生活相談員配置等加算とは?共生型ショートステイ13単位の算定要件を解説

短期入所生活介護(ショートステイ)の生活相談員配置等加算は、1日につき13単位です。ただし、どの事業所でも算定できる加算ではありません。共生型短期入所生活介護を行う事業所だけが算定できる加算です。
ここを取り違えている記事や説明を見かけます。介護保険の指定短期入所生活介護事業所が生活相談員を置いても、この加算は算定できません。算定できるのは、障害福祉の指定短期入所事業者が共生型の指定を受けてショートステイを行う場合に限られます。
もう1つ、実務で効いてくるのが「配置していた曜日だけ算定対象になる」という通知の記載です。週の一部だけ生活相談員を置いている事業所は、その曜日分しか算定できません。
この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)短期入所生活介護費の注6・注7、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第34号の4、老企第40号 第二の2(9)を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。
- 生活相談員配置等加算の単位数(13単位/日)と算定できる事業所
- 共生型短期入所生活介護でなければ算定できないこと
- 共生型の基本報酬が92%に減算される仕組みと、この加算の位置づけ
- 実際に13単位でどこまで穴埋めできるのかの試算
- 生活相談員は常勤換算1名以上でよく、兼務も認められること
- 特定の曜日だけ配置している場合の取扱い
- 「地域に貢献する活動」として通知が挙げている6つの例
- 併設型のみが対象で、単独型には付かないこと
- 通所介護の同名加算との違い
- 要支援(介護予防短期入所生活介護)でも算定できること
算定できるのは共生型短期入所生活介護だけ
告示19号の注7は、次のとおりです。
イ(2)について、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、(中略)届出を行った指定短期入所生活介護事業所において、注6を算定している場合は、生活相談員配置等加算として、1日につき13単位を所定単位数に加算する。
ポイントは「注6を算定している場合は」という条件です。注6は共生型短期入所生活介護についての規定で、所定単位数の92%を算定する、という内容になっています。
老企第40号 第二の2(9)③も、念を押しています。
なお、当該加算は、共生型短期入所生活介護の指定を受ける指定短期入所事業所においてのみ算定することができるものであること。
通常の指定短期入所生活介護事業所には、そもそも人員基準として生活相談員の配置が求められています。配置していて当たり前のものに、あらためて加算は付きません。
この加算が評価しているのは、障害福祉の短期入所事業所が高齢者を受け入れるにあたって、介護保険側のノウハウを持つ生活相談員を置いたことです。出発点が障害福祉サービス側にある、という構造を押さえてください。
共生型短期入所生活介護とは
注6が定める共生型短期入所生活介護の事業者は、次のいずれかに限られます。
- 指定障害者支援施設が、当該施設と一体的に運営を行う事業所として指定短期入所の事業を行う場合(併設事業所)
- 指定障害者支援施設が、利用されていない居室を利用して指定短期入所の事業を行う場合(空床利用型)
つまり、母体は障害者支援施設です。障害福祉サービスの短期入所(ショートステイ)を行っている事業所が、介護保険の共生型の指定も受けて、高齢の要介護者も受け入れるという形になります。
注7が「イ(2)について」と限定していることにも意味があります。イ(2)は併設型短期入所生活介護費です。共生型は障害者支援施設の併設・空床利用型に限られるため、単独型の報酬区分では算定しません。
基本報酬は92%。13単位でどこまで戻るか
共生型短期入所生活介護の基本報酬は、所定単位数の100分の92です。8%の減算がかかったうえで、生活相談員配置等加算13単位が乗る、という構造になります。
併設型短期入所生活介護費(従来型個室・多床室)で試算すると、次のようになります。
| 要介護度 | 本来の単位数 | 92%(概算) | 減る単位 | +13単位後 |
|---|---|---|---|---|
| 要介護1 | 573単位 | 約527単位 | 約−46 | 約540単位 |
| 要介護2 | 642単位 | 約591単位 | 約−51 | 約604単位 |
| 要介護3 | 715単位 | 約658単位 | 約−57 | 約671単位 |
| 要介護4 | 785単位 | 約722単位 | 約−63 | 約735単位 |
| 要介護5 | 854単位 | 約786単位 | 約−68 | 約799単位 |
※92%の値は概算です。端数処理は請求上の取扱いに従ってください。
13単位では、8%の減算分を埋めきれません。要介護3で約57単位下がるところに13単位が戻るだけなので、差し引きでは本来の報酬より低い水準にとどまります。
共生型の指定を受けるかどうかは、この加算の有無で決める話ではありません。92%という基本報酬は、共生型を選んだ時点で決まっているものです。
そのうえで、生活相談員を置き地域活動を行っていれば13単位が付く。共生型を選んだ事業所にとっては、取れるなら確実に取るべき加算という位置づけになります。要介護3で1日13単位、10人を30日受け入れれば月3,900単位です。
生活相談員は常勤換算1名以上。兼務でよい
告示95号 第34号の4が定める基準は、次の2つです。
- 生活相談員を1名以上配置していること
- 地域に貢献する活動を行っていること
1つ目について、老企第40号 第二の2(9)①が具体化しています。
生活相談員(社会福祉士、精神保健福祉士等)は、常勤換算方法で1名以上配置する必要があるが、共生型短期入所生活介護の指定を受ける障害福祉制度における指定短期入所事業所(中略)に配置している従業者の中に、既に生活相談員の要件を満たす者がいる場合には、新たに配置する必要はなく、兼務しても差し支えない。
なお、例えば、1週間のうち特定の曜日だけ生活相談員を配置している場合は、その曜日のみ加算の算定対象となる。
| 論点 | 取扱い |
|---|---|
| 常勤か | 常勤換算方法で1名以上あればよい |
| 新規採用が必要か | 不要。既存職員が要件を満たすなら兼務でよい |
| 資格 | 社会福祉士、精神保健福祉士等(通知の例示) |
| 週の一部だけの配置 | 配置している曜日のみ算定対象 |
最後の行が実務では重要です。「週3日だけ生活相談員が来ている」という事業所は、その3日分しか算定できません。13単位という単価に対して、日ごとの算定可否を管理する手間が発生します。
ちびウルフ生活相談員が休んだ日は、その日だけ外すってことですか?管理が大変そうです。
リハウルフ通知が例示しているのは「1週間のうち特定の曜日だけ配置している場合」という計画的に週の一部だけ置いている運用です。単発の休暇まで即座に外せと読むかどうかは、指定権者の解釈によります。
確実なのは勤務実績が分かる勤務表を残しておくことです。担当したケースでも、確認されるのは加算の届出そのものより、勤務表と算定日の突き合わせでした。曖昧なまま算定するより、先に指定権者へ照会したほうが早いです。
「地域に貢献する活動」は6つの例が示されている
2つ目の基準について、老企第40号 第二の2(9)②が例を挙げています。
- 地域の交流の場(開放スペースや保育園等との交流会など)の提供
- 認知症カフェ・食堂等の設置
- 地域住民が参加できるイベントやお祭り等の開催
- 地域のボランティアの受入や活動(保育所等における清掃活動等)の実施
- 協議会等を設けて地域住民が事業所の運営へ参画
- 地域住民への健康相談教室・研修会
通知は、これらを「地域や多世代との関わりを持つためのものとするよう努めること」としています。列挙されたもののどれかを必ず行え、という限定列挙ではなく、趣旨に沿った活動であればよいという書き方です。
共生型の事業所は、もともと障害福祉の分野で地域との接点を持っていることが多いはずです。既存の地域活動が、そのままこの要件に当てはまるケースは少なくありません。
新しい取り組みを始める前に、いま行っている行事・清掃活動・地域交流を棚卸ししてみてください。記録と写真が残っていれば、それが要件充足の裏づけになります。
通所介護の生活相談員配置等加算との違い
同じ名前の加算が通所介護・地域密着型通所介護にもあります。単位数も同じ13単位ですが、前提となる共生型の減算率が異なります。
| サービス | 共生型の基本報酬 | 生活相談員配置等加算 |
|---|---|---|
| 短期入所生活介護 | 所定単位数の92% | 13単位/日 |
| 通所介護(指定生活介護事業者が行う場合) | 所定単位数の93% | 13単位/日 |
| 通所介護(指定自立訓練(機能訓練・生活訓練)事業者が行う場合) | 所定単位数の95% | 13単位/日 |
| 通所介護(指定放課後等デイサービス事業者等が行う場合) | 所定単位数の90% | 13単位/日 |
加算の基準(生活相談員1名以上・地域に貢献する活動)は、告示95号でショート側が第34号の4、通所側が第14号の5として、同じ内容が定められています。両方の指定を受けている事業所は、それぞれで届出が必要です。
要支援(介護予防短期入所生活介護)でも算定できる
介護予防サービスの報酬を定める平成18年厚生労働省告示第127号にも、共生型介護予防短期入所生活介護(所定単位数の92%)と、生活相談員配置等加算13単位が同じ構造で設けられています。
ショートステイの加算は要支援になると多くが消えますが、この加算は療養食加算・送迎加算とともに残る側です。
| 加算 | 要支援での算定 |
|---|---|
| 生活相談員配置等加算 | ○(13単位・共生型に限る) |
| 送迎加算 | ○(片道184単位) |
| 療養食加算 | ○(8単位・1日3回まで) |
| 看護体制加算・医療連携強化加算・在宅中重度者受入加算 | × |
| 看取り連携体制加算・緊急短期入所受入加算・夜勤職員配置加算 | × |
生活相談員配置等加算はいくらですか?
1日につき13単位です。ただし共生型短期入所生活介護を行う事業所に限られます。
通常のショートステイでも算定できますか?
できません。告示は「注6を算定している場合は」としており、注6は共生型短期入所生活介護の規定です。通知も「共生型短期入所生活介護の指定を受ける指定短期入所事業所においてのみ算定することができる」と明記しています。
共生型短期入所生活介護とは何ですか?
障害福祉の指定短期入所事業者が、介護保険の共生型の指定を受けて要介護者にショートステイを提供するものです。指定障害者支援施設と一体的に運営する併設事業所、または空床を利用する事業所に限られます。
共生型の基本報酬はどうなりますか?
所定単位数の100分の92です。8%減算された基本報酬に、生活相談員配置等加算13単位が加わる形になります。13単位では減算分を埋めきれません。
生活相談員は常勤でなければいけませんか?
常勤換算方法で1名以上あれば足ります。既存の従業者に生活相談員の要件を満たす者がいる場合は、新たに配置する必要はなく、兼務でも差し支えないとされています。
生活相談員の資格要件は何ですか?
通知は「社会福祉士、精神保健福祉士等」と例示しています。生活相談員として認められる資格の範囲は都道府県によって異なる場合があるため、指定権者に確認してください。
週3日だけ生活相談員を配置しています。算定できますか?
その曜日のみ算定対象になります。通知に「1週間のうち特定の曜日だけ生活相談員を配置している場合は、その曜日のみ加算の算定対象となる」と明記されています。
「地域に貢献する活動」とは何をすればよいですか?
通知は、地域の交流の場の提供、認知症カフェ・食堂等の設置、地域住民が参加できるイベントやお祭りの開催、地域のボランティアの受入や活動の実施、協議会等による地域住民の運営参画、地域住民への健康相談教室・研修会を例示しています。
単独型でも算定できますか?
注7は「イ(2)について」と限定しており、イ(2)は併設型短期入所生活介護費です。共生型は障害者支援施設の併設・空床利用型に限られるため、単独型の区分では算定しません。
通所介護の生活相談員配置等加算と同じですか?
単位数は同じ13単位で、基準の内容(生活相談員1名以上・地域に貢献する活動)も共通です。ただし前提となる共生型の減算率が異なり、届出もそれぞれ必要です。
要支援でも算定できますか?
できます。介護予防短期入所生活介護にも共生型(92%)と生活相談員配置等加算13単位が同じ構造で設けられています。
- 生活相談員配置等加算は1日13単位
- 算定できるのは共生型短期入所生活介護を行う事業所に限られる
- 通常の指定短期入所生活介護事業所では算定できない
- 共生型の母体は指定障害者支援施設(併設事業所または空床利用型)
- 注7は「イ(2)=併設型短期入所生活介護費」に限定している
- 共生型の基本報酬は所定単位数の92%
- 要介護3なら約57単位下がるところに13単位が戻る計算で、減算分は埋まらない
- 共生型を選んだ事業所にとっては、取れるなら確実に取るべき加算
- 基準は①生活相談員を1名以上配置、②地域に貢献する活動を行っていること
- 生活相談員は常勤換算1名以上でよい
- 既存職員が要件を満たすなら新規配置は不要で、兼務も可
- 資格は社会福祉士・精神保健福祉士等が例示されている
- 週の特定の曜日だけ配置している場合は、その曜日のみ算定対象
- 勤務表と算定日の突き合わせが実地指導の確認ポイントになる
- 地域に貢献する活動は6つの例が示され、限定列挙ではない
- 既存の地域活動がそのまま要件に当てはまることが多い
- 通所介護にも同名・同単位の加算があるが、共生型の減算率が異なる
- 要支援(介護予防短期入所生活介護)でも同じ構造で算定できる
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 指定居宅サービス介護給付費単位数表「短期入所生活介護費」注6・注7、「通所介護費」注7・注8(厚生労働省法令等データベース)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第34号の4(短期入所生活介護費及び介護予防短期入所生活介護費における生活相談員配置等加算の基準)、第14号の5(通所介護費及び地域密着型通所介護費における生活相談員配置等加算の基準)(厚生労働省法令等データベース)
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月8日老企第40号)第二の2(9)生活相談員配置等加算について(厚生労働省法令等データベース)
- 指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第127号)介護予防短期入所生活介護費 注6・注7(全国老人保健施設協会 法令・Q&A検索システム)
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(PDF)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および留意事項通知にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および指定権者の解釈をご確認ください。生活相談員として認められる資格の範囲、配置日以外の日の取扱い、地域に貢献する活動の充足性の判断は、都道府県・指定都市によって異なる場合があります。本文中の92%の単位数は概算であり、端数処理を含む実際の請求額とは異なります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。勤務表の残し方や地域活動の棚卸しに関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。




