訪問看護と訪問リハビリは併用できる|根拠と注意点を令和6年で解説

「訪問看護と訪問リハビリテーションは併用できるの?」——ケアマネジャーや事業所、ご家族から、現場でよく受ける質問です。結論からお伝えすると、訪問看護と訪問リハビリは併用できます。ただし「なぜ併用できるのか」「保険の組み合わせや回数はどうなるのか」を正しく理解していないと、ケアプランやレセプトで思わぬつまずきが生まれます。
この記事では、訪問リハに関わる理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)・看護師、そしてケアマネジャーや事業所運営者に向けて、併用できる根拠と、保険ごとの組み合わせ・注意点を令和6年度の制度をふまえて整理します。
- 訪問看護と訪問リハビリが併用できる3つの根拠
- 訪問看護Ⅰ5(理学療法士等による訪問看護)との併用と回数の考え方
- 介護保険・医療保険をまたいだ併用のパターン
- 併用するときに見落としやすい注意点(特別の関係・令和6年度改定)

リハウルフ先生、訪問看護と訪問リハビリって、一緒に使ってもいいの?ダメな気もして不安なの。

大丈夫、併用できるよ。ポイントは「別のサービスだから」「禁止する規定がないから」「実際に併用しているデータがあるから」の3つ。順番に見ていこう。
訪問看護と訪問リハビリは併用できる|結論
あらためて結論です。介護保険の訪問看護と訪問リハビリテーションは併用できます。これは制度上認められており、ケアマネジメントの結果として必要であればケアプランに位置づけられます。理由(根拠)を3つに分けて説明します。
根拠①:そもそも別のサービスだから
介護保険のサービス分類では、訪問リハビリテーションと訪問看護は異なるサービスとして扱われます。種類の違うサービスを組み合わせること自体に問題はなく、利用者の状態に合わせて両方をケアプランに入れられます。
根拠②:併用を禁止する規定がないから
「併用できるという根拠資料はありますか?」と聞かれることがあります。答えは、「併用できるという明文はないが、併用を禁止する規定もない」です。介護保険制度は、禁止されている事項は明記される一方、禁止されていないことは認められると解釈できます。つまり、明確な禁止規定がない以上、併用は可能というわけです。
根拠③:厚生労働省のデータに併用の記載があるから
厚生労働省の各種調査では、訪問リハビリテーションと訪問看護を併用している実態が示されています。もし併用が禁止であれば、そもそもこうした項目の調査やデータ公表は行われないはずです。公的データが併用の実態を裏づけている点も、併用可能と言える根拠の1つです。
訪問看護Ⅰ5(理学療法士等による訪問看護)との併用
少し混乱しやすいのが、訪問看護Ⅰ5との関係です。これは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問看護として行うリハビリで、サービス分類上は「訪問看護」に当たります。訪問リハビリテーションとは別物なので、訪問看護Ⅰ5と訪問リハビリも併用できます。
令和6年度介護報酬改定で、理学療法士等による訪問看護(訪問看護Ⅰ5)は1回(20分)あたり294単位に見直されました。あわせて、PT等の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合などに、1回につき8単位を減算する新たなルールが設けられています(減算の適用には、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算の算定状況などの条件があります)。
回数の考え方(あくまで制度上の上限)
訪問看護Ⅰ5(理学療法士等による訪問看護)も、訪問リハビリテーションも、それぞれに回数の目安があります。
- 訪問看護Ⅰ5:原則として週6回程度が目安
- 訪問リハビリテーション:原則として週6回(退院・退所後3か月以内など、医師の判断で頻度を増やせる場合あり)
両者は別サービスのため、制度上は合算してより多くの回数を組むことも考えられます。ただし、あくまで制度上の上限であって、実際はケアマネジメントの結果として必要な分をケアプランに位置づけるのが大原則です。回数や単位の最新の取り扱いは、必ず告示・通知や自治体の解釈で確認してください。
「制度上は何回まで可能か」と「実際に何回入れるべきか」は別の話です。区分支給限度基準額や利用者の状態、目標とのバランスを踏まえて組み立てましょう。回数ありきの計画は、保険者から見直しを求められることがあります。
介護保険と医療保険をまたいだ併用パターン
併用は同じ保険同士だけでなく、保険をまたぐ組み合わせもあります。代表的なパターンを整理します。
| 組み合わせ | 併用 | 補足 |
|---|---|---|
| 訪問看護(介護)+訪問リハビリ(介護) | 可能 | 別サービスとして併用できる |
| 訪問看護Ⅰ5(介護)+訪問リハビリ(介護) | 可能 | Ⅰ5は分類上「訪問看護」 |
| 訪問看護(医療)+訪問リハビリ(介護) | 可能 | 難病・末期がん等で医療保険の訪問看護になる場合など |
| 訪問看護(医療)+訪問リハビリ(医療) | 可能(注意点あり) | 後述の「特別の関係」に注意 |
医療保険の訪問看護+介護保険の訪問リハビリ
たとえば進行性核上性麻痺で要介護5のように、厚生労働大臣が定める疾病等に該当して訪問看護が医療保険になるケースでも、医療保険の訪問看護と介護保険の訪問リハビリは併用できます。看護師の訪問もリハ職の訪問看護も医療保険、病院からの訪問リハビリは介護保険、という形で組み合わせられます。
医療保険の訪問看護+医療保険の訪問リハビリ
医療保険の「訪問リハビリ」とは、正式には在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料です。令和6年度の点数は同一建物居住者以外300点、同一建物居住者255点(1単位)で、算定は週6単位まで(退院日から3か月以内は週12単位まで)とされています。
訪問看護ステーションと特別の関係にあり、かつ訪問看護指示書を交付した医師が所属する保険医療機関等で「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」を算定した日は、訪問看護療養費(医療保険)は算定できません。医療保険同士を併用するときは、この同日算定の制限を必ず確認しましょう。

保険の組み合わせがいろいろあって難しい…!結局、何を確認すればいいの?

まず「どの保険のサービスか」を整理して、次に「同日に算定できない組み合わせがないか」を確認する。この2ステップだけで、ほとんどの迷いは解消できるよ。
併用するときの実務ステップ
- 保険区分を確認する利用者が介護保険か医療保険か、疾病等の該当の有無を確認します。これで使えるサービスの枠組みが決まります。
- サービスの種類を切り分ける訪問看護・訪問看護Ⅰ5・訪問リハビリ(介護)・在宅患者訪問リハビリ指導管理料(医療)を、それぞれ別物として整理します。
- 同日算定の制限を確認する医療保険同士の併用では「特別の関係」と同日算定の制限を確認します。
- ケアプラン・限度額と照らす必要な回数を、区分支給限度基準額や目標と照らして調整し、ケアプランに位置づけます。
よくある質問(FAQ)
訪問看護と訪問リハビリは、同じ日に入れても大丈夫ですか?
介護保険同士であれば、別サービスのため同日に入れることも可能です。ただし医療保険同士では、特別の関係や同日算定の制限があるため、組み合わせを必ず確認してください。
訪問看護Ⅰ5と訪問リハビリは何が違うのですか?
訪問看護Ⅰ5は理学療法士等が「訪問看護」として行うリハビリで、分類上は訪問看護です。一方の訪問リハビリテーションは独立した別サービス。だからこそ両者は併用できます。
併用すると回数は合算して増やせますか?
制度上は別サービスとして組むことが考えられますが、あくまで上限の話です。実際は利用者の状態・目標・区分支給限度基準額を踏まえ、ケアマネジメントの結果として必要な分を位置づけます。
令和6年度改定で、理学療法士等の訪問看護はどう変わりましたか?
1回(20分)あたり294単位に見直され、PT等の訪問回数が看護職員を上回る場合などに1回8単位の減算が新設されました。適用条件があるため、最新の通知・Q&Aで確認してください。
まとめ|併用は可能。保険区分と同日算定の確認がカギ
訪問看護と訪問リハビリは併用できます。大切なのは、「どの保険のどのサービスか」を切り分け、同日算定の制限を確認すること。そのうえで、利用者の状態に合った回数をケアプランに落とし込みます。
- 訪問看護(介護)と訪問リハビリ(介護)は併用可能
- 訪問看護Ⅰ5(理学療法士等の訪問看護)と訪問リハビリも併用可能
- 医療保険の訪問看護+介護保険の訪問リハビリも併用可能
- 医療保険同士は「特別の関係」と同日算定の制限に注意。数値・単位は最新の告示・通知で確認を
制度上の可否と実際の必要量は分けて考え、利用者本位のケアプランを組み立てていきましょう。


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