通所介護の栄養アセスメント加算とは?50単位と外部連携での管理栄養士確保を解説

通所介護の栄養アセスメント加算は1月につき50単位。管理栄養士を雇っていなくても、外部との連携で1名以上確保すれば算定できます。連携先には医療機関や栄養ケア・ステーションが認められており、着手のハードルは見た目ほど高くありません。
ポイントは3つあります。①算定期間に上限がないこと、②LIFEへの提出が必須であること、③栄養改善サービスを提供している間は算定できないこと。とくに③には「見つけた月だけは両方取れる」という例外があり、ここを知らないと1か月分を取りこぼします。
この記事では、指定居宅サービス介護給付費単位数表(厚生省告示第19号)通所介護費 注17、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第18号の2、老企第36号を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- 単位数は1月につき50単位で、算定期間に上限がないこと
- 管理栄養士は外部との連携でよく、連携先が5類型あること
- アセスメントは3月に1回以上、体重は毎月測定すること
- 共同する職種に医師やリハ職が入っていないこと(通所リハビリとの違い)
- LIFEへの提出と活用が算定要件であること
- 栄養改善サービス実施中と終了月は算定できないこと
- 「見つけて同月に開始した月」は栄養改善加算と両方算定できること
- 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)が算定できなくなること
- ケアマネへ栄養改善サービスの検討を依頼するところまでが手順であること
- 通所リハビリの同名加算にあるリハマネ加算(ハ)の制限がないこと
栄養アセスメント加算とは?単位数は50単位
栄養アセスメント加算とは、管理栄養士が介護職員等と共同して、利用者ごとの低栄養状態のリスクと解決すべき課題を把握した場合に算定できる加算です。低栄養の人に介入する加算ではなく、低栄養のリスクを「見つける」ことを評価する加算です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 50単位 |
| 算定の単位 | 1月につき |
| 算定期間の上限 | なし |
| LIFE提出 | 必須 |
| 届出 | 必要 |
通所介護の栄養・口腔関連の加算を並べると、この加算の特徴がはっきりします。
- 栄養改善加算 200単位/回・月2回・3月以内
- 口腔機能向上加算 150〜160単位/回・月2回・3月以内
- 口腔・栄養スクリーニング加算 20単位/回・6月ごと
- 栄養アセスメント加算 50単位/月・期間の上限なし
50単位×12月=年600単位。要件を維持する限り止まらないのが、この加算の性格です。
告示の原文で算定要件を確認する
通所介護費 注17です。
次に掲げるいずれの基準にも適合しているものとして、(中略)届出を行った指定通所介護事業所において、利用者に対して、管理栄養士が介護職員等と共同して栄養アセスメント(利用者ごとの低栄養状態のリスク及び解決すべき課題を把握することをいう。)を行った場合は、栄養アセスメント加算として、1月につき50単位を所定単位数に加算する。ただし、当該利用者が栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けている間及び当該栄養改善サービスが終了した日の属する月は、算定しない。
(1)当該事業所の従業者として又は外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。
(2)利用者ごとに、管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して栄養アセスメントを実施し、当該利用者又はその家族に対してその結果を説明し、相談等に必要に応じ対応すること。
(3)利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、栄養管理の実施に当たって、当該情報その他栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。
(4)別に厚生労働大臣が定める基準に適合している指定通所介護事業所であること。
- 管理栄養士は外部との連携でもよい
- アセスメントは多職種共同で行う
- 結果を本人または家族に説明する
- LIFEへの提出と活用が要件
- 定員超過利用・人員基準欠如等の減算状態にないこと(要件4)
管理栄養士は「外部との連携」でよい——連携先は5類型
老企第36号 通所介護費(17)②が、連携先を具体的に列挙しています。
当該事業所の職員として、又は外部(他の介護事業所(栄養アセスメント加算の対象事業所に限る。)、医療機関、介護保険施設(栄養マネジメント強化加算の算定要件として規定する員数を超えて管理栄養士を置いているもの又は常勤の管理栄養士を1名以上配置しているものに限る。)又は公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」)との連携により、管理栄養士を1名以上配置して行うものであること。
| 連携先 | 条件 |
|---|---|
| 自事業所での雇用 | — |
| 他の介護事業所 | 栄養アセスメント加算の対象事業所に限る |
| 医療機関 | — |
| 介護保険施設 | 管理栄養士の配置に条件あり |
| 栄養ケア・ステーション | 日本栄養士会または都道府県栄養士会が設置・運営するもの |
ちびウルフ単独のデイサービスだと、連携先を見つけるのが大変そうです。
リハウルフそこで効くのが「栄養ケア・ステーション」なんだ。日本栄養士会と都道府県栄養士会が設置している、管理栄養士とつなぐための窓口だよ。
法人内に管理栄養士がいない事業所のために用意されている受け皿だから、単独型でも連携先を確保できる。都道府県栄養士会に問い合わせれば案内してもらえる。
実際のところ、この加算を取っていない理由の大半は「管理栄養士がいないから」という思い込みだと感じている。まず栄養士会に電話するところからでいい。
手順:3月に1回以上のアセスメント+毎月の体重測定
通知③が、実施の手順と頻度を定めています。
栄養アセスメントについては、3月に1回以上、イからニまでに掲げる手順により行うこと。あわせて、利用者の体重については、1月毎に測定すること。
イ 利用者ごとの低栄養状態のリスクを、利用開始時に把握すること。
ロ 管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとの摂食・嚥下機能及び食形態にも配慮しつつ、解決すべき栄養管理上の課題の把握を行うこと。
ハ イ及びロの結果を当該利用者又はその家族に対して説明し、必要に応じ解決すべき栄養管理上の課題に応じた栄養食事相談、情報提供等を行うこと。
ニ 低栄養状態にある利用者又はそのおそれのある利用者については、介護支援専門員と情報共有を行い、栄養改善加算に係る栄養改善サービスの提供を検討するように依頼すること。
アセスメント本体は3月に1回でよいのに、体重測定は1月ごとと別に定められています。50単位を毎月算定する以上、毎月の実施記録が必要になるのは自然な設計です。
入浴前後や来所時のルーティンに体重測定を組み込み、記録が自然に残る仕組みにしておくのが確実です。測り忘れた月の請求は避けてください。
手順ニ——ケアマネへの「依頼」まで含まれている
見落とされがちなのが手順ニです。低栄養のリスクを見つけたら、ケアマネジャーと情報共有し、栄養改善サービスの提供を検討するよう依頼するところまでが手順に含まれています。
「アセスメントをした」で完結させると、通知の手順を満たしません。モニタリング報告やサービス担当者会議の記録に、依頼した事実を残してください。
共同する職種に医師・リハ職は入っていない
要件(2)の職種列挙を、通所リハビリの同名加算と並べると違いがわかります。
| サービス | 共同する職種 |
|---|---|
| 通所介護 | 管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種 |
| 通所リハビリ | 医師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、介護職員その他の職種 |
通所介護には生活相談員が明記され、医師やリハ職は挙がっていません。「その他の職種」に含めることは可能ですが、条文が想定している中心メンバーは、通所介護では生活相談員・看護職員・介護職員です。
機能訓練指導員としてST等が在籍している事業所なら、摂食・嚥下の視点でアセスメントに加わってもらう価値は高いはずです。
栄養改善加算との関係——原則と、1か月分の例外
告示は「栄養改善サービスを受けている間」と「終了した日の属する月」は算定しないとしています。ただし通知④に例外があります。
原則として、当該利用者が栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けている間及び当該栄養改善サービスが終了した日の属する月は、栄養アセスメント加算は算定しないが、栄養アセスメント加算に基づく栄養アセスメントの結果、栄養改善加算に係る栄養改善サービスの提供が必要と判断された場合は、栄養アセスメント加算の算定月でも栄養改善加算を算定できること。
| 月の状況 | 栄養アセスメント加算 | 栄養改善加算 |
|---|---|---|
| 通常月 | 50単位 | — |
| アセスメントで必要と判断し、同月に開始 | 50単位 | 算定可 |
| 栄養改善サービス実施中 | 不可 | 200単位×月2回まで |
| 栄養改善サービス終了月 | 不可 | — |
順序が大事です。栄養アセスメント → 低栄養と判明 → 同じ月に栄養改善サービスを開始。この流れなら、その月は50単位+200単位×最大2回を算定できます。
制度の意図は明確で、見つけたら止めずに介入へつなげということです。判断の記録が同月内にあることを、必ず残してください。
口腔・栄養スクリーニング加算との関係
栄養アセスメント加算を算定している月は、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)20単位は算定できません。栄養の領域がすでに評価されているためです。
ただし、口腔のスクリーニングだけを行う(Ⅱ)5単位は算定できます。栄養側はアセスメント加算でカバーし、口腔側を(Ⅱ)で拾う組み合わせです。
| 月の状況 | 栄養アセスメント加算 | 口腔・栄養スクリーニング加算 |
|---|---|---|
| 栄養アセスメント加算を算定 | 50単位 | (Ⅰ)不可/(Ⅱ)5単位(口腔のみ)は可 |
| どちらも算定していない | — | (Ⅰ)20単位が可 |
単位数だけを見れば、栄養アセスメント加算50単位+(Ⅱ)5単位のほうが、(Ⅰ)20単位より有利です。管理栄養士の連携が確保できるなら、アセスメント加算を軸に組むのが基本になります。
LIFEへの提出が必須
要件(3)のとおり、この加算はLIFEへの情報提出と活用が必須です。提出だけでは足りません。
サービスの質の向上を図るため、LIFEへの提出情報及びフィードバック情報を活用し、利用者の状態に応じた栄養管理の内容の決定(Plan)、当該決定に基づく支援の提供(Do)、当該支援内容の評価(Check)、その評価結果を踏まえた栄養管理の内容の見直し・改善(Action)の一連のサイクル(PDCAサイクル)により、サービスの質の管理を行うこと。
科学的介護推進体制加算や個別機能訓練加算(Ⅱ)など、通所介護には他にもLIFE関連加算があります。同じ利用者について提出タイミングを揃えれば、入力の負担は大きく下がります。
通所リハビリの同名加算との違い
| 項目 | 通所介護 | 通所リハビリ |
|---|---|---|
| 単位数 | 50単位/月 | |
| リハマネ加算(ハ)との関係 | 制限なし | (ハ)算定中は算定不可 |
| 共同する職種 | 管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員等 | 医師・管理栄養士・PT・OT・ST・看護職員・介護職員等 |
| 手順・頻度 | 3月に1回以上、体重は毎月 | |
通所リハビリでは、リハマネ加算(ハ)を算定している月はこの加算を算定できません。通所介護にはその制限がないため、要件を満たせば他の加算と関係なく算定できます。他サービスの解説をそのまま当てはめないよう注意してください。
算定にあたっての実務ステップ
- 管理栄養士を、自事業所または外部連携(医療機関・栄養ケア・ステーション等)で確保する
- 連携先が見つからない場合は、都道府県栄養士会の栄養ケア・ステーションに問い合わせる
- LIFEの利用申請を行い、提出体制を整える
- 都道府県知事へ届け出る
- 利用開始時に低栄養状態のリスクを把握する
- 管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員等が共同でアセスメントを実施し、3月に1回以上のサイクルを組む
- 体重を毎月測定し、記録する
- 結果を本人または家族に説明し、必要に応じて栄養食事相談・情報提供を行う
- 低栄養またはそのおそれがある場合はケアマネへ情報提供し、栄養改善サービスの検討を依頼する
- 同月に栄養改善サービスを開始する場合は、判断の記録を残して栄養改善加算もあわせて算定する
- LIFEへ情報を提出し、フィードバックを栄養管理の見直しに反映する
2つ目が、この加算を始められるかどうかの分かれ目です。管理栄養士の確保は、雇用以外の道が用意されています。
よくある質問
栄養アセスメント加算は1日につきですか、1月につきですか?
1月につき50単位です。
算定できる期間に上限はありますか?
ありません。要件を満たす限り継続して算定できます。
管理栄養士を雇用していないと算定できませんか?
外部との連携でも算定できます。他の介護事業所、医療機関、介護保険施設、栄養ケア・ステーションとの連携により1名以上配置すればよいとされています。
連携先が見つからない場合はどうすればよいですか?
公益社団法人日本栄養士会または都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」が連携先として認められています。都道府県栄養士会にお問い合わせください。
アセスメントの頻度はどのくらいですか?
3月に1回以上です。あわせて利用者の体重は1月ごとに測定します。
管理栄養士が単独で実施してよいですか?
いいえ。管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して実施することが要件です。
結果は誰に説明しますか?
当該利用者またはその家族に説明し、相談等に必要に応じ対応することとされています。
LIFEへの提出は必須ですか?
必須です。提出だけでなく、フィードバック情報を活用したPDCAサイクルによる質の管理も求められています。
栄養改善加算と同じ月に算定できますか?
原則はできませんが、栄養アセスメントの結果、栄養改善サービスの提供が必要と判断された場合には、栄養アセスメント加算の算定月でも栄養改善加算を算定できるとされています。
口腔・栄養スクリーニング加算と併算定できますか?
(Ⅰ)20単位は算定できません。口腔のスクリーニングのみを行う(Ⅱ)5単位は算定できます。
低栄養を見つけたあと、何をすればよいですか?
介護支援専門員と情報共有を行い、栄養改善加算に係る栄養改善サービスの提供を検討するように依頼することが手順に含まれています。
通所リハビリの栄養アセスメント加算と同じですか?
単位数(50単位/月)と手順は同じですが、通所リハビリではリハビリテーションマネジメント加算(ハ)を算定している月は算定できません。通所介護にはその制限がありません。
- 通所介護の栄養アセスメント加算は1月につき50単位
- 算定期間に上限がなく、要件を満たす限り継続算定できる
- 管理栄養士は自事業所配置でも外部との連携でもよい
- 連携先は他の介護事業所・医療機関・介護保険施設・栄養ケア・ステーション
- 単独型でも栄養ケア・ステーションを通じて連携先を確保できる
- アセスメントは多職種共同で実施する
- 共同する職種に生活相談員が明記されている
- 医師やリハ職は条文上明記されていない(通所リハビリとの違い)
- 頻度は3月に1回以上
- 体重は1月ごとに測定する
- 結果は本人または家族に説明する
- 低栄養のおそれがあればケアマネへ情報共有し栄養改善サービスの検討を依頼する
- LIFEへの情報提出と活用が算定要件
- 栄養改善サービスを受けている間と終了月は算定しない
- アセスメントで必要と判断した月は栄養改善加算と同月算定できる
- 算定中は口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)を算定できない
- 口腔のみのスクリーニングによる(Ⅱ)5単位は算定できる
- 50単位+(Ⅱ)5単位は(Ⅰ)20単位より有利になる
- 定員超過利用・人員基準欠如等の減算状態では算定できない
- 通所リハビリと違い、リハマネ加算(ハ)による制限はない
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号) 通所介護費 注17、通所リハビリテーション費 注15(全国老人保健施設協会 法令Q&A検索システム)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号) 第18号の2、第19号の2
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス等に係る部分)等の制定に伴う実施上の留意事項について(老企第36号) 通所介護費(17)栄養アセスメント加算について
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および老企第36号の留意事項通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(都道府県・市町村)の解釈をご確認ください。外部連携の契約形態や記録の残し方、届出の様式・提出方法は指定権者によって取扱いが異なる場合があります。LIFEへの提出情報・提出頻度は「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」によります。単位数は1単位あたりの単価(地域区分)により実際の報酬額が変わります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。連携先の探し方や運用に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。


