グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の夜間支援体制加算は、1ユニットなら(Ⅰ)50単位/日、2ユニット以上なら(Ⅱ)25単位/日です。(Ⅰ)と(Ⅱ)を分けているのは体制の手厚さではなく、共同生活住居(ユニット)の数です。

要件の中心は、夜勤を行う介護従業者を最低基準(1ユニット1人)より1人多く配置すること。令和6年度改定で、見守り機器を利用者数の1/10以上導入し、委員会で必要な検討を行っている場合には「0.9人」の加配でも算定できるようになりました。常勤換算の考え方で0.9人という数字が出てくるため、シフトの組み方次第で届出のハードルが下がります。

もうひとつのルートが宿直職員の配置です。ただし宿直職員は事業所内での宿直が必要で、併設事業所と同時並行的に宿直勤務を行う場合は算定できません。ここは実地指導でよく確認される点です。

この記事では、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)認知症対応型共同生活介護費の注6、厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第32号の条文を確認して整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 夜間支援体制加算(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位の違いがユニット数であること
  • 原則は最低基準に1人を加えた夜勤配置であること
  • 見守り機器1/10以上+委員会の検討で「0.9人」の加配でも算定できること
  • 宿直職員を1名以上配置するルートがあること
  • 宿直職員は事業所内での宿直が必要で、併設事業所との同時並行は不可であること
  • 全ての開所日で人員配置基準を上回っている必要があること
  • 3ユニットで夜勤2人にすると別途50単位が控除されること
  • 介護予防(要支援2)でも同じ単位数で算定できること
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0.9人の加配って、どういう意味ですか?

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常勤換算での数え方です。「毎晩まるまる1人増やす」のではなく、月の夜勤時間の合計が最低基準の0.9人分を上回っていればよいという緩和です。見守り機器の導入と委員会での検討が条件になります。機器を入れたから自動的に算定できるわけではありません。

グループホームの夜間支援体制加算とは?

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の夜間支援体制加算は、夜勤の最低基準を上回る職員を配置している事業所を評価する加算です。GHの夜勤基準は1ユニットにつき1人。この加算は、そこにもう1人分の体制を積んでいることを評価します。

GHの夜間は、職員1人が9人前後の入居者を見る時間帯です。転倒、夜間の徘徊、急変。1人では対応しきれない場面が構造的に起こります。加配や宿直職員の配置は、そのリスクに人を当てる取り組みだといえます。

令和6年度改定では、見守り機器の導入と委員会での検討を条件に、加配が「0.9人」でも算定できるようになりました。人手をテクノロジーで一部代替する方向の見直しです。ただし宿直職員を併設事業所と兼務させている場合は算定できません。

夜間支援体制加算の単位数

告示126号の注6は、次のとおりです。

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして(略)届出を行った指定認知症対応型共同生活介護事業所については、当該施設基準に掲げる区分に従い、1日につき次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。
(1) 夜間支援体制加算(Ⅰ) 50単位
(2) 夜間支援体制加算(Ⅱ) 25単位

区分単位数対象
夜間支援体制加算(Ⅰ)50単位/日共同生活住居の数が1(1ユニット)の事業所
夜間支援体制加算(Ⅱ)25単位/日共同生活住居の数が2以上の事業所

施設基準告示第32号は、(Ⅰ)について「前号イ又はハに該当すること」、(Ⅱ)について「前号ロ又はニに該当するものであること」と定めています。前号(第31号)のイ・ハは共同生活住居の数が1、ロ・ニは2以上です。つまり本体報酬が(Ⅰ)の事業所は夜間支援体制加算も(Ⅰ)、本体が(Ⅱ)なら夜間支援体制加算も(Ⅱ)という対応関係になります。

夜間支援体制加算の算定要件|2つのルート

施設基準告示第32号イ(3)は、次のいずれかに該当することを求めています。

ルート1:夜勤の介護従業者を最低基準+1人(条件つきで0.9人)

夜勤を行う介護従業者の数が厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)第3号本文に規定する数に一(次に掲げる基準のいずれにも適合する場合にあっては、〇・九)を加えた数以上であること。
a 夜勤時間帯を通じて、利用者の動向を検知できる見守り機器を当該指定認知症対応型共同生活介護事業所の利用者の数の十分の一以上の数設置していること。
b 利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会において、必要な検討等が行われていること。

GHの夜勤基準は1ユニットにつき1人です。したがって1ユニットなら夜勤2人(見守り機器等の要件を満たせば1.9人)、2ユニットなら夜勤3人(同2.9人)が原則になります。

ルート2:宿直職員を1名以上配置

指定地域密着型サービス基準第九十条第一項の規定により夜間及び深夜の時間帯を通じて置くべき数の介護従業者に加えて、宿直勤務に当たる者を一名以上配置していること。

宿直職員の「同時並行」は算定対象外

厚生労働省の改定資料は、次の3点を注記しています。

  • 全ての開所日において夜間及び深夜の時間帯の体制が人員配置基準を上回っていること
  • 宿直職員は事業所内での宿直が必要
  • 併設事業所と同時並行的に宿直勤務を行う場合には算定対象外(それぞれに宿直職員が必要)

同一敷地内に小規模多機能やデイサービスを併設している法人で、宿直を兼ねさせている運用は珍しくありません。兼務させている場合、この加算は算定できません。

「全ての開所日で上回る」という条件

加配は月平均で足りればよいわけではなく、すべての開所日について夜間・深夜の体制が人員配置基準を上回っている必要があります。職員の急な欠勤で1日でも基準どおりの人数に戻った場合、その月の扱いをどうするかは市町村の判断になります。

0.9人の緩和は、あくまで「加配の量」を常勤換算で計算するときの数字です。ある日は加配ゼロで別の日は2人、という組み方を認めるものではありません。ここを取り違えると、届出後の実地指導で指摘を受けます。

共通要件——「通所介護費等算定方法第8号に該当していないこと」

施設基準告示第32号イ(1)は、通所介護費等の算定方法(平成12年厚生省告示第27号)第8号に規定する基準に該当していないことを求めています。これは定員超過利用・人員基準欠如による減算に該当していないことを指します。減算がかかっている事業所は、夜間支援体制加算を算定できません。

夜間支援体制加算の注意点|3ユニットで夜勤2人にすると50単位が控除される

夜間支援体制加算とセットで理解しておきたいのが、基本報酬の注5です。

イ(2)及びロ(2)について、共同生活住居の数が3である指定認知症対応型共同生活介護事業所が、夜勤を行う職員の員数を2人以上とする場合(指定地域密着型サービス基準第90条第1項ただし書に規定する場合に限る。)に、利用者に対して、指定認知症対応型共同生活介護を行った場合は、所定単位数から1日につき50単位を差し引いて得た単位数を算定する。

3ユニットの事業所が夜勤3人を2人に緩和する取扱いを使うと、1日50単位が引かれます。夜間支援体制加算(Ⅱ)25単位を算定していても、差引きではマイナスになる計算です。夜勤体制をどう組むかは、この2つを並べて検討してください。

介護予防(要支援2)でも算定できる

介護予防認知症対応型共同生活介護費(平成18年厚生労働省告示第128号)にも、同じ単位数で夜間支援体制加算(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位が設けられています。医療連携体制加算や看取り介護加算と違い、要支援2の入居者についても算定できます。

夜間支援体制加算のQ&A

(Ⅰ)と(Ⅱ)はどちらを選ぶのですか?

選ぶものではありません。共同生活住居の数が1なら(Ⅰ)50単位、2以上なら(Ⅱ)25単位と、施設基準で決まります。

見守り機器を入れれば算定できますか?

機器の導入だけでは足りません。夜勤時間帯を通じて利用者数の1/10以上の見守り機器を設置していること、かつ委員会で必要な検討が行われていることを満たしたうえで、加配が0.9人以上であることが要件です。

見守り機器は1/10「以上」とありますが、9人ユニットなら1台でよいですか?

条文上は利用者数の1/10以上です。9人なら0.9となり1台以上が必要という計算になりますが、端数の扱いや機器の要件(利用者の動向を検知できるもの)については市町村に確認してください。

宿直職員を併設事業所と兼務させても算定できますか?

できません。改定資料に「併設事業所と同時並行的に宿直勤務を行う場合には算定対象外(それぞれに宿直職員が必要)」と明記されています。宿直は事業所内で行う必要もあります。

1日だけ加配ができなかった月はどうなりますか?

要件は全ての開所日で人員配置基準を上回っていることです。満たせない日が生じた場合の取扱いは市町村の判断になるため、速やかに相談してください。

3ユニットで夜勤2人にした場合、加算は取れますか?

加算の要件(加配)と、基本報酬から1日50単位を差し引く取扱いは別の規定です。夜勤2人で最低基準を上回っていない場合、加算の要件は満たしません。加えて注5により50単位が控除されます。

定員超過や人員基準欠如の減算中でも算定できますか?

できません。施設基準に「通所介護費等の算定方法第8号に規定する基準に該当していないこと」が定められています。

要支援2の入居者にも算定できますか?

できます。介護予防認知症対応型共同生活介護費にも同じ単位数の夜間支援体制加算が設けられています。

まとめ
  • 夜間支援体制加算は(Ⅰ)50単位/日、(Ⅱ)25単位/日
  • (Ⅰ)は1ユニット、(Ⅱ)は2ユニット以上。本体報酬の区分と対応する
  • 原則の人員要件は、夜勤の介護従業者が最低基準に1人を加えた数以上
  • 見守り機器を利用者数の1/10以上設置し、委員会で必要な検討を行っていれば0.9人の加配でよい
  • もう一つのルートは、夜間・深夜に置くべき介護従業者に加えて宿直職員を1名以上配置すること
  • 宿直職員は事業所内での宿直が必要で、併設事業所との同時並行は算定対象外
  • 全ての開所日で人員配置基準を上回っていることが必要
  • 定員超過利用・人員基準欠如の減算に該当していないことが共通要件
  • 3ユニットで夜勤2人とする場合は、基本報酬から1日50単位が控除される
  • 介護予防(要支援2)でも同じ単位数で算定できる
  • 届出先は市町村長
参考にした情報
  • 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 認知症対応型共同生活介護費の注5・注6(厚生労働省法令等データベース)
  • 厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第31号(指定認知症対応型共同生活介護の施設基準)、第32号(夜間支援体制加算に係る施設基準)(厚生労働省法令等データベース)
  • 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)第3号(厚生労働省法令等データベース)
  • 指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第128号)別表 介護予防認知症対応型共同生活介護費の注6(厚生労働省法令等データベース)
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)3.(2)⑥ 認知症対応型共同生活介護における夜間支援体制加算の見直し

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および改定資料にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および指定権者(市町村)の解釈をご確認ください。グループホームは地域密着型サービスであり、指定・指導は市町村が行うため、加算の解釈や届出の運用が自治体によって異なる場合があります。見守り機器の台数の端数処理、加配人数の常勤換算の計算方法、要件を満たせない日が生じた場合の取扱いについては所在市町村に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

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リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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