強化加算の区分を確認 → ②処遇改善加算の区分を決める、という順番で進めてください。
サービス提供体制強化加算の注意点
- (Ⅰ)と(Ⅱ)の区分はありません。(Ⅲ)イと(Ⅲ)ロのみです
- イとロは同時に算定できません
- ロ(月額)とハ(日額)で単位数が違います
- 割合は毎年度計算し直す必要があります
- 職員の退職で要件を満たさなくなることがあります
- 届出が必要です
ちびウルフなんで療養通所介護だけ(Ⅲ)しかないの?
リハウルフ告示に理由は書かれていないので断定はできませんが、療養通所介護は看護職員が中心のサービスだという点が関係していると考えられます。
他のサービスの(Ⅰ)や(Ⅱ)は「介護福祉士の割合が何%以上」という要件が中心です。看護師が主体の療養通所介護では、この物差しがそのままでは使えません。
そのため勤続年数を中心とした(Ⅲ)の枠組みだけが用意されている、という理解が自然だと思います。
サービス提供体制強化加算のQ&A
サービス提供体制強化加算のQ&A
単位数はいくらですか?
療養通所介護費では(Ⅲ)イ48単位・(Ⅲ)ロ24単位で1月につき、短期利用療養通所介護費では(Ⅲ)イ12単位・(Ⅲ)ロ6単位で1日につきです。
(Ⅰ)や(Ⅱ)は算定できますか?
療養通所介護には(Ⅰ)・(Ⅱ)の区分がありません。(Ⅲ)イと(Ⅲ)ロのみです。
イとロは同時に算定できますか?
できません。いずれか一方です。
イとロは何で分かれますか?
職員の勤続年数や資格に関する水準です。具体的な要件は厚生労働大臣が定める基準をご確認ください。
地域密着型通所介護とは単位数が違いますか?
違います。地域密着型通所介護費は22単位・18単位・6単位で1回につきの算定です。
割合はどう計算しますか?
常勤換算方法で計算し、前年度の実績または算定日が属する月の前3月間で判定します。
処遇改善加算と関係がありますか?
あります。処遇改善加算の上位区分の要件に、サービス提供体制強化加算の届出が関わります。
職員が辞めて要件を満たさなくなったら?
速やかに届け出てください。
届出は必要ですか?
必要です。市町村長への届出を行った事業所であることが前提です。
- 療養通所介護のサービス提供体制強化加算は(Ⅲ)イと(Ⅲ)ロの2区分
- (Ⅰ)と(Ⅱ)の区分がない
- 療養通所介護費では(Ⅲ)イ48単位・(Ⅲ)ロ24単位、1月につき
- 短期利用療養通所介護費では(Ⅲ)イ12単位・(Ⅲ)ロ6単位、1日につき
- ロは月額、ハは日額で単位の意味が違う
- 地域密着型通所介護費は22・18・6単位で1回につき
- 看護師中心の配置のため介護福祉士の割合がなじまないと考えられる
- イとロは同時に算定できない
- 割合は常勤換算方法で計算する
- 前年度実績または前3月間で判定する
- 処遇改善加算の上位区分の前提になる
- 基本報酬が大きいため処遇改善加算の率の差が効いてくる
- 加算の設計はこの加算の区分確認から始める
- 職員の退職で要件を満たさなくなることがある
- 市町村長への届出が必要
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(地域密着型通所介護費 ニ)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)
- 令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省)
※本記事の単位数および区分の構成は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文にもとづいて整理したものです。(Ⅲ)イと(Ⅲ)ロを分ける具体的な要件、割合の計算方法、判定期間の考え方については、厚生労働大臣が定める基準および留意事項通知をご確認ください。療養通所介護に(Ⅰ)(Ⅱ)が設けられていない理由についての記述は、告示の構造からの筆者の解釈であり、制度上の説明ではありません。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





