在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料とは?令和6年度の点数・要件解説

「医療保険の訪問リハビリって、結局どの点数を算定すればいいの?」「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料って、介護保険の訪問リハと何が違う?」——病院や診療所からPT・OT・STを派遣して在宅でリハビリを行うとき、必ずぶつかるのがこの算定の壁です。要件が細かく、厚生局によって解釈が分かれる部分もあり、頭を抱えるセラピストは少なくありません。
この記事では、医療保険の訪問リハビリにあたる「C006 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」について、令和6年度(最新)の点数・対象者・算定回数・記録や届出のルールまで、現場のセラピスト目線で一気に整理します。読み終えるころには、誰に・週何単位まで・どう算定するかが明確になり、迷わず動けるようになります。
- 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料とは何か(令和6年度の点数)
- 対象者・算定回数(週6単位/週12単位/急性増悪時)の考え方
- 医師の診察・指示書・計画書・記録など実務上の必要書類
- 交通費・届出・契約書の扱いと、現場で迷いやすいQ&A

リハウルフ先生、「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」って名前が長くて難しそう…。これって介護保険の訪問リハとは別物なの?

そう、別物だよ。これは”医療保険”の訪問リハビリのこと。病院や診療所が主体になって行うんだ。介護保険との優先順位がカギになるから、そこから順に押さえていこう。
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料とは?
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料とは、ひとことで言えば「医療保険による、病院・診療所からの訪問リハビリテーション」のことです。正式には診療報酬点数表の「C006 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」に位置づけられます。
イメージとしては、病院で行う疾患別リハビリテーションを、通院が難しい方の自宅で実施するようなもの。医師の診療に基づいて計画的な医学管理を行い、その医療機関に所属するPT・OT・STを訪問させて、療養上必要な指導(リハビリ)を行った場合に算定します。
主体は「保険医療機関(病院・診療所)」。訪問看護ステーションから出す介護保険の訪問リハビリ(みなし指定など)とは制度の枠組みが異なります。まず「医療保険か介護保険か」を切り分けることが出発点です。
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の点数【令和6年度】
令和6年度診療報酬における点数は、次のとおりです(1単位=20分以上の指導)。
| 区分(C006・1単位) | 点数 |
|---|---|
| 1 同一建物居住者以外の場合 | 300点 |
| 2 同一建物居住者の場合 | 255点 |
原則は「1(同一建物居住者以外)」での算定となり、1単位=20分=300点が基本形です。同じ建物に住む複数の患者へ同一日に訪問する場合は「2」の255点が適用されます。
点数は診療報酬改定のたびに見直される可能性があります。本記事は令和6年度改定時点の点数(300点/255点)を記載しています。算定にあたっては、必ず最新の点数表と告示・通知でご確認ください。
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の対象者
対象者の判定で最も重要なのが、介護保険との優先関係です。要介護・要支援の認定を受けている場合は、疾患名にかかわらず介護保険の訪問リハビリが優先されます。
そのうえで、医療保険の訪問リハビリ(在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料)の対象となるのは、次のすべてを満たす方です。
- 在宅で療養を行っている患者であること
- 介護保険の認定を受けていないこと(例外あり)
- 通院が困難な者であること(原則、訪問診療が前提/厚生局へ要確認)
- 毎月(訪問)診療を受けていること(厚生局へ要確認)
「要介護認定があるか」「通院が困難か」「訪問診療を受けているか」の3点が判定の軸。特に介護保険認定の有無は最優先のチェックポイントです。判断に迷う条件は、担当の厚生局に確認するのが確実です。
算定回数・回数制限(週6単位/週12単位/急性増悪時)
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料には、明確な算定上限があります。基本と例外を分けて押さえましょう。
| 状況 | 算定できる単位数 |
|---|---|
| 原則 | 週6単位まで(末期の悪性腫瘍の患者を除く) |
| 退院日から3月以内 | 週12単位まで(入院先医療機関の医師の指示に基づき継続する場合) |
| 急性増悪等で頻回の指導が必要な場合 | 6月に1回に限り、診療日から14日以内・14日を限度に1日4単位まで |
急性増悪時の取り扱いには補足があります。1月にバーセル指数またはFIMが5点以上悪化し、一時的に頻回の訪問リハビリが必要と認められた患者については、6月に1回、診療日から14日以内の期間で、14日を限度に1日4単位まで算定できます。対象者が要介護被保険者等の場合は、診療録に「頻回の訪問リハビリが必要と認めた理由」と「必要な期間(14日以内)」を記載する必要があります。
指導の内容(何をすれば算定できるか)
算定の対象となる指導内容は、運動機能や日常生活動作能力の維持・向上を目的としたものです。具体的には次のような訓練・指導が含まれます。
- 体位変換、起座・離床訓練、起立訓練
- 食事訓練、排泄訓練、生活適応訓練
- 基本的対人関係訓練
- 言語機能・聴覚機能等に関する指導
通院が困難な方やその家族等に対し、患者の病状・患家の家屋構造・介護力等を考慮しながら、リハビリテーションの観点から療養上必要な指導を20分以上行うことが算定の前提です。
医師の診察・指示書・計画書・記録のルール
医療保険の訪問リハビリは「医師の診療に基づく」サービスです。書類まわりの扱いは、介護保険の訪問リハビリと異なる点があるので整理しておきましょう。
医師の診察
「医師の診察は訪問診療や往診でなければいけないのか?」という質問が非常に多い論点です。この点は取り扱いが分かれるグレーな部分で、厚生局によって返答が異なることがあります。算定にあたっては、担当の厚生局へ確認するのが確実です。
指示書
算定にあたり「訪問リハビリの指示書」という決まった様式は必須ではありません。ただし、医師はPT・OT・STに対して行った指示内容の要点を診療録に記載する必要があります。要点が診療録に残っていれば要件は満たせますが、後から確認しやすいよう、指示書という形で残しておくのもおすすめです。
計画書
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の算定に、リハビリテーション計画書は必須ではありません。
記録
PT・OT・STは、医師の指示に基づいて行った指導内容の要点と、指導に要した時間を記録します。20分以上という時間要件があるため、所要時間の記録は確実に残しましょう。

介護保険の訪問リハだと計画書が大事だけど、医療保険だと計画書は必須じゃないんだね。

そう。ただし”診療録への要点記載”と”所要時間の記録”はしっかり押さえる必要がある。様式は自由でも、記録の中身は手を抜かないことが大事だよ。
交通費・届出・契約書の扱い
交通費
交通費は患家(利用者側)の負担となります。金額は各医療機関で設定することになります。「注3」に規定する交通費は実費とされています。
届出
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の算定にあたって、特別な施設基準の届出は必要ありません。
契約書
契約書は必ず交わさなければならないものではありません(外来リハビリと同様の考え方)。ただし、外来と違って「自宅でリハビリを行う」点があるため、トラブル防止のために最低限の契約書を交わしておくことをおすすめします。契約書に盛り込んでおくとよい内容は次のとおりです。
- 実施内容について
- 緊急時の対応について
- 緊急連絡先について
- 交通費について
- 料金について
- 身元引受人・極度額について
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料のよくある質問(FAQ)
難病医療費助成制度の対象になりますか?
対象になります。該当する場合は助成制度の適用について確認しておきましょう。
訪問診療は必須ですか?
ローカルルールがあるようで、取り扱いが分かれる部分です。担当の厚生局に確認することをおすすめします。
要介護者や要支援者にも訪問できますか?
要介護者・要支援者は、介護保険の訪問リハビリテーションが優先となります。ただし急性増悪時は医療保険に切り替えて実施できる場合があります。
ALSやパーキンソン病など、訪問看護で医療保険になる疾患は対象になりますか?
なりません。疾患名にかかわらず、要介護認定を受けている場合は介護保険による訪問リハビリテーションが優先です。
他の医療機関で同じ管理料を算定している場合は算定できますか?
算定できません。他の保険医療機関で在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定している患者については、重複して算定することはできません。
介護老人保健施設で通所リハビリを受けている月は算定できますか?
算定できません。介護老人保健施設において通所リハビリテーションを受けている月については算定不可です。
まとめ|医療保険の訪問リハは「優先順位」と「単位上限」を押さえる
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料は、医療保険による訪問リハビリの中心となる算定項目です。介護保険との優先関係をまず判定し、対象者・単位上限・記録のルールを正しく押さえることが、適切な算定への近道です。
- C006は医療保険の訪問リハ。令和6年度は同一建物以外300点/同一建物255点(1単位20分)
- 要介護認定があれば介護保険の訪問リハが優先。対象は在宅・通院困難・訪問診療ありが前提
- 原則週6単位、退院後3月以内は週12単位、急性増悪時は6月に1回・14日を限度に1日4単位
- 計画書は必須ではないが、診療録への指示要点記載と所要時間の記録は必須
解釈が分かれる論点(訪問診療の要否など)は、担当の厚生局に確認するのが最も確実です。最新の点数・要件は必ず告示・通知で照合しましょう。
※本記事の点数・算定要件は令和6年度診療報酬改定時点の情報です。出典:厚生労働省 診療報酬点数表(C006 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料)。


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