グループホームの生活機能向上連携加算とは?

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の生活機能向上連携加算は、(Ⅰ)100単位/月、(Ⅱ)200単位/月です。(Ⅰ)は初回月のみ1回、(Ⅱ)は初回月以降3月の間、1月につき算定できます。
2つの違いはリハビリ職が事業所を訪問するかどうかです。(Ⅰ)は助言をもらって計画を作る「助言型」、(Ⅱ)は訪問して共同で評価する「訪問型」。(Ⅰ)を算定している場合は(Ⅱ)を算定できません。
筆者は訪問リハビリを主戦場にしてきた理学療法士です。事業所側から見ると「誰に頼めばよいのか分からない」で止まりがちな加算ですが、条文が指定している相手ははっきりしています。指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リハビリテーション事業所、リハビリテーションを実施している医療提供施設の医師・PT・OT・STです。
この記事では、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)認知症対応型共同生活介護費のヌの条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- 生活機能向上連携加算(Ⅰ)100単位・(Ⅱ)200単位の違い
- (Ⅰ)は初回月に1回、(Ⅱ)は初回月以降3月の間、1月につき算定できること
- 連携相手が訪問リハ・通所リハ・リハを実施している医療提供施設に限られること
- 計画を作るのが「計画作成担当者」であること
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できないこと
- 認知症対応型共同生活介護計画に落とし込む必要があること
- 介護予防(要支援2)でも算定できること
- 依頼先の探し方と実務での進め方
ちびウルフGHにリハビリ職はいませんよね。どこに頼めばいいんですか?
リハウルフ条文が相手を限定しています。訪問リハ事業所、通所リハ事業所、リハビリを実施している医療提供施設のいずれかです。入居者がすでに通院している病院にリハ部門があれば、そこが最短ルートです。訪問リハ側から見ても、GHからの相談は珍しくありません。
グループホームの生活機能向上連携加算とは?
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の生活機能向上連携加算は、外部のリハビリ専門職と連携して、生活機能の向上を目的とした計画を作り、それに沿ったケアを行うことを評価する加算です。
GHにはリハビリ職の配置義務がありません。歩き方が不安定になってきた、食事の姿勢が崩れてきたと気づいても、事業所内に評価できる人がいない。この加算は、外部の専門職の目を借りて、その気づきをケアの手順に落とし込む仕組みです。
区分は2つあり、助言をもらって計画を作る(Ⅰ)と、リハビリ職が事業所を訪問して共同で評価する(Ⅱ)に分かれます。連携できる相手は条文で限定されており、訪問看護ステーションのリハビリ職は含まれていません。
生活機能向上連携加算の単位数と算定期間
| 区分 | 単位数 | 算定できる期間 |
|---|---|---|
| 生活機能向上連携加算(Ⅰ) | 100単位/月 | 初回のサービスが行われた日の属する月に1回 |
| 生活機能向上連携加算(Ⅱ) | 200単位/月 | 初回のサービスが行われた日の属する月以降3月の間、1月につき |
(Ⅱ)は3か月で最大600単位。3か月経過後も継続したい場合は、あらためて訪問と共同評価を行う運用になります。
生活機能向上連携加算の算定要件|(Ⅰ)は助言に基づいて計画を作る
(1)について、計画作成担当者が、指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の医師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の助言に基づき、生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画を作成し、当該計画に基づく指定認知症対応型共同生活介護を行ったときは、初回の当該指定認知症対応型共同生活介護が行われた日の属する月に、所定単位数を加算する。
ポイントは、計画を作るのはGH側の「計画作成担当者」であること。リハビリ職が計画を書くわけではありません。助言を受け、それを認知症対応型共同生活介護計画に反映させるのがGH側の仕事です。助言の内容と、それを計画のどこに落とし込んだかが対応していないと、算定根拠として弱くなります。
(Ⅱ)は訪問して共同で評価する
(2)について、利用者に対して、指定訪問リハビリテーション事業所、指定通所リハビリテーション事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の医師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指定認知症対応型共同生活介護事業所を訪問した際に、計画作成担当者が当該医師等と利用者の身体の状況等の評価を共同して行い、かつ、生活機能の向上を目的とした認知症対応型共同生活介護計画を作成した場合であって、当該医師等と連携し、当該計画に基づく指定認知症対応型共同生活介護を行ったときは、初回の当該指定認知症対応型共同生活介護が行われた日の属する月以降3月の間、1月につき所定単位数を加算する。ただし、(1)を算定している場合には算定しない。
| 比較項目 | (Ⅰ)100単位 | (Ⅱ)200単位 |
|---|---|---|
| リハビリ職の訪問 | 不要(助言でよい) | 必要 |
| 評価 | 助言に基づく | 計画作成担当者と共同で実施 |
| 算定期間 | 初回月に1回 | 初回月以降3月の間、毎月 |
| 最大 | 100単位 | 600単位 |
実務での進め方
- 対象となる入居者を選ぶ(歩行が不安定、食事の姿勢が崩れてきた、更衣に手がかかるようになった等)
- 連携先を確保する(入居者のかかりつけ医療機関のリハ部門、地域の訪問リハ事業所・通所リハ事業所)
- (Ⅱ)を狙うなら訪問日を調整し、計画作成担当者が同席して共同評価を行う
- 助言・評価の内容を認知症対応型共同生活介護計画に反映する
- 計画に基づくケアを実施し、実施状況と変化を記録する
認知症のある人の生活機能は、筋力よりも動作の手順や環境の影響を強く受けます。立ち上がりの前に足を引く、トイレの入口に目印を付ける、食卓の高さを変える——リハビリ職の助言はこうした具体的な場面に落ちたときに効きます。「機能訓練メニュー」を持ち込むより、日常の介助方法をどう変えるかを一緒に決めたほうが、GHのケアには馴染みます。(これは筆者の実務経験にもとづく整理で、制度上の定めではありません)
生活機能向上連携加算の注意点|連携相手は限定されている
- 指定訪問リハビリテーション事業所
- 指定通所リハビリテーション事業所
- リハビリテーションを実施している医療提供施設
これらに所属する医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が対象です。訪問看護ステーションから訪問しているPT・OT・STは、条文上の連携相手に含まれていません。訪問看護ステーションのリハ職に助言を求めても、この加算の要件は満たさない読み方になります。依頼前に相手方の事業所種別を確認してください。
介護予防(要支援2)でも算定できる
介護予防認知症対応型共同生活介護費(平成18年厚生労働省告示第128号)にも生活機能向上連携加算(チ)が設けられています。要支援2の入居者についても、同じ枠組みで算定できます。生活機能の維持という観点では、要支援の段階からの関与のほうが効果を見込めます。
生活機能向上連携加算のQ&A
(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できますか?
できません。(Ⅱ)の注に「(1)を算定している場合には算定しない」と定められています。
訪問看護ステーションの理学療法士に助言をもらっても算定できますか?
条文が挙げているのは訪問リハビリテーション事業所、通所リハビリテーション事業所、リハビリテーションを実施している医療提供施設です。訪問看護ステーションは含まれていません。取扱いは市町村に確認してください。
計画は誰が作るのですか?
GHの計画作成担当者です。リハビリ職の助言や共同評価を踏まえて、認知症対応型共同生活介護計画に反映させます。
(Ⅱ)は3か月を過ぎたらどうなりますか?
算定期間は初回月以降3月の間です。継続する場合は、あらためて訪問と共同評価を行ったうえで計画を作り直す運用になります。
助言はオンラインでもよいですか?
(Ⅰ)は「助言に基づき」とされ訪問は求められていませんが、方法の可否は市町村の解釈によります。(Ⅱ)は事業所を訪問した際の共同評価が要件です。
入居者全員に算定できますか?
生活機能の向上を目的とした計画を作成し、それに基づくケアを行った利用者について算定します。対象者ごとに要件を満たす必要があります。
要支援2の入居者にも算定できますか?
できます。介護予防認知症対応型共同生活介護費にも生活機能向上連携加算が設けられています。
届出は必要ですか?
この加算の注には「別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして届出を行った事業所」という文言がありません。算定にあたっての手続きは市町村に確認してください。
- 生活機能向上連携加算は(Ⅰ)100単位/月、(Ⅱ)200単位/月
- (Ⅰ)は初回月に1回、(Ⅱ)は初回月以降3月の間、1月につき算定
- (Ⅰ)は助言に基づく計画作成、(Ⅱ)はリハビリ職の訪問と共同評価が必要
- (Ⅰ)を算定している場合は(Ⅱ)を算定できない
- 連携相手は訪問リハ事業所、通所リハ事業所、リハビリを実施している医療提供施設の医師・PT・OT・ST
- 訪問看護ステーションのリハ職は条文上の連携相手に含まれていない
- 計画を作成するのはGHの計画作成担当者
- 助言・評価の内容と計画の記載が対応していることが重要
- 介護予防(要支援2)でも算定できる
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 認知症対応型共同生活介護費のヌ(生活機能向上連携加算)(厚生労働省法令等データベース)
- 指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第128号)別表 介護予防認知症対応型共同生活介護費のチ(厚生労働省法令等データベース)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第90条第5項(計画作成担当者)、第98条第1項(認知症対応型共同生活介護計画)(厚生労働省法令等データベース)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示・省令にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(市町村)の解釈をご確認ください。グループホームは地域密着型サービスであり、指定・指導は市町村が行うため、取扱いが自治体によって異なる場合があります。助言の方法(オンラインの可否)、連携相手の範囲、届出の要否については所在市町村に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。助言内容やケアの進め方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。




